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血の海
『一人殺すごとに故郷が遠のく』
マット・デイモン (ライアン) バリー・ペッパー(狙撃手)
2021年8月8日(日) BSテレ東
名作
『プライベートライアン』
戦闘シーンや、その舞台となる浜辺や廃墟など、かなりリアル!迫力も凄い!
アカデミー賞『撮影賞』を受賞した作品。その"映像"は凄いんですよ?だけど"演出"が個人的に撮影が好みでは無いんですよね。笑
ストーリーの感動ポイントは万人受けを狙った定番ネタを使っている事は良い!ただ感動のさせ方が無理矢理過ぎる。
【撮影の"演出"が好みでは無い】
●ハンドカメラ風/ドキュメンタリー風
・あたかも戦場でカメラを回しているかのような演出で撮影している。
①オーバーに揺れる手ブレ感
②ワザと撮るべきものを途切れさせる
③不要な物を長回しする
大きく分けてこの3点!緊張感を与える演出です。戦闘シーンは全て、この演出で撮影されている。
何と言うか、単純に映像が見にくい!見えない事が演出である事は理解しています。
しかし、せっかく大規模な舞台でド迫力の戦争シーンをやっているのだから、兵士視点だけでは無く、建物の上からだとか様々な視点を取り入れて、本作の強みである規模の大きさをもっとアピールして欲しかった。
【ドラマ性について】
・普段、映画を観ない層をもターゲットにした映画でしょう。ストーリーは難し過ぎず、万人に感動を与えるラストでなければならなかったはず!そうなると本作のように誰かが誰かの為に犠牲となる物語がポピュラーでしょう。では以下のそれぞれについて詳しく考察してみる。
(主な感動ポイント)
①リンカーンの手紙の引用
②トムハンクスの犠牲
【①リンカーンの手紙】
・軍のお偉いさんは、南北戦争の際にリンカーンが書いた手紙に心を動かされマットデイモンを帰還させる事に。
ラストにその手紙を引用した手紙をマットデイモンの母に送る。その手紙を読み上げるナレーションが入り、『エイブラハムリンカーン!』と言うところはカッコ良い!曲も最高で偉大さを感じる。
だけど、この手紙は主人公が抱える矛盾(8人の命を犠牲にして1人を救う)の象徴です。
主人公はこの矛盾を抱えながらも任務を遂行し、犠牲となった。そこに感動を見出させる物語です。なので、この手紙は矛盾の象徴でなければ物語は成立しません。
なのにラストで急にカッコ良い存在として扱われます。しかも、このシーンの伏線として登場させたかのような扱いをされる。
【②トムハンクスの犠牲】
・共同墓地を訪れた老デイモン。
『命を無駄にするな』と言われたが、自分の人生に自信が無いデイモン。それを妻が励ます。
つまり社会に貢献する何かを残した訳では無く、家庭を持つ1人の男として立派に生きたという事。
それにしては家族からの慕われ感が薄い!
家族を同行させているのに、遠くで待たせているし、墓跡に家族を紹介する訳でも無い。
『家族』がデイモンに取っての『命を無駄にしなかった』戦争後の人生の証なんです。
それなのに家族の絆を感じる描写は一切無し!
つまりトムハンクスが犠牲になった事による功績が語られていない。ただ単に死んだ事による悲しみが感動として扱われている。『泣ける=感動』と定義している映画は良い映画とは言えない。
【まとめ】
トムハンクスの左手が震えていた事は何かの伏線ではありませんでした。
矛盾の中、任務遂行をするトムハンクスだったけど、それをさせる事で何を描きたかったのかが分からない。
上の命令は絶対である軍の厳しさ?それによる犠牲の悲しさ?社会の習わしに従う男の生き様?解釈はいくつか出来るが、作品から感じる明確なものは無い。
スピルバーグ作品は、常に主人公が成長する物語に仕上がっているが、本作は少し違うように感じる。
血だらけのシーンがたくさん。
首飛んだりはたくさん。
寝る前は、観ちゃうと考えてしまいそう。
始めの戦闘シーンは確かに衝撃的ですが、やはり内容が重い
学校の映画鑑賞で観た
台詞の一つ一つ、見れば見るほど深い
戦争映画の決定版。
あまりに決定的すぎて、後続の映画やゲームに至る所までその影響が見受ける。
反戦をテーマとしながら、強いメッセージや主張を前面に出さずに、陣営とは直接関わらないプロットで、中立に近い立場で戦争の徒労感体感させてくれる。
欠点があるとしたら、他の戦争映画の見る気が削がれる点だ。