全てを出しきれ！高校ラグビーに賭けた青春を描く「ALL OUT!!」とは？

ラグビーへの熱き思い「ALL OUT!!」

2016年冬よりTVアニメ放映開始！

高校ラグビーを描いたTVアニメ「ALL OUT!!」は、2013年から月刊モーニングtwoにて人気連載中の、雨瀬シオリ先生による原作コミックスをアニメ化した作品です。

アニメーション担当は「弱虫ペダル」を手掛けたトムス・エンタテインメントと、「ワンパンマン」など数多くの原作アニメに携わってきたMADHOUSE(マッドハウス)の共同制作です。

TV放映は2016年10月から2017年3月までの予定ですが、アニメでラグビーを題材とした作品は今回が“史上初”となります。

物語のあらすじ

あそこにはエースストライカーも　4番バッターもいない
ボールを持っている奴が主役なんだ

出典：http://www.moae.jp/comic/allout

「ALL OUT!!」コミックス1巻・第1話

本作では、神奈川県にある架空の高校・神奈川高校(通称ジンコー)ラグビー部を舞台に、高校生たちの熱い青春や友情が描かれています。

背が低いことがコンプレックスだった主人公・祇園が、岩清水の言葉をきっかけに、仲間たちと共にラグビーの甲子園こと花園を目指す物語です。

あまり世間では知られていないラグビーの複雑なルールやポジションの役割などは、作中において第三者の言葉を借りる形で説明を入れてくれているので、初心者でも安心して楽しめます。

ラグビーが繋いだコラボ

また本作「ALL OUT!!」は、奇跡的なコラボもいくつか展開しています。

現在フランス南部のラグビーユニオンクラブ・RCトゥーロンに所属する五郎丸歩選手ですが、氏が手掛けるスポーツ事業「Social Sports Park」に「ALL OUT!!」も“神高ラグビー部”として協力することになりました。

これはまさにラグビーが繋いだ縁といっても間違いないでしょう。

さらに、13話から流れるEDテーマ「ノーサイド」は瀧川ありささんが歌っていますが、実は1984年にリリースされた松任谷由実さんの名曲「NO SIDE/ノーサイド」のカバーソングでもあります。

タイトルで気付かれた方もいるかもしれませんが、この歌詞はラグビーの試合終了後の情景を綴っており、元は松任谷さんが歌手の麗美さんへ提供した曲を自身も歌ったものです。この歌は30年以上経った今もなお人々の心を打つ名曲として親しまれています。

それゆえこのEDテーマは「ALL OUT!!」の世界感とマッチし、アニメを見終わった後も、作品の余韻を感じさせてくれるのです。

物語を彩るいくつもの魅力

先輩のやさしさと仲間との絆

ラグビーは激しいスポーツであるため、どんなに先輩に憧れようと、どんなに部活に居たいと願っても、体力の限界や成績の低下、また親からの制止など様々な理由を内包した「Xデー」が訪れてしまいます。

ですがこの作品では、そんな“挫折”を味わう者を先輩や仲間らは非難せず、相手の苦しさや悔しさを汲み、やさしい言葉や手を差し伸べてくれます。

一見荒っぽい競技と思われがちなラグビーですが、別名“紳士のスポーツ”と呼ばれるように、彼らもまた相手を思いやるやさしさと強さを併せ持つプレイヤーなのです。

見守ってくれる大人たちの存在

花園を目指しがむしゃらに頑張る神高ラグビー部。そんな彼らをやさしく、時には厳しく、決して見捨てることなく見守る大人たちの存在こそが、本作の大きな魅力のひとつです。

公式や様々なメディアにも取り上げられていますが、作中に登場する大人たちの多くが“がむしゃら”な彼らをそれとなく「見守って」くれています。

だからこそ彼らは大人たちを信じ、自分たちの全部を出しきって目標へと疑うことなく突き進めるのです。

それぞれの事情と家族の関係

多くの部員を抱えるラグビー部なので、家庭環境に問題のある部員もいます。

2年の伊勢は幼い頃に両親を事故で亡くしており、自分を育ててくれている年の離れた兄に頭が上がらずにいました。

部活の合宿に行きたいと願う伊勢でしたが、経済的に難しいと兄に一蹴されてしまいます。兄の靴は仕事で歩き回っているためにボロボロで、彼ら兄弟が二人だけで必死に生きてきた状況が手に取るように伝わってきます。

そんな伊勢を助けようとしたのが3年の八王子と、2年のケンカっ早いヤンキー・江文でした。
江文は金銭的に不自由はないものの、両親から愛情なく育てられました。彼は、合宿を諦めていた伊勢のお金を“貸す”と持ちかけます。

