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爆弾テロから人々を救った英雄から一転し容疑者にされてしまう。マスコミと冤罪事件の怖さが描かれる。友人の弁護士がいい味出してる。
ネタバレを含むレビューです。
これが実話だと言うから恐ろしい。
警官に憧れ、正義感が強く不正を見逃せない主人公。
その正義感は融通が利かず、学生の頃は目立ちたがり屋と勘違いされるほど。
マスコミにやらせをさせられ犯人となったリチャード。
権力のある者達によって、犯人が捏造させられていくシーンはゾッとした。
こうして人生をめちゃくちゃにされた人が何人も居るかも知れない。
真実って何?
正義って何?
マスコミは正義?
この映画を観る限りではマスコミは害悪だと感じてしまう。
スクープのためなら何でもやる印象しか持てなくなった。
ただ人を殺すのもマスコミ、活かして助けるのもマスコミ。
マスコミは政治の次に人を動かす大きな力を持っている。
その使い方を誤らなければ正義になれる。
そして怖いのはマスコミだけではない。
人の思い込みだ。
爆弾を見つけたリチャードを馬鹿にしていた連中。
彼が見つけなければもっと大惨事になっていた。
また彼の在籍していた学校の教師。
はなから犯人と決めつけてFBIに報告。
それに踊らされるFBI。
ヒーローを崇めていたはずの人々がマスコミに踊らされて凶悪犯と決めつける。
でも重いだけではなく弁護士との遣り取りにどこかユーモアさえ感じたのは救いだった。
話がきれいに構成されてたと感じました。
3年A組のように現代を生きる私たちに向けてのメッセージがあった。また、悲しいことにこれは実話をもとにして作られている。画面比率が途中3:4になったりとまるで事件当時の報道を見ている気分になるシーンがあったりと面白い。
是非見て欲しい。彼のようなヒーローが今のヒーローを、英雄を作っているのだ。
2020/01/18
『リチャード ジュエル』
最近、実話が大好きなイーストウッド!本作は映画を観たと言うよりドキュメンタリーを観た感覚に近いなぁと思いました♪
【それでも映画として】
・実際の映像では無いので脚本、撮影、編集など映画を盛り上げる策に着目してみましょう!
●映像の演出について
・FBI本部で最後の質問を受けるシーン
①リチャードが初の強気発言
②言い返せないFBI捜査官達
③リチャードが部屋を出る
④笑みを浮かべるワトソンが部屋を出る
⑤閉まる扉のFBIマークがアップに
いやぁリチャード言ってやったぜ!もちろん①がメインのシーン。その良い台詞の中に憧れだったFBIマークは自分の中でもう何の意味も無い!的な事を話す。正義について語った会話の後に⑤ですよ!正義トークの後に国の正義組織のマーク!しかしここでは、そのマークを正義の象徴として表している訳では無い。
本作のメッセージをそのまま映像で表現したような綺麗な演出♪
●ママのタッパ
・生活品が押収される事は、日々の平凡な日常が奪われる事を表している。
え?そんなもの?と思える『タッパ』が生活品としてでは無く、生活そのものの象徴として本作では扱われる。
全てが解決して押収品は自宅に戻される。ママはタッパを手にして微笑む。しかしタッパには管理No.である『38』がマーカーされたまま。
冤罪が証明され、生活は戻ってきたけどこれからは『疑われた人』として生きていく事になる。疑われた過去は消えません。完全に元の生活には戻れない事"消せない過去"を消えていない管理No.が表している。
【実話を使用したストーリーについて】
・良い話なのは当たり前。だから映画化したんです!なのでストーリーが良いのは映画そのものの価値ではありません。
しかし本作は上記のように映画としての表現においても素晴らしい映画でした♪
【まとめ】
・実話ベースの映画であるあるなのが『実際の映像を使う』です。TVで英雄として取り上げられるニュースに出ていたのはリチャード本人の映像でしたね♪
国の正義を守る最高クラスの組織FBIが悪者として描かれた本作。マスコミが悪者として登場するのは、映画あるあるだとしても共通しているのは"本来、正義であるべきもの"だと言う事。それが悪となり、逆に正義が悪にされる。
そんなあってはならない話でした!何より重要なのはそれが実話である事!
高齢で過去になりつつあるイーストウッドが過去の事実を映画として世に送り出しているのは埋もれてしまった真実の発掘と保管なのでしょう。
本作だけでは無く、これまでのイーストウッドの実話ベースの映画についても、何かしら考えさせられるものばかり!観客に何かを感じさせるものが映画なんだとしたら、これもまた1つの手法で、彼の見つけた彼なりの表現なのでしょうね♪
【レビュー】
この映画を観た感想として一言で言うと、「事件の中にあった問題点や人間ドラマを、明確に表現した緊張感のある作品」という印象です😌
・
まず良かったのは、「雰囲気作り」ですね🤨
事件当日に爆弾が爆発することは予告から分かりますが、そこはどんな環境で、いつどのように爆発するのかという緊張感や緊迫感が非常にリアルで、このシーンによりいっきに作品に飲み込まれました🤨
また、事件発生後のリチャード・ジュエルが、メディアとFBIに追い込まれていく様も、緊張感があって良かったです😂
リチャード・ジュエルとその母の長ゼリフのシーンはかなり印象的ですね!!
・
次に良かったのは「明確にみせる問題点の描き方」です🧐
本事件の一連の中にあった「メディア」と「FBI捜査」の問題点を明確に描いており、何が問題なのかが分かりやすく好印象でした😊
・
どんな大きな組織でも、それを作り上げているのは個人の集合体であり、その個人が組織名の大きな看板を背負っています。
その組織の個人が本質でなく、自分の保身や出世欲に向かってしまうと、人の人生をも大きく変えてしまうことがあるのです。
特に本作で描かれるメディアの記者のような方は、今の日本でも確実に存在しています。
誰の為の報道なのか、何故誤解の生まれる報道をするのか。
・
ネットメディアも盛んになっている今、この問題を僕たち個人個人が認識し、扇動されないようにしなければいけません😣
そして冤罪についても、決して起きてはいけないものです。
捜査官や刑事としての重い責任に追われているとしても、真っ当なやり方で真実をつきとめて頂きたいですね😣
そんなことを明瞭に感じさせられました😣
・
次に良かったのは「ポールとサム・ロックウェルの演技」ですね😊
彼らの演技はとても光っていました😌
特にリチャード・ジュエルを演じるポールの《震え、泣き、緊張、怒り》の演技には鳥肌でした😣
ポイントを的確に押さえ、特徴的な人物をリアルにつくりあげて素晴らしかったです🧐
彼らの演じるリチャード・ジュエルとワトソンの友情には泣けますよ😂
・
【総評】
総評として、「雰囲気作り」「明確にみせる問題点の描き方」「ポールとサム・ロックウェルの演技」、これらは好印象で、かなり見応えのあるドラマだと思いました😊
特にポールの演技には大注目です!!
イースト・ウッド作品らしさは個人的に感じませんでしたが、彼の作品として気になっている方は是非オススメです😁
もちろんそうでない方にもかなりオススメです!!
人を信じて疑わない善良な人物の、緊迫感あふれる実話に基づくストーリー。
キャシー・ベイツの演技も素晴らしく引き込まれ、涙で画面が見えなくなりました…