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インドネシアの地方都市バンドンにあるパジャジャラン国立大学で人気なのが、日本語学科だ。約800人の生徒が日本語を学んでいる。しかし学習熱が高まる一方で、学生たちは日本企業に就職するルートがないことが悩みだった。そんなインドネシアの大学を訪れたのが、企業に人材採用のアドバイスを続けてきた日経HRの石渡順也さん。実は石渡さん、去年から東南アジアの大学生たちの日本での就職活動を後押しするプロジェクトを始めていたのだ。昨年はベトナムやインドネシアなどASEAN地域から日本で働きたい優秀な学生およそ80人を選抜して日本に無料招待。東京で一流企業18社と合同面接会を開催し24人を就職させた実績を持つ。グローバル展開を考える企業にとっては、優秀なアジア学生を効率的に獲得が出来ると好評だった。今年8月、日経HRはアジア8カ国から学生2200人を書類選考して絞り込んだ100人を東京に呼び、2回目となる大面接会を開催した。果たして何人が狭き門をくぐり抜けることができるのか。そして企業は望む人材を獲得できるか…。今や日本国内はもとより世界各国に40店舗を展開する博多ラーメン・一風堂。しかしシンガポールにある一風堂の拠点で、創業者の河原成美さんは悩んでいた。「どんどん海外に進出したいのに、現場を担う人材が足りない」。そこで目をつけたのが、日本で勉強する外国人留学生。グローバルキャリア採用担当の原智彦さんは留学生を多く抱える日本語学校や大学に出向き、会社の海外戦略を説明して優秀な学生を紹介してもらう「青田買い」を展開しようと考えた。そして8月、福岡の日本語学校から紹介され、初めて店にやってきたのがネパールから来た留学生。幹部候補生として店舗経営のノウハウを叩き込む英才教育が始まった!
いま台湾で大ヒットしているお菓子がある。日本の有楽製菓が作るチョコレート菓子「ブラックサンダー」だ。有楽製菓は1955年に創業した老舗の菓子メーカー。しかし、これまでは他社から受注するPBブランドやOEM商品の生産が多かった。数少ない自社ブランド商品の1つが、ブラックサンダー。発売当初はそれほど売れなかったが、2008年、北京五輪に出場した体操の内村航平選手がブラックサンダーを好きだと報じられたことで、突然、ブームとなった。その人気が台湾にも波及したというわけだ。この人気に乗じて、有楽製菓はさらに販売網の拡大に動いた。今年9月、ブラックサンダーをアメリカに売り込みに行ったのだ。チョコレート菓子が溢れるアメリカ市場で、果たして受け入れられるのか?インドネシアの首都ジャカルタでは、車体に「POCKY」と書かれた真っ赤なワゴン車が街中を走る。グリコのポッキーだ。向かう先は中学や高校。無料で配るキャンペーンだ。生徒たちはスマートフォンを使ってSNSに写真やコメントを投稿するため、ポッキーの噂が広まるのだ。グリコは早くから海外展開を始め、主力商品のポッキーはすでに約30の国や地域で販売されている。しかし、フランスでは「ミカド」と呼ばれるなど、商品名が国によって違った。また、これまでは現地の代理店に販売を任せていたため、認知度が低い国も多かった。そこで、グリコが打ち出したのが、「ポッキーグローバルブランド化計画」。2020年には、海外での売り上げを現在の約2.5倍にあたる10億ドルを目指すという目標を立て、販売のテコ入れに動き出した。今年、初めて日本人駐在員を派遣したのが、マレーシア。その市場では、キットカットなど欧米の菓子メーカーの商品が席巻していた。そこでグリコは、ライバルがまだ進出していないボルネオのジャングルの奥地に向かった。ポッキーの巻き返しはなるのか?
今年7月、中国の食肉会社が使用期限切れの肉を使用していた問題が発覚し消費者の間で再び、“食の安心・安全”への関心が高まっている。番組では、食の安心・安全にこだわり、好業績をあげる企業に注目。東京や埼玉に20店舗を展開する「ひびき」。埼玉県川越市に本社をおく飲食チェーンだ。店の看板メニューは豚肉を串で刺して焼いた「やきとん」だ。その「やきとん」に特製の味噌だれをつけて食べるというスタイルがお客に支持され毎日店は満席状態だ。この店の大きな“売り”がもうひとつある。それは自社で開発した「生産者流通履歴システム」(トレーサビリティー)だ。 「豚肉の生産業者情報」から、「肉を加工した場所・日付」、さらに驚くべきは、串に肉を刺した人まで分かるという特許までとったシステムだ。こうした情報は、ひびきのホームページで公開され毎日更新。さらに、お客に見えるように店頭でも公開されている。こうした取り組みを仕掛けたのが社長の日疋好春さん(43)。そんな「ひびき」に今年、「合同で新会社を立ち上げたい」という新たな話が持ちかけられた。その相手は全農。小規模のチェーン店ながら、「食の安全安心」に徹底的にこだわるひびきの姿勢に惚れ込んだ全農が、共同で新たな飲食店を出店したいというのだ。果たしてどんな店が出来上がるのか?愛知県豊橋市を中心に5店舗を展開するスーパー「サンヨネ」。客のお目当ては、安心安全のサンヨネオリジナル商品。青果売り場を見てみるとポップには、「サンヨネ独自のミネラル豊富な肥料を使用」の文字。実は、サンヨネは契約した生産者に特注の肥料を提供し、低農薬の作物作りを依頼しているのだ。オリジナル商品にはピンクのハートマークが貼られ、その数420種類にものぼる。しかも手ごろな値段におさえられているのが特徴だ。全国各地の生産者とともに安心安全の商品作りを続ける三浦さんの挑戦を追った。
メーカーなどから依頼を受け、営業活動のサポートを行う「インブルーム」という会社がある。インブルームの特徴はスタッフのほとんどが主婦という点だ。男性の営業マンではなかなかうまくいかない現場などで活躍しているという。例えば、乳製品のメーカーがスーパーマーケットでの自社製品の売り上げが伸び悩んでいるとする。そのメーカーの営業担当者は男性ばかり。そこで、インブルームの主婦スタッフが代わりに営業に行く。すると、売り場のパート社員と立ち話感覚で仲良くなり、商品の陳列を工夫してもらうといったものだ。主婦は自分が購入する立場でもあるため、実体験を仕事に取り入れやすい。また、近所や学校関係者との付き合いにより、自然とコミュニケーション能力を身に着けているという特徴もある。結婚や出産の前には企業でバリバリ働いていた人も多く、即戦力でもある。そんな主婦たちの営業テクとは!?一方、埼玉県を地盤とするスーパーマーケット「ヤオコー」。スーパー単体では25期連続で増収増益と好調だ。その秘密は、従業員の約8割を占めるパート社員のモチベーションの高さにある。パート社員はほとんどが主婦だ。ヤオコーは創業時からパート社員と正社員をなるべく同じように扱い、仕事の権限を委譲している。例えば、売り場作りはパート社員に一任。各店舗に設けた「クッキングサポート」と呼ばれる調理実演コーナーでは、専任のパート社員が主婦目線で簡単に作れるレシピを自ら考え、客に提案する。また、店頭販促の方法なども彼女たちに任せている。結果を出せば見返りもある。年に2回のボーナスの他、決算時には業績に応じてボーナスも出る。さらに毎月1回、130以上ある店舗から優秀なパート社員を集めて表彰。海外への研修旅行などの特典も与える。パートの主婦たちがどんどん“やる気”になる。そんなスーパーの秘密を探る。
2020年の東京五輪などで、いま建設需要が急激に膨らんでいる。ところが、現場で作業する職人の人数が足りず、建設を延期するケースが出てきている。また、職人を募集するにも、危険、きつい、汚いの「3K」のイメージがつきすぎ、若手はなかなか集まらない。いまや現場を支えているのは55歳以上のベテランが3割を占め、29歳以下は1割ほどにすぎないという。大林組は今年5月、職業訓練校を開いた。約900社ある取引先の建設会社の若手を育成するのが狙いだ。大手ゼネコンが行うのは初めて。そこには、業界全体の危機感がある。技術を伝えるだけでなく、各社の若手を一堂に集めることで、横のつながりを作ろうという目的があるという。一方、女性を活用しようという動きも活発になってきた。例えば、三井住友建設が施工している晴海三丁目の現場。協力会社を含め12人の女性の職人や技術者が「チーム晴海女子」を結成。女性が働きやすい環境を作ったり、現場見学に来た女子学生の案内をするなど、後に続く若い女性たちを増やそうと動き出した。東大や京大、早大など、高学歴の大学や大学院を卒業した職人が集まる建設会社がある。静岡県沼津市にある平成建設だ。平成元年に創業した時から、「いずれ建設業界で職人が不足するだろう」との危機感をもって職人を採用し、育ててきたという。能力に応じて給料や手当がもらえ、研修や待遇なども好評で、いまや学生に人気の就職先となっている。また、現場の作業も独特だ。通常、建設現場では作業ごとに専門業者に外注する。しかし、平成建設では、ほとんどの作業を自社でまかなっている。社員一人ひとりに様々な資格を取らせ、「多能工」として育てているからだ。これにより、現場で欠員が出た時に迅速に対応できるほか、色々な作業ができるため、仕事に飽きにくいなどのメリットがある。また、同じ会社の社員たちなので先輩後輩の意識が強く、技術の伝承も行いやすいという。
新鮮な魚を客に提供し、人気を集める居酒屋がある。「四十八漁場」だ。運営するのはエー・ピーカンパニー。自社の養鶏場で育てた地鶏を使った居酒屋「塚田農場」で知られる会社だ。岩手県陸前高田市。エー・ピーカンパニーのバイヤー、長野泰昌さんは、漁船に乗り込んで魚を目利きする。長野さんは現地に常駐。獲った魚の鮮度を保つため、神経締めにして「四十八漁場」に直送している。また、魚や漁師の写真を撮影して、おいしい食べ方などの情報を店に送る。11月中旬、新たにオープンしたのが「四十八漁場」調布店。オープンに合わせて、エー・ピーカンパニーは新たな目玉を考えていた。目を付けたのは、うまい寒ブリが評判の福井県美浜町の日向漁港。ここに社員を送り込み、新たな仕入れ拠点にしようというのだが、果たして・・・。一方、大阪府豊中市にある「ぶっちぎり寿司」。店内のメニューを見てみると、「スギ」「ニザダイ」「フエフキダイ」「ウスバハギ」など、聞きなれない寿司ネタが並ぶ。どれも天然魚で味も良いのに、値段は1貫あたり、ほとんどが110円と安い。実はこれらは、漁獲量が少ないために市場に出荷されない、いわゆる“捨てられる魚”だ。捨てられる魚だから安い。「こうした魚を使うことで、大手チェーンが仕入れで発揮するスケールメリットに対抗できる」と、運営するナリッシュ・カンパニー社長の佐々木俊明さんは話す。実際、捨てられる魚を使い出してから、店の売り上げは15%アップしたという。一方、この「ぶっちぎり寿司」に魚を卸しているのが京都の魚卸「食一」の代表、田中淳士さんだ。田中さんは市場に出ない珍しい魚を「漁港に眠る宝」と呼び、全国の漁協や漁師などから直接買い付けている。「ぶっちぎり寿司」の佐々木さんは、この秋、田中さんに目玉となる新たな魚の入荷を依頼。これを受け、田中さんは漁港の開拓に奔走する。客が喜ぶ魚を求めて駆け回る、舞台裏に密着。
関西地方で70店余りを展開する「がんこ寿司」。本格的な和食をリーズナブルな値段で味わえると人気の店だ。がんこ寿司がこれから本腰を入れようとしているのが、7店舗しかない関東での店舗拡大。関西では新規オープンした店でも客が入る。しかし、知名度の低い東京では、サービスが悪ければすぐに客が離れてしまう。そこで、サービスを向上するスピードを上げようと、がんこ寿司はある試みを始めた。今年10月に東新宿にオープンした「がんこ・新宿山野愛子邸」。仕事を始める店のスタッフたちに着けられたのは、GPS装置。店内各所に設置したセンサーによって、スタッフ一人ひとりの動きを計測し、データ化するというのだ。その結果、「接客係が客室よりも廊下やバックヤードにいる時間が長い」ことなどがわかった。動きのデータ化によって、サービスをどう変えていくのか?今年10月3日にオープンした、ユニクロ吉祥寺店。実はこの店、ユニクロの新戦略の実験店だという。その戦略とは「地域密着」。店の2階には、吉祥寺の様々な商店を紹介するパネルが設けられているほか、商品の並べ方や提案するコーディネートも、吉祥寺の客層に合うよう工夫している。また、地元の商店会に加入し、ユニクロの店舗スタッフが地域の祭りやイベントにも参加するなど、これまでのユニクロにはなかった取り組みを進めている。実はこの「地域密着」は、今年1月、ユニクロを展開するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が打ち出した戦略だ。これまで、ユニクロは本部が決めた方針をもとに、各店舗が基本的に同じように店舗をつくり、同じ商品やサービスを提供してきた。ところが、店舗数が増えた結果、消費者からは「画一的で無個性」と受け取られるようにもなってきた。新規に出店する店がある一方で閉鎖する店も多く、日本国内の店舗数はここ数年、頭打ちとなっている。この状況を打破するために打ち出した「地域密着」戦略。果たして、マニュアルから脱して、個性的な店をつくることができるのか?
スーパーコンピューターから携帯電話までを製造してきた「富士通」。1935年の設立以来、最先端の技術を数多く開発し、特許を取得してきた。その数は約10万件。しかし、全ての技術が製品化に結びついている訳ではない。特許を取得したものの使われないまま埋もれている技術も多い。それらの特許を維持するためにかかる費用は年間数十億円にものぼり、大きな悩みとなっていた。そこで、「埋もれた技術に、もう一度光を当てよう」と、特命チームが立ち上がった。自社の技術を活用してもらえないかと、全国の中小企業に売り込み始めたのだ。中小企業にとっても大企業の技術を使えるメリットは大きい。いま、富士通が小さな町工場とタッグを組んで開発しているのが、「ポロシャツ」。富士通のイメージとはかけ離れているが、そこにも富士通の「埋もれた技術」が隠されていた。一方、他社の技術を活用して、数々のアイデア商品を開発している会社がある。事務用品メーカーの「キングジム」。書類ファイルやネームテープの「テプラ」等で知られている会社だ。アイデア商品を開発するようになったのは、デジタル化で書類が減るという危機感があったからだという。キングジムの新商品の開発には特徴がある。社員が新製品のアイデアを提案する製品開発会議。社長や幹部たちがずらりと並ぶが、参加者のうち1人でもそのアイデアに賛同すれば、すぐに商品化が決まる。「発売してみなきゃわからない。10本のうち1本当たればいい」というのが社長の口癖だ。結果として売れず、在庫の山となってしまったものも数多くあるが、アイデアを簡単につぶさないことを優先しているという。番組では、開発部隊の新たな商品開発に密着。果たして、どんな技術を用いた、どんな商品が生まれるのか。。。
愛知県・名古屋市から車で1時間半の蒲郡市に「ラグーナ蒲郡」(現在はラグーナテンボスに名称変更)という複合レジャー施設がある。2001年、愛知県やトヨタ自動車などが出資する第三セクターが運営する施設として開業。海のテーマパークをウリに、東海3県からの集客を狙ったが、近隣のテーマパーク・遊園地との競争が激化して、年々入場者数が減少、経営危機に陥っていた。昨年6月、その立て直しに名乗りを上げたのが大手旅行会社のエイチ・アイ・エス。経営難に陥っていた長崎のハウステンボスをわずか1年で再生させたエイチ・アイ・エスは、そのノウハウを注ぎ込み、ラグーナを再建させようというのだ。陣頭指揮をとるのが、エイチ・アイ・エスから送り込まれた社長の巽泰弘さん。ラグーナ蒲郡は、集客のほとんどを施設内の巨大なプールの利用に頼っていた。課題は夏以外のシーズンの集客。巽さんは、一年中、しかも夜でも客が楽しむことができる施設に変貌させるため、日本初となるアトラクションの導入を検討。日本初のアトラクションとは一体何か?遊園地が新たなアトラクションを導入するには、莫大なコストが必要だ。例えば人気のジェットコースターを設置しようとすれば、最低でも5億円以上はかかるという。目玉となる乗り物を設置して集客をはかりたいものの、資金が足りない地方の遊園地にとって、頭の痛い問題だ。ところが…なんと格安で目玉となる遊具を設置できる方法があった。それが“中古”の遊具だ。大阪にある岡本製作所は、閉園した遊園地のジェットコースターや観覧車などを買いとり、整備や修理をした上で、格安で販売している。今年1月、閉園を余儀なくされたばかりのある遊園地に向かった岡本製作所のスタッフ達。そこには使える遊具が多数あった。さっそく乗り物などの解体作業が始まった。そしてリサイクルされた中古遊具が向かった先は?
