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映画に熱中し、映写機を自作してしまう少年たちを描いたドラマ映画。今作の監督であるパン・ナリンの少年時代を基にした作品で、インドの貧困層に生きる少年たちの生活と、映画愛が描かれていく。また、今作は世界中で大ヒットした『RRR』を抑えて、第95回アカデミー賞のインド代表として選出された作品でもある。
父(ディペン・ラヴァル)が経営する小さなチャイの店を手伝っている少年・サマイ(バヴィン・ラバリ)は、映画に夢中になっていた。しかし、厳格な父は映画に連れて行ってくれず、サマイは学校をサボって映画館に忍びこむが、すぐに追い出されてしまう。
そんなサマイを見かけた撮影技師のファザル(バヴェーシュ・シュリマリ)は、映画館の特等席にサマイを招待する。そこはファザルの仕事場でもある、映写室だった。
母(リチャー・ミーナー)の作った弁当と引き換えに、タダで映画を観られるようになったサマイは、映写室に入り浸るようになっていく。
監督・脚本:パン・ナリン
出演:バヴィン・ラバリ
2021年/インド・フランス/グジャラート語/112分/スコープ/カラー/5.1ch/英題:Last Film Show/日本語字幕:福永詩乃/応援:インド大使館
配給:松竹
映画好きの少年。映画に出会ってからは、学校よりも映画館へ行くことが最優先になってしまう。ファザルとの出会いで、お金を払わず映画を観られるようになった。映画好きの仲間たちと協力し、映写機を自作していく。
ギャラクシー座の撮影技師。映画館のスタッフに追い出されていたサマイを見かねて、映写室に招待する。毎日のようにやってくるサマイに、映写技術を教えていく。英語を読むことができず、新しい機材に対応できない。
駅のそばでチャイの店を経営している。映画が嫌いで、2度しかサマイを映画館に連れて行ったことがない。映画監督を夢見るサマイを叱るようになった。本来は牛を飼っていたが、兄弟に騙されてしまい、貧乏暮らしを余儀なくされている。
心優しい母親。毎日弁当を作り、サマイに持たせている。サマイが映画館に通っていることに気がついており、大きい弁当を用意した。夫とは異なり、映画に対しての偏見はなく、サマイが作った映写機で映画を観ている。
インド映画と聞くと、個性的なダンスが最初に思い浮かぶ人もいるでしょう。しかし、今作にはミュージカルシーンがなく、上映時間も比較的短いため、ある意味でインド映画らしくない作品です。
劇中では、インド社会の現実的な側面を生々しく描きつつも、映画監督になる夢を叶えたパン・ナリンの半生が描かれました。
また、フィルムからデジタルに移行していく描写もあり、過去数十年の映画の歴史をふり返ると同時に、フィルムの温かさを再確認できます。
今作はリュミエール兄弟やスタンリー・キューブリックなどの名監督に対する、感謝の言葉からスタートします。パン・ナリン自身が影響を受けた監督たちを、冒頭で示してしまう演出です。
そして本編の中でも、監督たちに対するオマージュが多数存在しています。パン・ナリンの強烈な映画愛を感じずにはいられない演出に、誰もが心を動かされてしまうでしょう。
『2001年宇宙の旅』や『アラビアのロレンス』など、映画ファンならピンとくるオマージュも盛りだくさんです。
今作は映画の素晴らしさを表現すると同時に、インドで生きる人々の暮らしが生々しく描かれていきます。
特に英語が話せるか、否かで収入や地位が大きく変わってしまう描写は、現代のインド社会を如実にあらわしているといえるでしょう。
しかし、今作で描かれるインドは、暗い面ばかりではありません。サマイの母が作る料理の美しさや、辛い中でこそ光る人々の優しさなど、ところどころで希望が見えてくるストーリーになっています。
