劉備、曹操、孫権。 のちに中国の覇権をかけて争うことになる三人が、最初に相まみえたのが赤壁の戦いである。 そんな赤壁の戦いを、中国の奇才ジョン・ウー監督がメガホンを取り、圧倒的なスケールで描き出した『レッドクリフ』。 当初は1作品の予定であったが、5時間を越える長編となり、2部構成の映画として上演されることになった超大作だ。
二つの三国志
三国志には二つの三国志が存在する。
一つは後漢末期、三国時代を統一した西晋が、陳寿に命じて作製させた三国志。
『三国志(史書)』または『正史三国志』と表記されることもある。
もう一つは明の時代(1368年-1644年)、羅貫中が後漢末期の三国時代の興亡を描いた三国志である。
『三国志演義』が正式名称であり、一般的に広まっている三国志は、三国志演義である。
中国四大古典小説にも数えられている。
レッドクリフは三国志演義をもとに作製されており、三国演義前半のクライマックスである『赤壁の戦い』を舞台としている。
レッドクリフ(赤壁)のあらすじ
レッドクリフPart1
後漢末期、漢の丞相となって実権を握った曹操は中国の北部を平定し、次は南部の大半を占める荊州、揚州へと向かった。
南東部の揚州には天下一の美人と称される小喬がいる。
すでに周瑜の妻となっていたが、曹操は小喬を自分の元に置きたいという野望を抱いていた。
しかし、冷静な曹操は、揚州に若き盟主孫権を中心とした一大勢力がいることを認識しており、まずは南の荊州へと侵攻を開始する。
その直後、曹操と争う姿勢を示していた荊州の領主、劉表が病没し、家督を継いだ劉ソウが曹操に降伏した。
これにより、荊州の防衛を任されていた劉備が孤立することになる。
劉備は軍師諸葛亮の進言に従い、南郡を目指すことになるが、荊州の中心地である襄陽より南に位置する当陽県長坂で曹操軍に追いつかれてしまう。
曹操軍に敗れ、東の夏口に逃れた劉備であったが、義侠兄弟の関羽、張飛は共に健在であり、一騎当千の趙雲、軍師諸葛亮も健在であった。
曹操に天下を取らせてはならない。
劉備は一縷の望みを賭け、揚州を治める孫権に軍師諸葛亮を派遣する……。
レッドクリフPart2 -未来への最終決戦-
出典:孫権との同盟に成功した劉備は、長江流域の赤壁で曹操と対峙する。
数の上では曹操軍が圧倒していたが、水軍力では孫権軍の方が上であった。
また、曹操軍では疫病が蔓延し、孫権軍では周瑜と諸葛亮が知略を競い合うような状況となっていた。
どちらの軍も決定力に欠ける中、今まで知略を競い合っていたはずの周瑜と諸葛亮が一つの答えに到達する。
赤壁の戦いの火ぶたが、切って落とされる……
日本の俳優も活躍!
『金城武』・諸葛亮[孔明](ショカツリョウ・コウメイ)役
当初、別の俳優がキャスティングされていたが、急遽降板することになり、代役に立てられたのが日本出身でアジアを中心に活躍する俳優、金城武である。
金城武といえばアクション派のイメージだが、今回は沈着冷静な諸葛亮を見事に演じきっている。
『中村獅童』・甘興(カンコウ)役
甘寧[興覇](カンネイコウハ)という三国志で活躍する孫権の将であったが、火薬を使えるなど、活躍の場所が増えたために、甘興というレッドクリフのオリジナルキャラクターとなった。
レッドクリフでは重要な役割、かつユーモラスな人物であり、中村獅童の演技が光っている。
実際に見てなければ、レッドクリフの凄さは判らない!
日本でも三国志は大変人気があり、小説や漫画、ゲームでも展開されている。そのためレッドクリフのエピソードを知っている人も多いだろう。
しかし。
劉備の息子「阿斗」を救出する趙雲の活躍や、関羽、張飛が奮闘する八卦陣の戦い、そして赤壁の戦いを決定付けることになる火計……。
壮大なスケールで描かれるレッドクリフは、実際に見てみなければわからない。
DVDの販売やレンタルもされているので、ぜひこの機会に見て欲しい。
製作費100億円。『M:I-2』のジョン・ウーが贈る「三国志」の完全映画化。迫力のアクション・アドベンチャー超大作。1800年の時を超えて、愛と勇気の伝説が、今、よみがえる。レッドクリフ PartⅡ-未来への最終決戦- 4月10日(金) TOHOシネマズ 日劇他全国ロードショー。
レッドクリフ公式ページです。DVDなどの情報をチェックしましょう。
参考元
- ・参照リンク:レッドクリフ - Wikipedia
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