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2017/02/09
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なにもかもが、極限。【感染】 塚橋 一道

疲弊しきった病院に運び込まれた急患。誰も見たことのない症状。そしてその病と共に狂気までもが感染していく、戦慄のメディカルホラー。

目次

・その病院、破綻寸前

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今まさに、経営危機にあるその病院。

建物は老朽化し、職員は次々に辞めていきました。そしてとうとう、出張と称して院長が消えてしまいます。

その月の給料は払われずじまい。賃金や福利厚生を担当している医師も、畑違いの仕事を無理やり押し付けられただけなので、つながるあてのない院長へ電話をかけ続ける以外、どうしたらいいかわかりません。

人件費が払えないなら、ほかの資金も不足しているのは当然で、備品も購入できない有様です。注射器などの消耗品や、薬品類など、いずれも患者の生命線となる物資。

そのわずかな物資で、病院としての治療をするのはもはや限界に達していました。

・何もかもが足りない

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この病院のさらにつらいところは、入院患者も抱えていることです。それ故に夜勤の人間がどうしても必要ですが、人手不足のため昼夜通しの勤務が常態化しています。

そのために全員が慢性的な疲労感と睡眠不足を抱え、常にぴりぴり、いらいらしています。
それだけ頑張っても入院患者全員には手が回らず、ナースコールが鳴っていても、詰所は空っぽということもしばしば。そのせいで事故が起き、さらに手間が増えるという悪循環も起きつつありました。

そんなとき、決定的な事件が起こります。

入院患者の容体が急変し、緊急処置を行う医師たち。しかしほかの入院患者の対応もせねばならず、てんやわんやの状態となります。そんな中、看護師に指示を出していた医師が、必要な薬品の名前を、本人も気づかないうちに言い間違えてしまいました。

その結果、患者は死亡。明らかな医療ミスです。

自分が殺したのかと恐慌状態に陥る若い看護師。指示を出したのは覚えていないが、自分が間違えたのだから責任を取るという医師。一緒に処置にあたっていた別の医師は、どうせ助かるかどうかわからなかったのだから、隠蔽してしまおうと言い出します。

反論するも言いくるめられて、第3の意見に従い偽装工作を始める職員たち。全員の気分がさらに重たくなったところで、またトラブルが発生してしまいます。

・奇病の急患

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別の医師が、玄関に放置されていたという患者を発見します。それは救急隊員が搬送してきたものの「手が足りないから」と断ったはずの患者でした。

容体を確認すると、隊員から聞いたものとは全く違います。それどころか、医師たちのだれもが知らない症状を呈していたのです。

鼻を突く異臭に、周囲にしたたったおびただしい液体。それは緑色をしていました。内臓も溶けはじめ、その液体の一部になりつつあります。

あとからきた医師が衛生局に助けを求めようとすると、発見した医師はあろうことか「この珍しい症例を研究し、発表しよう」と言い出したのです。

この極限状態で、そんなことをしている場合ではありません。しかし「衛生局を呼べば、この病院で起きていることがわかるぞ」と言われると、あの場にいなかったこの医師が医療ミスの隠蔽を知っているかと思えて、強く出ることができません。

結局言いなりに、その患者を調べ始めるのですが、ほかの患者の様子を見に行ったりと目を離しているうちに、例の患者が消えてしまいます。

そして職員の中に、同じような症状を呈するものが現れ始めました。

・狂いゆく人々

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この患者にかかわった者も、患者の存在自体にまだ気づいていない者も、職員たちは次々に精神の均衡を崩していきます。まるで狂気が感染していくように。

 誰が病気で、誰がそうでないのか。
 誰が正気で、誰がそうでないのか。

 そして結局、この病気は何なのか。
 その答えは、最後まで読むと明らかにされます。

なおこの小説は、同名映画のノベライズです。
自分の想像力で怖がりたい人は小説を、強烈なビジュアルを突き付けられたい人は映画を、ぜひお楽しみください。

参考元

  • ・感染角川書店

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