ユリ熊嵐のみどころを紹介します!これから見る人にはもちろん、すでに見たことがある人にも新たなユリ熊嵐の魅力をお届けします。
【ネタバレあり】ユリが熊と出会って嵐が起こる『ユリ熊嵐』のみどころ3選!!
出典:amazonここでズバリ、作品の見どころを3つ紹介します。
ここに注目して視聴すれば、『ユリ熊嵐』をより深く楽しめるかもしれませんね。
キーワードはタイトルの意味でもある「ユリが熊と出会って嵐が起こる」。ユリ、クマ、そして嵐はこの作品の3大要素として押さえておきましょう。
【みどころ①】『ユリ熊嵐』は百合でなければならなかった。スキをめぐる少女たちの物語
タイトルにもなっている通り、『ユリ熊嵐』はユリ(百合=女性恋愛)を大々的に押し出した作品となっています。
男性のキャラクターは一切登場せず、女性同士で恋愛を行うのが当たり前という世界観です。それだけでも見る価値がある、という方も中にはいるのではないでしょうか?
『ユリ熊嵐』における百合は美しさや儚さをといった理想を具現化したものではない、等身大の恋愛として描かれています。
好きになればお付き合いをするし、ベッドで肌も重ねます。全編を通してややセクシーさが押し出されていて、ソフトなベッドシーンも多いです。
ただそれがキャラクターの人間らしさに繋がって、この世界における百合を記号ではないリアル関係性として表現しています。
そんな中、彼女たちは作中で「本当のスキ」と呼ばれるものを追い求めます。これがなかなか抽象的なものではあるのですが、こうした作品ならではのテーマと言えるでしょう。
おそらく、決して男女の恋愛を扱った作品でも描けないものではありません。しかし女性同士であるからこそ、視聴者は恋愛から生殖的な概念をすっかり取り除いて、より本質的なものとしてテーマを探ることができるのです。
『ユリ熊嵐』は百合でなければならなかった――全話を見終わった後、きっとみなさんはそう感じることでしょう。
【みどころ②】その可愛さがクセになる。ヒト化したキュートなクマたち
見どころを語るうえで、これは外せません!
作中では主人公の銀子をはじめ、多くのヒト化したクマが登場します。
人間の姿をした彼女たちは、コミック版も手掛ける森島明子さんがキャラクター原案を手掛けたキュートで温かみのあるデザインの女の子。
しかし、いざ人間を捕食しようとなると本来のクマの姿へと変わります。このクマもまた、魔法少女ものに出てくるマスコットキャラクターのようでとても愛らしいのです。
鳴き声も本人たちは獰猛なつもり(かつ、この世界の人たちには恐ろしいものに聞こえているのでしょう)でも、実際はなんとも流暢な日本語で「ガウガウ」と口にするだけ。
シルエットで描かれる捕食シーンも「ガリガリガリ」と声で語るもので、ショッキングであるはずがどこかほんわかしたものになっています。
さらにヒトとクマの中間――言うなれば「半クマ」と呼べる姿。こちらはヒトを襲う瞬間やユリ裁判によるユリ承認が成された時に現れるもので、特に銀子たちは魔法少女の変身シーンのようなバンクと共に登場します。
この辺りの演出は前作『輪るピングドラム』の「生存戦略」に通じるものがありますね。クマ耳、クマ手袋、クマ靴をつけた、私たちからみればコスプレにしか見えない姿(やっぱりこの世界の人たちからすれば獰猛に見えるのでしょう)は、はじめこそ唐突な登場に度肝を抜かれてしまいますが、どこかクセになるデザイン。
何話か続けて見ていると、毎回のユリ承認シーンがむしろ待ち遠しくなってしまうことでしょう。
【みどころ③】「排除の儀」と「ユリ裁判」 ふたつの儀式は何を意味するのか
作中では毎話と言っていいほど「ユリ裁判」、そして「排除の儀」と呼ばれるふたつの儀式が登場します。特に「排除の儀」はとりわけメッセージ性が強い要素のひとつです。
人間の世界で行われる「排除の儀」はリーダー生徒の「レッツ、サーチイブル!」の掛け声とともに、一斉にスマートフォンに表示されたクラス名簿の中から「空気が読めない人」と思う1人を選択するものです。
そして多数決により選出された1人を「悪」と決定し、クラスから糾弾する――言うなれば生贄投票。システム化されたイジメです。作中では「透明な嵐」とも呼ばれています。
この世界におけるクマへの最大の対処手段は「狙われないこと」。狙われないためには「集団に溶け込み、透明な存在となること」とされています。
この「排除の儀」は、自分たちが透明な存在であることを自己承認するためのものなのです。クラスに馴染めていないヒロインの紅羽は、終始この儀式で「悪」と定められています。
一方で「ユリ裁判」はクマが「ユリ承認」を得るための儀式です。
検事と弁護士が議論を交わし、裁判官が「ユリ承認」の判決を得られたクマは人間の姿を手に入れることができます。その際にクマは「スキを諦めるか」「人間を食べるか」などのひとつの選択を迫られますが、どちらが正解というわけでもなく「どちらかを選ぶ覚悟をした」という行為そのものを見られています。
「排除の儀」とは真逆ですね。「自分」を貫いた彼女たち個人にユリ承認は与えられます。
この対照的なふたつの承認の儀式は、共に作中で重要な役割を担っています。見流すことなく、ぜひ注目してみてください。
『ユリ熊嵐』の解釈・考察まとめ!最終回の意味は?元ネタになった事件・小説があるって本当?
