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あ
ストーリーが良く練られてる
ストーリーが良く練り上げられてる
胸糞悪い
😇
最後が衝撃的
ボリス!
ディープな内容が淡々と進んでいく
リズムが良い。
見た後にいろんな感情に苛まれた。
画面の配色(?)といい、演技といい、ストーリーといい、ここまで鬱な雰囲気を作れるのすごい。
『告白』
担任の先生の、とある話から始まる。その後『告白』として語られる登場人物達の本心によって物語が展開される。主人公(主な語手)を移り変わらせる物語の進め方も素晴らしい!
(主人公の移り変わり)
①シンママの担任教師
②学級委員の少女
③少年A
【伏線/設定】
・最初の先生の話は、あれが告白だと思わせておいて実は物語の設定の説明。
薬品を使ったルナシー殺人事件、少年AやBの家族構成や、本を出版し世の教師達に影響を与えたエイズの夫などなど。
生徒達が最初は話を聞いていない。だから観客は同情して話を聞くんですよね。終盤には生徒達が話を聞いている事で緊張感を演出する。
【ズレた大人達】
●熱血の若い男性教師
・一見、正しい事を言っているかのように錯覚させる見せ方が面白い!ミズキが正しい事を言うが、それを間違った解釈をした教師は否定する。そのタイミングで少女を悪口のあだ名ミズホ(ミズキのアホ)と呼ぶところも『アホはどっちだ!』と思うし面白い。
●プールに投げた少年Bの母親
・息子に間違った愛を注いでいる。
息子を殺害する前に家族4人分のお菓子を準備してお茶を注いでいるのが怖いですよね。最後に理想だった家族像と、そこで自分の役割である理想の主婦、妻を演じている。
あ!と日記がまだ途中である事に気がついて台所に続きを書きにいく。包丁を選んで息子の部屋に歩いていく流れが自然な日常感。追い詰められた母親の心境と間違った愛の末路が、犯行前の行動で上手く表現されていました♪
【生徒会のミズキ】
・彼女の物事を冷静に見極める客観性は、観客の立場とリンクするようになっている。主に観客が思っている事、世間一般的な意見の代弁者としての役割を果たしている。
彼女の存在のおかげで、観客は自身の考え方が一般的である事を再確認出来るし、多少違った考え方の人は、無意識に彼女寄りに軌道修正させられてしまう。
なのでその後の意外な展開や、少年Aが主人公(語手)に移って以降のサイコパス的な考え方を"異常"だと認識できる。物語の展開を作者の意図通りに感じる仕掛けがここにある!
【狂人 少年A】
・人を殺す事を美としている根っからのサイコパス!しかしその"告白"で全ての原因は母からの愛情不足だと分かる。
また、彼の人間性を疑う描写として使われていた『それでも学校に来ている』は家庭に居場所が無かったからだと分かる。
母親は、結婚により捨てた夢が諦めきれずに家族を捨てる。また、デキ婚だった事が計画性の無さ、責任感の無さを感じさせている。
母から捨てられただけで無く、その心の傷を癒す事無く父親は再婚。家庭に彼の居場所は無い。母も再婚している。(またデキ婚)
もう親達が計画性の無いアホですよね。そんな親達が不幸な子供達を作る。少年Aの台詞を引用すると『無能は無能と結ばれる』ちゃんと育てられないから無能に育つ。その繰り返しです。つまり彼には正しい教育が出来る親が必要。
【担任教師 松たか子】
・レストランで別の家族にもらったイチゴが担任教師の失った"優しさの象徴"であり、そこで彼女の心に変化があったのでしょう。
最後は少年Aに更生させるチャンスを与える。
『なーんてね。』あの台詞で幕を閉じるのは美しい!つまり担任教師は復讐の念から構成し、少年Aに取って必要だった親(正しい教育が出来る大人)となった訳です。
【まとめ】
・少年Bが構成出来るのかは疑問だけど、同じ状況の少年は現実世界にも存在する訳で、その事を示した意味のある作品だと思う。
また、現在では親達を恐れ、生徒に厳しく接する事の無い"業務遂行型"教師がたくさんいるでしょう。(教師達が悪い訳では無い)
そんな教師であった松たか子が、本当に子供の為になる教育者へと成長した物語でもある。
同時に少年Aは構成のチャンスという、本来親が与えるべき愛が故の厳しい指導を始めて受けた事になる。
家庭の本来あるべき姿を示すと同時に、エイズの正しい知識を教育するなど、現代の教育の場に対するメッセージ性も担っている作品だと思う。