各々が様々な事情を持つ彼らですが、たった一つのボールを取り合い、同じ夢―花園―を目指し突き進む、それがこの「ALL OUT!!」という作品なのです。

主な登場人物

祇園健次

祇園健次(ぎおん けんじ)…cv.千葉翔也さん。

本作の主人公。
1年5組、ポジションはFW位置のフランカー(FL)、背番号25、身長159cm、体重54kg、血液型はB型、誕生日は7月1日。

体が小さいことを大変コンプレックスに感じており、「チビ」と呼ばれると誰彼構わずキレてしまう、短気でケンカっぱやい性格です。

高校の入学式で岩清水と出逢ったことをきっかけに、八王子に勧誘される形でラグビー部へと入部しますが、ラグビーに関してはズブの素人どころか一般的な知識さえ知らずにいました。

基本敬語が使えず、さらに根拠の無い自信と大口を叩くため、2年や一部の1年からは敬遠されていましたが、そのひたむきな姿と諦めの悪さで次第に認められていきます。

小柄な体を活かした、低く勢いのあるタックルが得意です。

岩清水澄明

岩清水澄明(いわしみず すみあき)…cv.千葉翔也さん。

1年2組、ポジションはFW位置のロック(LO)、背番号5、身長190cm、体重80kg、血液型はA型、誕生日は9月15日。

背が高く、恵まれた体格を持ちながら基本大人しく、おっとりと丁寧な口調と共に、常にオドオドと困り顔をしている気の弱い少年です。

入学式で上級生にからまれていたところを、自分より小柄な祇園に助けられ、その際ウジウジとした態度から時たま祇園から“ウド”と呼ばれるようになります。

優秀なラグビー選手であったため、同じ中学だった3年の八王子から勧誘をされますが、中学の頃、練習中にチームメイトの御幸にケガをさせてしまったことなどから、一時期ラグビーから遠ざかっていました。

ですが祇園のラグビーに対するひたむきさや自分への信頼、そして御幸の叱咤により再びラグビーと向き合うようになります。

赤山濯也

赤山濯也(せきざん たくや)…cv.安達勇人さん

3年キャプテン、ポジションはFW位置のナンバーエイト(No.8)＝背番号も8番、身長185cm、体重95kg、血液型はA型、誕生日は11月23日。

独特な髪型と鍛え上げられた体躯が悪目立ちしますが、実際はまじめで礼儀正しく、上下関係や目上への言葉遣いにも大変厳しい人物なため、礼儀をわきまえない祇園をよく叱りつけます。

友人の八王子いわく“部で一番強い男”ではありますが、元々は球技全般が苦手なため陸上部へ入ろうとしたところをラグビー部に勧誘され入部しました。

自分たちの代の先輩たちはやる気がなく、さらに指導者もいなかったため何事もがむしゃらに頑張ります。そして籠がコーチとなったことで、ようやく“ラグビーが強くなる方法”を教えてもらえ、涙します。