国内有数のアパレル産業の町、東京・墨田区。ここに去年、あるアパレルショップがオープンした。江戸の粋をコンセプトにしたというブランドの名前は「IKIJI(イキジ)」。カットソーの「精巧」、ニットの「テルタ」、シャツの「ウィンスロップ」、革製品の「二宮五郎商店」。。。それぞれを専門とする4社が共同で立ち上げたブランドだ。いずれも、長い間、国内外の有名ブランドの商品を手がけ、技術力を培ってきた工場ばかり。そのIKIJIが、イタリアで開催される世界最大規模の展示会に参加できることになった。海外へ打って出る足掛かりにするべく、メンバーたちが持ち込んだのは、「メード・イン・ジャパン」の品質と和のデザインを強調した製品。下町の工場が手を組んだ日本の新たなブランドは、海外で飛躍できるのだろうか。一方、アパレル業界に新たな流通の仕組みを持ち込んだ人物がいる。熊本市のベンチャー企業「シタテル」の社長、河野秀和さんだ。河野さんは、小さなセレクトショップから作ってみたい商品を聞き出し、縫製工場に直接、生産を依頼するというサービスを開始した。これまでセレクトショップ(や小売店)は、バイヤーが既製品を買ってくることで商品を揃えてきた。オリジナル商品を作りたくても、少ない量では工場に作ってもらえなかったからだ。一方、繊維工場は、長年、大手メーカーからの受注に頼ってきたため、新たな客を開拓するルートがないという問題を抱えていた。河野さんのサービスでは、店にとってはオリジナル商品を作ることができ、縫製工場にとっては新たな商売を運んできてくれるというメリットがある。セレクトショップと工場をマッチングさせるという、アパレル業界にとっての流通革命。繊維工場を救うきっかけになるのだろうか。
地方スーパーの苦境が伝わる中、山梨・甲府市を中心に13店舗を展開する「いちやまマート」は、地元客で毎日大賑わい。その秘密は中小スーパーでは珍しい充実したPB商品だ。ブランド名は『美味安心』。消費者の健康志向に配慮したものでその数は400種類以上。社長の三科雅嗣さんは「ウチはお客に健康になってもらうことに力を入れている。大手さんはここまでやれない」と胸を張る。さらに全国の中小スーパーから「PB商品を置かせてほしい」と要望を受けて、積極的に商品を提供している。愛知県のスーパー「やまひこ」もそのひとつ。2月末、やまひこの担当者が「いちやまマート」で研修に臨むことになった。なぜ研修が必要なのか?それは商品だけでなく、客のニーズに対応する売り場を作り上げるノウハウも伝授するのが「いちやま流」だというのだ。果たして「地域スーパー共闘」の取り組みは、実を結ぶのか?徳島で生まれた「とくし丸」という移動販売の仕組みが、いま全国で注目されている。地域のスーパーと契約して、個人宅の玄関先一軒一軒を特殊な車両で訪問している。価格はスーパーの店頭価格に加え、1商品につき10円の手数料かかるが、買い物に苦労する高齢者にとっては利便性のメリットの方が大きいという。社長の住友達也さんは、高齢の両親が買い物に苦労する姿を見てこの「究極の移動販売」を思いついた。これまでも売り上げアップのため移動販売を始めるスーパーはあったが、いずれも手間がかかり過ぎて撤退を余儀なくされてきた。しかし「とくし丸」は独自ノウハウで、利益がでる仕組みをつくり上げたのだ。その仕組みに売り上げに悩む地方スーパーから連携したいとの要請が殺到しているという。
三陸沿岸の浅瀬に自生する海藻「アカモク」。ワカメやコンブの仲間で湯がいて刻むと、メカブに似た粘り気のある食感となる。一部の地域ではご飯のお供として食されているが、地元漁師の間では「船のスクリューや網に絡む」という理由で、これまでむしろ嫌がられる存在だった。宮城県塩釜市で水産加工会社を営む赤間俊介さんは震災前からアカモクに着目し、商品化してきたが、地元以外には販路が広がらなかった。その赤間さんに手を差し伸べたのが、「東の食の会」。オイシックス、カフェカンパニー、キリン、キユーピー、ぐるなびなど、食を通じて被災地を支援しようという企業の集まりだ。赤間さんと東の食の会、さらに岩手県の水産加工業者も手を組んで、アカモクを全国に売り出そうと動き出した。一方、岩手県陸前高田市。その町で昔から愛されてきたもう1つの木がある。「気仙椿」だ。岩手県大船渡市から宮城県の気仙沼市あたりまで、三陸沿岸に自生する。昔から地元の人々は、気仙椿の種から採った油を様々な用途に使ってきた。肌や髪の手入れ、やけどの塗薬として、また郷土料理であるけんちん汁を作るときなど、料理にも利用されてきた。しかし、地元以外ではほとんど知られていなかった。その気仙椿に注目したのが、大手化粧品メーカーの資生堂。復興支援の一環として、気仙椿を新たな産業に育てるプロジェクトを立ち上げた。第1弾の商品として開発したのが、気仙椿の油を使ったドレッシング。去年11月に系列のレストランである資生堂パーラーなどで約5000本を売り出したところ、瞬く間に完売した。今後、新商品の開発を進めていくという。また、ハリウッド化粧品も復興支援として気仙椿の油を使ったハンドクリームを商品化。これも予想を上回る人気のため、今後、全国で売り出していくという。
東南アジアの中で、最もマイナーな存在だった国・ラオスがいま、脚光を浴びている。ニューヨークタイムズで、「世界で行くべき国」のナンバーワンに選ばれ、その安い人件費を理由に海外の企業が続々と進出しているのだ。しかしその一方で、戦争の傷跡がいまも残る場所が数多く見られ、負の部分も。番組では、知られざる国・ラオスを深く掘り下げるとともに、ラオス発展のために尽力する日本人の姿と両国の間にある固い絆をみていく。
世界一厳しいとも言われる日本市場を勝ち抜いてきたフランチャイズチェーンがいま、世界の多くの国の人たちから注目を集めている。飲食店にしてもコンビニにしても、自分で一から立ち上げるよりも、日本で培われた“ノウハウ”に乗ったほうが“成功の近道”と考える外国人が多いからだ。元々は、日本の国内向けに開かれていた、フランチャイズのイベントにも、外国人が殺到していた。中国・武漢から引き合いがあった人気ラーメンチェーンと今や日本一のハウスクリーニングのチェーンの中国進出を取材した。
「親日」として知られるベトナムで、日本の沸騰が続いている。リゾート地として人気急上昇中のダナン。去年その町に進出したのが栃木の“人情ベーカリー”アキモトだ。オープンから半年あまり、日本のパンは根付いたのか再び訪れた。一方、ホーチミンではオールジャパンによる交通インフラが続々と誕生しようとしている。さらにホーチミン郊外では、東急が手掛ける日本式の街づくりが進む。ベトナムのさらなる成長の可能性を徹底解説する。
戦後70年を経たフィリピンで「旧日本軍が隠した」とされる伝説の財宝探しが続いている。去年海底から「戦艦武蔵」が発見された。取材班はトレジャーハンター600人を束ねる人物に密着。ジャングル深くの洞窟で見つかった“謎の石”の鑑定結果とは・・・。さらに首都マニラの日本食ブームは大人気のトンカツに加え、カレーライスに立ち食いそば、そして今の主役はお好み焼に。日本の大手チェーンが進出し、行列が絶えない盛況ぶり。東南アジア一の成長を続け、人口1億人を突破した有望市場のフィリピン。新たな大統領が選出され注目度も増す中、かつてない「蜜月関係」にあるといわれる日本とフィリピンの今後を展望する。
ジパングが追い続けるシリーズ企画「中国異変!」。今回も日本人が知らない驚きの現場を直撃した。数年前に最高値で3億円を超えた「犬バブル」に新展開。世界遺産「万里の長城」を中国政府が人工衛星で監視。政府による規制の中も、一獲千金者が続出している新ビジネスとは…。さらに香港の民主化運動「雨傘運動」から2年。番組が追い続ける「女神」が新たな戦いに挑む。緊迫する日中関係。いまの中国が譲れない“越えてはならない一線”を番組独自の視点から解き明かす。
番組が追い続けるシリーズ企画「中国異変」。今回は日本人が知らない中国経済「大転換」の現場を取材。中心は中国の数年後を映すといわれる広東省・深?経済特区。深?は中国が初めて海外に経済を開いた35年前の「改革開放」の地。その後「世界の工場」として発展した「深?モデル」が全土に波及し、中国を世界2位の経済大国へと導いたのだ。そして今、中国経済の未来が見える「新深?モデル」が世界の注目を集めている。日本人が知らない「メードインチャイナ」の未知の実力と大いなる野望を解き明かす。
ジパングが注目する「アジアの奇跡」「ラストフロンティア」と呼ばれるミャンマー。日本との距離も指導者アウン・サン・スー・チー氏が来日するなど、急接近している。急成長する最大都市ヤンゴンはさながら、かつての日本の高度成長期前夜のようだ。しかし成長の足かせとなる大問題も発生。ペットボトルで売られている危険な“闇ガソリン”にインフラ未整備による洪水の発生…。日本が持つ知恵やノウハウがミャンマーで求められていた。日本の「経験に基づいた」様々な支援と意外なビジネスを追った。
池上彰が来たる12月15日の日露首脳会談を前に、北方領土問題を歴史から今後の見通しまで詳しく解説する。日本人が知らない北方4島で進む開発や島民の暮らしぶりを取材。現地の経済を牛耳る巨大企業と日本との意外な関係も明らかになった。さらに「日本から一番近いヨーロッパ」と言われるロシア極東の街では観光客が訪れる一方、様々な開発がストップし企業が撤退。そこにはロシアが抱える深刻な危機と、日本に期待するしかない特別な事情が隠されていた。
異常気象が原因で、水の都ベネチアが水没の危機に瀕しているという。イタリアは水没を止める国家プロジェクトを計画、巨大な可動式堤防で高潮が街に侵入するのを防ぐという。その計画を日本の意外な技術が支えていた。それは塗料メーカーが開発した特殊な塗料…そのオンリーワン技術に迫る。一方、落雷による被害が世界一といわれる国がアフリカ・ルワンダだ。日本で唯一の雷対策専門のメーカーが最新技術で、人々の命を救おうとしていた。
シリーズ企画、ニュースが伝えない「中国異変」。今回のテーマは中国経済の真相。中国はいま「上り坂」か、それとも錯覚で「下り坂」なのか実態に迫る。成長の裏で中国経済の足かせとなっているのが、なくならない「食の安全」や「偽物天国」と揶揄されるコピー商品の問題。一方「世界の工場」から「新産業」への転換を図る中、沸騰しているのが中国発の驚き新ビジネス。減速傾向にあった成長率GDPも数年ぶりに上昇。中国が威信をかける巨大プロジェクトと果てなき野望とは・・・。
いまや世界どこに行っても食べられる「日本食」。しかし、その様相は、変わりつつある。現在パリで沸騰しているのが「餃子」と「お好み焼き」。もちろん、美味しいから人気なのだが、パリで人気なのは、他にも理由が。それは、「餃子」も「お好み焼き」も、“中に色々なものが入れられる”から。欧州の中でも、特に移民、難民問題で揺れるフランス。中に入れるものを変えるだけで、様々な宗教、人種にすぐに対応できる。日本食がいま、多民族国家・フランスを平和にする!?
政府の「働き方改革」を受け、徐々だが変わりつつある日本人の働き方。残業が減り、“出来た時間”を持て余すサラリーマンも増えてきている。今回のジパングは、「いかに働くか」「充実した時間をいかに過ごすか」を考える。そのヒントは、北欧の“世界一幸福な国”と言われる、デンマークにあった。デンマーク語で「居心地がいい」「心安らぐ」といった意味をもつ“ヒュッゲ”という言葉。デンマークの人達は、職場で、家で、レストランで“ヒュッゲな生活”を楽しんでいた。「働く時間」「職場環境」が変わっても、充実した時間を過ごせるかは、働く人次第。
春を迎え、虫たちの活動がいよいよ本格化する。その前に手を打ちたいのが「害虫対策」。世界の害虫対策市場は6兆円といわれ、関連ビジネスも急拡大している。さらに気になるのは、ニュースになった「ヒアリ」や「デング熱」など、外来種の襲来だ。今年どうなるのか?さらに「一匹が命取り」になり兼ねない食品メーカーの異物混入対策の現状は?昆虫研究家としても知られる養老孟司氏が、虫の知られざる生態や人間と虫の歴史、そして未来を語る。
中国・習近平国家主席が進める経済圏構想「一帯一路」に異変が起きている。「一帯一路」の重要な拠点であるインド洋のモルディブでは、中国からの巨額の債務をめぐり国民が反発。東南アジアの経済大国・マレーシアには、中国との関係を見直すという92歳のマハティール首相が復権。一方、日本は今年、中国との関係改善を進め「一帯一路」に協力していく方針を固めている。ほころびも見え始めた「一帯一路」に日本はどう関わっていくのか?そして、中国とどう向き合っていくのか?
ニュースで連日話題の「米中貿易戦争」。実はニセ物か?本物か?をめぐる知的財産権の争いでもある。国際的な特許の数で日本を抜いて、アメリカに次ぎ世界2位となった中国。しかしその裏で今も、ニセ物の巨大闇市場が広がっている。特に急拡大しているのが日本の高級農産品。日本が開発した高級ぶどう「シャインマスカット」の苗が流出し、中国で勝手に生産・販売されていたのだ。ジパング取材班は情報を入手し“偽マスカット村”に初潜入!数億円を荒稼ぎする驚きの実態を突き止めた。
今、世界の街に奇抜なデザインの建物が次々に出現。それを一目見ようと多くの観光客が押し寄せ、莫大な経済効果が生まれている。そんな「一生に一度は見たい」世界各地の驚きの建物を一挙紹介。この夏、マカオにオープンした最高級ホテル。日本の新国立競技場で話題になった建設不可能“アンビルトの女王”ザハ・ハディドの設計だ。建物の真ん中に穴の空いた異様な形で、柱を一つも使っていないという驚きのホテルだ。さらに世界中から観光客を呼び込む、スペインの美術館は“建築界の鬼才”フランク・ゲーリー氏が設計。建築が街を復活させた「ビルバオの奇跡」とは・・・。さらにスイスでは、日本式の「木」を取り入れた建築が大人気に。自然との調和そして温かみ、コンクリートから「木」の時代へ。日本が誇る建築家、隈研吾氏が知られざる木造建築の凄さを語る。
8月15日、終戦から73年目の夏。番組では東南アジアのミャンマーで戦争の後始末をしている日本人を追った。その人の名前は井本勝幸さん。ミャンマーで戦死し、今も祖国に戻れない旧日本兵の遺骨を調査している。目標は1人でも多くの旧日本兵の遺骨を日本に帰国させること。しかし、なぜ日本人の井本さんがミャンマーという異国の地で旧日本兵の遺骨を探すことが出来るのか。それを可能にしたのはミャンマーの少数民族との間に築いた深い絆だった。民主化したミャンマーには2011年以降、ビジネスチャンスを狙って世界中からたくさんの企業が進出した。激変するミャンマーで井本さんと少数民族との間に何があったのか。そして、井本さんの遺骨調査はどんな結末を迎えるのか?
