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【おらおらでひとりいぐも】は4社の動画配信サービスで配信中です。
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※実際の配信状況は各VODサービスをご確認ください。
目次
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小説家・若竹千佐子のベストラー小説が原作。原作の小説は、第158回芥川賞と第54回文藝賞をダブル受賞したことでも話題になった。監督は『横道世之介』『モリのいる場所』などで知られる沖田修一。
1人の女性の半生を丁寧に描いた作品であり、男女問わず、懐かしい気持ちになれたり、自分の生き方をあらためて振り返りたくなる作品になっている。主役の桃子を演じるのは、今作が15年ぶりの主演となる田中裕子。そして若かりし日の桃子を、蒼井優が好演している。
子育ても一段落つき、夫婦水入らずの暮らしが始まると思っていた矢先に、夫に先立たれて1人ぼっちになってしまった桃子(田中裕子)。
75歳にして1人で生きることになった桃子だが、桃子の心の声である寂しさ1(濱田岳)・寂しさ2(青木崇高)・寂しさ3(宮藤官九郎)やどうせ(六角精児)、そして亡くなったばっちゃん(大方斐紗子)が次々と目の前に現れ、孤独ながらも賑やかな日々を送っていた。
寂しさたちとのやりとりのなかで、桃子は自分の幼少期、そして夫・周造(東出昌大)との出会いや結婚生活など、自分の半生に思いをめぐらしていく。
田中裕子
蒼井 優 東出昌大/濱田 岳 青木崇高 宮藤官九郎
田畑智子 黒田大輔 山中 崇 岡山天音 三浦透子/六角精児 大方斐紗子 鷲尾真知子
原作:若竹千佐子「おらおらでひとりいぐも」(河出文庫)
監督・脚本:沖田修一 音楽:鈴木正人 主題歌:ハナレグミ「賑やかな日々」(スピードスターレコーズ)
撮影:近藤龍人 照明:藤井勇 美術:安宅紀史 録音:矢野正人 編集:佐藤崇 VFXスーパーバイザー:オダイッセイ アニメーション:四宮義俊 フードスタイリスト:飯島奈美
製作:『おらおらでひとりいぐも』製作委員会 配給:アスミック・エース
夫に先立たれた75歳の女性。岩手出身で、1964年のオリンピック開幕時にお見合い相手に嫌気がさし、家出同然で上京してきた。1人で暮らすうちに、自分の心の声である寂しさたちと会話するようになる。図書館で地球の歴史にまつわる本を借りて、ノートを作っている。息子と娘とは疎遠である。
若かりし日の桃子。お見合い相手に嫌気がさしたのと、「新しい女」を目指して家出同然で上京してきた。上京後は食堂などの飲食店を転々とし、住み込みで働いていた。仕事先の食堂で夫となる周造と出会い、一目惚れする。周造との間に息子と娘を授かる。
桃子の夫。桃子が働いていた食堂の客で同郷ということもあり親しくなった。子どもたちも独立し、夫婦水入らずの暮らしが始まろうとする矢先に亡くなってしまう。
桃子の心の声の1人。ほかの2人とともに桃子に話しかけたり、ちょっかいをかけたりする。寂しさのなかでは一番小柄で、桃子の側にいることが多い。
桃子の心の声の1人。ほかの2人とともに桃子に話しかけたり、ちょっかいをかけたりする。ほかの2人に比べると大柄でヒゲがある。
桃子の心の声の1人。ほかの2人とともに桃子に話しかけたり、ちょっかいをかけたりする。3人のなかでは1番おとなしい。
桃子の娘。息子と娘がいる。近所に住んでいるが、頻繁に行き来はしていない。桃子に息子の絵画教室のレッスン費を無心する。
桃子の息子の幼なじみ。桃子の家の植木の件で通報を受けて、桃子宅を訪れる。
桃子のかかりつけの医師。待ち時間が長いわりには、診療時間が異常に短い。