八王子睦

八王子睦(はちおうじ むつみ)…cv.逢坂良太さん

3年副キャプテン、ポジションはFE位置のフッカー(HO)、背番号2、身長175cm、体重85kg、血液型はB型、誕生日は10月8日。

未経験者の赤山をラグビー部に誘いました。岩清水とは同じ中学の出身です。

いつもニコニコしており、基本やさしくて面倒見も良く、部員への気遣いもしてくれますが、よい意味でテキトーなところもある人物です。

大原野越吾

大原野越吾(おおはらの えつご)…cv.小野賢章さん

1年、ポジションはBK位置のスタンドオフ(SO)、背番号10、身長170cm、体重67kg、血液型はA型、誕生日は4月8日。

小学生時代からラグビーをしており、強豪校の同世代からも一目置かれた“天才プレーヤー”ですが、精神的に脆い面があります。

下に弟がおり兄弟仲は良好ですが、弟がラグビーを辞めたのは自分のせいだと思い、心にわだかまりを抱えていました。

スマートであることを意識するため、当初は暑苦しくうるさい祇園を毛嫌いしていましたが、様々な困難を共に乗り越えるうちに彼を受け入れるようになります。

江文優

江文優(えぶみ まさる)…cv.村田太志さん

2年、ポジションはBK位置のウイング(WTB)、身長174cm、体重74kg、血液型はＢ型、誕生日は6月15日。

口が悪く見た目通りなヤンキーなうえ、覇気のない部員らと度々衝突してはサボっていましたが、皆に隠れて練習するなど努力家でもあります。

またチーム1の俊足を誇り、自分をラグビー部に誘ってくれた八王子に感謝をし、チームメイトである伊勢の家庭環境を気にかけてもいるようです。

伊勢夏樹

伊勢夏樹(いせ なつき)…cv.沢城千春さん

2年、ポジションはBK位置のセンター(ＣTB)、身長174cm、体重72kg、血液型はＡ型、誕生日は12月31日。

見た目も中身もヤンキーですが、幼い頃に両親を事故で亡くしてからは年の離れた兄と二人暮らしをしています。

こんな自分をラグビー部へと誘ってくれたうえ、口の悪い兄の説得をするなど、様々な方面で尽力を注いでくれた八王子を深く尊敬しているようです。

フランカーへの転向を考えていた最中、祇園がフランカーを目指していたことを知り焦ります。

籠信吾

籠信吾(こもり しんご)…cv.土師孝也(はし たかや)さん

60歳、神高ラグビー部コーチ、身長172cm、体重67kg、血液型はA型、誕生日は4月24日。

元日本代表選手としての経験を持つ人物で、定年退職後にブログを開設した際、ラグビー部のコーチを探していた祇園がアクセスし成り行きで就任しました。

部費の援助や道具がないラグビー部のため、適切な指導と明確な目標を提示し、毎日を“ALL OUT(全力を出しきる) ”することで、ハードながらも理に適った練習を重ね部員らを鍛えあげます。

結婚するも妻が子供を産めない体と診察され、学生(子供)への指導に対して長らく複雑な思いと戸惑いを感じていました。

吉田論志

吉田論志(よしだ さとし)…cv.津田健次郎さん

32歳、神高ラグビー部顧問、数学教師、身長175cm、体重70kg、血液型はAＢ型、誕生日は9月25日。

学校の指示で未経験ながらラグビー部の顧問となり、就任当時は専門書などを揃えがんばろうとするのですが、当時のラグビー部のいい加減さに辟易し、いつしか練習や試合にも顔を出さなくなりました。

ですが籠の言葉をきっかけに、赤山を始めとした現在のラグビー部の姿を目の当たりにしたことで心を打たれ、以降は微力ながらも籠のサポート役として彼らを支えています。

火明うめの

火明うめの(あかほり うめの)…cv.佳村はるかさん

2年、マネージャー、身長160cm、体重52kg、血液型はA型、誕生日は8月29日。

大勢のラグビー部員の面倒を担う紅一点。
他校の女子マネとも仲良くなれる、明るくサバサバとした性格です。

ライバル校

慶常高校

慶常高校…ラグビー強豪校であり、県予選ベスト4の定連校。

副主将の平が赤山を酷く気に入っているため、神高と定期戦(練習試合)をしてくれています。

画像左は岩清水と同じ中学でラグビー部だった御幸篤、右が赤山に暑苦しいと困惑されている平唯一(たいら ただず)です。

東道大相模高校

東道大相模高校…前年県予選準優勝を誇るラグビー強豪校。

籠コーチのツテで練習試合を組まされた際、無名であった神高を見下すも、その熱いプレーに彼らを“ライバル”として認めるようになりました。

1年の花館は中学時代に岩清水のチームに敗退しており、そのため岩清水に対して御幸の件で追い詰めます。

画像右が御所染与一(ごしょぞめ よいち)、右上は安達原昭太(あだちはら しょうた)、下は堀川謙弥です。

嶺陰学園高校

嶺蔭学園高校…15年連続全国大会出場中のラグビー名門校で、“神奈川最強”とも呼ばれています。

大原野の言葉からフランカーを目指すことにした祇園が、県下一のフランカーを偵察に行ったのがこの嶺陰学院。

上段左は“神奈川の怪物”こと嶺蔭学園のエース・残波琉人(ざんば りゅうじん)、右が祇園が尊敬し目標としている“神奈川NO.1フランカー”こと小柄な体格の霧島関人(きりしま せきと)、下段左は兄・関人とは反対に体格に恵まれた双子の弟・国人(こくと)です。

天竺工科高校

天竺工科高校…去年の大阪ベスト8の強豪校、菅平での夏合宿の際に神高と練習試合をします。

画像右が中学時代にオール大阪に選ばれた口の悪い自信家の桜廉平(さくら れんぺい)、左は廉平の幼なじみで副キャプテンの逢坂淳(おうさか すなお)です。

「ALL OUT!! THE STAGE」

現在アニメやラジオと様々なメディア展開がなされている「ALL OUT!! 」ですが、今度は舞台化が決定しています。

タイトルは「ALL OUT!! THE STAGE」、期間は2017年5月25日から6月4日の間、Zeppブルーシアター六本木にて上演されます。

アニメや原作コミックと共に、こちらも楽しみですね。