「海外で住むならどこがいい?」そんな理想のセカンドライフを提案する人気シリーズ企画の第3弾。今回、取り上げるのはヨーロッパで「退職後に住みたい国」ナンバーワンに輝いたポルトガルだ。魅力は何と言ってもイギリスと比べ、平均6分の1とも言われる物価の安さ。首都リスボンのマンションの家賃は、4LDK80平米で約12万円。オーガニック野菜や米なども軒並み100円以下。ワインは1本250円、紅茶は25パック120円…などなど。さらに気候も温暖で、晴天率は75%と1年のほとんどが晴れ。ポルトガル政府が主導し、外国人を積極的に受け入れているのだ。その秘密がポルトガル独自のビザ制度。他の国よりも簡単に永住権を手にすることができるという。世界的な超セレブ“ポップスの女王”マンドナも去年、リスボンに移住。そして今、日本から移住者も急増している。退職後に移住した日本人夫婦の生活に密着。そして夢のマイホームを実現した日本人家族も取材。ポルトガルがなぜ人々を惹きつけるのか、思わす住んでみたくなってしまう魅力の数々を紹介する。
近年、経済成長著しい社会主義国のベトナムで、国民の誰もが知る日本の菓子がある。「柿の種」で有名な日本一の米菓企業、亀田製菓の「ICHI」という名の揚げ煎餅だ。だが実は亀田製菓にとって、これは2度目のベトナム進出。かつて、進出からわずか3年で撤退へと追い込まれた苦い経験があったのだ。満を持しての再進出で、今やこの「ICHI」は年間20億円以上を売り上げる国民的ヒット商品となった。次なるヒットを狙う菓子とは…?
2018年を象徴する「日中関係」激変の現場を、出演者がスタジオを飛び出し徹底取材。実はシェリーが中国を訪れるのは今回が初めてだ。その舞台は中国経済の中心地、上海。かつての「反日」が蔓延していた時代を経て、今の「日中友好ムード」は本当なのか。そんな今の中国を見る上でキーワードとなるのが「キレイ革命」。習近平政権が掲げる数兆円規模の国家プロジェクトだ。生活からトイレ、人々の外見まで、中国が必死に「キレイ」になろうとする理由とは・・・。さらに「日中友好」の裏側にある真実にも迫る。
3月1日に交渉期限を迎え、ギリギリの攻防を続ける米中貿易協議。この先、どうなるのか。すでに日本にも大きな影響を及ぼし始めている中、注目は中国のファーウェイ問題だ。世界最大の通信機器メーカーに、アメリカがかけた疑惑とは・・・。番組では真相を探るため、中国のファーウェイ本社に金融都市の香港。さらに“疑惑の国”イランを緊急取材。一方、米中が欲しがる最先端技術を持つ知られざる企業の独占取材に成功。米中貿易戦争の衝撃の未来を予測する。
日本で大ブームを巻き起こしている映画「ボヘミアン・ラプソディ」。イギリスの4人組ロックバンド、クイーンの軌跡を描いた映画だ。今回のジパングは、そのクイーンを生んだイギリスへ。老舗高級デパートのハロッズや想像を絶する景色がウリのジブラルタルなどを取材する。しかし、そこにはいつもと違う風景が。EU離脱を目前に異変が起きていたのだ。それはまるで映画のタイトルにもなったクイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」と重なる部分も…
日本を代表する家電メーカーでリストラが相次いでいる。かつて、大手家電メーカーに就職するということは「終身雇用」を約束されているようなものだったはずだ。しかし、その神話は崩壊した。さらに去年の東日本大震災では、家族や地域の絆が改めて見直され、日本人の仕事観に大きな影響を与えた。これまでの常識が覆され、私たちは仕事に対する価値観や働き方の転換を迫られている。シリーズ「働き方が変わる」第一弾では、急速に変化し始めている日本人の働き方を考える。 社員10数人のベンチャー起業「イー・エル・テクノ」は、大手家電をリストラされた技術者たちが集まって立ち上げた会社だ。社長の豆野和延さん(54歳)はかつて三洋電機の技術者だった。現在、次世代の照明として期待を集めている「有機EL照明」の量産に挑んでいる。資金集めや、慣れない営業・・・サラリーマン時代とは違う仕事に戸惑いながらも、再起をかけ働く豆野さん。改めて自分にとって働くことの意義が明確になったという。一方、若者の「仕事観」は多様化している。ソーシャルゲーム大手の「グリー」は、新卒者の年収を最高1500万円支払うと発表した。その人材獲得戦略の狙いを取材した。また、震災をきっかけに「働き方」を変えた人もいる。外資系の大手食品メーカーに勤めていた井出留美さんは震災を機に転職し、現在はNPO法人で働いている。震災以降より直接的に人を助けることを仕事にしたいと強く思うようになったのだと言う。これまで常識とだと思われていたことが次々と壊れていく時代、「どう働けばいいのか」のヒントを探った。
去年は震災や円高の影響で日本に来た外国人旅行者の数は大きく落ち込んだ。そして今年に入ってからも尖閣諸島問題で中国からの旅行客が大きく減っているが、実は旅行客全体では震災前の水準近くにまで回復している。そして日本を訪れた外国人は、日本人にとっては意外に見えるところを訪問している。和歌山県の高野山には連日アメリカ人やイギリス人などの欧米人が多く訪れている。宿泊は寺の宿坊。畳に布団で寝て、食事は精進料理だ。早朝からの「お勤め」や写経など独特な体験ができることが人気の理由だと言う。こうした埋もれた日本の魅力を世界に向けて積極的に発信して、外国人を日本に呼び込んでいるサイトがある。月600万件のアクセスを誇る人気サイト「japan-guide.com」だ。掲載されているのは徹底した外国人目線の観光情報。サイトの運営者は、群馬県在住のスイス人ステファン・シャウエッカーさん(37歳)。外国人が好む日本の火山や紅葉スポットなど、自ら現地を取材し頻繁に情報をアップする。また、ステファンさんは、被災地も定期的に取材し観光情報を随時アップしている。外国人を被災地に呼ぶことで、復興に貢献しようと言うのだ。一方、これまで日本に呼び込むことができていなかった新たな客層を開拓する動きも出てきた。大阪の旅行会社「ミヤコ国際ツーリスト」が目を付けたのが全世界に16億人いるイスラム教徒だ。彼らを日本に呼び込もうというのだ。しかし、食事や例内など宗教への細かい配慮が必要で、様々な問題がある。「ハラール」と呼ばれるイスラム教徒の食事は豚肉やアルコールなどの食材を一切使わないことが求められるほか、1日数回の礼拝も欠かせない。ホテルやレストランに一軒一軒理解を得ることから始めなくてはいけない。ツアーの準備から、実際のツアーまで密着取材した。
独自のサービスを提供することでリピーターをつかんでいる店がある。東京・代官山の「蔦屋書店」には本の案内人ともいえる「コンシェルジュ」がいる。コンシェルジュは、もともとは旅行のライターだったり書評家だったりとそれぞれ特定の分野の専門家たち。客からのあやふやな注文でも、これまでの経験や知識をもとに、マニアックな本やCD,DVDを探し出してくれるという。また、岐阜県を中心に店舗を展開する「大垣共立銀行」は、次々に客目線のサービスを仕掛けることで預金残高を伸ばしている。その一つが、移動店舗。支店のない地域に、ATMや窓口を備えた移動型の店舗を走らせている。特に高齢者に好評で、地域住民のコミュニケーションの場にもなっている。さらに、雑誌100種類が読み放題、ジュースやコーヒーが飲み放題といった支店も設置。客に気楽に立ち寄ってもらおうという狙いだ。一方、東京・表参道のレストラン「カシータ」は、客一人一人に合わせた手厚い”おもてなし”が人気で、1カ月先まで予約が取れないという。予約の電話の際に、客の好みやどういった目的でレストランを利用するかを徹底的にリサーチ、それぞれの状況に合わせてサービスをする。想像以上のおもてなしを受けた客は、思わず涙を流すこともある。感動のサービスを提供することで、売り上げを伸ばしている企業の最前線を取材する。
9月15日に中国湖南省で発生した反日デモ。暴徒化したデモ隊によって破壊と略奪の被害を受けたのが、湖南省で3つの百貨店を展開していた滋賀県のスーパー『平和堂』だった。テナントを含む被害総額は約35億円。中国からの撤退も囁かれる事態となった。しかし、暴動の後も2000人近い中国人従業員は一人も辞めず店の再開を待っていた。平和堂は社長が再開を決断。10月27日に1号店と2号店の再開を果たした。オープン初日は多くのお客が詰め掛けた。
日曜大工だけでなく、食品に至るまで、圧倒的な品揃えで人気のホームセンター。しかし今や市場は飽和状態だ。「カインズホーム」はPB商品を強化して差別化を図る。開発部隊は年間3万点もの新商品を生み出すが、そのエースが生活用品担当の市川幸治さん。週1回開かれる社長同席の企画会議にプレゼン。全国の店舗スタッフが集まる「新商品展示会」などを経て、商品化が決定する。今回、市川さんの一押しが「スプレーモップ」。水が霧吹きのように出て、フローリングを水拭きできるもの。展示会でも絶賛され、掃除売り場のメインを飾る事になった。次なる新商品は「洗濯物ハンガー」。取っ手付きで片手でも簡単に物干し竿に掛外しができる商品だ。カインズには商品化の前に必ず従業員が家で使って試すシステムがある。そこで、思わぬ指摘が・・・。取っ手の裏が空洞になっているので、握ったとき縁が手に食い込んで痛いという。しかし空洞を埋めてしまうと原価が100円アップしてしまう。そこで市川さんは、縁を少しだけ厚くし丸みをつけるという工夫を考えだした。今後、カインズはPB商品の売り上げ比率を5割以上に高める予定だ。
高級レストラン出身の一流シェフが高級食材で作るフランス料理が格安で食べられると今でも人気の「俺のフレンチ」。仕掛人は元ブックオフの創業者・坂本孝さんだ。立ち食いにして客の回転率を高める事で、人件費や材料費が高くても、高級料理を格安にする戦略を確立した。今年仕掛けるのが、格安高級和食「俺の割烹」だ。現在、銀座の小さな割烹の料理長・島田博司さんが「俺の割烹」の料理長となる。しかし、坂本さんはもう一人看板料理人をおく事にした。高級日本料理「菊乃井」出身の小野山英治さんだ。2人はメニューで早速火花を散らす。坂本さんの狙いは、一流料理人がライバルを作り切磋琢磨して欲しいということ。それは既存の店でも同じだ。全店で売り上げ2位の「俺のフレンチTableTaku」。坂本さんに目玉メニューを作るよう発破をかけられた飯田卓也シェフ。研究を重ね、試作品が出来上がった。それを評価するのは、全店のシェフたちだ。しかし散々な評価…。飯田さんはそのままのメニューを貫き通す。この意地が勝ち、「Taku」は1位に・・・。坂本さんは言う。「シェフが競い合うことでさらにいい料理ができ、行列を生み出していくのがうちの強み」。「俺の割烹」の2人も看板メニューで対決する事になった。小野山さんは京野菜、島田さんは鯛を選んだのだが、お互いしゃぶしゃぶでかぶってしまう。坂本さんは、こだわりがきちんとあれば同じ料理でもいいと両方合格。今後も3月のオープンに向けて、2人で安くておいしいメニューを作ることになった。一方、東京・原宿にある高級中国料理「南国酒家」。宮田順次社長は国産食材でありながら、ほとんどが中国に輸出されている「干しアワビ」に目を付けた。さっそくアワビの一大生産地・青森を訪れると、大きなものは干しアワビに加工され、一つ数万円で中国へ輸出されていたが、小さなものは生食用として一つ1000円以下で国内へ出荷されていた。小さな物を干しアワビにすれば、格安に提供できると考えた宮田さん、漁協と交渉するが、安定した量が見込めないと対応できないという。そこで自分の店でメニュー開発するだけでなく、創作料理のシェフにも声をかけ、いろいろな料理の可能性が広げようと奔走。そして仕入れ値交渉に臨む。まだ出荷量が足りないという漁協に対し、レトルト商品にして、デパートなどでも売る計画を披露。これなら一定の量も見込める。ついに漁協側も協力してくれる事になった。「国産で誰も知らない食材を広め、しかも格安で提供するのが外食の役目」という宮田さんのさらなる挑戦が続く。
手軽な料金で様々な風呂が楽しめるスーパー銭湯。そのトップが「極楽湯」。しかし温浴施設は今や飽和状態。そこで海外、まずは中国・上海への出店を決めた。店長に抜擢されたのが椎名晴信さん。さっそく上海で風呂事情の視察に向かった。地元の銭湯に入ると、湯船でタバコをすう人や、風呂の縁でアカスリをする人・・・。入るのもためらわれるお湯の汚さだった。きれいなお湯は武器になる、そう確信した椎名さん。愛知県のろ過装置メーカー「ミズプラ」に協力を仰ぐ。ミズプラは全国のスーパー銭湯にろ過装置を納めるトップメーカー。ろ過材やタンクに様々な仕掛けをし、きれいなお湯を実現している。さっそく上海にもそのろ過装置が届いた。さらに、中国の水は硬水。風呂では泡立ちが悪く肌も荒れるため、軟水器も設置した。一方、椎名さんは現地スタッフ100人を採用し、研修へ。しかし、掛け湯すら分からないスタッフたち。風呂の正しい入り方をお客の前にスタッフに教えこまなくてはならない。椎名さんは沸いたばかりの風呂にスタッフを入れる事にした。掛け湯や風呂の作法を一から教えていく。これでようやく開店準備が整った。入浴料1900円と高めながら、日本の平均的店舗の6倍、様々な風呂が楽しめる海外一号店、まもなくオープンを迎える。一方、インドでビジネスマンを悩ませるホテル事情。高級ホテルか安宿か両極端で、その中間がない。そんな中、人気を集めるのが日立ライフが運営するビジネスホテルだ。シンプルながら清潔な部屋。大浴場に朝食付きで1万円ほど。日立グループの日立ライフは、茨城県でビジネスホテルを運営している。平塚健司さんはインドの出張者がホテルに困っているという声を聞き、2年前現地でホテルを立ち上げた。日本人ビジネスマンが詰めかけ、今や常に満室状態に・・・。事業拡大を目指す中、インド人の大富豪が自分のホテルを任せたいという話が。これまでの平塚さんのホテルの倍の客室を持つ建物だった。視察した平塚さん、ここに引っ越すことにした。インドでは不動産の取得には許認可が100以上必要のため、運営だけを担当することにした。12月にオープンしたところ、やはり日本人に大人気。稼働率8割と好調なスタートを切ったが、その後は予約が低迷。平塚さんの次なる一手は、日本式の大浴場を作る事だった。完成後、グローバル企業の現地担当者を招待してアピール。その結果、日本人だけでなく外国人ビジネスマンも目立つようになった。もちろんお風呂も外国人に好評。1月の稼働率は7割に回復した。さらなる快適空間を目指し挑戦は続く。
弁当用に小分けにされたものや、自然解凍する冷凍食品・・・冷凍技術の進歩を背景に冷凍食品は進化を続け、多様化している。こうした中、大手メーカーとは一線を画す形で冷凍食品市場に挑む企業がある。15年前から食品の通販サービスに乗り出したセコム。利用者は年々増加し、現在10万人を超えている。セコムが扱う食品は約500種類でその半分が冷凍食品だ。商品は、『但馬牛のハンバーグ』や『阿蘇のロールケーキ』など地方の名品ばかり。バイヤーの猪口由美さんが全国を回り、絶品の味を掘り起こす。直接生産者と会い調理課程をチェックし、試食することで「安心・安全」にもこだわる。さらに冷凍しても味が落ちないかを猪口さんが自分の目と舌で味わって品定めする。地方の小さな生産者が生み出した食材を冷凍させることでヒット商品に生まれ変わらせるセコムの取り組みを追った。
3月16日、首都圏の鉄道路線図が大きく変わった。東急電鉄の東横線が、東京メトロ副都心線に乗り入れ、これまで副都心線とつながっていた西武鉄道と東武鉄道、それに横浜高速鉄道を含め、5社の鉄道が相互直通運転を始めたのだ。これで埼玉県の西部から横浜まで一本で行けることになった。ガイアでは私鉄の雄・東急電鉄が仕掛けるこの一大プロジェクトに長期密着。東急はこの直通運転開始に大きな期待をかけていた。鉄道利用者の総数は頭打ち。鉄道会社生き残りのためには、ライバルと手を組んででも、乗客を伸ばす必要があるからだ。そのために総工費1581億円を掛け、ターミナルである渋谷駅をつぶして渋谷ヒカリエの地下にある副都心線・渋谷駅と統合。他社の車両に合わせて駅のホームや表示を全て変え、運転士の教育も実施した。さらに一番の難関は、地下の渋谷駅から隣の代官山駅まで伸ばした新しい線路を、従来の線路とつなげる大工事。これを最終電車が出た後から始発までの3時間半で行わなくてはならない。当初順調だったが、最後の最後で電線の架け替えに手間取り、緊迫したムードに・・・。その後懸命の作業で、始発まで10分前に完成した。3月16日午前5時、最初の電車が発車。5社直通運転が開始した。直通運転が始まり沿線の街にも変化が・・・。横浜中華街には埼玉から来た客が詰めかけていた。街を挙げての開通記念キャンペーンもあり、多くの人々でにぎわうようになった。東急は今後、拠点の渋谷の再開発を加速させる。旧東横線渋谷駅には高層ビルを建てるなど、街自体を作り替え、安定的に乗客を増やそうといす戦略を推し進めていたのだ。一方のJR。創建当時の駅舎に復元した東京駅には今も駅を見に来る客が殺到。エキナカ施設も充実させるなど、駅自体に来てもらう客を増やそうという戦略だ。エキナカ「エキュート」が3月16日の秋田新幹線スーパーこまちのデビューに合わせて実施したキャンペーンも大人気。今後も駅を魅力的にする取り組みは続いていく。
