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第一話 緑の座

人里離れた山奥。そこには、神の筆で描いたものを全て具象化させてしまう能力を備えた少年が住んでいる。その少年・しんらの元を、蟲師･ギンコが訪れる。少年の家で会った少女は一体何者なのか…。

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第二話 瞼の光

瞼を閉じたときに見える、闇の中の光。そして、ふたつめの瞼を閉じたとき、上の方から本当の闇が降りてくる。ふたつめの瞼に棲む蟲が光を奪うと、そこには本当の闇と光の河が流れる。

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第三話 柔らかい角

雪がしんしんと降る静かな山村で、村人たちが次々と失聴する。その静寂には、音を喰い尽くす蟲が関係していた。音を喰らう蟲“吽”に寄生されると、寄生された側の耳からは音が聞こえなくなってしまう。

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第四話 枕小路

予知夢を見させる蟲に取りつかれてしまった男がいた。蟲師・ギンコは、予知夢を見るのは蟲のせいだと話し、薬を渡して立ち去る。人生さえも翻弄されて疲れ果てたその男に、さらなる数奇な運命が待っていた。

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第五話 旅をする沼

蟲師・ギンコは、蟲にまつわる珍しいものを買い取ってくれる友人・化野に会うために奥深い山を越えようとしていた。その途中、山中を移動する“生き沼”と、それと共に生きていくことを望んだ少女に遭遇する。

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第六話 露を吸う群

蟲師・ギンコは一人の少年に連れられて、とある孤島へと向かう。潮の流れに阻まれたその孤島には、毎日死と再生を繰り返している少女・あこやがいた。“生き神”として崇められる彼女が見ていたものとは…。

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第七話 雨がくる虹がたつ

雨後の空にかかる妖しくも美しい光の束、虹。虹を追い続け、それを捕まえて持ち帰るために旅を続けている数奇な男がいた。虹郎という名のその男と共に、蟲師・ギンコも旅をすることになるが…。

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第八話 海境より

蟲師・ギンコは、海原で妖しきモノに妻を隠されてしまった男に出会う。再び妻に会いたいという思いから、男は浜で妻が戻ってくるのを待ち続けているのだ。2年半の歳月を経てなお、彼は妻との再会を信じていた。

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第九話 重い実

天災のたびに豊作となる村では、秋に誰かの口の中に“瑞歯”が生えてくる。その歯は秋の終わりに抜け落ちて、やがてその人は死ぬ。先祖の呪いと恐れられる現象には、かの地の祭主が封じた過去があった。

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第十話 硯に棲む白

ギンコの知人・化野が珍品を収集している蔵に、磨った者が次々と奇病に冒されるという不吉な硯があった。蟲の化石から作られたという硯の謎を解くべく職工を訪ねたギンコは、さらに数奇な背景を知る。

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第十一話 やまねむる

旅を続ける蟲師・ギンコはその途中、近くの山の異変に気が付く。霊峰の山腹にぽっかりと大きな穴が開いているのだ。その奇妙な現象を調べるため山中へ足を踏み入れたギンコは、老いた蟲師と出会う。

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第十二話 眇の魚

その昔、幼い頃のギンコはヨキという名前だった。崖崩れに巻き込まれて母親と死に別れたヨキは、自らも怪我を負い、山中に倒れ込んでいた。そんな彼を助けて引き取ったのは、ぬいという一人の女性で…。

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第十三話 一夜橋

ハナという娘の母親から依頼を受け、とある里を訪ねたギンコ。深き谷へ落ちた者がヒトとは呼べぬモノになって戻ってくる“谷戻り”と呼ばれるこの里の伝承には、生物の体に宿る蟲が影響していて…。

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第十四話 籠のなか

旅の途中、ギンコは竹林の中で奇妙な男と出会う。彼は己の意思で歩みつつもなぜか同じ地へと戻ってしまい、竹林から出られずにいた。その不思議な現象の陰には、男の妻、ヒトではないモノの姿があった。

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第十五話 春と嘯く

雪深い山村を進んでいたギンコは、人家を見つけて一晩泊めてもらうことに。その家に住む少年・ミハルは、凍てつく雪山の中で芽吹くはずのない緑を目にしていた。どうやらミハルには蟲が見えるらしいのだ。

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第十六話 暁の蛇

ギンコは旅の途中、徐々に物事を忘れ、眠らなくなったさよと、その息子･カジに会う。さよは記憶を食べる“影魂”という蟲に寄生されていた。記憶を全てなくさないように、母子は行方不明の夫を探す旅に出るが…。

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第十七話 虚繭取り

旅の途中、ギンコのカバンが揺れた。蟲師が通信手段として使う繭を、竹筒から取り出すギンコ。ギンコは、この通信網を管理している養蚕業者の元へ向かう。そこには“ウロ”という蟲を見ることのできる少女がいた。

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第十八話 山抱く衣

古物商から、山の絵が描いてある1着の羽織を見せられたギンコ。その山の絵から、ゆらゆらと飯炊きの煙が上がる。それは、絵を描いた天才絵師が名声と引き換えに失ってしまった、故郷の面影だった。

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第十九話 天辺の糸

空から下りてきた糸を掴むと少女は宙へ舞い上がり空の高みで消えた。少女が再び地上に現れたとき、常人には姿の見えない、人から離れたモノとなっていた。少女に思いを寄せる男は彼女を人の側にとどめようとする。

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第二十話 筆の海

細き身に禁種の蟲を封じた少女・淡幽。彼女は、蟲師たちから話を聞いて、それを紙に筆記することで蟲を封じ込める筆記者である。ある日、淡幽の元を訪れたギンコは、彼女に蟲の話を語り始める。

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第二十一話 綿胞子

奇病に冒された子を持つ夫婦の元を訪れた蟲師・ギンコ。二人から事情を聞いたギンコは、この子供がヒトとはかけ離れた姿で生まれてきたことを知り、奇病の原因が“綿吐”という蟲にあると結論を出す。

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第二十二話 沖つ宮

失われた命を蘇らせる、奇妙な習わしを持つ島があった。かの地では、逝く者も残される者も再会を信じて暗き海淵に身を委ねる。島を訪れたギンコは早速「生みなおし」という習わしについて調査を始めるが…。

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第二十三話 錆の鳴く聲

とある町に、己の発する声によってヒトすらをも錆びさせてしまう少女がいた。自分の声で奇怪な事象を起こしてしまう彼女は、やがて口を閉ざす。調査を始めた蟲師・ギンコは、そこに蟲の介在を見る。

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第二十四話 篝野行

山一帯に異形の草が生い茂り、刈り取っても追い付かない事態になってしまった村。この村に暮らす蟲師・野萩は、野山を侵蝕していく異形のモノを根絶やしにすべく、火を点け山ごと焼き払おうとするが…。

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第二十五話 眼福眼禍

旅を続けるギンコは、道端で蟲の話を弾き語る一人の女と出会う。この女は、蟲師をしていた父親から聞いた話を歌にしているのだという。女はギンコに、幻の蟲を見たことで自分の身に起こった出来事を語り始め…。

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第二十六話 草を踏む音

五月雨の前頃、少年・沢は、山中にかかる霧の向こうに複数の人影を見た。ある日、滝つぼで釣りをしていた彼は、各地を渡り歩いて生活する少年・イサザと出会う。沢はイサザに、例の霧にまつわる現象について尋ねる。

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