2017年夏に公開された劇場版アンパンマン『ブルブルの宝探し大冒険』のあらすじを、ネタバレを含んで解説します。 『ブルブルの宝探し大冒険』は、やなせたかしさんの不朽の名作『やさしいライオン』をモデルにした、臆病なライオンの男の子・ブルブルが、カレーパンマンに励まされながら強くなっていくストーリー。その作品の魅力やスタッフ、声優陣までご紹介します。
「僕は強くなる。」
アンパンマンの第29作目の映画となる『ブルブルの宝探し大冒険』が、2017年の夏に公開されました。
ひとりの少年がアンパンマンたちと一緒に冒険し、自分の足で前に進むことを憶えて旅立つまでの映画です。
その映画の見どころやあらすじ、キャストについてをじっくり解説いたします。
『ブルブルの宝探し大冒険』あらすじ1 ライオンの少年・ブルブル
出典:amazonお祭りで盛り上がっている街に、一人の少年がやってきました。
彼はライオンの少年ブルブル。宝探しをする冒険者たちの一族の出身で、宝の地図をもとに冒険の最中でした。
とても勇ましい言葉を口にして、冒険へ進もうとするブルブル。
ですが実は、彼はとても怖がりな少年なのでした。
冒険家の家に生まれたのに臆病者だったブルブルを鍛えるために、父親が無理やり冒険の旅へ出発させたのです。
アンパンマンたちはブルブルを助けて、ともに宝のある島に向かうことになります。
もちろん、宝物という言葉を聞きつけたばいきんまんとドキンちゃんも、変装して、宝探しの一行に加わります。
地図に書かれたオニツノ島に到着したブルブルとアンパンマンたち。
危険がいっぱいな島を進むうちに、ブルブルとカレーパンマンはみんなとはぐれ、ふたりきりになってしまいます。
今まではブルブルをからかったりしていたカレーパンマンですが、怯えて後ろ向きになるブルブルを励まします。
「何でもやってみないと前に進めないだろ?」という彼はとても前向き。
彼の言葉に、少しずつブルブルも耳を傾けるようになります。
『ブルブルの宝探し大冒険』あらすじ2 ブルブルとカレーパンマン
バラバラになりながらも、島の危険をかいくぐりながら、それぞれ地図に書かれたお城を目指して進みます。
ブルブルも、カレーパンマンに助けられ、励まされながら進み、途中からは自分でも役に立とうと頑張り始めます。
しかし、ブルブルは宝探しに必要なアイテムを失ってしまうのです。
やっぱり無理なんだ、と激しく落ち込むブルブルに、カレーパンマンは「失敗することもある、それを恐れるんじゃない」と励ますのです。
アンパンマンと合流したカレーパンマンとブルブルでしたが、突如ばいきんまんが現れます。
アンパンマンはばいきんまんに飛ばされ、さらに、カレーパンマンはばいきんまんに連れ去られてしまいます。
いいかげんに城の中でアンパンマンに救出され、ともに戦うカレーパンマンですが、徐々にピンチになります。
そこに駆け付けたのがブルブル!
勇敢にばいきんまんと戦い、カレーパンマンたちを救い出すのです。
そこにいるのは、もう、怯えて震える少年ではありませんでした。
そして、地図をもとに宝箱を見つけるのですが、そこには新たな冒険への道が描かれていたのでした…。
『ブルブルの宝探し大冒険』のキャラクター&声優
ここからは、『ブルブルの宝探し大冒険』に登場する、本作のオリジナルキャラクターからいつも活躍しているメンバーも含めて、ご紹介していきます!