中小企業の間で、他社と積極的に手を組んで生き残りを図ろうという動きが加速している。企業同士のM&A(合併・買収)もその一つ。そんな中、食品会社ばかりをM&Aして急成長している会社がある。ヨシムラ・フード・ホールディングス。シュウマイや日本酒など6社を傘下に納め、グループ売上高は100億円。赤字の会社でもグループの強みを生かして再生してきた。CEOの吉村元久さんが新たに買収したのが、四国にある冷凍食品メーカー・オーブン。主力のカキフライはかつて全国シェア25%を誇ったが、消費低迷もあり、去年6月経営破綻した。吉村さんは、グループの全工場を統括する深谷英吾さんを送りこんで改革を始めた。工場を一目見るなり、様々な改善を提案し、問題を解決していく。それだけではない。積極的に従業員の輪に入る。深谷さんも、かつてヨシムラに買われた会社の社員、その痛みが分かるのだ。改革を進める深谷さんだが、更なる生産性向上には新しい機械が必要だと考えた。吉村さんに直談判し投資してもらうことになった。こうした効率化を受けて、今度は主力のカキフライ製造ラインも増強する事に。食品のプロ集団が破綻した工場を立ち直らせていく。一方、埼玉・入間市周辺の町工場5社がタッグを組み、共同で仕事を受注しようという「チーム入間」。金型、プレス、レーザー加工など、得意分野が違う5社がそろった。設立して5年経つが、未だ共同の受注はない。リーダーの狭山金型製作所の大場治さんは、5社の技術力が一目で分かる象徴的な製品を作ろうと提案した。それがギアボックス。複数の歯車を組み合わせて大きい動力を生む、ほとんどの工業製品に組み込まれている仕組み。指の爪よりも小さい、世界最小レベルのギアボックスを作ろうというのだ。各社が得意技で部品を作り、組み立ては入曽精密が担当。自社開発した組み立て装置で組み立てていく。作業は困難を極めるが、なんとか完成。そしてチーム入間が乗り込んだのが、産業用ロボット世界シェアトップの安川電機。ギアボックスを見せたところ、技術力を見込まれ、新しいモーターの開発を一緒にやらないかという提案が・・・。その後も国内だけでなく海外からも引き合いが入り始めた。手を組んで生き残ろうという中小企業の挑戦は続く。
今、就職活動の真っ盛りだが、就職活動の学生にとって、最近気になるのが「ブラック企業」という言葉。社員に十分な社員教育もせず使い捨てをするような会社を言うようだ。そして、就活生たちがよく気にしているデータが「3年以内の離職率」というもの。つまり、新入社員が3年以内にどれくらいやめているかを示すデータだ。2009年に入社した大卒社員の3年以内の離職率は、28.8%と、3人に一人が早期離職している計算になる。
”がん”は医療の進歩で早期に発見すれば治せる病になってきた。しかし、進行がんや再発がんは治療が難しい。そんな中、これまで治せなかったがんに挑む治療法が進化している。京都大学原子炉実験所の小野公二教授が研究する「BNCT」もその一つ。放射線の中でも中性子線を使う。中性子線は特にホウ素と核反応を起しやすい。そこで、ホウ素化合物をあらかじめ患者に点滴。ホウ素ががん細胞に取り込まれたところで中性子線を照射すれば、がん細胞を中から破壊してくれる。これまで500例の治療を行い、9割で何らかの効果が得られたという。1月、その治療を受けた患者がいた。悪性脳腫瘍が再発し、余命3ヵ月と告知された50代の女性だ。照射は1時間半程度。強い中性子線を当てるため、基本的には1度限りの治療。2ヵ月後、脳腫瘍の主な部分はほとんど消えていた。しかし、BNCTはあくまで研究段階に過ぎず、一般的な治療としては認められていない。最大の課題が、中性子線を生み出すため原子炉が必要だと言う事。一般の病院での治療は不可能だ。そこで小野教授は、住友重機と共同で、サイクロトロンという原子炉なしでも中性子線を生み出す最新のがん治療械を開発した。すでに昨秋から治験を開始。2018年までに承認を受けるべく新たな戦いが始まった。さらにがん治療機として注目を集めているのが「サイバーナイフ」。アメリカ製の放射線治療機だ。CT画像で腫瘍の位置と、放射線を当てたくない臓器を指定すれば、自動的に照射位置を決め、がんを狙い撃ちしてくれる。頭部や骨など動きが少ない部分には有効だったが、苦手なのは呼吸で動く臓器。がんも動くため、狙いがずれてしまうのだ。しかし、最新型はセンサーなどで呼吸の動きを感知し、追尾してがんを攻撃する。これまで治療できなかった肝臓がんや肺がんなどの治療にも可能になった。すでに条件付きながら保険適用されている。一方、がん治療薬の世界でも新たな動きが・・・・。名古屋大学の研究室が発見した「HF10」というウイルスだ。ヘルペスウイルスの一種で、がん細胞に感染し、死滅させるという特徴を持っているという。これを商品化しようとしているのが化学メーカーのタカラバイオ。すでにアメリカで治験を開始し2018年度末までの商品化を目指している。日本でも今後、内臓のがんへの応用など更なる研究を進める予定だ。
急拡大するネット通販に対して、テレビやカタログ通販は曲がり角に差し掛かっている。そのため、いま新たな収益源を模索する動きが加速。ジャパネットたかたは、パソコンやタブレットを高齢者に販売。自宅を訪問して使い方を説明するなど、持ち前のコミュニケーション力で巻き返しを図る。「国内市場の再拡大は難しい」と、東南アジアでテレビ通販を始める会社も出てきた。一方、カタログ通販も必死だ。ニッセンは“ぽっちゃり”“のっぽ”など、「規格外」のサイズに商機を求める。生き残りを賭けた、通販業界の新たな戦略を取材する。
円安で原材料費が高騰したこの夏、マヨネーズ、食パン、食用油など、食品の値上げが続々と始まった。全国642店の「業務スーパー」を展開する神戸物産。“業務”と名が付くが、客の約8割は一般の消費者だ。「豆腐」39円など、安さが客に支持されている理由。これまで神戸物産は大規模農場を始め、牧場や養鶏場を運営。さらに豆腐、パンなどの自社工場を全国に19ヵ所持ち、自社で原料を生産、加工、販売することで、低価格を守ってきた。しかし全てをまかないきれている訳ではない。特に小麦は海外から輸入しているため、仕入れ値は確実に上がる。影響があるのが「パン」。PB商品の食パンは2斤サイズで198円という価格。これをどう守っていくか。さっそく製造部門責任者が自社パン工場に飛んだ。注目したのはパンを焼く工程。オーブンの中のパンの列の間隔を20センチから10センチに縮める事で、生産量を1.5倍に増やす戦略を立てた。同じスタッフの人数でパンの生産を増やせば1本あたりの人件費コストを下げられるという訳だ。試行錯誤しなから、生産量を増やす事が出来、198円という価格を守る事が出来た。すでに次なる動きも・・・。同じく小麦高騰の影響を受けている麺。5月に製麺工場を買収し、7月中旬から自社製造も始める事にした。一方、100円ショップ大手の「キャンドゥ」。企画部の廣田淳子さんは、これまでも数々の人気商品を生み出してきたヒットメーカー。今、手がけているのは「防水巾着バッグ」。夏に向けて、水着やタオルなど、濡れたものを入れられるバッグを100円で売り出そうと言うのだ。しかし、防水加工の材料となる塩ビなども高騰。最終的には中国の生産工場から輸入するため、円安という壁もある。価格は100円と決まっているため、上げることも下げることも不可能だ。廣田さんの計算によると、想定より10%もコストアップになるという。そこで、既存のショッピングバッグと同じ生地を使う事で7%のコストダウンを実現。しかし、サンプル品を見ると、防水加工が甘くはがれやすくなっていた。コストを上げてでも防水加工を強化した廣田さん。その一方、袋のマチを無くして縫製工程や生地を減らす努力などでコスト削減。無事商品化にこぎ着けた。低価格を守る戦い、これからも一層厳しくなりそうだ。
昨年末からの円安傾向で、いま、日本を訪れる外国人観光客が増えている。4月に92万3千人と過去最多を記録。5月も過去3番目という高水準だった。そこに、日本の象徴とも言える富士山が世界遺産に登録されることになり、国内の観光業界はさらに活気づいている。しかし、外国人観光客で賑わうのは、有名な観光地を抱える地域がほとんど。その裏では、多くの街が、観光客に来てもらえずに歯がゆい思いをしている。有名な観光地はないが、どうしたら外国人観光客に来てもらえるのか?番組では、空港や港をうまく活用して、“ニッポンの新たな玄関口”として売り出すことで、外国人観光客を呼び込もうという取り組みを取材する。
高齢者を狙った“振り込め詐欺”が、最近再び増加している。警視庁によれば、昨年度の都内の被害総額は約81億円にものぼる。また、注文した覚えがないのに、突然、自宅に商品が届き代金を請求される“送りつけ商法”の被害も増加。年金を担保に高金利で金を貸し付ける“偽装質屋”も増えている。狙われるのは、ほとんどが高齢者だ。番組では、なんとか高齢者の財産を守ろうとする、弁護士や警察、企業や自治体の取り組みを取材する。
飲料の自動販売機は日本全国に約256万台あり、年間の販売額は2兆円を超えるという。しかし、都心の道路脇はすでに飽和状態。さらに、深夜まで営業するスーパーやコンビニが増えたため、飲料自販機はいま激しい競争にさらされている。猛暑が続くこの夏、冷えた飲料を求める客をどうやって捕まえるのか?自販機の設置場所をめぐる、飲料メーカーたちの熾烈な戦いを追った。 設置台数で業界3位のダイドードリンコ。コンビニなどにも販路をもつ他社と違い、ダイドーは売り上げの9割を自販機が占める。外はコンビニとの競争が激しいため、ダイドーはオフィスや商業施設の中への営業を強めることにした。また、新たな実験も始まった。客は自販機のどこを見て購入するのか?人の視線の動きを記録する技術を活用して、商品ラインアップを考えるという。 一方、アサヒ飲料はこの夏、新たなシステムを開発した。街でタブレットをかざすと、すでに自社の自販機が設置されている場所や、別の社員が営業活動中の場所などが地図上に表示される。また、都心以外の新たな設置場所の開拓も始まった。狙うのは「観光地」だ。観光地が頭を痛めているのは「インターネットがつながる場所が少ない」という外国人観光客からの不満の声。そのため、アサヒ飲料は新機能付きの自販機で勝負をかけることにした。
ドライバーの休憩施設として全国に1003カ所設置されている「道の駅」。人気を集めているのが地元の野菜や魚などを売る直売所だ。福岡県宗像市の「道の駅むなかた」は年間160万人が訪れ、16億4000万円を売り上げる。その秘密は漁師が獲って直接持ち込む新鮮な魚介類だ。漁師は売り上げの10数%の手数料を払えば、自分で値段を決めて売る事が出来る。道の駅向けだけで年2000万円以上を売る漁師も少なくない。いまや出品希望の農家も増加。道の駅全体の市場規模は3500億円ともいわれ、地域振興の一大拠点になっている。新潟・見附市でも道の駅がオープンしようとしていた。「道の駅パティオにいがた」。現場責任者の小林久仁代さんは地元野菜にこだわった直売所を売りにしようと準備を進めていた。しかし、協力農家が増えていかない。コメ農家が多く、野菜で商売しようとする人たちが少ないのだ。小林さんの肩に重圧がのしかかる。一方、高速道路のサービスエリアやパーキングエリアも驚くべき集客力を誇る。愛知県の刈谷PAは、観覧車にメリーゴーランド、温泉まである。また東名の海老名SAは高級スーパーや百貨店なども出店し、大型商業施設として日本一人を集めている。いまやサービスエリアは”道ナカ”と呼ばれ、企業にとっても注目の売り場となっているのだ。新東名の清水PAに出店しているのが「ハートダンス」。そもそも女性向けのアクセサリーの店だが、新しい客層をつかむため、清水PAの店ではドライブ用品や男性向け雑貨も扱っている。さらに客層を広げるため、お土産物に注目。富士山グッズを店頭に置いたところ、外国人観光客などに人気だった。各企業とも道ナカを強化する動きが加速している。そのころ、オープンを控えた「道の駅パティオにいがた」。地元の若い農家が協力してくれるなど、徐々に出品者が増えていた。小林さんはさらに目玉が欲しいと、地元ブランド野菜を使ったスイーツを、洋菓子店に依頼した。そして迎えた8月23日、オープンの日。地元の農家が野菜を持ち込んでくれ、当初の目標を大きく上回る85品目が店頭に。スイーツも無事完成していた。オープンと同時に多くの客が詰めかけてきた。「これからも地元の活性化の手助けをしたい」と語る小林さん。田舎町を元気にし続けられるか、その第一歩を踏み出した。
活況の住宅市場。中古マンションも例外ではない。そんななか、敢えて中古物件を買い、自分好みに作り替える人が増えている。古くなった部分を元通りにするリフォームとは違い、間取りから大規模に作り替える事を「リノベーション」と呼ぶ。中古マンションのリノベーションを手がける「リノべる」。物件探しから設計、工事に至るまでワンストップで請け負うサービスが売りだ。平均費用は70?で800万円ほど。そんなリノべるに依頼してきた小島さん夫婦。東京・世田谷の築39年の中古マンションを買い、自分好みに変えたいという。予算は750万円。和室を無くしてリビングを広く、さらに玄関を広く、などの要望の他、奥さんがこだわったのがアメリカ・サンタフェで見た、ざらざらした土壁を部屋に再現したいということ。ご主人は、部屋に曲線を取り入れて柔らかい感じにして欲しいと言う。さっそく二人の要望を取り入れた設計図が出来上がった。しかし、予算は40万円もオーバー。その後、担当者はこだわりの部分は残しつつ、コストを下げれるところは工夫して、何とか予算を守る事が出来た。工事開始から2ヵ月で完成。広くなったリビングに玄関、さらに曲線の壁や、サンタフェの壁などが再現されていた。一方、日本でマンションより多い一戸建て。しかし築20年以上経つと建物自体の資産価値はゼロに近くなる。これまでマンションを一棟まるごとリノベーションする事業を進めてきた「リビタ」。古い一戸建てを買い取り、リノベーションして再販するというビジネスに新たに乗り出す事にした。東京・世田谷区野毛にある築27年の一戸建てで工事が始まった。ベテラン大工の手によって、いい部分は残しつつ、弱い部分は補強するなどして、見違えるように生まれ変わった。販売予定価格は7800万円前後。建物だけの価格で比べると、解体して立て直すより、4割ほども安くなるという。リビタではこれからも一戸建てリノベーションを積極的に進めていく予定だ。そのころ、マンションをリノベーションした小島さん夫婦は新しいマイホームに引っ越してきていた。「中古だからこそ、自分好みの身の丈にあった空間が出来た」と話す。古くて新しいマイホームで新たな暮らしが始まった。
おばあちゃんたちが摘み取る“葉っぱ”を料理の「つまもの」として販売し、年間2億円を売り上げる、徳島県上勝町の第3セクター「いろどり」。高齢者が生き生きと働く姿で有名となったが、厳しい現実に直面している。人口は減り続け、町民の約5割が65歳以上の高齢者だ。葉っぱビジネスが好調でも、このままでは町が存続できない。そこで、町に若者を呼び込もうという取り組みが始まった。まずは「地域密着型インターンシップ研修事業」として、全国から若者を受け入れる。そして、移住を希望する若者たちには、町が起業の支援を行うというものだ。すでに、こうした移住者によって、7つの新ビジネスが生まれている。果たして、この町おこし作戦は、うまくいくのか?和歌山県北山村の人口は476人(6月30日現在)。離島を除けば本州で最も人口が少ないとされ、65歳以上の高齢者が約47%をしめる過疎の村だ。村には信号機や横断歩道もなく、“紀伊半島の秘境”とまで呼ばれている。そんな北山村に、今年7月、製パン大手の「山崎製パン」と提携した村営のコンビニがオープンした。村はいま地域おこしに力を入れている。特に材木で組んだ筏を川に流した「筏流し」が観光客に人気で、キャンプ客や釣り客を加えると、年間に約5万人が訪れる。そんな村の悩みが、観光客が買い物できる店がないことだった。実は村にはかつて13軒の商店があったが、4軒に減ってしまっていたのだ。自分たちの利便性だけでなく、観光客を呼び込むためにもコンビニを存続させようという、村人たちの奮闘。また、“秘境”に進出した山崎製パンの戦略を取材する。
中古のブランド品の販売で知られるコメ兵。いま頭を悩ませているのが商品の仕入れ。実は客が店に持ち込んだ中古品を買い取るというこれまでのやり方では、商品が十分に集まらなくなっている。そこで、今年8月に通販サイトの「ベルメゾンネット」と提携。ベルメゾンが全国に抱える約900万人の会員から、不要なブランド品を送ってもらおうというのだ。また、長い間、飲まれないまま、家の中に放置されている酒を買い取る店が登場した。今年7月に東京・高円寺に1号店をオープンした「リカーオフ」だ。ソムリエの資格を持つ店長が、あらゆる種類の酒を査定する。リカーオフを運営するのは、「ハードオフコーポレーション」。1993年に家電がメインの中古品の店「ハードオフ」をオープンして以来、衣料やブランド品、カーグッズ、おもちゃなど、扱う中古品を広げてきた。現在では全国に合わせて700店舗以上を展開する。山本善政社長は、ハードオフの使命を「家庭に眠っているものをいかに掘り起こすか」だと語る。果たして、「酒」という新たな挑戦はうまくいくのか?一方、中古車の買い取りで最大手の「ガリバーインターナショナル」。これまでガリバーは、買い取った中古車を主に自動車のオークション会場で転売してきた。ところがいま、店舗での自社販売に力を入れ始めている。今年2月にオープンした高級車の専門店「リベラーラ」。通常のガリバーとは違う高級感に溢れる店内には、フェラーリやポルシェなどの中古車がずらりと並ぶ。これまであまりガリバーを利用しなかった富裕層が、次々と買いに訪れているという。一方で、「アウトレット」店もオープンした。カラフルな色の車、傷が付いている車など、一般の中古車店では人気のない車ばかりをあえて集め、格安で販売している。“買い取り”のガリバーが、一体なぜ、いまになって“販売”を強化しているのか?
