SHARE

contents kv

出典:

2017/03/06
1,220 0

戦慄のエロティック実話怪談。【怪談実話二人衆 嫐(うわなり)】

恨み僻みに妬みに嫉み、絡みつく情念のしがらみ。 どこまでもついてきて、泥沼のように底のない怪異ばかりが集まる実話怪談集。

・女流官能専門家による、実話怪談集!

出典:

嫐。

普段目にしない漢字ですよね。
これ一字で「うわなり」と読むのだそうです。意味は、後釜に座った女。なんだかエロチックな雰囲気と、恐ろしげな雰囲気を、同時に纏った言葉です。関係はないでしょうけれど、ヘビの「うわばみ」にもちょっと似ています。

また、この字に送り仮名をつけると「なぶる」とも読むことができます(男が多い「嬲る」のほうが、一般的でしょうけれど)。

この、ヒジョーにアヤシげな実話集を綴るのは、女性二人。川奈まり子氏と、吉澤有貴氏です。

タイトルに、実にしっくりくる人選だといえましょう。なぜなら二人とも、エロティシュズムのプロフェッショナルなのですから。

・とっても豪華な執筆陣!

出典:

まずは川奈まり子氏から。
彼女は元AV女優です。30歳を過ぎてデビューしたにもかかわらず、熟女もののトップスターにまで登りつけた女性。現在は女優業を引退し、もっぱら官能小説家の仕事をしている方です。

もう一方は吉澤有貴氏。普段は違うペンネームで、本人曰く「オラオラ官能小説」を書いているとのことですが、そちらのペンネームもきっちり記載されておりますので、これを読んで恐怖にドキドキした方は、そちらをたどってピンクな気分でドキドキするのも悪くないといえるでしょう。

・語り部の実体験

出典:

実話怪談というと、書き手が一般の方に取材をして、それを文に起こす……というのが一般的です。いくらホラー界隈に身を置く作家といえど、一冊の本になるほど怪奇現象を経験していては身が持ちませんからね。  

しかしこの本は、お二人の、世間から見れば特殊な職業も相まってか、執筆者の経験談がとても多いです。

伝聞でも、執筆者と交友関係のある身近な人であったり、それこそ実家であったり……と、「友達の友達がね」というような、都市伝説にありきたりなゆるいモザイクは、本書にはさほどありません。

限りなく「ナマ」に近い体験を、語られる貴重な機会です。ぜひ、楽しんでくださいませ。

・絡みつくような……

出典:

同シリーズの他の怪談集よりも、本書は湿っぽい話が多いです。この場合の「湿っぽい」というのは「悲しい」ではなく、ドロドロした雰囲気を指します。

怪談とはいっても、突然変なものが現れたけれど特に害はなかった……というような「からっとした」怪談も少なくありません。
 
では湿っぽい怪談を具体的に紹介しますと、中盤収録の「50万の女」。
ただの幽霊ならまだしも(?)、精神的苦痛のみならず現実的な面で多大な迷惑をかけてくる女の話です。

急に人恋しくなった夜、サラリーマンである主人公は出会い系サイトで「るみちゃん」という女の子を見つけ、メッセージでやりとりするうちに彼女の境遇へ同情し、助けてあげたいと思うようになりました。

惚れた弱みは怖いものです。昔の恋人と縁を切るのに必要と迫られて、主人公は50万円ものお金をるみちゃんに渡してしまいます。

それで隙を見せてしまったのが運のつき。るみちゃんは彼の家に転がり込んできて、家事も仕事もしません。しかし、なぜかるみちゃんに惚れ込んでしまった主人公はそれでも幸せです。

ですが、るみちゃんを住まわせてから部屋の様子がおかしいのです。一体るみちゃんは、何を連れ込んできたのでしょうか。

生理的嫌悪を強烈に刺激するラストシーンは、ご飯を食べながら読まないでくださいね。
ここまで吐き気を催す作品は、あんまりないと思います。

ほかにも有機的というか、ねっとり絡みついてくるような怪談話ばかりが収録されています。

そのドロドロに飛び込んでみたい方は、ぜひ手に取ってみてください。

参考元

  • ・怪談実話二人衆 嫐竹書房

当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。

この記事に関連する記事