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カオス(2000年・日本)
仄暗い水の底から
リアル人狼ゲーム 戦慄のクラッシュルーム
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俺にはわかる、何だってわかる、自分のこと以外なら。
『行け!稲中卓球部』などのギャグ路線で知られている古谷実のサスペンスホラーコミックを、『冷たい熱帯魚』『愛のむきだし』の鬼才・園子温が監督を務め映画化。主演の染谷将太と二階堂ふみは、第68回ヴェネツィア国際映画祭で、マルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した。
中学3年生の住田祐一(染谷将太)は、ボート屋の子ども。「一生普通に暮らすこと」を夢見ていた。
しかしその妨げとなっているのは、自堕落に生き家事や育児を放棄している母親(渡辺真起子)と、母親とは離婚しているにもかかわらず何度も家を訪れ、暴言や暴力を振るってくる父親(光石研)の存在だった。
住田の唯一の心の救いは、ボート屋の周囲にブルーシートを張って暮らしている、夜野正造(渡辺哲)らホームレスとの交流だった。彼らは東日本大震災の被災者で、すべてを失った絶望を抱えつつも、助け合って生活していた。
ある日、母親が新しい交際相手とともに行方をくらまし、住田は中学生にしてボート屋を経営する羽目に。父親の借金600万円を、サラ金の社長・金子(でんでん)に肩代わりさせられ、その後も金をせびりに来る父親に耐えかねて、住田は父親を衝動的に殺害してしまう。
ひっそりと普通に暮らしたいという願いとは裏腹に、住田の運命は徐々に狂わされていく…。
監督 園子温
CAST 染谷将太/二階堂ふみ/渡辺 哲/吹越 満/神楽坂 恵/光石 研/渡辺真起子/黒沢あすか/でんでん/村上 淳
STAFF 【脚本】園子温
【原作者】古谷実
【製作者】依田巽/吉岡富夫
上映時間 129分
製作国 日本
15歳の中学生。夢は、ひっそりと普通に暮らすこと。しかし父からは虐待を受け、母は行方不明になり、普通でない運命に巻き込まれていく。母の残していったボート屋を経営することに。ホームレスや茶沢から尊敬される、カリスマ性を持っている。
機能不全家族の中で苦しむ中学生。15歳。夢は、愛する人と支え合って生きていくこと。クラスで異彩を放つ住田に好意を持っており、「住田語録」を集めて自室の部屋に貼っている。両親に見捨てられた住田を気にかけ、ボート屋の運営を手伝う。
ホームレス。東日本大震災の被災者。今はボート屋の前にブルーシートを張って暮らしているが、被災前は会社の社長として日々大きな金を動かしていた。そのため強い信念や行動力、鋭い観察眼を持っており、住田が背負わされた借金の返済を助けようとする。
住田を精神的・肉体的に虐待している人物。住田の母とは離婚している。多額の借金を抱えており、金をせびるためにボート屋をたびたび訪れる。住田に会うたびに「さっさと死ね」といい、住田が反抗的な態度を見せるとすぐに殴る。
自堕落に生きる女。住田の父とはすでに離婚しており、元夫への対応は住田に任せきっている。住田にきつく当たるわけではないが、家事放棄・育児放棄によって住田を苦しめる。新しい交際相手とともに、少しの金を残して家を出ていった。
サラ金の社長。住田の父が作った600万円の借金を、住田に返済させようと迫る。住田とその場にいた夜野が反抗的な態度を見せたため、部下とともにふたりをタコ殴りにする。
茶沢を精神的・肉体的に虐待している。日常的に罵声を浴びせるうえ、元夫の莫大な借金を返済するという名目で、茶沢の貯金を奪ってまでパチンコに行こうとする。茶沢を殺すため、新しい夫とともに絞首台を自作している。
ホームレス。東日本大震災の被災者。藤本とともに住田のボート屋に現れ、裏の土地に場所を借りて、ブルーシートを張って暮らしはじめる。
ホームレス。東日本大震災の被災者。まーくんとともに住田のボート屋に現れ、裏の土地に場所を借りて、ブルーシートを張って暮らしはじめる。謙虚な性格。
ホームレス。愛する圭子とともに、住田のボート屋の前にブルーシートを張って暮らす。東日本大震災の被災者。住む場所を与えてくれる住田のことを、さん付けで呼ぶ。
ホームレス。住田のボート屋の前にブルーシートを張って暮らす。東日本大震災の被災者。圭太のことを深く愛している。ホームレスとは思えないような可愛らしい服装を好む。
スリの常習犯。駅前で人にぶつかった拍子に財布を盗む。現場を目撃した夜野に、犯行手口を教えるよう頼まれる。
アマチュアバンド歌手。駅前の商店街で路上ライブをしているところを、通り魔に狙われる。
第68回ヴェネツィア国際映画祭で、新人俳優賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞した、主演の染谷将太と二階堂ふみの演技は見逃せません。
染谷は父親役の光石研やサラ金社長役のでんでんとの取っ組み合い・殴り合いの暴力シーンで、リアリティのある演技を見せてくれます。また染谷が表現する、自暴自棄になった少年の目のぎらつきなどにも注目です。
二階堂は、母親役の黒沢あすかとのもみ合いの演技に加え、染谷との緊迫感ある掛け合いで、ポテンシャルを発揮しています。
今作の原作は、古谷実による「週刊ヤングマガジン」連載のコミックです。古谷は『ヒミズ』を、それまでのギャグ路線とは一線を画した、シリアスなホラーサスペンスとして制作したそうです。
原作と映画版とでは、ストーリーや人物描写などで、多くの違いがあります。たとえば、原作では夜野は住田と同い年ですが、今作では東日本大震災ですべてを失ったホームレスという設定です。
また、原作で住田は「化け物」という正体不明の存在が見えるという設定ですが、今作ではそのような幻覚症状の描写はありません。設定に違いはあれど、住田の持つ普通の生活への切望や、正義感をシリアスに描いているという点は一貫しています。
染谷将太演じる主人公の住田は、ひっそりと普通に暮らすことが夢でした。
しかし母親は行方不明となり、借金まみれの父親を殺害してしまったことで天涯孤独となった住田は、「普通の暮らし」を諦めざるを得ない状況になってしまいます。
その後の人生を「オマケ人生」とうたって、包丁を持って夜の街を徘徊し、人に迷惑をかける馬鹿者を始末しようとするようになりました。孤独と絶望の果てに現れたひどい社会への正義感を、よく描いた作品です。
ポスターで感じ取った空気とは全然違うものだったけど
とても考えさせられる作品だった
染谷将太
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aukana(アウカナ) by 動画配信サービス比較情報.com
2018月9月25日~2020月10月19日
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