時代に合った新しい働き方や人材の活用法に注目する。タマノイ酢では、夢がある若者に5年間限定で働く場を提供するキャリア制社員という制度がある。教員や声優志望など、毎年20人前後の若者が入社し、社員の2割を占めるという。働く側にとっては、きちんとした社会人経験を積めるというメリット。会社側も正社員の刺激になり、双方プラスになっているという。また、多くの企業にとっての悩みが社員の内向き志向。グローバル化が進む中、海外で働きたいという人材が育っていないのが現状。そんな中、注目を集めているのが「ミッションコンプリート」という研修だ。新興国に送り込まれ、5日間に渡って毎日与えられるミッションをクリアしていくというもの。現地人の意識調査から、ビジネスモデルの提案、さらには現地の人を使った自社CMをつくる事まで・・・。今回、ベトナムでの研修に参加したのが日本ハムの若手社員2人。最初はなかなか殻を破れず結果を出す事が出来なかった。しかし「今までは大企業で、決まったシステムの上で仕事をしてきた。何がなんでも、という気持ちが薄かった」と気づいてからは積極的に現地人と交流するなどして成果を出す事が出来た。今では海外に興味を持つようになったという。その一方、大手企業を辞め、チャンスを求める若者が集まった企業グループがカンボジアにある。飲食やITなど10の事業を展開する「トライアジア」だ。これらの事業を日本人の若者がそれぞれの責任者となって展開している。グループのCEO横井朋幸さんは「自分の可能性に挑戦していきたいという日本の若者に活躍の場を与えたい」と話す。大手メーカーを辞めて去年やってきた吉田剛さん26歳。「日本では5年先、10年先の自分が見えてしまう。ここでは1年先も分からない。だからこそ面白い」。さっそく家具事業の立ち上げを任される事になった。用地の確保から建設、さらに雇用まで4ヵ月で立ち上げなくてはならない。すぐに用地を確保し建設を始めるなど順調に動き始めたが、従業員が集まらないという課題が・・・。日本ではチームで働いていたが、ここでは自分で状況を切り開かなくてはならない。その後、従業員用の寮を自ら確保。遅れ気味だった建設現場にも積極的に足を運び、何とか間に合わせる事が出来た。すっかりたくましくなった吉田さん。今後は工場の経営に加え、更なる新しい事業も任される予定だ。
ガイアの夜明けが追い続けてきた町工場の底力。今回は4つの町工場、その後の闘いを追う。三重県の錦見鋳造。機械部品の下請けを続けてきたが自らの製品を作りたいと、鉄鋳物で1.5mmというこれまでにない薄さを実現したフライパンを開発。「魔法のフライパン」と名付けた自信作は、プロから一般の主婦まで幅広い人気を集め、今や30カ月待ちの状態に・・・。この待ちを解消すべく社長の錦見泰郎さんは「自動鋳造機」を開発中。ボタン一つでフライパンが出来上がるという。さらに薄く軽くしたいという研究も同時に進めているが、あともう一歩。この自動鋳造機が出来れば、人員を新商品開発に振り向け、さらに世界にも自社製品を売っていきたいと夢は広がる。一方、自在に形が変わる器で世界の人を驚かせている町工場がある。富山県高岡市の能作だ。もともと銅の鋳物で仏具を下請けで作ってきたが、柔らかくて変形しやすいという欠点があったスズに目を付け、逆に曲がる器として売り出したところ大ヒット。その後工場を訪れてみると、今度は富士山のぐい飲みを開発していた。今回は曲がるという特徴ではなく、富士山の火口や山肌などを忠実に再現した精巧さが売り。スズはサラサラと溶けるためどんなに細かな型にも流れ込むという特徴を生かし、伝統の鋳物技術で生んだ逸品だ。これもさっそくヒットに・・・。さらに桜島の焼酎カップなどを開発。技術とアイデア、そしてデザインを加味した、新たなものづくりを今後も進めていく予定だ。さらに、鋳物技術を生かし、鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」を開発した愛知ドビー。高い密閉性を持つため、素材の水分だけでおいしく調理できる無水鍋として大人気だ。しかし無水調理は難しいというユーザーの声を受け、工場の一角をキッチンスタジオにして調理法などを研究。レシピ本をまとめるなど、ものを作るだけでなく、よりユーザーに寄り添った取り組みを強化していた。また現場にはここ3カ月で新人を15人雇い入れたり、海外展開をにらんでフランス人を採用するなど、鍋を通して町工場自体も変わろうとしていた。最後に紹介するのは栃木県岩舟町のグローバルエナジー。もともと自動車部品の下請け工場を経営してきた鈴木政彦さんが立ち上げた。風力発電に使われる羽根を製造している。試行錯誤の末、独自の技術で「回り続ける」風車を研究し、東京の八丈島やいくつかの企業が採用してくれるようになった。そんな鈴木さんの風車を韓国のベンチャーがライセンス購入するなど、海外にも可能性が広がり始めている。現在、より巨大な風車の羽根を開発中の鈴木さんは「諦めなければ夢はかなう」という。小さな町工場の大きな戦いはこれからだ。
がんを内視鏡で切り取る手術で注目を集めているのが刃渡り2ミリの極小ハサミ。腫瘍を確実に切り取れると、医療現場の評価も高く、全国700の病院で採用されている。長野・岡谷市の「リバーセイコー」。創業者でハサミの生みの親でもある西村幸さんはがん患者。番組では2年前に取材していたが、5年後の生存率は50%と宣告されながらも、自分と同じがん患者を一人でも助けたいと奮闘していた。再び訪ねてみると、西村さんは健在。今没頭していたのが、外国人用のハサミだ。極小ハサミの開発パートナーでもあり、その手術の第一人者の本間清明医師から、ブラジルで手術する用のハサミの依頼が来ていた。一般的に外国人の内臓は脂肪が多く、滑ってしまうので刃渡り2ミリの中にギザギザを入れてくれという。西村さん、レーザー加工機を使って、手作業で刻みを入れ始めた。3週間後、見事に30以上の刻みが入ったハサミが出来上がっていた。6月、ブラジルのポルト・アレグレ。本間さんが直腸がんが再発した61歳のブラジル人女性の手術をすることに。当初は通常のハサミを使うが、徐々に内臓脂肪によって切れ味が悪くなってきたところでギザギザのハサミを投入。厚い脂肪をもろともせず、腫瘍をつかんで切る事が出来た。手術は無事成功。西村さんのハサミが海外の人を助けた瞬間だった。11月西村さんを訪れてみると、新工場を立ち上げていた。生産量を増やすとともに、世界中の人に合ったハサミを開発するためだ。「がんは世界共通。一人でも多く助けたい」。一方、新生児用の人工呼吸器を作る町工場、埼玉・川口市の「メトラン」。普通の呼吸器は一度に多くの空気を送るが、メトラン製は、毎分900回に細かく分けて空気を送るため、新生児の未熟な肺も傷つけない。全国の新生児集中治療室の9割に採用されている。創業者の新田一福さんの本名はトラン・ゴック・フックさん。ベトナム生まれだ。留学生として来日するが、ベトナム戦争の影響で日本に帰化。その後、自ら人工呼吸器のベンチャーを立ち上げた。そんなフックさんのもとには海外からの引き合いが増えている。自身も孫を持つフックさんは「子どもに人種の差はない。日本と同じ医療を受けさせてあげたい」と話す。10月、フックさんは祖国ベトナムにやってきた。メトラン製の呼吸器もごく一部で導入されているが、現地価格で700万円するため、普及はまだまだ。そこで部品を作る現地工場で、コストダウンした新型機の開発も進めていた。その1号機が完成し、ホーチミンの病院でまずは無償で使ってもらう事にした。すぐに未熟児の命を救った新型機。現場の評判も高く、普及の第一歩を踏み出した。さらにベトナムに新工場を建設していたフックさん。今後は日本の工場と合わせて世界中の小さな命を救っていく予定だ。
東京・日本橋。仕事帰りのサラリーマンでにぎわう居酒屋がある。店名は「北海道厚岸」。北海道の東南に位置する港町、厚岸町のことだ。メニューには、特産のカキなど、「厚岸産」の文字が並ぶ。店内には、厚岸町長からの挨拶文も張り出されている。この店の姉妹店は、「佐賀県三瀬村」「青森県むつ下北半島」「北海道八雲町」。いずれも、地方の町や村の名前を冠にした“ご当地酒場”だ。仕掛け人は、合掌智宏さん、36歳。「都内には都道府県のアンテナショップがあるが、そこでは紹介されない美味しいモノが、地方にはまだまだ埋もれている」。合掌さんは、そうした小さな町や村に徹底してこだわることで、「町や村そのものをブランド化」して売り出すことにした。合掌さんのもとには、いま全国の市町村から、居酒屋を出してほしいとの依頼が殺到している。町や村の宣伝になるだけでなく、特産品の安定した供給先となるため、地元の農家や漁師の期待も高いのだという。新たな店のオープンを通じて、町や村をブランド化する手法を取材する。熊本県阿蘇市。阿蘇の外輪山によるカルデラの中に町がある。昭和の時代には観光地として栄え、新婚旅行で訪れる人などで賑わった。しかし、年々、観光客が減り、いまではすっかり寂れてしまった。そこで、佐藤義興市長を中心に、観光客を呼び戻すためのプロジェクトが始まった。その第一歩が“阿蘇ブランド”づくりだ。阿蘇には、ベーコンや牛乳、溶岩プレートなど、優れた特産品が沢山ある。ところが、これまではバラバラに販売していたため、“阿蘇の特産”というイメージが作れずにいた。そこで、市が認定した阿蘇の特産品を、「然」というブランドで統一して売り出すことになった。この「然」ブランドに、いま、企業も注目。阿蘇市と企業がコラボレーションした商品開発も始まった。町の再生をかけた、“阿蘇ブランド”の開発を追った。
12月20日、千葉県の海浜幕張駅近くに「イオンモール幕張新都心」がオープンする。19万2千平方メートルという広大な敷地に、「大人」「家族」「スポーツ&家電」「ペット」とテーマを分けた4つのモールが開業。約360店が集結する。全国に展開するイオンモールの中でも最大規模となり、“旗艦店”に位置付けられる。このモールの特徴は“時間消費型”だという。ただ買い物ができるだけでなく、仕事を体験できるテーマパークや、お菓子作りを体験できる店、調理の様子が見えるフードコートなど、様々な体験ができる店を揃える。これまでイオンモールは、地方都市の郊外を中心に出店してきた。それがいま、大都市近郊にも進出し始めている。イオンモールの出店戦略と、“時間消費型”というモールづくりの手法に迫る。イオンモール幕張新都心の開業に神経をとがらせるのが、「ららぽーと」を展開する三井不動産だ。千葉県船橋市にある「ららぽーと東京ベイ」は1981年の開業以来、延床面積を拡大し、リニューアルを繰り返すことで「客に飽きさせない」店舗づくりを目指してきたという。30年間、売り上げは右肩上がりで、年間の来館者数はいまや東京ディズニーリゾートに匹敵するほどだ。しかし、わずか5キロの距離にイオンモール幕張新都心が開業。ららぽーと東京ベイの商圏は平日で10キロ、休日で20キロとされるため、今後、激しい集客争いが予想される。ららぽーとは11月、約50店舗が入る西館をリニューアルオープンさせた。来春には南館もリニューアルする計画だ。果たして、ららぽーとは、どんな戦略でイオンを迎え撃つのか。
いま人気の弁当の宅配サイト「ごちクル」。その秘密は、行列のできる有名店や一見さんお断りの割烹といった店の味も弁当で宅配してくれること。「ごちクル」運営のスターフェスティバルは注文、配達、さらに弁当の開発も一緒に行うという独自のビジネスモデル。提携する店は560店に上る。そんな中、東京・六本木の焼き肉店「ビーフマン」が新たに弁当開発に乗り出す事になった。さっそく弁当開発チームの野澤和泉さんが店へ。店の料理長、遠藤さんと相談した結果、極上カルビや牛ホホ肉のワイン煮などを弁当にする事に。しかし試作品を見た野澤さんは盛りつけが寂しいと指摘。「弁当は見た目が命」だという。さらに熱々だとおいしかったカルビを食べたところ、冷めて脂がしつこいと感じるようになっていた。そこで野澤さんは肉の下にキャベツを敷いて、脂を吸わせることを提案。次なる関門は、スターフェスティバルの岸田祐介社長による試食。5種類が提案されたが、牛ホホ肉については色が黒すぎると指摘。写真でおいしそうに見えないからだという。再び店と二人三脚で解決策を探る野澤さん。2日後に開かれた最終試食会で、牛ホホ肉にクリームをかけるなど見た目を改善。無事商品化が決まった。
