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訳あって精神病院で暮らす人達とそこで巻き起こった事件に翻弄される人々。ラストの裁判のシーンは感動。
ストーリーに無理があるけれど、とてもイイ。
ネタバレを含むレビューです。
小松菜奈さん おかっぱ素敵
小林聡美さん 安定に安心
クールな色と雰囲気 あずさ2号!また会う日まで
2022年5月4日(水) GYAO!
本当に死刑執行が失敗してしまった人っているのかな
人間の心、仕組みはどうなってるんだろうな。普通ってなんだろって思う。
この映画を観た感想として一言で言うと、「主演3人の演技が素晴らしく、精神病に対する印象が変わる静かな作品」という印象です!
それでは、印象に残った評価ポイントを一つずつ見ていきましょう!!
良かった点①
《精神病棟の存在と共に描くストーリー》
良かった点としてはまず、「精神病棟の存在と共に描くストーリー」ですね!!
「精神病棟の正体・本質とは何なのか」
一般的には精神病を治療する為に入院する場所ですよね?
しかし、それは表向きの存在に過ぎない場合があるんです。
どういうことかと言うと、この作品で描かれている精神病患者は、家族に「厄介者」として追い払われた身であり、その追い払われ場所が「精神病棟」なのです。
※これは、全てに当てはまることではなく、現実に完全に治療目的として使用されている方も多くいらしゃいます。
精神病患者は正気でない行動や発言をする為、同じ人間に見えないことから、一般人は患者たちに対して「偏見の目」が向けられている現状がありますよね。
しかし、精神病患者は何も考えていないように見えて、世間の目や家族からの対応に空虚な感情を抱いているのです。
そして、精神病棟に長くいれば次第に普通に生きることを忘れ、患者として生きることが当たり前になり、人ととしての「輝き」や「希望」を失なっていくんですね。
また、サブタイトルには、「それぞれの朝に」とありますが、「朝」とは暗闇から明るくなった状態であり、「希望」「輝き」等、ポジティブなものをさします。
つまり今作は、そんな厄介者という存在となってしまい、輝きや希望を失った3人の患者が、似た心の痛みを通じ合わせることで、「普通に生きる人としての希望を見出す物語」となっており、感傷的に彼らへの印象を変えさせらる道徳的な内容となっていて感動を受けました。
僕らが普段触れない場所でありつつも、街ではよく「精神障害者」を目にすることがあります。
強いものが勝つこの社会では難しいことではありますが、彼らが人として輝ける社会作りと医療機関の必要性、そして道徳教育と家族が支えやすい環境づくりを強く感じましたね。
良かった点②
《キャラクターを捉えた演技》
次に良かったのは「キャラクターを捉えた演技」ですね!!
この主演である、鶴瓶さん、綾野 剛さん、小松 菜奈さんの演技力は素晴らしく、彼らによって質の7割を向上させているといっても過言ではありませんね!
「演技力の暴力」です。笑
鶴瓶さんは、良い歳の取り方をした印象で、優しく暖かい演技はとても心に残りました。
綾野剛さんは、優しい性格と精神病によってパニックに陥る姿の二面の演技にインパクトあり、素晴らしかったですね。
小松菜奈さんは、終盤で涙を流すシーンが特に圧巻でした。
そして彼ら全員に、「虚無感」を感じさせる演技をされており、非常に感心させられました。。。
なぜ、そこまで虚無感をにじませれるか。。
凄いです。。泣
また、主演3人だけをピックアップしましたが、他の患者を演じられた方たちも個性を発揮しており、とても好印象でしたね!!
良くなかった点①
《感情表現の描き方》
良くなかったのは「感情表現の描き方」ですね。
演技は素晴らしいのですが、感情に訴えかけるような抑揚のある演出が弱く、泣くことは出来ませんでした。。
抑えていた感情が爆発するような演出や、希望を見出すことによる輝きを印象付ける演出があれば良かったのかなと思います。
それにより、感情移入度が強まる作品になっていたように思いますので、惜しいですね。。
【総評】
総評として、「感情表現の描き方」は物足りず惜しく感じましたが、「精神病棟の存在と共に描くストーリー」や「主演3人の演技」は素晴らしく、総合的には静かでテーマに重みのある良作だと思いました。
ですが、感情の表現に抑揚がなく静かであることや、「殺人」が少なからず肯定された構図になっていることから、退屈さや嫌悪感を感じる方がいるかもしれないとも思いましたね!
個人的には感傷的な雰囲気で良かったですし、「殺人の肯定」についても動機に同情出来るので気になりませんでしたけどね(^^)/
ということで、気になっている方は是非観てみて下さい!!