『SERVAMP-サーヴァンプ-』は、独特な世界観やストーリーと個性的なキャラで、若い年代から絶大な人気を得ている漫画である。新たな展開を迎えているが未だ不明な謎も多い。これまでの流れを紐解きながら考察してみる。
『SERVAMP-サーヴァンプ-』とは
田中ストライク原作の『SERVAMP -サーヴァンプ-』は、2011年から「月刊コミックジーン」にて連載中の漫画である。
ヴァンパイア同士の争いや、ヴァンパイアと契約した人間の物語が描かれており、単行本は2017年3月現在10巻まで刊行されている。
これまでに、サーヴァンプやイヴたちの過去がいくつか明かされている。
しかしこの物語には、まだまだ多くの謎が隠されているのだ。その気になる謎について、考察を交えながら解説していく。
サーヴァンプ用語解説
サーヴァンプ
物語の中心にいるヴァンパイアは、この作品のなかではサーヴァンプと呼ばれ、7人の血のつながりのない兄弟という設定である。
サーヴァンプには、七つの大罪をモチーフにした怠惰・傲慢・強欲・色欲・暴食・憤怒・嫉妬の真祖7人がいる。
そのうちの5人が人間と契約して”名前”と”物”を貰っている。ひとりのサーヴァンプにつき、ひとりの人間しか契約できない。
7人しかないはずのサーヴァンプに、8番目のサーヴァンプを名乗る、”憂鬱の真祖”椿(つばき)が現れ動揺が走っている。
イヴ
イヴとはサーヴァンプに名前と物を与えることによって契約が成立した主人(人間)のことを指す。
契約した人間は、そのサーヴァンプに血を与えて命令することもできるようになる。
ただし、いつも一緒に行動しなければ主従ともに危険が及ぶことになる。6時間離れると双方の体に異常が生じ始める。
18時間を越えてしまうと、共に動物の姿になってしまい、24時間経過すると死にいたってしまう。
サブクラス
サブクラスとは、サーヴァンプによって吸血鬼にされた人物で、吸血鬼にしたサーヴァンプの下僕のことである。
死にかけた人間にサーヴァンプの血を飲ませると、下位吸血鬼であるサブクラスになる。彼らは自分を作ったサーヴァンプに従わなければならない。
もともとは人間で、日光を浴びると灰になるのはどの吸血鬼も一緒だが、椿のサブクラスはすべて日光の下でも歩ける特殊なものである。
また、基本不老不死だがサーヴァンプに血を吸われると壊れてしまう(灰となる)。
サーヴァンプは元は人間だった?
これは何の罰なんでしょうか?どうして私は吸血鬼なんかにされたんでしょうか…?そこまで生きたいなんて思ってなかったのに…
出典:田中ストライク原作『SERVANP』第4巻20話
by スノウリリィ
サーヴァンプももとは人間だったのか…?
出典:田中ストライク原作『SERVANP』4巻20話
by 有栖院御園
サーヴァンプは長い間生存していたようだが、この作品の大きな謎の1つとして挙げられるのが、『実は彼らはもともとは人間だったのではないか?』というものだ。
4巻で、有栖院御園がスノウリリィ(以下リリィ)の体の中に入ったとき、リリィの過去のようなものを見ていた。
そのときにリリィは、どうして私は吸血鬼にされたんだ、そこまでして生きたいと思ってないと語っている。
もしかして、重い病気で余命わずかな人物をサーヴァンプにしていたということなのだろうか。
彼らが元人間だったとすれば、何かの実験が行われた可能性もある。
しかし、”先生”だけがサーヴァンプを生み出すことができたのであれば、ある組織がサーヴァンプを生み出さないよう、クロたちに始末を依頼したとも考えられる。
8番目の椿は”先生”と契約したサーヴァンプか?