去年、訪日外国人旅行者数が初めて1000万人を突破した。2020年には東京オリンピックの開催も決まり、ホテル業界は活気づいている。そんな日本に、今年、外資系ホテルが続々と開業する。外国人旅行者は増えている一方で、それを獲得しようというホテル間の争奪戦も激しくなっているのだ。世界的に知名度の高い外資系ホテルに、日本のホテルはどう対抗していくのか。新たなホテル戦争を追った。西武グループの傘下にあり、全国に40のホテルをもつプリンスホテル。かつてのバブル期には、スキー場などのレジャー施設と一体開発したリゾートホテルや、「赤坂プリンスホテル」に代表されるシティホテルがトレンディスポットとして人気を博した名門だ。しかし、近年、顧客は固定化し、宿泊客数も頭打ちとなってしまった。そこで目をつけたのが外国人旅行者だ。しかし、国内では“名門ホテル”だが、海外では知名度がほとんどなく、外国人の宿泊客を受け入れるノウハウも十分ではなかった。そこで去年、世界的なホテルチェーンであるマリオット・インターナショナルと業務提携。マリオットのもつ国際基準のサービスと、外国人客を獲得するノウハウを学ぶ事にしたのだ。初めて外資系と提携することで、復活の足がかりとなるのか?一方、北海道の北端に近い町「歌登」。かつて賑わったスキー場はバブル崩壊でなくなり、スーパーマーケットや学校も次々と閉鎖された。人口は最盛期の3分の1の1900人ほどに減るなど、過疎化が進む町だ。そこにある唯一のホテルに、いまタイ人の観光客が殺到している。その数は年間1300人ほどという。その秘密は、事前に旅行会社と相談し、徹底的に宿泊客の要望に応えるというサービスにある。宿泊客には浴衣を着てもらい、鮭の解体ショー、寿司握り体験、流しソーメン、茶道教室・・・さらには雪を見た事がないタイの人たちに雪像作りやソリ滑りを楽しんでもらう。ホテルが提供する様々なイベントが「観光資源」となっているのだ。さらに、いま、ホテルと町が一丸となって新たな取り組みをしているという。
都内を中心に9店舗を展開するステーキ「くに」。肉はもちろん、客の目の前で肉を切るオーダーカットなど人手がかかるサービスが売りの本格的なステーキ店だ。しかしここ最近、アルバイトが集まらず困っていた。「くに」の創業者で、外食チェーン「ペッパーフードサービス」社長・一瀬邦夫さんが次に仕掛けたのが、”立ち食い”ステーキ店だ。少ないスタッフでも運営できるよう効率化を進め、「くに」と同じ肉を半額で提供できるようにした。出だしは上々で今年中に10店舗まで増やす計画だ。一方、全国展開する飲食チェーン「リンガーハット」。長崎ちゃんぽんでおなじみだ。ここも人不足に悩んでいた。店舗改革の責任者、執行役員の山?繁樹さんは”セルフ”店を試す事に。ショーケースに様々な具材を置き、自在にトッピングできる「myちゃんぽん」という仕組みを取り入れた。客の評判もまずまず。スタッフを減らす事が出来た上に、客単価が10%上がるなどの効果も…。さらに効率化を狙う山?さん。次は佐賀の自社工場へ。ここは店舗で使う調理器具を開発している。ここに効率よくちゃんぽんを煮込む事が出来る機械を依頼していたのだ。いま使っているIH調理器は横に長く、スタッフが2人必要。さらに冷凍麺を煮込むため、沸騰までに時間がかかっていた。新型機は鍋が円形に移動するようにしてコンパクト化。これで1人で調理できるようになる。さらに、麺を自動で解凍する機械も同時に開発し、これまでの半分の時間でちゃんぽんが出来上がった。人不足に悩む各店舗に出来るだけ早く投入する予定だ。外食の中でも、特に人材獲得に苦労しているのが居酒屋業界。居酒屋「山内農場」などを運営するモンテローザが導入したのがアルバイトへの祝い金制度。14日間勤務したら6000円を支給するというもの。同じく居酒屋「塚田農場」などを展開するAPカンパニーは、学生のために就職活動支援に力を入れる。就職活動を機に辞める学生バイトが多いため、月1回無料セミナーを開いたり、実際の人事担当者がマンツーマンで模擬面接もしてくれるなど、バイトを続けながら就活できるようにするのだ。秋葉原の店ではこの半年間だれも辞めていないなど効果も出ている。さらに一般の企業に呼びかけて、自社のアルバイトを就職活動で優遇してもらえるよう働きかける事まで…。人手不足の外食業界、各社の新たな取り組みが一層加速している。
第二の医師人生として、へき地に赴く医師たちがいる。静岡県西伊豆町にある田子診療所。この診療所で地元の人たちの診療をしているのが、笹井平さん、60歳だ。笹井さんは大学の医学部を卒業後、企業で医薬品などの研究を行ってきた。50歳を過ぎた時に人生を振り返り、学生時代に「へき地とか医者のいない所へ行くんだ」という志を持っていたことを、ふと思い出したという。そして、医師の再研修を行う地域医療振興協会のプログラムに参加。数か所の病院で診療現場を経験し、総合医療に対応できる力をつけてから、6年前、田子診療所に赴任した。担当する田子地区の住民は約2500人。高齢化率は50%の漁村で、医師は笹井さん1人しかいない。外来だけでなく、寝たきりの患者の往診も行い、携帯に連絡があれば夜中でも患者の自宅に駆け付けるという。耳が遠くなった高齢者や聴覚障害者などが、家の中でインターホンや電話の呼び出し音を把握できる製品がある。「シルウォッチ」と呼ばれる腕時計型の受信機だ。それを開発したのが、東京信友という企業の社長、斎藤勝さん、84歳。自らも重度の聴覚障害を持つ斎藤さんは、建設会社などで働いてきた。65歳を過ぎた時(66歳の時)、日常生活を支えてくれた妻が亡くなり、生活の不便さを改めて痛感。「同じように苦労している人たちのためにも」と、シルウォッチの開発に乗り出した。3年かけて完成させた商品は多くの人に受け入れられ、「本当に生活が一変しました」などと、使用者から感謝の手紙が殺到したという。実は、「ガイアの夜明け」では、2年前にも斎藤さんを取材。その後、シルウォッチが進化を遂げていると知り、今回、改めて取材することにした。「まだまだ人の役に立つ商品を開発し続けたい」。そう語る84歳のさらなる挑戦を追う。
ネット通販が拡大し、さらに、実際の店舗に客が足を運んでも、スマホで価格を調べて安いネット通販で買う、いわゆる?ショールーミング?も広がっている。こうした状況に企業は、実際の店舗でどう商品を買ってもらうか、頭を悩ます。そこで、目の前の客の心をつかんで買う気にさせる、接客に力を入れる企業に注目。訓練された?技?や、客の無理難題に近い要望にも応える?安心感?を磨くことで、店の魅力を徹底的に高めようとする企業の取り組みを伝える。九州エリアで拡大を続けているハンズマンは、1店舗当たりの商品数が21万点、平均的なホームセンターの4倍と言う圧倒的な品ぞろえが特徴だ。その人気を支えるのは、何を取り扱うべきか、顧客の要望に細かく応える店員だ。コピー用紙のばら売りや、商品の部品だけ欲しいと言う、客の“わがまま”にも「No」とは言わず、要望通りの商品が無ければメーカーと掛け合って作ってもらうことも。こうした対応や、提案力が店員の人事評価=給与にも反映され、接客力強化に繋がっていると言う。牽引する大薗誠司社長が描く、独特の戦略と狙いを探る。一方、東急ハンズは、店頭販売の競争力が落ちていくことに危機感を抱いていた。そこで、力を入れたのが「実演販売」。売り場経験15年以上のベテラン社員を選抜して専任チームを結成。客の心を掴みながら、商品の良さをアピールする技を、徹底的に訓練する。リーダーの男性社員が実演販売すると、店に置いておくだけでは1日数個しか売れない商品が、70個以上売れることもあるという。ポイントは、商品を使った時の喜びを客に知ってもらうこと。チーム唯一の女性店員も、初めて担当商品を任され、いざ実演販売。しかし、客が目の前を通り過ぎるだけで、足を止めてもくれない。悩む彼女に加藤さんが「通行人をお客様に変える瞬間」について手解きをする。その接客術の極意とは。
回転寿司業界に今、大きな変化が起こっている。業界2位「かっぱ寿司」。低価格路線でかつて業界トップだったが、他社との競争激化でここ最近は不振が続く。そんな中、業界5位の「元気寿司」と業務提携に乗り出す事になった。その元気寿司が今押し進めているのが新業態の「魚べい」。回転レーンが無いかわりに、注文専用レーンが3列。客から注文が入ると、店内で加工したネタと1日4回炊くシャリで作った寿司を平均1分30秒で届けるなど、”ネタの鮮度”を武器に人気を集めている。その元気寿司の法師人尚史社長がかっぱの改革も担う事になった。大型店舗を得意とするかっぱと、鮮度にこだわる元気のノウハウが合わされば、生まれ変わるのは可能だと法師人さんは考えていた。法師人さんと共に現場で改革に取り組み始めたのが、かっぱ寿司の福島・北関東エリア責任者・鈴木康一さん。元気流の鮮度を実現するため、ネタの処理やシャリの炊き方を変えるなどやれる事から始めた。さらに、本体では目玉商品の開発も始まっていた。創作寿司や一貫189円の大トロなどを投入することに…。その一方で店舗作りの改革も始まった。鈴木さんが担当する店舗が、リニューアルを迎える事になった。元気のノウハウを取り入れて新しい店舗にし、客を呼び戻そうという。
4月1日から消費税が8%になることを受け、「そのまま増税分を価格に転嫁する」か、「税込み価格を据え置く」か、あるいは「敢えて値下げする」か…各企業は対応に頭を悩ませる。 ファミリーレストラン大手「デニーズ」は、ほとんどのメニューを刷新。消費税の転嫁分を新商品の魅力で補い、客離れを食い止める狙いだ。また、地方の人気スーパーでは、目玉商品の価格を抑えるため、陳列や配送などの作業工程を、専門の「カイゼン部隊」が見直し。懸命なコストダウンを図る。消費増税を機にした、価格決定の裏側を伝える。
植物工場メーカーの「みらい」は、モンゴルに初めて植物工場を輸出した。厳しい自然環境でも、一定の室温を保ち、人工光や養分濃度を独自ノウハウで調整するという日本で培ったシステムを導入。万が一の場合は、日本から遠隔操作も出来るという最新のシステムを構築した。1月下旬、本格出荷。冬場はほとんどが中国から輸入された鮮度の落ちる野菜を売っていた市場に、取れたてのレタスが並んだ。中国産の1.5倍の値段ながら飛ぶように売れていく。今後はロシアにも輸出する予定だ。
リタイア後、悠々自適な生活を送るためにつくられた、日本初の本格的なシニア用分譲マンション「スマートコミュニティ稲毛」。 高級ホテルのような作りと、毎日開かれる趣味の教室が人気だ。ゴルフ、フラダンス、和太鼓にコーラスなど、その数は30以上。さらに夕食は、老舗日本料理店「なだ万」監修の懐石風料理も食べられる。現在2棟だが、来年までに全部で5棟に増える予定だ。社長は、ゲーム会社から転身した染野正道さん。初期投資は大きくても、利用者拡大で回収していく、ゲームビジネスに似ているという。一見、順風満帆…しかし、オープンから4年目の今、異変が起きていた。設立当初は考えられなかった不満が出始めているという。対応を迫られる社長…常識とは違う“理想郷”を探る動きを追う。一方、介護の業界で、型破りな施設が注目を集めている。一般的な福祉施設では、手すりを設けたり段差を無くす「バリアフリー」が常識だが、山口県に本部があるデイサービスセンター「夢のみずうみ村」では、階段や段差など日常の障害物を、あえて配置。常識と真逆の発想で、これを「バリアアリー」と呼ぶ。さらにスタッフは、利用者をすぐに手伝わず、あえて見守ることを徹底。代表の藤原茂さんは「介護しない介護」と訴える。もう一つの特徴が、ギャンブル性の高いメニューで、中でも利用者に大人気なのが「カジノ」だ。他にも、ダーツや輪投げまであり、そこでは「ユーメ」という施設内通貨がやりとりされる。金銭感覚が刺激され、認知症の予防にもなるという。こうした様々なリハビリで、介助なしでは立てなかった車いす利用者が、1年半で歩けるまで回復した例もある。しかし、利用者の要介護度が軽くなると、「収入が減る」と言う経営的な矛盾も。全国にこの?バリアアリー?を広げたい藤原代表の次の一手は…高齢者本人だけでなく、働き盛りの息子・娘世代にも、親の老後生活と介護は心配。ユニークな試みの中で、生き生きとした自分を取り戻そうとする人々の奮闘を伝える。
