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俳優のケビン・コスナーが主演と監督を務めた、大長編映画。1800年代後半のアメリカを舞台に、フロンティアにやってきた白人と、先住民の交流を描いていく。今作はアカデミー賞の作品賞を受賞しており、90年代のハリウッド映画を代表する作品になった。
南北戦争真っただ中のアメリカ。北軍に所属するダンバー(ケビン・コスナー)は、戦争で功績をあげ、駐屯地を選択できる権利を得た。ダンバーはまだ開拓されていない新天地を求め、サウスダコタ州の駐屯地を選択し、移動を開始する。
しかし、駐屯地は荒れ果てており、軍人の姿は見当たらなかった。ひとりになったダンバーは大自然の中で、自給自足の生活を送りはじめる。そんなある日、ダンバーの飼っていた馬が、先住民のスー族に盗まれる事件が発生。ダンバーはスー族と交流する決意を固め、野営地へと乗りこんでいく。
一方、スー族も白人との交流を望んでおり、次第に仲を深めていく。ダンバーはヨーロッパの文化をスー族に教えると同時に、彼らの生活を学びはじめる。
戦争で足を負傷し、決死の覚悟で南軍に攻撃を仕掛けた軍人。戦争後はフロンティアを求めて、荒れ果てた駐屯地へ向かい、自給自足の生活をする。怪我をしていた拳を握って立つ女を助け、スー族と交流することが許された。スー族からは「狼と踊る男」と呼ばれる。
スー族の女性。怪我をしているところをダンバーに助けられた。実は白人の生まれであり、先住民のポーニー族に家族を殺されている。子どものころに使っていた英語を思い出し、ダンバーとスー族を結ぶ通訳として活躍する。
スー族の男で、拳を握って立つ女の義父。部族の中では地位が高く、強い発言力を持つ。ダンバーに興味を抱き、彼のキャンプまで足を運んだ。言葉は通じないが、意思疎通ができており、徐々にダンバーと親しくなっていく。
蹴る鳥とともに、ダンバーのキャンプにやってきた男。ダンバーに手厚くもてなされる。
ダンバーを駐屯地まで送った男。ダンバーを送り届けた後、ヘイズ砦に戻ろうとするが、先住民に殺されてしまう。
ヘイズ砦の指揮官。ダンバーの配属先を決めるが、その直後に自殺した。
タイトルの「ダンス・ウィズ・ウルブズ」は、主人公・ダンバーの名前から来ています。
彼は狼と仲がよく、ひとりぼっちの駐屯地で、頻繁に遊んでいました。その様子を見たスー族の人間たちが、彼を「狼と踊る男」と呼ぶようになります。映画のタイトルは、「狼と踊る男」を英訳したものになっているのです。
劇中には「蹴る鳥」や「風になびく髪」など、特徴的な名前を持った先住民たちが登場しました。白人であるダンバーが「狼と踊る男」と名付けられたことは、先住民たちの信頼の証でもあります。
今作は軍人とアメリカ先住民の交流が描かれています。しかし当時のアメリカでは、先住民と入植者は敵対関係にあり、争いも頻繁に起きていました。
まさに水と油の状態である、両者の友情を大胆に描いたことで、今作は高い評価を受けています。言葉が通じない中で、意思疎通していく姿は、多くの人に感動を与えました。
今作は白人と先住民の異文化交流をとおして、相手に寄り添い、対話していく大切さを描いている作品です。
今作で監督・主演を務めたケビン・コスナーは、映画監督として初めてオスカーを獲得しました。結果的には大成功に終わっていますが、今作は制作が難航した映画としても知られています。
今作が制作される前、ケビン・コスナーには監督の経験がありませんでした。しかし、原作に強く惹かれたコスナーは、過去作で稼いだ私財を投資し、みずから監督と主演を務めることで、制作にこぎ着けています。
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は、ケビン・コスナーが命をかけて作り出した作品といっても過言ではありません。
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