ブルブル(多部未華子さん)
出典:amazon本作の主人公で、ライオンの少年。
最初は強がってかっこいいことを言っているのですが、本当はいつもブルブルびくびくしている臆病者。
冒険家の一族に生まれたのに冒険が怖くて、兄弟たちにも馬鹿にされていました。
みかねた父親に地図を渡されてひとりで冒険の旅に出たのですが、本当は怖くて仕方がありません。
やなせたかしさんの絵本「やさしいライオン」の主人公ブルブルがモデルになっています。
ブルブルの声優を担当しているのは、女優の多部未華子さんです。
『大奥』や『 ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~ 』、『 君に届け』など、多くの作品で主演をつとめる人気女優です。
そんな彼女ですが、声の仕事はほぼはじめてで大変だったそうです。
アンパンマン(戸田恵子さん)
出典:amazonジャムおじさんが作ったアンパンに、命の星が宿って生まれたヒーロー。必殺技は「アンパンチ」。
飢えている人、困っている人を助けるため、いつもパトロールしては、おなかをすかせた人に自分の顔を分け与えます。
「正義は立場によって変わるけれど、飢えている人に一片の食料を与えることは普遍的な正義なのではないか」
「誰かを助けるためには、自分も痛みを追う覚悟が必要」という作者のやなせさんの考えを表現している。
『アンパンマン』シリーズでは主人公ですが、この作品では補助的役割です。
アンパンマンの声を担当されているのは、戸田恵子さんです。
アンパンマンの放映が始まった当初から、ずっとアンパンマンの声を担当している大ベテランの声優さんです。
もともとアイドルとしてデビューし、今でも女優としても多くの作品で活躍されています。
カレーパンマン(柳沢三千代さん)
出典:amazon本作のもうひとりの主人公。
ジャムおじさんに作られたパン仲間の一人で、兄貴肌のヒーロー。必殺技は「カレービュー」。
強くてかっこいいヒーローを目指しているのだけれど、すぐにかっとなりやすく、おっちょこちょいな一面もあります。
オニツノ島でブルブルとふたりで行動することになり、臆病者で、さまざまなことに怯えているブルブルを助け、励ましながら一緒に冒険します。
傷ついても前に進み、失敗してもすぐに立ち上がる強さはブルブルに影響を与えます。
カレーパンマン役の声優は柳沢三千代さんです。
『機動戦士ガンダムSEED』のエリカ役や、テレビのナレーションなどでも活躍されています。
しょくぱんまん(島本須美さん)
出典:amazonアンパンマンやカレーパンマンの仲間。必殺技は「しょくパンチ」。
ジャムおじさんが作ったパンとは別の経緯で生まれたのだけれど、正義のためにアンパンマンたちとともに戦っています。
いつも丁寧に話し、物腰も柔らか。とてもハンサムで紳士的なので、女の子にとってはナイトのような存在。
普段は、自分が作った食パンをみんなに配り歩いています。
しょくぱんまんの声を担当されているのは、島本須美さんです。
『風の谷のナウシカ』のナウシカ役で非常に有名な声優さんです。
『名探偵コナン』では、コナンの母親である工藤有希子役も演じています。
ナレーションの仕事も数多くされています。
ばいきんまん(中尾隆聖さん)
出典:amazon整理整頓が大嫌い、人を困らせることが好き。
本作でも、ブルブルが探している宝物を横取りしようと目論見ます。
手下のかびるんるんを従えていたずらを働いて回ったり、変身技を駆使しておいしいものを手に入れようとしていますが、いつもアンパンマンに邪魔をされています。
ですので、打倒アンパンマンに燃えています。
工学的なことが得意で、ばいきんUFOにさまざまな仕掛けを仕込んだりロボットを開発しています。
実は自分のことを受け入れられることに弱くて、好かれたり褒められるとあたふたしてしまう一面もあります。
ばいきんまん役を務めている中尾隆聖さんも、放映が始まった時から担当されています。
もうすぐ70歳ですが、まだ活躍中です。
『ドラゴンボール』のフリーザ役としても有名ですが、ばいきんまんの声は、悪役らしさを出すためにわざとだみ声にしているそうです。
ドキンちゃん(鶴ひろみさん)
出典:amazonばいきんまんの補佐をするために一緒に住んでいるはずですが、食いしん坊でわがままで気が強くて、いつもばいきんまんを振り回しています。
