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生きる(1952年)

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生きる(1952年)の作品紹介

生きる(1952年)のあらすじ

官僚主義への批判や人生の価値に対する哲学的な問題を提示した黒澤明監督作

癌に冒され余命いくばくもない老人を主人公にした黒澤映画の傑作。真面目一徹の公務員を演じた志村喬の迫真の演技が見どころ。ベルリン映画祭銀熊賞受賞。

30年間無欠勤で働いてきた市役所の市民課長・渡辺は、ある日自分が癌に冒されていることを知る。絶望と孤独にさいなまれ、これまでの事なかれ主義的生き方に疑問を抱いた彼は、最後に市民のための小公園を建設しようと奔走するのだが…。

生きる(1952年)のクレジット(監督・キャスト)

  • 監督
    :黒澤明
  • 主演・出演
    :志村喬,小田切みき
  • レーティング
    :全年齢

生きる(1952年)の評価・感想・レビュー

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 5 (2件中)
  • 投稿者名:湖土
    評価: GOOD 投稿日:2024.08.17/20:58

    ネタバレを含むレビューです。

    ゴンドラの唄
    黒い犬 小説家 メフィストフェレス 過去の自分に反逆
    『日本中の赤ん坊と仲良し』とよ
    2024年8月17日(土) NHK BS

  • 投稿者名:あっきー
    評価: GOOD 投稿日:2020.06.08/10:12

    『生きる』
    1952年作品。
    68年前の映画だが、しっかり得るものがある。不治の病により余命わずかとなった主人公が生きる意味を見出す物語。

    でも、そういう話はこれまでたくさん観てきた。その度に人生について考えさせられるが、実際に人生を変えた人ってどれだけ居るのだろう?本作はそこにも焦点を当てている。


    【変わらない人生】
    ・主人公の葬儀では、役場である役場のメンバーが集まっている。
    主人公の仕事の功績(人生の成果)を自分の満足度では無く、周りの評判、社会への貢献として示すシーンでもある。

    ●前半シーン
    ・1番位の高い上司が話している。部下は何にでもイエス。上司をたてる。ありふれたサラリーマンの姿。

    ●後半シーン
    ・上司は帰宅。残された部下達で討論が始まる。亡き主人公を讃え、自身も変わる事を決意するメンバー達。

    社内では皆が自分の地位を守る為に"何もしない事"で目立たずにいる。その間違った秩序を壊し、主人公の様に信念を持ち、何かを成し遂げる為に行動をしようと団結する。しかし翌日、初日から行動しない。

    ●社会の現実
    ・なんだかんだ、実際に行動するのは難しい。会社に染まるというか、組織に置いて秩序が正しいにせよ、間違っているにせよ、新しい事を取り込む事は至難の技。

    ●1歩踏み込む
    ・感動させられ、行動を決意しても結局は行動しない、出来ない事を示している。これまで多くのTVドラマや映画で感動し、人生を大事に生きようと決意しても変える事なんてなかなか出来ませんよね・・・。それを映画内ですでに示されている。皮肉なものです。


    【素晴らしい映像表現】
    『今この男について語るのは退屈なだけだ。ただ時間を潰しているだけで生きているとは言えない。』

    このナレーションで映画は始まる。本作内での生きる定義は"本人に取って意味のある仕事をしている事"です。つまり生き甲斐を感じているかどうか。

    ●主人公の行動
    ・後半、主人公はそれを見つける。とある少女と飲食店で食事をしているが、少女の言葉がキッカケとなり閃くんです!そしてすぐに行動に移す!

    飲食店での会話中、背景にある席では学生達が誕生日会の準備をしている。主人公が"生きる"に閃き、立ち上がり、階段を降りる。その時に背景の誕生日会の主役が階段を上がってくる!

    ●重なる"ハッピーバースデイ"
    ・階段を上がってくる友人に、多くの学生が拍手をしながら誕生日の歌を歌う。それが階段を降りる主人公に向けられた歌かのように見える仕掛けがしてある!この構図には脱帽。

    本作の定義で言うと、今この瞬間に主人公は"生きている状態になった訳で誕生したんです!ここ最近、観た映画の中で最も関心させられたシーンでした。


    【たらい回しにされる住民】
    ・とある空き地の下水が不衛生で困っているという市民。それは衛生課に!それは下水課に!とたらい回しに。

    その他『課長がいないから承認印貰えない。だから出来ない。』など融通が効かないのは役場あるある!笑

    おれの経験だと『休憩時間なので1時間後にいらして下さい』と言われたが、外で従業員はキャッチボールしてるんですよ。休憩中なのは理解出来るし、何でも有りになってしまうのでルールを守る事は分かるんだけど、イライラ。笑


    【子供の為に働く】
    ・息子の為に『つまらない仕事』を30年続けてきたと言う主人公。それに対し少女は『息子がそう頼んだ訳では無い』と言う。

    これはおれも同意見!『子供の為に働く』のは親自身の選択で家族を作り養っている訳で、子供が頼んだ訳では無い。また独身であっても生活の為に仕事はするので『つまらない仕事』をしている理由に"息子"は関係無い。

    仕事にやり甲斐や生き甲斐を見出せないのは自分自身の問題だと思う。


    【まとめ】
    ・主人公の職場の様子は、現代人でも共感させられる。という事は日本の会社やサラリーマンの姿は、本作が示す通り、68年たっても変化していない事になる。

    主人公と真逆の感性を持つ少女に興味(恋愛では無い)を持つなどキャラ設定も素晴らしい!

    あと50〜60万円で家が立つ、夜の遊びに5万円は有り得ない額!など昭和27年の物価を知る事も出来る!建物や車など当時の物を鑑賞するのも味わい深い!

    『命短し♪』あの歌をブランコに乗り当たっているシーンは涙物です。しかも声が低くて聞き取りにくいんだけど、普段から声を出してない人って、そんな感じですよね!リアル!
    生きた証が公園というのも素朴で、身近に感じられるので素晴らしいですよね♪
     

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