物語当初サーヴァンプは7人しか居ないと思われていたが、新たに8番目のサーヴァンプを名乗る椿が現れてから事態は一変した。
もともと、サーヴァンプを作った人物は”先生”と呼ばれていて、彼らの生みの親でもある。
どういう経緯でサーヴァンプを作ったのかなど詳細は不明だが、中立機関C3から”先生”を殺害しろとの命令が来た。
これに対して決をとると強欲・憤怒・暴食は反対、傲慢・嫉妬・色欲は賛成。クロも賛成して自らが荷を負ったのである。
”先生”への思い入れが強い椿は、先生のサーヴァンプだったのではないかといわれているが、詳細は明かされていない。
しかし、人間とサーヴァンプが共存するのであれば、8番目は危険な存在だという。
多くのサブクラスを従え、明らかに7人のサーヴァンプたちに敵意を見せている椿。彼はいったい何をたくらんでいるのか…。
クロはなぜ”先生”を殺したのか?
クロはなぜ自ら”先生”を殺害したのだろうか。それも決死の思いで躊躇しながら…。
それほどまでに”先生”の存在は危険だったのだろうか。確かに、次から次へと人間をサーヴァンプに変えてしまったら、世界は崩壊してしまうだろう。
また、リリィの言葉からも分かるように、クロたちもサーヴァンプになることを望んでいたわけではないかもしれない。
自分たちのような存在を増やさないようにするためには、”先生”を始末するしか方法はなかったのだろうか。
サーヴァンプやサブクラスが死ぬと灰塵(ジン)というものが発生する。
灰塵は人間に取り憑き、彼らをサーヴァンプたちのエサとして運ぶのだ。
この世がサーヴァンプやサブクラスだけになったら、いつかは人間が居なくなり、サーヴァンプたちの世界が訪れることになる。
それを回避するための方策だったのだろうか。いずれにしろこの理由は、今後明かされるのを待つばかりである。
椿はいったい何がしたいの?
椿は7人のサーヴァンプたちに、強い恨みをもっている。それもこれも、彼らが”先生”を始末したことが一番の理由である。
椿にとって”先生”とはどんな存在だったのか。先生は7人のサーヴァンプを作る前に、椿を生み出している。
”先生”に何かあったら、7人全てを抹殺させる役目を担っていて、実際に7人全員の命を狙っているのだ。
サーヴァンプの存在は、人間にとっては確かに危険なものである。扱い方を間違えれば主人さえも食らってしまう。
ただ、椿はとても多くのサブクラスを抱えているが、これも危険なことではないのだろうか。
すべてのサーヴァンプを始末したあと、自分のサブクラスを増やして世界を支配するということも考えられる。
サーヴァンプと中立機関C3との関係は?
御国は以前C3に所属しており吊戯とはルームメイトだったことも明かされている。
このときからふたりは水と油のような関係だったが、本当のところはどうなのか。また、椿も過去C3にいたことが分かっている。
C3はエゴイズムで傲慢な組織なので、”先生”ももちろんこの組織に関わりがあり、ここからサーヴァンプが生まれたのだろう。
また有栖院家は、C3も迂闊に手を出せない治外法権と呼ばれている。
しかも有栖院御園のサーヴァンプ、リリィのサブクラスを大勢囲っているのだ。
C3とサーヴァンプだけではなく、有栖院家も大きく関わっているのかもしれない。
吊戯は”憤怒の真祖”と契約してイヴになる!?
10巻では、吊戯と憤怒の真祖”母なるもの”ザ・マザーが契約か?となっている。
これは憤怒が言い出したことだが、危険な状況下で吊戯の本当の心が見えたのかもしれない。
ただ、吊戯は塔間に利用されて精神状態もボロボロになっているのに、深い恩を感じている。
ここで、吊戯が憤怒と契約してしまったら、塔間を裏切ることになってしまうだろう。
吊戯自身が塔間から離れなければ、この契約は成立しないだろうし、塔間もただ見ているだけでは済まないだろう。
吊戯にとっては憤怒と契約したほうがいいのだろうが、塔間の存在がそれを邪魔している。
しかし、吊戯の心に少しずつ変化が現れているので、もしかしたら自分で憤怒の手を取るとも考えられる。
参考元
- ・『サーヴァンプ-SERVANP-』単行本KADOKAWAメディアファクトリー
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