現在でもインターネットを中心に様々な考察が飛び交うアニメ『ユリ熊嵐』。中でもとりわけ反響を呼んでいるのが物語を決定づける最終回です。
本作を手掛けた幾原邦彦監督は社会派クリエイターとしての側面も注目を浴びています。
前監督作品『輪るピングドラム』は、作家・宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』に、平成を象徴する大事件『地下鉄サリン事件』を巧みに盛り込んだ意欲作としても評価されました。
その情熱と作風は『ユリ熊嵐』でも発揮されており、社会的なアイロニーに満ちたテーマ性の強い作品としての地位を築いています。
銀子と紅羽の物語の中でいったい何が描かれているのでしょうか?
『ユリ熊嵐』の最終回に込められた意味とは
『ユリ熊嵐』の物語を一言で説明すれば「自分であるために自分を捨てる物語」です。何を言っているのか、ちょっと分からないですよね(笑)。
そもそも銀子(とるる)は「紅羽に近づく」という目的のために「自分がクマであること」を捨てています。クマの姿で会いに行っても、クマ嫌いの紅羽に撃ち殺されてしまうからです。
目的を果たすためには、紅羽が気を許す姿――人間になるしかありませんでした。
もちろん人間の世界の中でも銀子たちはクマの価値観に従って行動しています。しかし本質的には彼女たちは「クマを捨てて人間になる」ことを選んでいるのです。
そして最終回の中では、銀子の目的に対する紅羽の答えが示されます。具体的な内容はネタバレになってしまうためここでは語れませんが、その答えもまた別の意味で彼女自身を捨てるものでした。
数多ある考察の中で、ここに一番の葛藤が描かれていると指摘されています。
人が未知の世界に触れた時、どうしてもその人の持つ価値観でしか良し悪しを判断することができません。
では本質を見極めるためにはどうしたらよいか。相手と同じ存在になればよいのです。
これは先にも言った通り銀子たちが作中で選んだ方法ですね。映画『アバター』もこれに近しい答えを得る物語です。
しかし一方で、それは「どう頑張っても自分とは異なる世界の価値観を理解することはできない」ということを逆説的に認めていることでもあります。
作中の関係で言えば「人間は人間、クマはクマのまま、互いを理解することはできない」ということになるでしょう。
ある意味で異文化交流に対する限界や諦めを示唆したものであり、ゆえに本作の最終回をバッドエンドであると指摘する方々も存在します。
銀子が紅羽が選択した答え。しかしその先に世界は変わらない姿のまま続いていきます。
2人が出した答えは透明な嵐の前ではただの異物でしかない。しかし異物であったとしても、一度存在したものは世界に残り続けます。
物語の最後には、そこへたった1人で飛び込んでいく、かつては「透明な存在」だった少女が描かれます。
彼女こそが、アニメ『ユリ熊嵐』が12話をかけて表現したかったものなのかもしれません。
『ユリ熊嵐』の元ネタになった事件・小説があるって本当?
