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目次
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今作は1950年代のロンドンを舞台に、謎の多い殺人事件を追っていくふたりの刑事を描いたミステリー映画だ。アガサ・クリスティの作品から多大な影響を受けた、本格ミステリーであると同時に、コメディ要素も多く含まれている。
事件を追う刑事役には、『ジョジョ・ラビット』に出演したサム・ロックウェルと、オスカー常連のシアーシャ・ローナンが起用された。また、ハリス・ディキンソンやエイドリアン・ブロディなど、ベテラン俳優たちもわき役として出演している。
アガサ・クリスティが手掛けた『ねずみとり』を上演している、ウエスト・エンドの劇場で殺人事件が起こる。被害者は『ねずみとり』の映画版で監督を務める予定だったレオ(エイドリアン・ブロディ)であり、容疑者は演劇の出演者やスタッフたちだった。
事件の捜査を任されたストッパード(サム・ロックウェル)と、ストーカー(シアーシャ・ローナン)は、容疑者たちへの聞きこみをはじめる。しかし、事件にはふたりの予想を超えた真実が隠されていた…。
飲んだくれの刑事。レオが殺害された事件の担当になった。真面目なストーカーの態度に不満を感じており、衝突することもある。歯医者に行くと嘘をつき、バーで酒を飲むなど、刑事とは思えない行動を取り、ストーカーに呆れられる。
真面目な新米刑事。ストッパードのサポート役に抜擢され、事件解決まで行動をともにする。メモ帳を持ち歩いており、ストッパードの言葉や事件の証拠などを書き留めている。早とちりな性格で、わずかな疑問を解決できず、ストッパードを疑ってしまう。
ウエスト・エンドで起きた事件の被害者。アメリカからやってきた映画監督で、『ねずみとり』の監督に抜擢されていた。自分の能力を過信しており、舞台のスタッフたちと揉めてしまう。横暴な態度で周囲の人々から嫌われていた。
劇場のオーナー。容疑者のひとりであり、ストッパードの尋問を受ける。
映画プロデューサー。『ねずみとり』の映画化を企画しており、レオを監督に抜擢する。
『ねずみとり』に出演していた俳優。生前のレオと殴り合いの喧嘩をしている。
劇場で案内人をしている男。レオが殺された日も劇場で働いていた。
脚本家。仕事仲間だったレオと言い争いをしており、ストッパードに疑われる。
今作の舞台となる1950年代は、アガサ・クリスティが大活躍していた時代です。劇中で上演されている『ねずみとり』も、クリスティ原作の舞台で、物語に大きく関わってきます。
また、探偵役の刑事が事件を追っていく展開も、クリスティが得意とする本格ミステリーそのものです。事件のヒントがそこかしこに隠されており、ストッパードと一緒に謎解きをする楽しさもあります。
些細な描写が伏線になっている作品なので、見逃さないように注意しつつ鑑賞しましょう。
劇中で起きる事件はほかのミステリー作品と同じように、人間関係のもつれが原因です。被害者のレオは恨みを買うタイプの人間で、彼を殺す動機のある人が山ほど登場します。
誰が犯人でもおかしくない状況の中、ストッパードは真犯人をあぶり出そうとするのです。古典的な方法での捜査が続き、徐々に犯人に迫っていく展開は、ミステリー本来の面白さを味わうことができるでしょう。
犯人の正体を知ってしまうと台無しなので、ネタバレを見ずに映画に臨むことをおすすめします。
今作はクリスティの小説を知っていれば、より楽しめる作品です。クリスティ作品へのオマージュやパロディが随所にあり、お約束をあえて無視するような、笑えるポイントも用意されています。
事件の内容は、劇中劇でもある『ねずみとり』がオマージュ元です。しかし、筋書きどおりの展開にはならず、誰も予想できない方向へと物語が進んでいきます。
また、映画終盤にはさらなるサプライズが用意されているので、クリスティ作品のファンにはたまらない映画だといえるでしょう。
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