自分が世界一かわいいと思っています。
悪だくみが好きですが、困っていたりさみしそうな女の子を見るとほっておけず、仲良くなるというやさしさも持ち合わせています。
しょくぱんまん様のことが大好き。
ドキンちゃん役の声優は鶴ひろみさんです。
『ドラゴンボール』シリーズのブルマ役としても活躍されていましたが、2017年11月に急死されました。
お葬式では、ばいきんまん役の声優、中尾さんの「バイバイキーン」の言葉で送られたそうです。
『ブルブルの宝探し大冒険』原作となった絵本「やさしいライオン」
出典:amazon『ブルブルの宝探し大冒険』には、モデルとなった絵本があります。
それは、やなせたかしさんが1975年に出した『やさしいライオン』という絵本で、アンパンマンよりもずっと前の作品になります。
この絵本の物語は、ブルブルという名の子ライオンが、メス犬のムクムクに育てられる…というお話です。
ブルブルはたくさん愛され、優しくて人を襲うことのないまま大人になり、ムクムクと別れてサーカスの人気者になります。
けれど、ムクムクのことは片時も忘れることはありませんでした。
ある夜、ムクムクの歌が聞こえたブルブルは、サーカスを飛び出してムクムクを探しにいくのですが…。
アンパンマンとは異なり、とてもかなしい結末を迎えるお話になっています。(やなせさんの絵本はそういうものも多いです)。
この映画では、ブルブルは勇気をもって旅立ち、明るく終わるので、『やさしいライオン』を知っている人は、とても救われた気持ちになるでしょう。
『ブルブルの宝探し大冒険』スタッフについて(監督・脚本家)
『ブルブルの宝探し大冒険』の監督は、1988年の放送当初からアンパンマンの監督を務めている矢野 博之さんです。
また、『妖怪ウォッチ』や『うしおととら』、『イナズマイレブン』など、多くのアニメ作品の絵コンテを担当されています。
脚本家は米村正二さん。
『アンパンマン』のシリーズを通して、中心的な存在となる脚本家です。
アンパンマンの映画には、1993年の『それいけ!アンパンマン 空とぶ絵本とガラスの靴 』から参加しています。
『アンパンマン』以外にも多くのアニメの脚本を担当されていて『ポケットモンスター』や『プリキュア』、特撮の『仮面ライダー』シリーズなど、子どもに愛される作品も数多く手掛けています。
『ブルブルの宝探し大冒険』カレーパンマンの言葉
出典:amazon『アンパンマン』シリーズのひとつではありますが、『ブルブルの宝探し大冒険』の主役はカレーパンマンだと言ってもいいでしょう。
それくらい、彼の活躍が光っていました。
危険な島を走り回り、時にはブルブルを背負って崖を越えてしまうといった活躍もすばらしいです。
しかし、カレーパンマンがブルブルに話して聞かせる言葉もステキなものがたくさん。
「でもよ、なんでもやってみないと、前には進めないだろ?」 「失敗くらい誰だってする、気にすんな! オレも何度も失敗している!」などなど。
さらに、それが行動に繋がっているから、ブルブルの心に届いたと言えます。
アンパンマンファンの2才~5才くらいのお子さんには難しいことも確かですが、ただ、彼の言葉は、子育てをする親御さんの胸にも響くものでした。
彼の言葉を覚えておけば、子育てをする時にはもちろん、親御さんご自身が何かにつまずいた時にも、自分を励ませる原動力となるでしょう。
アンパンマン映画『ブルブルの宝探し大冒険』まとめ
誰もが知っているキャラクターである「アンパンマン」。
小さなお子様向けのアニメではありますが、そのお話や言葉の中には、大人が観ても胸にグッとくる部分がたくさんあります。
今作『ブルブルの宝探し大冒険』でも、臆病で怖がりのブルブルがカレーパンマンの言葉や行動に影響を受け、成長している姿が描かれており、その姿に感動を覚えつつも、自分も頑張ろう! と思えるはずです。
今まで『アンパンマン』シリーズを観たことがない方でも、この作品をきっかけに、ぜひ『アンパンマン』をご覧になってみてください!
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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