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映画でもない、歌舞伎でもない…新しい「メディア」がここにある!
歌舞伎の舞台公演を高性能カメラで撮影し、スクリーンで上映した「シネマ歌舞伎」。1980年~1990年代にかけて演じられた名優たちの格調高い舞踊劇をラインナップ。2013年と2014年に東劇で至極の名作を貴重な映像で公開された『シネマ歌舞伎クラシック』。
第1弾は2013年に『隅田川』『本朝廿四孝 十種香』『梅雨小袖昔八丈 髪結新三』『二人椀久/年増』が紹介された。第2弾は2014年に『勧進帳』『身替座禅』『船弁慶』が紹介された。
第1弾の『雨小袖昔八丈 髪結新三』は18世中村勘三郎が、まだ5世中村勘九郎時代に17世羽左衛門の家主・勝奴を演じ、父である17世中村勘三郎らと共演している。
第2弾では、第一部で上映された『勧進帳』に注目。歌舞伎の人気演目の代表格として、多くの人に知られている作品。鎌倉時代、源頼朝の怒りを買った源義経一行が、北陸を通り、奥州へ逃避行する加賀国の、安宅の関(石川県小松市)での物語が描かれている。名優たちの施行の芸が、スクリーンによみがえる。
【勧進帳 配役】
武蔵坊弁慶:尾上松緑(二世)
源義経:尾上梅幸(七世)
亀井六郎:片岡我當
片岡八郎:市川左團次
駿河次郎:中村勘九郎(十八世 勘三郎)
常陸坊海尊:河原崎権十郎(三世)
太刀持音若:市川百々丸(現 高麗蔵)
富樫左衛門 :中村勘三郎(十七世)
[上演月]1980年(昭和55年) 11月
[上演劇場]歌舞伎座
[上映時間]1時間20分
【身替座禅 配役】
山蔭右京:中村勘三郎(十七世)
太郎冠者:中村勘九郎(十八世 勘三郎)
侍女千枝:中村児太郎(現 福助)
侍女小枝:市村家橘
奥方玉の井:市村羽左衛門(十七世)
[上演月]1982年(昭和57年) 11月
[上演劇場]歌舞伎座
[上映時間]60分
【船弁慶 配役】
静御前/新中納言平知盛の霊:中村富十郎(五世)
武蔵坊弁慶:片岡我當
舟子岩作:市村萬次郎
舟子浪蔵:大谷友右衛門
舟子沖八:中村浩太郎(現 扇雀)
舟子砂六:片岡進之介
片岡八郎:中村玉太郎(現 松江)
亀井六郎:片岡亀蔵
源義経:澤村藤十郎
舟長三保太夫:坂東三津五郎(九世)
[上演月]1990年(平成2年) 2月
[上演劇場]歌舞伎座
[上映時間]1時間10分
『シネマ歌舞伎クラシック』第2弾の第一部で上映された『勧進帳』は源義経一行の逃避行の物語です。
逃走ルートを遮られた義経一行は、東大寺建立の勧進と偽り、難関突破を試みます。理不尽な制止にも弁慶の智略で対抗し、一時は通行を許可され安堵したところに、難癖をつけ再び制止しされる一触即発のやりとりに目が離せません。ついには敵を欺くために、主君を杖で打ちつけてまで、絶体絶命のピンチを切り抜けようとした弁慶。その心根、また主従関係の美しさに感動を呼び、圧倒的な人気狂言となっています。
緊迫感ただよう「山伏問答」や数々の「見得」、振る舞い酒に酔って踊る「延年の舞」など歌舞伎の魅力が詰まったこの作品に注目です。
『シネマ歌舞伎クラシック』第2弾の第二部で上映された『身替座禅』。妻帯者であっても、若くて可愛い女性の誘いに惑わされるのは男性の性。一目会いたいと甘えられれば、無理をしてでも駆けつけたくなるものです。うまく取り繕ったつもりでも、そわそわとする夫の浮気な行動を、見るからに恐妻とわかる奥方に気がつかれないわけがありません。
ようやく逢えた愛人にちやほやされて、浮かれるのも無理はありませんが、怒りを耐え夫の帰りを虎視眈々と待つ奥方がいるとも知らず…お気の毒さま。この先に待ち受ける修羅場を想像せずにはいられません。
人の不幸はなんとやら。ご想像のとおりことの顛末をユーモアたっぷりにお届けいたします。
『シネマ歌舞伎クラシック』第2弾の第三部で上映された『船弁慶』。義経の愛妾・静御前と壇ノ浦の戦いで入水した平知盛の霊、この「静」と「動」の対比を五世中村富十郎がひとり2役で見事に演じ分けます。
前半、義経一行のために静御前が舞う「都名所」と呼ばれるくだりでは、京都の名所が歌詞にたくさん盛り込まれ、松羽目の舞台を華やかに演出します。後半にさしかかり、恐ろしい形相で長刀を小脇に抱えた知盛は、いかにも怨霊といったおどろおどろしい雰囲気で登場。(前半に美しく舞いおさめた静御前と同じ演者であることはみじんも感じさせません。)
義経一行を強襲する幽玄な舞ぶり、渦を巻くような回転で勢いよく豪快に花道を引っ込む姿までお見逃しなく!
