クドカン節さく裂！『TOO YOUNG TOO DIE！ 若くして死ぬ』最高に笑えるハイテンション・ロック・ムービー

地獄で鳴らすロックンロールは奇跡を起こせるか！？

宮藤官九郎カントク、最新作

テレビ、映画とひっぱりだこの脚本家・宮藤官九郎。これまで彼が生み出した数々の作品は社会現象的なブームを巻き起こしたものが多く、2000年代のテレビドラマ、そして当時は「冬の時代」と言われていた日本映画をけん引してきました。

もはやその活躍はいち脚本家を越えた世代のオピニオンリーダーとして若者に絶大な影響力を持っていると言えるでしょう。
映画監督としての彼のキャリアも本作で4作目となります。

長瀬智也×神木隆之介

言わずと知れたジャニーズグループ『TOKIO』のメンバーであり、昨今では同グループでの作詞作曲でも才能を見せるボーカルの長瀬智也。
クドカン作品では『池袋ウエストゲートパーク』以来、主要キャストとして常連です。

今回その長瀬智也が演じるのは元人間の地獄の赤鬼であり、地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のボーカル＆ギターである「キラーK」。

自身も紅白出場バンド『グループ魂』のメンバーであるクドカンの想い描く本作の「キラーK」のイメージに、演技も出来て歌も唄える長瀬智也はまさにピッタリの配役でした。

そしてそんな長瀬智也とダブル主演を果たしたのが神木隆之介。いま日本映画界で最も注目される若手俳優です。2人は2001年の『ムコ殿』以来、実に15年ぶりの共演となります。

シリアスな人物を好演するイメージの強い神木隆之介ですが、本作では純度100％のコメディに新しい境地を見出しています。

彼の演じる大助は地獄に落ちた高校3年生。現世によみがえり、片思いの同級生ひろ美(森川葵)に会うため、キラーKからハードな特訓を受けることになるのです！

STORY

大助は普通の高校3年生。同級生のひろ美ちゃんに片思いをしています。
しかし、修学旅行中にクラスのみんなで乗っていたバスが事故に遭い、気がつくと大助は地獄のまっただなかにいました。

なんでおれだけ地獄！？
死ぬには早すぎる
まだキスしたこともないのに！

困惑する大助の前に現れたのが赤鬼のキラーK。彼は地獄専属ロックバンド「地獄図(ヘルズ)」のリーダーです。

彼の話ではエンマ様の裁き次第で、まだ現世に生まれ変わるチャンスは残されているとのこと！

大助は大好きなひろ美ちゃんにもう一度会うために、キラーKの地獄の特訓を受けることになるのです…。

希少なオリジナル脚本作品【映画における作家性とは？】

2016年、邦画のヒット作(興行収入15億以上)はそのほとんどがアニメ、あるいはコミック原作、小説原作の作品です。

今や映画やテレビの脚本家は”脚色家”に肩書きを変更したほうがいいのではないか、と思われるほど映画オリジナルストーリーが少ない(興行的な成功作のなかでは)のが現状です。

そんななかオリジナル脚本でヒットを連発する本当に貴重な存在として宮藤官九郎の作家性は特筆に値します。もともと彼のつくる作品はストーリーの起伏の激しい劇画的な作品が多く、時代のニーズに符合しているともいえるでしょう。

まとめ

男子高校生が地獄めぐりをしてそこで鬼たちとロックンロールを鳴らし、現世へ甦ろうとする破天荒なストーリー『TOO　YOUNG　TOO　DIE!』。

とにかく笑えてそれからほっこり出来るジェットコースタームービーです！

長瀬智也と神木隆之介以外にも森川葵、尾野真千子、桐谷健太、宮沢りえなど豪華キャストも出演、中村獅童がどこで登場するかを初見の方には注目していただきたいです！