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戦争という極限状態で繰り広げられる兵士たちの選択と絆。 実話をもとに作られた反戦映画であり、リアリティを徹底的に追求することで、戦争を知らない観客たちを第二次世界大戦のさなかに引きずり込んだ。 第二次世界大戦の渦中、ミラー大尉率いる8人の兵士にひとつの命令がくだされた。 ノルマンディーで行方不明になっている最下級兵ライアンを帰国させよ―― 軍隊の規定のひとつ「ソウル・サバイバー・ポリシー」の名のもと、4人の息子のうち3人を亡くした母親のために。 見知らぬたったひとりの命を救うために、8人の命を賭ける意義に煩悶する兵士たち。 そして、戦場から強制的に帰国命令の要請を受けたライアンは、どのような決断をくだすのか？ ライアンの選択が、ミラー大尉たちの運命を大きく変えていくことになる。 1999年の第71回アカデミー賞で11部門にノミネートされ、監督賞（スティーヴン・スピルバーグ監督）を含む5部門を受賞したこの映画は、ハリウッド史上最も愛国的といわれ、その後の戦争映画のあり方を変えたと言われる記念碑的作品である。

父を黒人に殺された恨みから、白人至上主義の極右組織“ネオナチ”のメンバーとなったデレク。彼を崇拝する弟ダニーは、デレクが黒人の車泥棒を殺した罪で服役中に“ネオナチ”のメンバーになってしまう。服役中に別人のように穏やかになったデレクは、弟の変貌を出所後に知る。白人至上主義のメンバーとなったある兄弟の悲劇を通し、現代アメリカの暗部を衝いてゆく。

現代のサンフランシスコ。街を見下ろすビルの一室で、インタビュアーを前に美しい青年ルイが自らの半生を語り始めた。18世紀末、最愛の妻を亡くし、絶望の淵に沈む彼の前に現れた悪魔的美貌の吸血鬼レスタト。彼によって永遠の命を与えられたルイ。永遠の命を生きるヴァンパイアの苦悩と孤独が、幻想的に綴られる。

娘を卒業試験に合格させるために奔走する父親の姿を描いた人間ドラマ カンヌ国際映画祭で3度の受賞歴がある『4ヶ月、3週と2日』のクリスティアン・ムンジウ監督作。徹底したリアリズムと緻密な脚本、秩序のある構成に引き込まれる。 医師・ロメオの娘・エリザが暴漢に襲われる。大事には至らなかったが、彼女は動揺し、イギリス留学を決める翌日の卒業試験に影響が出そうだった。ロメオは違法な手段を駆使し、警察署長、副市長、試験官に、ある条件で合格させてもらえるよう依頼するが…。

欲望、狂気、暴力が渦巻く1970年代ラスベガスを舞台にした破滅のドラマ 「グッドフェローズ」などの名コンビ、M・デ・ニーロとM・スコセッシによる犯罪劇。実力派俳優のアンサンブルはもちろん、70年代ラスベガスを完全再現した美術にも注目を。 類まれな賭博の才能をマフィアに認められて、ラスベガスのカジノ「タンジール」のマネージャーに抜擢されたエース。順調に仕事をこなしていた彼だが、浪費家のジンシャーを妻に迎え、気性の荒い旧友ニッキーとの再会が、彼の運命を大きく狂わせていく……。

一人の少年が見た奇妙な出来事を、詩的で美しい映像で綴っていく怪奇幻想譚 さまざまな出来事が重なり、少年の思い込みがエスカレートする展開に引き込まれる。美しいシーンや幻想的な描写が、主人公同様に見る側の想像力をかき立ててくれる。 1950年代、アメリカのある田舎町。7歳の少年・セスは、ある出来事をきっかけに、町外れの邸宅に住む未亡人を吸血鬼だと思い込むようになった。そんなある日、友人のイーベンが死体で見つかる。セスは未亡人を疑うが、警察は彼の父親に容疑を向けていた。

ピュリッツアー賞を獲得した実話小説を映画化した49年作品のリメイク ショーン・ペン、ジュード・ロウが共演した人間ドラマ。いつの世にもある政治腐敗だが、なぜこのタイミング（2006年）でリメイクなのかに思いを馳せると興味深い。 下級役人のウィリーは、ある政治汚職を追及し、逆に辞職に追い込まれるが、何と知事選に担ぎ出されることに。実は、対立候補の票を割る当て馬だったのだ。それを知ったウィリーは、演説原稿を破り捨て、自身の言葉で民衆に訴え掛けて知事に当選するが…。

ヒッチコックは戦争をこう描いた！日本劇場未公開だった幻の密室サスペンス アルフレッド・ヒッチコックが戦時下の救命艇を舞台に描くサスペンス。極限状態に置かれた人々の濃密な人間ドラマが、やがて大きなうねりとなりラストへと突き進んでいく。 第2次世界大戦中、大西洋を航行中の客船がドイツの潜水艦・Uボートの攻撃により沈没。脱出した数名の男女は1艇の救命艇にたどり着くが、そこへ連合国軍により撃沈させられたUボートの残兵も乗り込んでくる。人々は残兵に対し、人道的に振る舞おうとするが…。

差別と戦う弁護士の父を子供の視点から描いていく社会派ドラマ 信念を持つ男の法廷ドラマとしてはもちろん、子供の目から見た大人の世界を描いた作品としても見応えがある。我が子を教え導く父親としての姿にも感動させられる。 1932年のアメリカ・アラバマ州。幼い息子と娘と静かに暮らす弁護士・アティカスは、白人女性暴行の罪で訴えられた黒人青年・トムの弁護を依頼される。人種偏見の強い町の人々は冷たく当たるようになるが、アティカスは正義を重んじ、弁護を引き受ける。