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出典:

2017/07/03
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「食べる」より「創る」を楽しむ飯マンガ『ホクサイと飯さえあれば』

『ホクサイと飯さえあれば』は「鈴木小波」が執筆している「飯マンガ」です。 現実世界が舞台でありながら、独特なタッチと世界観で描かれている本作品。 他のグルメマンガや飯マンガと違う着眼点で描かれた本作品の魅力と面白さを解説します。

目次

●あらすじ

実家の千葉県を離れ、東京・北千住の借家に引っ越して、美大学進学のためにひとり暮らしを始めた女性が主人公である「山田文子(通称「ブン」)」。
まだ上京したてで、周囲に友達もいない彼女の唯一の話し相手は「ぬいぐるみ」の「ホクサイ」。

でも、そんな彼女の楽しみは「自炊」をすること。
旬の食材や、目についた材料を使って食事を作るのが趣味な彼女。

その事から、同じ大学に通う「有川絢子(ありかわ あやこ)(通称「ジュン」)」や、何処からか現れる少年「凪(なぎ)」などが彼女の家へ集うようになる。
そして、「ブン」は将来への夢を模索しながら、大学生活と自炊生活を開始する。

●他の飯マンガとは違う『ホクサイと飯さえあれば』

・出版業界をさ迷った紆余曲折な作品

今回ご紹介している『ホクサイと飯さえあれば』は、実は前作が存在します。
雑誌『サムライエース』(角川書店)で『ホクサイと飯』という作品が存在していました。
この時の設定では、主人公「山田文子」は、26歳の女性マンガ家「山田ブン」となっています。
しかし、『サムライエース』が休刊となり、連載は打ち切りとなってしまいます。

その後に同人誌にて、『ホクサイと飯』の単行本未収録作品と再編された内容で『ホクサイと飯 おかわり』を発表しています。
さらにその後に本作『ホクサイと飯さえあれば』が、雑誌『ヤングマガジン サード』(講談社)で連載開始となり、現在に至ります。
更にTVドラマ化され、同人誌であった『ホクサイと飯 おかわり』が単行本化されて一般販売されました。

・特殊で独自な表現方法

「鈴木小波」の描く絵柄は独特な雰囲気がある作風です。
ゴリゴリと彫り込んだ版画の様なタッチと、さらに表現方法も魚眼レンズを用いたようなアングルや独特な心理描写があります。

さらにはスクリントーンを極力使わずにペンタッチだけて表現を試みたり、集中線を無くして動きを表現しようと試みることで他には無い作風を造り出しています。

・コンセプトは「自家製」と「作る過程を楽しむ」

本作品が同系統のマンガと大きく違う点は、「食べる描写」が極力省略されている事にあります。
物語の流れで、調理が終わって料理が完成した後、食べ終わった描写になって食事風景は省略されたり
料理が完成したところで物語が終了するなど、「食べる事」「食べた感想」についてはその多くが省略されています。

これは意図的に省略されており、作者は「食べる表現・描写」は以下の様に答えています。
他の飯マンガで数多く表現されている為、表現として陳腐化している事。
「食べる事」よりも「創る事」を楽しむ、作る姿を見て楽しむ事をコンセプトにしている。
他と違う視点で料理を描く事で、他の飯マンガやグルメマンガとの差別化を図っています。

・こっそりドラマ化もされています

2017年1月からTBSの『ドラマイズム』枠で、実写ドラマが放送されています。
また、2017年1月19日から、ネットTV「Netflix」でも配信されています。

先述した「食べるシーン」が無いのを踏襲した作りになっています。

●まとめ

美味しそうな料理や食材に焦点を当てるのではなく、その過程を描いた異色のマンガです。

基本は主人公「山田文子」が調理をするマンガです。
しかし、物語は親元から離れ、独り自立した生活を始めた主人公「山田文子」の生活自体も描かれています。

大学などの日常生活や将来への希望といった、「人生を創る」事についても物語はテーマとして扱います。

そんな新しい生活から主人公が人生目標を創り、そこに向かってゆく過程を表した作品でもあります。

参考元

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