ドラマ化もされ人気を博した、東野圭吾のミステリー小説であるガリレオシリーズの映画化作品。 アパートで娘の美里とふたりで暮らしている花岡靖子のもとに、ある日離婚した夫が押しかけて来る。やがて喧嘩が始まり、争った末に元夫は殺されてしまう。 それを知った花岡母娘の隣に住む石神は、彼女らに救いの手を差し伸べる。彼は天才数学者で、事件の真相を隠すため、ふたりに論理的思考力を生かした指示を出していく。 警察は花岡母娘を疑い捜査をするが、彼女らには完全なアリバイがあった。そこで担当警部の草薙は帝都大学の天才物理学者・湯川に事件の協力を持ちかける。 事件に興味を持った湯川は、大学時代の友人であった石神が花岡母娘の隣に住んでいることを知り会いに行く。久々の再会を喜ぶふたり。しかし、捜査が進むにつれ湯川は、石神が事件に絡んでいることに気づくが…。 湯川は真相を暴き石神を止めることができるのだろうか?
2007年3月26日。千葉県市川市のマンションから、ひとりの若い男が捜査員の追跡を振りきって逃走した。部屋のベランダに置かれたバスタブからは、行方不明になっていたイギリス人女性英会話講師の変死体が発見される。これが日本を震撼させた殺人犯・市橋達也の、2年7ヵ月に及ぶ逃亡生活の始まりだった。青森、四国、沖縄、名古屋、大阪、福岡――。行く先々で名前を変え、顔を変え、自らが犯した許され難い罪から逃げ続けた2年7ヵ月。謎に包まれていた空白の逃亡期間の真実が、映像で解き明かされる・・・・・・。DEAN FUJIOKA
「君に生きるのを手伝って欲しい」。 心に傷を負った少年がひとりの少女を通して自分の過去を乗り越え、人との絆を結んでいく物語。 日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞や日本映画批評家大賞アニメーション部門作品賞を受賞した話題作。 ガキ大将で粗暴な性格の小学生・石田将也は、先天性聴覚障害を持つ同じクラスの転校生・石宮硝子を耳が聞こえないことを理由にいじめていた。 やがて硝子はいじめが原因で転校してしまう。そして将也は、硝子をいじめたことが原因でクラスから孤立してしまい、更にはいじめのターゲットになってしまう。 時は経ち高校性になった石田は、小学校の時にいじめられていたことがトラウマで人間不信になり、孤立した高校生活を送っていた。 硝子への罪の意識が消えることのない石田は、とある手話サークルで硝子と再会。硝子に謝罪をするつもりが、「友達になってください」と伝えてしまう。 小学校の頃にわだかまりを残したふたりだったが高校生になり、当時の友達や現在の友達、家族を巻き込んで、再び接近するが…。
新吉原の人気女郎が、禁断の恋に身を委ねていく…。『花宵道中』は、2014年11月に公開された日本映画。原作は宮木あや子の短編小説であり、2006年に「女による女のためのR-18文学賞大賞」において大賞と読者賞を受賞。新吉原で懸命に働く花魁に訪れた悲しい純愛を描いている。主演は、1994年にテレビドラマ『家なき子』で一躍スターダムにのし上がった安達祐実。今作ではオールヌードという体当たりの演技を見せている。黒色すみれが歌うエンディングテーマも、ノスタルジックな余韻を感じさせる。舞台は江戸時代末期の新吉原。朝霧(安達祐実)は、遊郭・山田屋に引き取られて以後、心を閉ざしたまま遊女としての仕事に明け暮れて一番人気の女郎へと成長した。その後、遊女らの放火による大火災が吉原を襲い、女郎たちは吉原の外へ出て仮宅での営業をはじめた。はじめて江戸の町を体感する女郎たち。朝霧も妹女郎の八津(小篠恵奈)とともに賑わう町へと足を運ぶ。そこで朝霧は半次郎(淵上泰史)という職人に出会い、生まれてはじめて「純愛」の炎を燃やしていく…。
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