「666」は悪魔の印!「エクソシスト」と並ぶオカルトホラーの金字塔シリーズが開幕 “反キリスト”悪魔の子の誕生を描く第1作。ミステリー仕立ての物語、アイディアがさえるショック描写、恐怖を高めるジェリー・ゴールドスミスの音楽は今見てもすごい! 6月6日、ローマ駐在のアメリカ人外交官ソーンは妻の出産が死産だったことを知らされる。妻を悲しませたくない彼は病院の神父の助言に従い、同時刻に生まれた孤児を我が子とした。ダミアンと名付けられた子供が5才になった時、謎の死が頻発するようになる。
ティム・バートンらしい、ダークな世界観が魅力のファンタジー映画。不思議な力を持った子どもたちと、彼らを育てている女主人の活躍を描いていく。主演を務めたのは、『シン・シティ 復讐の女神』などに出演するエバ・グリーン。子どもたちと敵対するバロンには、サミュエル・L・ジャクソンが起用された。また、ティム・バートン作品の常連だった、ジョニー・デップやヘレナ・ボナム・カーターは出演していない。スーパーでアルバイトをしているジェイク(エイサ・バターフィールド)は、認知症を患っている祖父の様子を見に行く。しかし、祖父の家は荒らされており、近くの森には目玉をくりぬかれた状態の祖父がいた。祖父は「ループに行け」という言葉を残し、そのまま息を引き取ってしまう。残されたジェイクは、祖父が過去に話していた「ミス・ペレグリン」のことを思い出し、彼女から届いた絵葉書を見つける。祖父の遺言どおりに、ミス・ペレグリンの家を訪れるが、そこは廃墟になっており、人は住んでいなかった。しかし気を失ってから目を覚ますと、ジェイクは1943年にタイムスリップしていた。そこにはミス・ペレグリン(エバ・グリーン)や、子どもたちの姿もあり…。
オバマ大統領出現を予言した?! マ〜ベラスな近未来SFコメディ! 「20世紀少年」×「WALL・E」÷2=「26世紀青年」!? 世界が終わろうとしています。“ばかたち”によって……。 “平均のアメリカ人”の典型、兵卒のジョー・バウアーズ。彼は、米国国防総省から、極秘の冬眠プログラムの実験台に選ばれた。忘れられ時は過ぎ、彼は未来の500年後に目が覚める。あまりにレベルが下がった合衆国で、生きている人間のなかで最もインテリな人間になっていたのだ。
神様から巨大な箱舟造りを命じられた男の運命を描くファミリーコメディ ジム・キャリー主演『ブルース・オールマイティ』で、スティーヴ・カレル演じる主人公のライバル・エバンを主人公にした続編。総勢177種の動物たちが表情豊かに動き回る。 人気キャスターから議員となったエバンは、神様に「世界を変える力をください」とお祈りする。すると彼の前に神様が現れ、箱舟を造るよう命じる。半信半疑ながらもお告げ通り造り始めたエバンだったが、周囲からは笑い者にされ、家族にも見放されてしまう。
謎の遺跡から発見されたゲートを通じ、はるか宇宙の彼方へと人々は旅立つ マリオ・カサール製作総指揮、ローランド・エメリッヒ監督によるSF大作。凝った設定を元にした謎解き、壮大なストーリー展開は何度見ても唸らされ、感心させられる。 20世紀初頭に謎の遺跡から発掘された巨大なリング。数十年の時を経て、考古学者・ダニエルの調査によって、それは星間移送装置「スターゲート」であることが判明。彼は米軍のオニール大佐らと共にゲイトをくぐる。その先は未知の文明を持つ惑星だった。