3月30日に国際線が大幅に増便された羽田空港。世界23都市と1日最大77便で結ばれる事になった。都心からの移動は成田より便利な上、今回の増便で昼間の時間帯に出発する欧州・東南アジア便が登場するなど、利便性が大幅に増した。ANAが新規就航させた羽田ーハノイ線を利用した中小企業の社長を追ってみると、成田へ行くより移動時間が1時間程度短縮。現地には正午頃に到着できたので、午後まるまる仕事をし、夜には現地社員達との会合も持てた。翌日も午前いっぱい仕事をし、午後9時ごろ羽田着。交通の便もよい羽田なら問題なく帰宅できる。”羽田から海外へ”という動きが加速していた。これを大きなビジネスチャンスと捉えているのが旅行会社。HISは羽田発の海外ツアーを続々と企画していた。特に欧州路線は、これまで深夜出発しか無かったが、昼間の出発便も登場。現地滞在時間も長くなり、ツアーもより魅力的になった。また、ツアーの企画にも変化が。多くの航空会社が羽田便を増加したことで座席数も大幅に増えた。そのため直前になって旅行会社にリーズナブルな価格で割りふられる座席も増えたのだ。そのかわり、出発は間近。そこで、1時間足らずでツアーを組み、リーズナブルな価格ですぐに売り出すという取り組みを始めていた。さっそくシンガポール2泊4万9800円というツアーで旅を楽しむ人が・・・。空の旅も大きく変わっていた。一方、羽田の国際便が増えた事で、地方空港にも変化が現れている。実は地方空港から、ソウルや台北、上海などを結ぶ国際線が数多くある。こうした客を追っかけてみると、ソウルの仁川空港などから、別の目的地に乗り継ぐ人も多い事が分かった。地方空港からだと、アクセスの悪い成田から海外へ飛び立つより、ソウルに直接飛んで乗り換えた方が楽なのだという。しかし、羽田の国際線増便以後、富山空港を取材してみると、羽田経由で海外へ出かける人が増えていた。逆に、海外から羽田を経由して富山に来る人たちも増加していた。これをチャンスと見たのが富山県の観光課。羽田の乗り換えが便利になったことをPRすれば、富山に来る外国人客も増えるはず。観光課の荻布さんが仕掛けたのが、外国の航空会社の日本支社長クラスを富山に呼び、直接PRする視察ツアー。4月中旬、富山にやってきた支社長たちに、富山特産の魚介類にこだわった寿司を振る舞い、さらに名所を案内したところ大好評。羽田の変化で地方にも新しい流れが出来始めている。
日曜大工用品や園芸用品、日用雑貨などを販売するホームセンター。店舗数はこれまで右肩上がりで増え続け、いまでは全国に4500店以上もあるという。ところが、店が増えたことにより、最近ではホームセンター同士の集客争いが激化。家電量販店や100円ショップなど、他の業界との競争にもさらされている。そんな中、ターゲットを絞り、特色ある店を作ることで、客をつかもうという動きが出てきた。ホームセンターの最新の戦略を取材する。
4月の消費増税で、消費は落ち込む…そうした予測の中、各企業は、客を呼び込もうと戦略を探っている。大手ファミレスのデニーズは、4月からメニューの8割を刷新。価格戦略も「実質値下げ」「改良し値上げ」「高価格帯の目玉新メニュー開発」と対応。蓋を開けてみると、2000円近くするメニューが予想外に好調だという。また、390円だったパンケーキも、高さを倍にして500円と大幅に上げた新メニューが、売り上げを大きく伸ばしている。この状況を受け、デニーズはパンケーキを更にバージョンアップさせる方針。一方、百貨店では、4月の売り上げが全体的に減った一方、好調な売り場があった。それがデパ地下の弁当だ。東京駅に隣接する大丸東京店では、1500円〜2000円前後の高級な弁当が人気で、前年を上回る売れ行きだという。購入するのは、出張のビジネスマンを始め、ファミリー層や高齢者、更に企業の会合用、近隣に勤めるOLのランチや夕食用など様々。想定外の消費者の“変化”を受け、百貨店側が打った次の一手とは…。一方、総合スーパー大手のイトーヨーカドーは、主力の食品事業が、近年売り上げが減少傾向。考えられたのが、職人たちが手間をかけて作る、新しいタイプのプライベートブランド(PB商品)「つくるものがたり」。PB商品といえば大量生産・低価格が主流だが、「つくるものがたり」は手間がかかる分、数も限られ価格も高くなる。しかし、今年2月から試験的に始めると、予想を上回る人気に。例えば豆大福は、創業53年の和菓子メーカーと組んで、素材や手作業の製法にこだわった。価格は1個150円と、既存商品の2倍程度だが、当初想定の3倍を売り上げ。5月からは新たに、おぼろ豆腐を販売するため、人気豆腐「波乗りジョニー」のメーカーと組んだ。イトーヨーカドーでは、「つくるものがたり」を食品事業の目玉にするために、今年度中に200品目まで急ピッチで増やす方針。脱低価格時代を探りながら次の戦略を模索する、企業の試行錯誤を追う。
人気のスーパー「成城石井」。輸入食材や自社製の総菜・加工品など、こだわった独自の品揃えが特徴だ。今、成城石井は、都心の駅ナカやコンビニ並みの小さなスペースに積極的に出店している。しかし都心の店舗は、売り場面積に限界がある。そこで、場所や客層に応じて力を入れるカテゴリーと、省くカテゴリーを選択するのだ。例えば駅ビルにある錦糸町の店舗では、生鮮食品が無い代わりに、仕事帰りのサラリーマンやOL向けに、簡単に食べられるレトルト食品や酒、さらにつまみを充実させている。選択したカテゴリーは豊富な品揃えをするため、総商品数はコンビニの倍になるという。今年出店する15店舗のほとんどが都市型の店舗。5月下旬にオープンする南青山店もその一つ。出店前には担当者が徹底的に現地をリサーチ。東京・南青山はブランド店が立ち並ぶなどオシャレな街のイメージが強いが、団地や一軒家なども多いことが分かった。さらに、コンビニは多いがスーパーなどはあまり無く、地元の人は買い物に困っていると分析。そこで目玉コーナーとして肉の対面販売コーナーを設置する事にした。一方、東京・麻布十番の店にはさらなる新戦略が・・・。一階はスーパーだが、その2階に成城石井初の外食業態となるワインバーを出店。そこで出すワインや料理の食材を、1階のスーパーでも売るという戦略だ。逆に、スーパーで販売に力を入れたい食材を使って、ワインバーのメニューを作り客にアピールする事も・・・。さっそく相乗効果も現れ始めている。原昭彦社長は「簡単には真似できないビジネスモデルで他社と差別化を図っていきたい」と話す。一方、いま東京では人口の都心回帰が進んでいる。マンションの再開発などが進み、新しい住民が増えているのだ。その変化に対応したいと考えたのが、上野・御徒町で店を構えるディスカウントストアー「多慶屋」。創業から67年、家電から仏壇、豆腐に至るまで、あらゆるものを取り扱い、常連客に愛されてきた。しかし店とともに客も年を取り、客の7割が50歳以上。売り上げも年々減る一方だ。そこでこの春、創業以来初となる新店舗を作って、若い層にアピールする事にした。店づくりを任されたのは若いスタッフ達。新店舗の食品売り場を任されたのは29歳の菊地佳代さんだ。しかし、4月下旬のオープン後もなかなか20代、30代のメインターゲットの売り上げは伸び悩む。特になんとかしたいのが、お茶売り場。本店では高齢者を中心に年2億円を売り上げるが、若い人たちに売るには工夫が必要だ。そこで菊地さんは、お茶を使ったラテを考案。さらにラテを作るキッチン用品を使って実演も・・・。こうした努力の結果、お茶が予想以上に売れた。きっかけをつかんだ菊地さん。「お客さんからのニーズを待つだけでなくこちらから仕掛けていきたい」。街の変化とともに、店も変わる取り組みは始まったばかりだ。
増税などの向かい風が吹く中、今、単なるコラボというレベルを超えて、様々な企業が生き残るための共同戦線を張っている。例えば、モスバーガーとミスタードーナツ。互いの商品の強みに加え、店が賑わうピークの時間の違いを、うまく組み合わせれば相乗効果があるとして、広島で実験的な合同店舗、「モスド」を展開している。そして5月には、モスドブランドで、新商品を発表。果たして成功するのか? また、コンビニのファミリーマートと、「カラオケDAM」を運営する第一興商も。両社が手を組んだ一体型店舗を、4月に東京・蒲田駅前でオープンした。入口は1つで、右を向くとカラオケルーム。左を向くとファミリーマートの店舗。正面のカウンターには、カラオケの受付とコンビニのレジが共に設置されている。カラオケルームは、飲み物・食べ物の持ち込みがOK。カラオケの利用客に、コンビニで弁当や総菜・菓子・飲み物などを購入してもらうのが狙いだ。コンビニ業界は好調とはいえ、出店競争が激しく、弱点となっている顧客層の開拓は必須だ。一方で、カラオケ業界も、いかに効率よく店舗数を拡大していくかが大きな課題。今回の共同店舗では、出店コストを大幅に削減できるという。スタートすると、意外な客層で賑わっていた。更に、百貨店業界トップの三越伊勢丹ホールディングスと全国2万以上の郵便局を持つ日本郵便が共同で、新たな通販カタログ事業に乗り出した。三越伊勢丹側のバイヤーが選りすぐった衣料品などを、全国の郵便局を通じて販売する。日本郵便は、三越伊勢丹と組むことで、そのブランド力と商品力を高める狙い。一方で、三越伊勢丹側は、全国隅々まで網羅する郵便局のネットワークで、とりこぼしていた地域の需要を掘り起こしたい考えだ。百貨店側の目論見通り、地方に眠る商機は掘り起こせるのか…互いの強みを生かしながら、弱みを補い合って時代を生き抜こうとする企業の取り組みを追う。
アイスやドーナツなど、デザートの包装容器を製造する伊藤景パック産業。創業100年を超える老舗企業だ。ところが、取り扱うのは紙やプラスチック製の使い捨て商品。難しい技術も必要ないため新規参入も容易で、中国製の台頭もある。このままでは生き残れないと、新たに開発したのがデザイン性の高い紙の食器「WASARA」だ。商品はコップや皿、お椀。。。業界の常識を覆す発想によって、陶器のように見える質感を作り出した。値段は1つ約100円で「使い捨てなのに、高い」。ところが、そこに需要があった。パーティや高級レストランで使われるようになり、外国人にも人気だ。いま、さらに高級なWASARAの開発が進められているという。一体、どんなものなのか?日本製のメガネの8割以上を生産しているという、福井県鯖江市。戦後の高度成長期に一大産業として発展し、最盛期の1991年には、メガネ関連の会社は約900社にものぼった。しかし、バブル崩壊後、安い中国製のメガネが台頭するなどして、価格競争の波にさらされてしまう。関連の会社も次々と倒産してしまった。その鯖江市で新たに開発された老眼鏡が、いま異例の大ヒットとなっている。その名も「ペーパーグラス」。人気の秘密は折りたたむと2ミリになるという、薄さだ。老眼鏡は、それほどデザイン性や機能が重要とされないため、100円ショップでも売られているほど。ペーパーグラスは1万5000円ほどするのに、注文が殺到しているという。ペーパーグラスを開発した西村金属は1968年に創業し、メガネ用のネジや蝶番などの部品を作ってきた町工場。市内にある10社の関連企業の技術力を結集して作り上げたという。鯖江市の逆襲となるのか?
モノを買う消費者の目が厳しい時代、新しい発想の売り方が模索されている。生き残りを賭け、常識とは逆の発想で客をつかもうという企業の挑戦を追う。今、加盟店を急激に増やしている家電販売チェーンが、名古屋市が拠点の「コスモス・ベリーズ」。その加盟店の店づくりは、変わった特徴がある。例えば愛知県西尾市の「はず店」には、家電の展示が少ない。代わりに、ソファを置くなど、客が団らんできるスペースが作られている。そこで最新家電などを薦めるというのだ。そして、家電製品の仕入れ先は、何と家電量販店ヤマダ電機。在庫を持たずに済む上、仕入れ価格もヤマダ電機がメーカーから仕入れる価格と変わらないため、メーカーから直接仕入れるよりもだいぶ安い。家電を売るためにライバルと組むという?逆転の発想?から生まれた販売戦略だ。ヤマダ電機にとっても、自らの販売網に引っ掛からない地域に手が届くメリットがあるという。さらに、コスモス・ベリーズが街の電気店以外にも、家電を売るために力を注ぐパートナーとして目を付けたのが異業種…果たして成功するのか。
出産を機に6割の女性が退職するといわれる日本。労働人口が年々、減少していく中にあって、働きの担い手として注目されているのが“子育て中のママ”。しかし彼女たちは様々な事情で働きたくても働けない環境にある。そこで子育てと仕事を両立させたい女性の要望をすくいあげて、働きやすい環境づくりを進める様々な取り組みが始まった。子育て中の女性がいざ仕事につくと急な会議や残業も多く、保育園への送り迎えや家事など育児に影響を来してしまう。そうした時、ワンポイント・リリーフで安心して気軽に子どもを任せることができたら…。そんな女性の要望に応えるのが横浜に本社を構えるアズママだ。アズママのインターネット・サイトで個人情報を無料登録すると、近くに住むママたちの情報が一斉に検索可能となる。その中から我が子の世話をしてくれる人を募り、1時間500円でお願いすることができるのだ。このサービスは、行政が補いきれない働くママの悩みを解決する画期的なシステムとして、いま注目を集めている。「週に2?3日、残業がなければ、自分の能力を活かした仕事に就きたい」と考える子育て中の専業主婦が多いという。そこに目をつけ、2年前、「離職する前の会社で高いスキルを身につけた主婦」を対象に人材派遣を始めたのが、東京・新宿にあるビースタイルだ。こうした女性のパワーに、企業が注目し始めた。東京・江東区にある老舗割烹料理の升本。四代目の塚本光伸さんは、本店で出すコース料理の器を一新したいと考えていた。だが、優秀な仕入れ担当者をフルタイムで雇う余裕が会社にはない。そんな時、ビースタイルから、銀座・和光で和食器のバイヤーとして部下8人を率いていた主婦を紹介してもらうことに。果たして、その結果は?
