『猿の惑星』
1968年作品！小学生の頃TVでデジタルリマスター版が『土曜プレミアム』で放送されていて初めて観ました♪竹中直人がプレゼンターしてたやつ！観た人いますか？笑

小学生ながら、あのラストには凄く驚きました！


【猿である事が重要】
『そんな事、猿だって出来る』なんて言い方があるように、人間よりも劣っている物の代表である猿！(可哀想。笑)
賢い動物代表の『犬の惑星』ではダメです。人間が下に観ている"猿"だからこの面白さが成り立つ！


【猿の社会】
猿とチンパンジーで差別があったり神話や宗教がある。聖典に書かれているのは『神は自分に似せて猿を作った』なので進化論は神の教えに背くとされ罰さられる。
人間と全く同じ事をしている。本作は人間社会や歴史を客観視できる空想物語になっている。それを"猿"で表現しているからバカバカしく見えるし腹が立つし、ラストの展開にインパクトを与えられる！という最高の設定♪


【主人公は作者の代弁者】
冒頭の宇宙船内でレポートを録音するテイラー。『人類はまだ戦争や子供達を飢えさせたりしてるのか？』と人類に向けて皮肉を言っている。彼は自分を"人類"という集団の1人だとカウントしていない。地球では家族を持たず遊び人だった事もチラッと言っている。
自ら人間社会に属さず、それを否定している人物。だからこの任務に志願したのでしょう。

人間社会を客観視している主人公を通じて猿社会のおかしな点(＝人間社会のおかしな点)を観て行く構成になっている。


【現地の人間と同化する流れ】
冬眠カプセルから目覚めると髭が伸びている設定が良い！文明人では無く野蛮人っぽい！
そして衣装や文明的な道具を失い、現地の人々と完全に見分けが付かなくなる。この流れ、上手いですよね(^^)


【今では使わない演出】
小さなアメリカの国旗を立てている仲間を見てテイラーが高笑いをするシーンがある。次第に笑いが大きくなり顔がアップになり笑い声は響き渡る。そこで次の映像と重ねてシーンを切り替える。このシーン、不自然なんですよね！笑
でも当時はごく普通の表現だったんだと思う。時代の違いを感じさせてくれる味わい深いシーンでした♪


【まとめ】
ラスト間際！聖典以前の文明が発見されたが遺跡は爆破され、その証拠は葬られる。その時の会話が『知識を制限したら未来はどうなるんですか？』『安泰にしたんだよ』です！

この会話が深い！真実を知っている方が幸せだとは限らない。聖典を否定する事で今の暮らしが失われる事の方が危険だ。とは言え、知識を制限すると文明の更なる発展は望めない。

んー、真実を公表するべきなのか、隠すべきなのか。その他、メッセージ性のある台詞がいぬつかあるけど、何かに例えたりするのでは無くストレートなものが多い。それが本シリーズの特徴とも言える。

しかしラストのあの衝撃については、なぜそうなったのか具体的に原因を提示していない。
なのでいつの時代であっても、その時に考えられている危機を連想させる事が出来き、古臭くならないのでしょう。
(けど残念な事に2作目でハッキリと『核兵器』だと言われる。笑)

楽しい

号泣

号泣

ここから全てが...と思いながら見てました、
とても現実的

良き

動物愛護、人種差別問題、ハードSF、裁判による密室劇、そして究極のラストがひとつの作品として成立していることの奇跡。以降の展開が商業主義に走ってしまったのが残念。