その青年は貧しかったが、人並み以上のアイデアと野心を持っていた。19世紀に活躍した興行師P・T・バーナムのサクセスストーリーを映画化。成功と挫折を味わい、どん底から這い上がったバーナムが、本当の人生の意味と価値を見つける感動のミュージカルムービー!青年・バーナム(ヒュー・ジャックマン)は、幼なじみの良家の令嬢・チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)と身分違いの恋に落ち、駆け落ち同然に結婚する。裕福ではないものの、娘ふたりと愛する妻とともに幸せな生活を送っていた。しかし勤めていた貿易会社が倒産し、バーナムは解雇されてしまう。そんななか、倒産した会社の沈没した船舶登録証を担保に、奇妙なものを陳列した「バーナム博物館」をオープンさせる。そして娘の助言をきっかけに、小人症の男(サム・ハンフリー)、ひげの濃い女(キアラ・セトル)、全身入れ墨の男、大男(ティモシー・ハージェス)、黒人の兄妹など、世間から差別され、隠れて生きていた人のショーを成功させ、上流階級の仲間入りを果たす。だが、批評家からは酷評され、上流階級の中でも「成り上がり」と揶揄されたバーナムは、新たな手を考えるのであった。そんな折に、思いもしない悲劇が起こる…。
ロス暴動から2年後の1994年ロサンゼルス。ウィルソン高校に通う生徒たちは人種ごとに結束してギャングまがいの抗争に明け暮れていた。理想に燃える新任教師エリンは、貧困や暴力がもたらす子供たちの荒廃にショックを受けながらも、彼らを救うことに情熱を注ぐ。そして、自らの出費で生徒たちにノートを買い与え、そこに思ったことを自由に書き込むように提案。生徒たちは書くことによって初めて自分自身と向き合い、荒んでいた心に次第に変化が生まれていく…。
1959年に初演され大ヒットした同名ミュージカルの映画版で、1965年に公開された。原作は主人公のモデルであるマリア・フォン・トラップの自叙伝『トラップ・ファミリー合唱団物語』である。原作の自叙伝、ミュージカル、そして映画ともに世界中で大ヒットし、今もなお世界中の老若男女から愛されている名作だ。劇中では「エーデルワイス」「私のお気に入り」「ドレミの歌」など、誰もが一度は聞いたことがある名曲が使用されている。物語も主人公の成長ストーリー、恋愛、そして子どもたちとのふれあいなど、ほのぼのする展開から、迫り来る戦争の影や緊張感あふれる脱出劇まで幅広く展開する。歌うことが大好きで自由に憧れる修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)は、そのおてんばぶりから、ほかの修道女たちにからかわれつつも愛される存在だった。ある日、修道院長(ペギー・ウッド)から、トラップ大佐(クリストファー・プラマー)の子どもたちの家庭教師になるようにすすめられる。修道院長のすすめを最初は断るマリアだったが、最終的にトラップ邸に向かう。そこでマリアを待っていたのは、何人もの家庭教師がさじを投げた7人の子どもたちだった。子どもたちからの「手厚い」歓迎もマリアは動揺せず受け入れ、次第に子どもたちもそんな彼女に心を開き始めていくのだが…。
1986年に公開され、世界中で物議を醸したフランス制作の映画。長編デビュー作品である『ディーバ』がセザール賞の新人作品賞、撮影賞、音楽賞、録音賞の4部門を受賞したジャン=ジャック・ベネックスの監督作品である。ジャン=ジャック・ベネックスは、ニュー・フレンチ・アクション・シネマといった新しいジャンルを築いた監督だ。主演は、今作がデビュー作となったベアトリス・ダル。モデル活動をしていたときに監督に見出され、デビュー作とは思えないほどの怪演を見せている。リゾート地のバンガローで、ひとり気ままに生きるゾルグ(ジャン=ユーグ・アングラード)。ある日、彼は風変わりの少女・ベティ(ベアトリス・ダル)と出会う。勤めていたレストランに嫌気が差したベティは、ゾルグのもとに身を寄せる。本能のままに生きるベティに溺れていくゾルグ。刹那的に愛をむさぼるふたり。エキセントリックなベティとの生活で、ゾルグ自身の言動、そして人生も次第に変わっていくのだった。