「いつも通り、シロップ2個でよろしいですか?」常連客に気さくに声をかけながら、コーヒーを手渡し。セルフサービスが基本の他のコンビニと差別化を図り、コーヒーを通じて“接客”していこうというローソンの戦略だ。ローソンは今年5月、新浪前社長に代わり玉塚新社長が就任した。コーヒーのファンタジスタ制度は、玉塚さんが副社長時代から陣頭指揮をとって推し進めてきた。最近はコンビニの数が激増し、競争が激しい。「客に選んでもらうためには、今後“接客”が重要になる」と考える玉塚さん。コーヒーだけでなく、店舗全体で“接客”を心がけようと動き出した。兵庫県姫路市の広畑センチュリー病院。正面玄関で「コンシェルジュ」と呼ばれるスーツ姿の女性が笑顔で出迎える。外来患者にはおしぼりやお茶を提供し、入院患者には買い物を代行する。こうした患者への“接客”を重視しているのが、父親から病院を引き継いだ事務長の石橋正子さんだ。これまで病院は診療ばかりに目が行きがちな業界だった。石橋さんはCS(顧客満足度)委員会を設置し、医者や看護師を含む職員の接客や身だしなみ、言葉遣いなどをチェック。また、職員は外資系ホテルで研修を行う。神戸市にある近畿タクシー。同じ商圏には100社以上のタクシー会社がひしめき、ただ街中を走っているだけでは商売にならないという。そこで森崎社長が考えたのが、“接客”タクシーだ。例えば「神戸スイーツタクシー」。時間制の貸し切りで、予約客を乗せて神戸スイーツの店を巡る。ドライバーは運転するだけではない。「チーズケーキの美味しい店に行きたい!」といった乗客の要望に応じて、臨機応変に連れて行く店を変える。そのため、事前に様々な店の情報を頭に入れておくほか、乗客を楽しませるための接客術も学ぶ。新たな企画もドライバーたちが自ら考える。乗客を獲得しようと、“接客”に励むドライバーたちを取材する。
誕生から20年あまり…今や日本全国に1000カ所を超えるまでに増えた?道の駅?これまで通過点だった?道の駅?が、それ自体で観光の目的地となるほどの大きな集客力を発揮している。そこに企業や自治体も注目し、観光の起爆剤として、国内だけでなく、外国人客まで呼び込もうとしたり、過疎の町で道の駅に“行政の機能”を担ってもらう動きが出てきた。2014年夏…進化し続ける?道の駅?その最前線を追った。日本一、道の駅がある北海道…その数114カ所。それを1年かけて全て巡るバスツアーが50?60代のシニア層に大人気だという。7月もツアーが開催され、巡る道の駅は約10カ所。ツアーを仕掛けたのは阪急交通。今や「道の駅」は稼げる場所として、地元の有力な観光資源となっているのだ。愛媛・今治と広島・尾道市を繋ぐ「しまなみ海道」にある道の駅では、長年集客に苦しんできた。6年前、立て直しに取り組んだのが株式会社しまなみの社長・村上秀人さん、目をつけたのが昨今ブームの自転車だ。実はしまなみ海道は自転車で渡ることができる日本でも珍しい大型の橋。村上さんは自転車乗りに便利な環境整備を着々と進め、徐々に自転車愛好家が集う道の駅として知られるようになってきた。村上さんはさらなる集客を狙い、自転車大国として知られる台湾に目を付けた。果たして、しまなみ海道に外国人を呼び込むことはできるのか…。今年5月、山口県周南市に道の駅「ソレーネ周南」が開業した。国や地元自治体が19億円を出資したこの「道の駅」は、住民に密着したサービスに取り組んでいる。周南市が考えたのが「生きがい支援」というコンセプト。お年寄りが作る農作物をわずかな量でも集荷して売ることで、生活に張りを持ってもらい、さらに買い物が不便な集落のために、生活に必要な商品を届ける配送サービスも行う。「道の駅」の新たな挑戦は、実を結ぶのだろうか。
蒸し暑い日本の夏に、冷えたモノを食べたり飲んだりする様々な工夫…国内では4世紀、冬にできた氷を?氷室?で蓄え、夏場に嗜んでいたことが日本書紀に記されている。そして現在に至るまで、その飽くなき欲求を満たそうとしてきた。そして?冷やす技術?を今、海外にも展開しようとする動きが広がり始めていた。その最前線を追う。去年1年間で3億杯以上を販売したセブン-イレブン・ジャパンのセルフ式ドリップコーヒー。そのアイスコーヒーに使われているのが、小久保製氷冷蔵の氷だ。?溶けにくい氷?とも言われ、透明で、冷たさを長持ちできるのが特徴だという。工場を訪ねると、そこには氷を溶けにくくするための意外な技術があった。そして小久保製氷冷蔵は今、タイで自社工場を稼働させている。タイでは、ビールに氷を入れて飲む習慣がある。そうした市場に小久保製氷冷蔵は、日本でもお馴染みの「ロックアイス」を投入。?透明で溶けにくいニッポンの氷?を売りに販売を拡大していた。但し、価格は現地の氷よりも約2倍とだいぶ高め。果たしてタイ市場で広がるのか…。一方、2年前にキリンが発売したビール「フローズン<生>」は、グラスに注いだ一番搾りの上に、マイナス5度以下で凍らせたシャーベット状の泡を乗せる、世界でも例を見ないタイプのビールだ。凍っても、泡がキメ細かく清涼感もあるとの評価から、日本人好みの、まさに?キンキンに冷えたビール?。そして現在、中国・上海、台湾、シンガポールなど海外市場でも、徐々に投入を始めた。キンキンに冷えたビールは海外でも通用するはず…しかし、香港に渡ったキリンの営業担当者は、意外な壁にぶつかる。とにかく一度飲んでもらえれば、その良さが分かってもらえるはず…担当者は、飲食店関係者などに、ある仕掛けを働きかける。
2013年9月に「ガイアの夜明け」で放送した「メビオール」という会社。土や水がほとんどなくてもトマトを育てられるという特殊なフィルムを開発したベンチャー企業だ。そのフィルムは「ハイドロメンブラン」と呼ばれ、糖度やアミノ酸を多く含む「甘くて果物のような」トマトを作り出せるという。社長の森有一さんは早稲田大学の研究員。元々は東レの技術者として人口透析膜を開発してきた。森さんはこの技術を海外にも広めたいと考えていた。世界には土壌や気候の問題で野菜を生産できない国が沢山あるからだ。今年の春、森さんは初めて海外にフィルムを持ち込んだ。それが、中東のUAE、アラブ首長国連邦。国土の大半が砂漠で占められていて野菜の生産が難しく、輸入に頼るため、新鮮でない上に高価格となっている。UAE産で、しかも“絶品のトマト”を作ろうと、森さんの挑戦が始まった。通常、魚の養殖は海に生け簀を設けて行われる。しかし、技術の進化により、いま陸上でも様々な水産物の養殖が始まっている。その1つが、新潟県妙高市にある「IMTエンジニアリング」という会社。ここでは「バナメイエビ」の養殖を行っている。実は、バナメイエビは孵化して2週間ほどは海水でしか生きられないが、その後は淡水でも生きられる。その特徴に目を付け、生後10日ほどの稚エビを海外から輸入し、陸上養殖することにしたのだ。「IMTエンジニアリング」では水槽内の温度を調整。また、特別な技術によって波を作り出すことによって、エビの身が“プリプリ”するという。国内産という安心感もあり、いまでは都内の高級レストランなどで人気となっている。そのIMTエンジニアリングが、モンゴルでエビの養殖を始めようとしていた。モンゴルは国土の大部分が草原で、海に面してもいない。そのため海産物を食べる習慣がなかった。そんなモンゴルの人たちに、日本の技術を使って作る“絶品のエビ”を届けようというのだ。
生粋のロリ娘・真奈ちゃんのかわいくてセクシーなショットが満載! チアガールスタイルの真奈ちゃんが印象的。小柄なボディにぴったりで、キュートさも際立つ。色々なポーズを決めてくれていて、最後はビキニ姿になるサービスも。 1994年生まれ、スリーサイズは上から80、60、92の真奈ちゃん。小柄なロリ娘でありながら、お尻の存在感は圧倒的。画面を通じて見ても、その重量感に圧倒されること間違いなし。ナチュラルな部屋着から、セクシーなビキニ姿まで、衣装をがらりと変えている。
中野ゆきみが形が良くて柔らそうな100cmバストを数種の衣装で強調! お姉さんと少女が同居するルックスのゆきみちゃん。まだ、イメージDVDはリリースされていないので、本作は貴重映像。ぽっちゃりマニアなら押さえておきたいグラドルだ。 競泳水着姿で登場したゆきみちゃん。ベッドの上でゴロゴロすると巨乳とともに豊満尻も波打ち、そのマシュマロぶりが露わに。ミニスカワンピを脱ぐと、小さめランジェリーがむっちりボディをわずかに隠していた。横になるとブラから巨乳がはみ出しそうで…。
甘い笑顔とふわふわバストにフォーリンラブ!紺野栞が迫力バストで魅せるイメージ キャラクターも体も優しくふわっとした印象を持つ栞ちゃん。隣にいたらすごく落ち着けそうな癒やし系の雰囲気と、グラマラスボディのギャップがとっても刺激的。 女の子らしい衣装がふんわりした雰囲気にマッチしている栞ちゃん。ベッドで横になり体を揺らすと、大きなバストが左右にふるふるたゆんと揺れる。恥ずかしそうにワンピースを脱ぐと、はち切れそうな豊満バストがお目見え。すべすべの色白ボディがジューシー。
あどけない顔にスリムボディの栗田恵美ちゃんがエッチなポーズを連発! かわいい下着姿になった恵美ちゃん。今にも眠ってしまいそうに見えたが、ここから一気にセクシーに。口を半開きにして、目はとろ〜ん。表情だけでも興奮必至だ。 身長は162cm、スリーサイズは上から78、56、82。スレンダーボディの栗田恵美ちゃん。新進の女流カメラマンに扮して、撮影にチャレンジ。当然、自らも被写体となってエッチなポーズを連発。体のくねらせ方、表情の作り方、ポイントは外さない。
スレンダーな体つきの和風清楚美人・大塚びるちゃんのイメージ すらりとした細身ながら、ほどよい胸の膨らみと柔らかそうな肢体は、男にとってまさに理想の体型。照れ隠しなのか、笑顔でいっぱいおしゃべりしてくれる姿もキュート。 落ち着いた雰囲気の大塚びるちゃんが私服姿で登場。ベッドの上で服を脱ぎ、バスト86cm、ウエスト60cm、ヒップ86cmの均整の取れた肉体を披露。自然体な白ビキニ姿、そしてスポーティな衣装に着替えた彼女が醸し出す“日常感”に思わずドキドキ。
もちもちバストにくぎづけ!Hカップの純朴アイドル・明石裕未ちゃんのイメージ 95cmの迫力バストと明るいキャラクターが魅力の裕未ちゃんは、東京と関西を行き来して活動している頑張り屋さん。撮影でもはにかんだ笑顔と柔らかバストを武器に全力投球! ニットにスカートを合わせた女の子らしい衣装の裕未ちゃんが、ベッドの上でリラックス。スカートをめくってむっちりヒップや太腿を露わにし、ニットをたくし上げると深い谷間が出現。下着姿になると、横から下からバストがあふれてとっても悩ましい!
どうしてこんなにプリティなのか!?ぐっと色づいた菜乃花の赤裸々イメージ 愛くるしいキュートなルックスに、Iカップの美巨乳で人気を集めているグラビアクィーン・菜乃花ちゃんをバリ島で撮影。セクシーな彼女との甘い旅行気分を味わえる。 磨き上げられたミラクルプロポーションが魅力的な菜乃花ちゃんは、婚約者と共に開放感あふれるバリ島へ旅行へ行くことに。ベッドでゴロゴロしたり、ビーチで遊んだり、色っぽい視線を向けたりと、かわいいだけじゃなく大人の色気も漂わせている。
2018年に球団誕生15年目を迎えた北海道日本ハムファイターズの歴史を回顧するドキュメンタリー。5度のリーグ優勝、2度の日本一を成し遂げたチームはどのように作られたのか。既成概念に縛られない夢を持った挑戦を続けた15年間や、北海道に築いてきた球団の思いを当事者たちが語り、明らかにしていく。 主な出演者:栗山英樹、金子誠、田中賢介、鶴岡慎也、宮西尚生、中田翔、稲葉篤紀、トレイ・ヒルマン、岩本勉、建山義紀、稲田直人、森本稀哲、ダルビッシュ有、大谷翔平 Copyright ? Hokkaido Nippon-Ham Fighters. All Rights Reserved.
週刊少年ジャンプの傑作漫画をアニメ化。80年代を代表するラブコメアニメの金字塔! 当時一世を風靡したヒロイン・鮎川まどかをはじめ、ヒロインたちの不変の魅力に引きこまれる!主人公・恭介の一家が超能力一家であるという設定も物語を盛りあげてくれる。 新たな街へ引っ越してきた、家族全員が不思議な超能力を持つ春日一家。その長男の恭介は散歩中、赤い麦わら帽子を被った美少女と出会う。彼女に魅了された恭介は転校先で再会するが、その美少女・鮎川まどかは学校では誰とも馴染もうとしない問題児で…?
「破天荒芸人」、平成ノブシコブシの吉村崇は超本気で無人島購入を考えている。そこで日本で買える無人島を徹底調査! 場所・価格・インフラ整備…無人島を買うには様々な問題がある。そこで、実際に売り出されている無人島へ向かう。その島で吉村は、手つかずの雑草を一心不乱に刈り続ける。それには吉村の無人島が欲しい熱い想いが関係していた…。物件を見てみるとその素晴らしい条件に心が揺らぐ…。本気で無人島が欲しい吉村崇のドキュメントバラエティ。
長崎くんちとは、寛永11年を始まりとする長崎県長崎市諏訪神社の秋の大祭である。その諏訪神社に奉納踊りを披露する言わば当番の町を踊町と言う。踊町は、7年に一度回ってくる。平成最後の長崎くんち。諏訪神社の大トリを飾るのは出島町の阿蘭陀船。長崎国際テレビのアナウンサーの白方雄平も身体を張って根曳き参加。重量級の船を豪快に引き回す根曳たちに密着。稽古から本番まで3か月間のドラマとは?! 圧巻のチームワークに脱帽!!
日本海テレビの赤井アナウンサーが地元の情報番組をPRしながら沿道の麺料理を紹介し、島根県津和野町から鳥取県岩美町までの350kmを横断し、さらに国道9号の起点・京都まで175kmを歩きます。地元の方とのふれ合いや四季を感じる風景と出会い、そして何といってもこの旅の主役であるラーメンやうどん、そばやパスタなど絶品の麺を赤井アナが美味しくいただきます。毎回心温まる人や麺との出会いがある旅、山陰の西の端から京都まで一緒に歩いている気持ちでお楽しみください!
1930年代、社会の不平等を正す理想に燃えた実在の若者たちをモデルにしたスパイドラマ ケンブリッジ大学の学生だった青年たちが、ナチスの台頭や第二次世界大戦を経てソ連に亡命するまでを丁寧に描く。彼らの苦悩や葛藤など、繊細な人間描写も見どころ。 1934年、ケンブリッジ大学の4人の学生・ブラント、バージェス、フィルビー、マクリーンは社会正義の信念のもと、スパイ団を結成。祖国を裏切り、社会主義国家のソビエトに重要な情報を流し始める。20年に及ぶ防諜活動で、彼らが体験したこととは…。
『主任警部アラン・バンクス』は、イギリスのITVで放送されたテレビドラマシリーズ。原作はピーター・ロビンソンの『余波』などの小説シリーズ。2010年からシーズン1が放送開始し、その後シーズン5まで製作された。シーズン2は2012年10月から放送開始。重犯罪捜査班のリーダーである主任警部アラン・バンクスが、仲間たちと凶悪犯罪に立ち向かっていく本格クライム・サスペンスとなっている。アラン・バンクス(スティーブン・トンプキンソン)は、ヨークシャー警察の重犯罪捜査班の主任警部。部下となったアニー・カボット(アンドレア・ロウ)は、妊娠をしており、近々産休に入ることになっている。アニーの代わりとして、警部補ヘレン・モートン(キャロライン・キャッツ)がバンクスのチームに異動してくることが決まる。その翌日、“ジェニファー・ルイス”という女性の射殺体が発見された。容疑者はなんと、バンクスの弟・ロイ!? ほかにも、頭を散弾銃で吹き飛ばされる殺人事件や、行方不明の女子高生が殺害される事件も発生し…? 新しくやってきたヘレンもなかなかの曲者。そんなヘレンに困惑しながらも、バンクスは事件の真相に迫る――!
GT3の世界一を決める夢のステージ・鈴鹿10時間耐久レースの模様を追いかける! 市販車ベースのGTレーシングカーによるこの耐久レースは、50年以上の歴史を誇る鈴鹿1000kmを引き継いだ盛大なイベント。真夏の過酷な環境がレースをさらに熱くする。 世界屈指のテクニカルコースといわれる鈴鹿サーキットに、世界各地で行われるGT3レースのシリーズ王者と有力チームが集結。賞金総額1億円を懸けて、世界のGTカーがしのぎを削る。ラインが読みづらいナイトセクションでも一流ドライバーが激走。
K-POPアイドルたちが生徒たちにサプライズ!10代の10代による学校バラエティ 変装して学校に潜入するミッションをはじめ、正直な気持ちを伝える「ドアを開けて告白」コーナー、ミニコンサートなど、アイドルたちの魅力をたっぷり堪能できる。 アイドルスターたちが事前の予告なく学校を訪問する人気企画が10年ぶりに復活。NCT127やMONSTA X、NU'EST W、PRISTIN Vなど、韓国はもちろん世界でも活躍するアイドルたちが学校を訪れ、一生忘れられない思い出を生徒たちにプレゼントする。
『主任警部アラン・バンクス』は、イギリスのITVで放送されたテレビドラマ。シーズン1の放送が開始されるやいなや、その面白さが反響を呼び、シーズン5まで製作される人気シリーズとなった。ヨークシャー警察重犯罪捜査班の主任警部アラン・バンクスが、凶悪犯罪に対峙していく本格クライム・サスペンスだ。イギリスで数ヵ月の間に、5人もの少女が行方不明になる事件が発生した。イギリス郊外のヨークシャー警察で主任警部をしているアラン・バンクス(スティーブン・トンプキンソン)が捜査にあたる。事件の犯人と思われる男を見つけ出すが、彼は警察官を1人殺害し、逮捕間際に負ったケガにより昏睡状態に陥ってしまう。監査部のアニー・カボット(アンドレア・ロウ)と衝突しながらも、バンクスは事件を解決するために奔走する。事件の被害者を思いやるあまり、ときに暴走することもある人間味豊かなバンクス。彼が心血を注ぎ挑んでいくのは凶悪犯罪の数々! バンクスのスリリングな捜査に目が離せない!
原子炉の廃炉を目指す人々の想いと、放射能との長きにわたる戦いを綴ったドキュメント 廃炉を実現するための過程、やらなければいけないことなどを解説。原発の実態、現場の実情のみならず、福島の人々や作業員らの心情などについても掘り下げていく。 史上最悪の事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所。その3つの原子炉を廃炉にするという、人類史上例を見ない試みはどのような経過をたどるのか。原発や廃炉の内情、廃炉の行方を見守る福島の人々など、放射能との長き戦いを多角的に記録する。
最果ての地、南極へ!極寒の大地で暮らす生き物と大自然を捉えたドキュメンタリー ペンギン好きの俳優・大野拓朗が南極を巡る旅に出発。「世界初となる南極からの4K生中継」という任務を与えられ、その舞台裏のハプニングと自然の雄大さを楽しめる。 地球最後の秘境と呼ばれる南極。荒波を乗り越え訪れた夏の南極は、繁殖の時期を迎えたヒゲペンギンやどう猛なヒョウアザラシなどが暮らす生き物の楽園だった。さらに、太古の空気を閉じ込めた氷や青く光る巨大な氷山など、自然界の神秘に出会う。