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翼のために

1944年6月4日、ノルマンディ上陸作戦決行の2日前。ダミアン・ルイス演じるE中隊のウィンターズ中尉と、ロン・リヴィングストン演じるニクソンは、2年前の夏、ジョージア州トコア基地での訓練の日々を思い返していた。デヴィッド・シュワイマー演じる指揮官、ソベルの厳しいスパルタ式訓練によって、彼らの隊は最も優秀な部隊、米陸軍101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊のエリート（通称、E中隊）となる。訓練の総仕上げでイギリスに渡ると、他の中隊が休んでいる時も心臓破りの山「カラヒー」への走破訓練を強いた。しかし、そんなソベルに対する部下たちの反発は徐々に強くなっていった。そんな中、ソベルは部下たちの信頼を集める副官のウィンターズ中尉にささいなことで難癖をつけ、外出禁止を言い渡す。文句があれば軍法会議に訴えろと脅すソベルに、業を煮やしたウィンターズも負けじと軍法会議に応じた。下士官全員が揃って辞意を表明し、ソベルに反逆。その結果、シンク大佐はソベルを左遷、ウィンターズは大尉に昇格した。

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  ：73分

ノルマンディ降下作戦

1944年6月5日、ノルマンディ上陸作戦決行前夜。ドイツ軍の激しい対空砲火の中、E中隊の輸送機は被弾し、隊員たちはパラシュートでドイツ軍占領下のフランス・ノルマンディに降り立つ。だが、ウィンターズ中尉（ダミアン・ルイス）は降下の際に武器を失い、降下地点が大きくぶれたので、部下たちも散り散りになってしまう。何とか大隊と合流した後、ウィンターズたちE中隊は、ブレクールにあるドイツ軍の砦を破壊するよう命じられる。ドイツ軍の砲兵部隊を攻撃するために、十数人しか残っていない隊を率いて戦闘を開始するウィンターズ。任務は成功したが、部下が敵の機関銃で戦死、指揮官ウィンターズにとって最初の身近な戦死者となった。

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  ：52分

カランタン攻略

ノルマンディ降下後にはぐれてしまっていたアルバート・ブライス二等兵（マーク・ウォーレン）ら空挺隊員たちが隊に合流し、上陸作戦決行日から六日後、E中隊は戦車隊の進路確保のため、カランタンの町に入る。ドイツ軍の精鋭部隊が防衛するカランタンでは激しい市街戦が行われたが、ウィンターズ中尉は自ら最前線に立って部下たちを励まし、多くの負傷者を出しながらも制圧に成功する。防衛体制を立て直すために移動しようとしたE中隊だったが、そこでドイツ軍の思わぬ逆襲に遭う。放心状態でたたずむブライスを、ロナルド・スピアーズ中尉（マシュー・セトル）、 ハリー・ウェルシュ中尉（リック・ウォーデン）らが励ます。正気を取り戻したブライスは銃を取り、はじめて敵兵を殺す。ところが翌日、ブライスは偵察中、敵の狙撃兵に首を撃たれ、野戦病院に運ばれる。E中隊はノルマンディで三十六日間戦い、中隊再編のためイギリスに帰還した。少しの休養の後、再び彼らは前線移動の命令を受ける。

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  ：65分

補充兵

1944年9月、イギリスに戻ったE中隊の兵士たちは傷を治療し、さらにそこに新参の補充兵たちが多数配属される。しかし、つかの間の休息も終わり、彼らはオランダにパラシュートで降下する「マーケット・ガーデン作戦」に参戦する。英国司令部の指揮で、E中隊はイギリス軍がオランダからドイツに入りやすくするために、アイントホーフェンの町から続く街道にある橋を確保する任務を負う。E中隊はアイントホーフェンの町を解放して無事に英国の戦車部隊と合流を果たしたものの、そこで強力なドイツ軍の攻撃に遭い、多数の負傷者を出す。負傷したブル・ランドルマン軍曹は農場の納屋に身を隠す。農場主とその娘が彼を見つけて治療をしてくれるが、気配を感じたドイツ兵に見つかり、ここでE中隊は、はじめて撤退を余儀なくされる。

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  ：59分

岐路

第5話はトム・ハンクスが監督をしている。1944 年10月、ウィンターズ中尉は膠着状態となっていたオランダの運河で危険な任務を遂行した後、第二連隊の幕僚に昇進する。一方、後任のヘイリガー中尉（ステファン・マッコール）は、ニクソン大尉とともに、マーケット・ガーデン作戦で取り残され敵に包囲されていたイギリス兵をアーネム村から救出する任務につき、成功する。また、親友のニクソン大尉から休暇を勧められたウィンターズは、パリで一息つきながら運河作戦の報告書をまとめはじめる。だが、戦闘中に丸腰の若いドイツ兵を射殺したことがどうしても頭から離れなかった。その後、ウィンターズはムーメロンで隊に合流。連合軍の前線を脅かすドイツ軍の戦車隊による大反撃「バルジの戦い」がベルギーのアルデンヌの森で始まる。

