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伏線や気持ち悪さが上手だった
虫やグロなど気持ち悪い映像が出てくるから注意
『ヘレディタリー継承』
コッ!
【ホラーの定番を壊す】
『犬鳴村』のレビューで定番ネタを利用した演出の話をしたけど、本作でもそれを利用した巧みな技を見せつけてくる!
例えば、後ろに何かが居る演出のカメラワークを使う。振り向くと何かが飛び出してくると観客が予想できる定番ネタです!
振り向くと、実際に恐怖の対象がそこに居る。だけど決して大声で襲ってきたりはしない。
そこが従来のホラー映画との違いでしょう。襲って来ないのに怖い!それはそれが恐怖の対象である事をストーリーで示しているからでしょう。観た目や驚かせる事で恐怖を感じさせるのでは無く"物語"として恐怖を演出している!
幽霊が手を広げて画面に覆いかぶさってきたり、叫び声がバンという音響、弦楽器のキュルキュル音、異常に吹き出る血、グロテスクなクリーチャーは一切、登場しない!
【素晴らしいホラーシーン】
・長男が妹を車事故で殺してしまったシーン。他のホラー映画なら首がグチャッとなるグロテスクな映像と音を使い、慌てる長男が振り返ると、そこに残酷な妹の首が転がっているでしょう。観客はその気持ち悪さにホラーを感じる。
しかし!本作は後ろを振り向かない。車を止め、運転席で固まってしまった長男の描写は素晴らしいですね!観客は彼の気持ちと同化する。長男が背負ってしまった恐怖と後悔、絶望を観ている側も体験する事になる。
バックミラーすら観る事が出来ず固まってしまった彼は、静かにアクセルを踏み帰宅する。そのまま静かに布団に入る。とりあえず現実逃避をするしか無い絶望の心境を味合わされます。
翌日、母の悲鳴で事態が発覚する流れも、とうとう事が知れてしまった感が上手く演出されている。これぞ、新しいホラーの見せ方でしょう!
【キャラクター設定】
・冒頭から当分の間、主人公として扱われる母親の恐怖の表情は、従来のホラー映画の主人公としての役割を果たしている。目が大きくて驚いた顔が怖い!だけど彼女も途中から色々な要素が重なり、ストーリー的に狂人扱いとなる。最後には長男の視点で物語が進む。
この切り替えも従来のホラー映画の型を壊す仕掛けでしょう。
・娘チャーリーの不気味さも完璧!コッてする癖がキャラの不気味さを演出し、途中からはどこからか聞こえてくる恐怖として扱う。最後にはそれがオチの理解を促す要素となる。
この多くを担った設定は素晴らしい!
【巧みなストーリー展開】
・上記した主人公を変える演出もストーリーの巧みな技の1つでしょう。
何より伏線の使い方が凄いですよね!『ミッドサマー』でも感じたけど、最初から伏線がたくさん!。
男の子になりなさい、生まれた時に泣かなかった、兄が自殺した!などなど伏線がちりばめてあって2回目を観ると新しい発見があるに違いない。ただ単にホラーシーンを組み合わせたストーリーでは無くきちんと構成をねられた作品である事が分かる。
【まとめ】
・伏線をほぼ回収する。しかしワザと回収しないモノもあるんですよね!だから観客は観賞後に考察するし調べる!いやぁ、上手いですよねぇ♪
ホンマにあかんかった。怖いというより不快。
チャーリーの握力
怖いよー。
最後たたみかけるように怖さ連発。
劇場で観た時に「コッ」て鳴る度に後ろ振り返ったw