桃子宅に車のリースの営業にきた営業マン。桃子に「息子のように思って欲しい」と訴えかけ、リースの契約を結ぼうとする。
若かりし日の桃子の同僚。ともに食堂で働き、同じ部屋で暮らしていた。桃子と同じく東北出身だが、なまりが出ない。故郷から出てきた桃子にとって、はじめての親友といえる存在だった。
朝、桃子が目覚めるときに現れる桃子の声を具現化したもの。「どうせ起きてもいいことないから、そのまま寝ておけ」など、ネガティブな発言を起きようとする桃子に囁く。
桃子の祖母。故人。桃子同様、晩年は1人で暮らしていた。孫の桃子を可愛がっており、桃子も慕っていた。
桃子が通う図書館の司書。桃子が本を返却しに来るたびに大正琴や太極拳などに誘うが、結果的に断られている。
『おらおらでひとりいぐも』の冒頭、桃子や寂しさたちから飛び出す岩手弁のなまりの強さは、東北出身でない方は思わずちゃんと聞き取れるかが心配になってしまうくらいです。
しかし不思議なことに、聞き慣れてくると標準語を話す桃子が物足りなく感じてしまうほど、岩手弁が心地よく響きます。その響きは、たとえ東北出身でない人でも懐かしさを感じ、ノスタルジックな気持ちにしてくれます。
また物語において「なまり」は、桃子にとってのアイデンティティの1つとして描かれています。なまりについての桃子の複雑な思いは地方出身者ならば誰しも心当たりがあるもので、若かりし日の桃子を応援したくなる気持ちが強くなるシーンです。
『おらおらでひとりいぐも』のあらすじだけを読むと、独居老人の半生を描いた静かな映画と思う人もいるかもしれません。
しかし実際のところは、そんな予想を大きく裏切り、ある意味「なんでもあり」といわんばかりの奇抜な演出が盛りだくさんの映画です。歌謡ショーやジャズセッション、ときにはアニメと多種多様な演出を使って桃子の脳裏が描かれています。
思わず感動してしまう演出もあれば、見ている方もノリノリになってしまう演出もあり、あっという間に137分が経ってしまう映画です。
『おらおらでひとりいぐも』というタイトルは、宮沢賢治の詩『永訣の朝』から付けられたものです。賢治の詩では死にゆく妹の言葉で「私は私で1人死んでいくから」という意味なのですが、この映画ではどこかポジティブな力強さが込められていると見終わった後に感じられます。
結婚して2人の子どもがいるはずなのに、1人で暮らす桃子は孤独な老人であることには違いありません。桃子自身もそれは認めています。
しかし桃子は、その孤独な時間の意味を見出します。そして若い自分にその思いを告げるシーンは心揺さぶられる場面の1つです。結婚か仕事かと悩む女性は、人生の先輩である桃子からヒントがもらえるかもしれません。
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1968年に公開され、過去に類をみない莫大な制作費がかけられたスペクタクル巨編。3時間以上の上映時間と、圧倒的なスケールの物語が話題となり、大ヒットを記録している。大量の水を使用した危険なシーンの撮影もおこなわれ、実際に何人かのスタッフとキャストが負傷した。また、今作は当時の日本を代表する名優たちが集結した作品でもある。製作にもかかわっている石原裕次郎や三船敏郎をはじめ、黒澤映画常連の志村喬、『白い巨塔』に出演した滝沢修など、そうそうたるメンバーが集結した。太田垣(滝沢修)率いる関西電力は、大規模な発電所建設の計画を立案する。場所は富山県に位置する黒部川の上流。多額の建設費と大勢の作業員たちを導入し、工事が始まった。掘削工事を担当するのは熊谷組の岩岡(石原裕次郎)で、彼は工事に不安を抱きながらも、危険で困難な掘削作業に身を投じていく。工事が進んでいた1957年。岩岡の不安は的中し、掘削工事による水漏れが発生。しばらく工事が進まない事態に陥ってしまう。