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  ：55分

衛生兵

1944年12月、ベルギーの町・バストーニュで第101空挺師団がドイツ軍に完全包囲される一方で、E中隊は町の近郊にある森ボア・ジャックに塹壕を掘って布陣を張った。深い雪と厳寒に苦しめられ、極限状態となる。食料や弾薬、冬装備、医療品が不足する中、衛生兵のユージーン・ロウ（シェーン・テイラー）は、塹壕を駆け回りながら負傷兵たちを懸命に手当てする。そんな中、バストーニュの教会に負傷兵を運んだユージーン。ここの救護所はもっと悲惨な状況だったが、美しいベルギー人の看護婦・ルネから少しだけ医療品を分けてもらう。その後、ドイツ軍の本格的な攻撃が始まる。教会も爆撃を受け、ユージーンは瓦礫の中からルネの看護帽を拾う。

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  ：67分

雪原の死闘

1945年1月2日、ベルギーのバストーニュでドイツ軍の度重なる攻撃に耐えたE中隊はついに反撃を開始し、フォイ村の攻略を命じられる。フォイ村までの雪原を進攻し始めたE中隊だったが、カーウッド・リプトン軍曹は新しい中隊長のノーマン・ダイクの指揮能力を全く信用していなかった。さらに、これまで勇敢に戦ってきた兵士のコンプトンは、親友トイとガルニアの負傷を目にしたことで精神状態が限界に達し、救護所へと送られる。フォイ攻撃前夜、リプトンはウィンターズに無責任なダイクの指揮下では死者が大勢出ると意見するが、確固たる解任理由もないため、そのまま出撃となる。E中隊は機関銃援護の下、フォイまで雪原を突っ切るため、迅速な前進が不可欠とダイクにアドバイスするウィンターズ。だがダイクは途中でパニックを起こし停止命令を出してしまう。立ち往生してドイツ兵の銃眼の餌食になるE中隊。これを見たウィンターズはD中隊のスピアーズ中尉を送り込む。彼の適確な指揮と、リプトンたちの活躍でついにフォイは陥落。しかしこの勝利は、多数の犠牲を払って達成されたのだった。

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  ：72分

捕虜を捉えろ

1945年2月、E中隊はドイツ国境に近いアルザス地方の町・ハーゲナウに入った。負傷して前線を離れていたウェブスター（イーオン・ベイリー）が隊に復帰したが、仲間の反応は冷ややか。そんな中、ライン川を渡りドイツ軍の捕虜を捕らえるよう命令を受けた彼らは、パトロール隊を組織する。マラーキー軍曹（スコット・グライムズ）が川を渡る第二小隊の指揮をとることになり、陸軍士官学校を出たばかりで戦闘経験のない新任少尉のハンク・ジョーンズ（コリン・ハンクス）が夜間パトロールを志願する。次々と激しい戦線に送り込まれ、前線に立ってきたE中隊は、何度も休暇予定を取り消された上、さらに厳しい戦場に配属される。勝利の実感もなく転戦し、兵達の士気は低下する一方だった。そんな時、従順で忠実なウィンターズが、二度目の偵察命令を無視し、意外にも作戦の偽装を命じる。

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  ：58分

なぜ戦うのか

1945年4月、E中隊は国境を越えてついにドイツ領内に侵攻した。ドイツの敗北と連合軍の勝利は決定的になり、ドイツ兵は逃げ、続々と降伏してくる。そんな時、ルーズベルト大統領死去の知らせが連隊に届く。一方、低下していたE中隊の士気は回復して来るが、目立った戦闘も無く緊張感が薄れ、軍の規律は緩む。各自が好き放題に行動し止める者も無く、何をやっても許される。そんな中、パトロール中の兵士が強制収容所を発見し、ウィンターズやニクソンらは、ナチスに集められたユダヤ人たちがひしめく悲惨な収容所の光景に言葉を失う。E中隊はユダヤ人を解放し、食料などを調達して保護活動を行った。「われわれはなぜ戦うのか」と自問するウィンターズだが、そんな中、ヒトラー死去の報せが入り、ヒトラーの山荘「イーグルズ・ネスト」へと出発する。

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  ：58分

戦いの後で

シリーズ最終話。1945年7月、E中隊はドイツのバイエルン地方ベルヒテスガーデンにあるヒトラーの山荘「イーグルズ・ネスト（ワシの巣）」を占拠することに成功する。ここはヒトラーが第三帝国の拠点にしようと目論んでいたところだった。ウィンターズはドイツ軍が降伏したことを知らされ、ニクソンらと美しいオーストリアの風景を眺めながらシャンパンで祝杯をあげる。やがて、今度は太平洋戦線に送られるという噂が流れ、部隊に動揺が走る。しかし、9月2日、日本軍が無条件降伏をしたというニュースが伝わる。第二次世界大戦が終わり、除隊した者、軍隊に残った者、それぞれが社会復帰を果たし、勝った側にも負けた側にも、否応なく月日は流れていくのであった。

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  ：62分