『ユリ熊嵐』のタイトルを耳にしたとき、とある文学作品を連想する人も少なくないでしょう。そう、吉村昭の『羆嵐』です。
モデルとなったのが大正時代の北海道で実際に起こった『三毛別羆事件』。日本史上最悪の害獣被害と言われているこの事件は、その惨劇の状況があまりにも生々しく語り継がれていることから、インターネット上でも「検索してはいけない」と銘打たれるものでした。
事件の原因には様々な説がありますが、このほかに同様の事件が起こっていない(報告がないだけかもしれませんが)ため、真相はいまだに分かっていません。
ちなみにWikipediaの記事ですら気分が悪くなってしまうほどため、そういうのに強い方以外は本当に検索はお勧めしません。
なお事件の概要自体は『ユリ熊嵐』に大きく引用されている点はありません。ですが事件を通して人間と自然(クマ世界)の関わり方を考えさせられるという構造は、本作にもよく表れています。
「人間は人間、クマはクマのまま、互いを理解することはできない(からこそ接し方を考えなければならない)」ということですね。
ちなみに事件の生き残りとなった子供は将来クマ撃ちとなり、生涯クマを殺し続けたそうです。この辺りは母・澪愛や恋人・泉乃純花を失って銃を手に取った紅羽の境遇に通じるものがあります。
同じようにクマと人間から異なる世界の交流を描いた作品があります。
宮沢賢治『なめこと山の熊』です。
この作品は『ユリ熊嵐』にとても通じる想いを含んでいます。監督は『輪るピングドラム』でも宮沢賢治の作品をイメージに含ませてましたね。
家族を養うために仕方なくクマ捕りをしている淵沢小十郎はある日、標的にした1匹のクマと約束を交わします。
小十郎はそれを守り、クマもまたそれを守りました。人間とクマとが交わった瞬間です。それでも生活のためにクマ捕りを続ける彼は、クマに殺されて死んでしまう。そんなちょっぴり悲しいお話です。
一度は分かり合えても人間である以上はクマを殺さなければならないし、クマである以上は人間を殺さなければならない。
この作品も「違う世界に生きたまま本当の意味で理解し合うことはできない」という結末を描いています。
こちらの作品は青空文庫でいつでも無料で読める短編小説のため、興味がある方は目を通してみると『ユリ熊嵐』をより深く理解できるかもしれません。
超豪華!!『ユリ熊嵐』のキャスト・声優一覧
『ユリ熊嵐』のキャストを紹介します。
声優ファンの方には、ざっと目を通しただけで豪華メンバーであることに気づくかもしれませんね。特筆すべきはやはり百合城銀子役の荒川美穂さん。
彼女は『輪るピングドラム』の中でもキーキャラクターである高倉陽毬(プリンセス・オブ・ザ・クリスタル)を演じていました。
百合城銀子:荒川美穂
百合ヶ咲るる:生田善子
椿輝紅羽:山根希美
ライフ・セクシー:諏訪部順一
ライフ・クール:斎賀みつき
ライフ・ビューティー:山本和臣
泉乃純花:小倉唯
百合園蜜子:悠木碧
百合川このみ:小清水亜美
箱仲ユリーカ:井上喜久子
椿輝澪愛:遠藤綾
針島薫:日笠陽子
大木蝶子:村川梨衣
監督は『輪るピングドラム』の幾原邦彦! 『ユリ熊嵐』のスタッフ一覧
『ユリ熊嵐』のスタッフの紹介です。
監督・幾原邦彦さんを筆頭に、『輪るピングドラム』からの続投スタッフ。そこに百合界隈と魔法少女界隈からの強力メンバーを加えて、本作は作り上げられました。
原作:イクニゴマモナカ
監督:幾原邦彦
副監督:古川知宏
シリーズ構成:幾原邦彦、伊神貴世
キャラクター原案:森島明子
キャラクターデザイン:住本悦子
プロップデザイン:阿保孝雄
色彩設計:木村聡子
美術監督:中村千恵子
スペシャルテクスチャー:越阪部ワタル
撮影監督:荻原猛夫
編集:西山茂
音響監督:幾原邦彦、山田陽
音楽:橋本由香利
音楽制作:KADOKAWA(メディアファクトリー)
アニメーション制作:SILVER LINK.
『ユリ熊嵐』の主題歌一覧
出典:amazon『ユリ熊嵐』のOP・EDテーマの紹介です。
OPテーマを担当しているボンジュール鈴木さんはこの曲がメジャーデビュー作。以前は動画投稿サイトを中心にインディーズで活躍されている方でした。以降も「くまみこ」や「やがて君になる」など何かと本作にゆかりのあるテーマの作品に携わっています。
オープニング(OP)テーマ「あの森で待ってる」
エンディング(ED)テーマ「TERRITORY」
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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