キングダムの主人公、信は実在した!その名は、史記に登場する【李信】!史記に記された李信の功績を紐解き、信という人物を徹底解説!また今後の信の活躍も予想していきたいと思います!
「キングダム」の主人公信のモデルは史記に登場する【李信】
出典:amazon中華・春秋戦国時代の舞台を原泰久先生が豪快に描いた名作、「キングダム」。
年々ファンを増やしており、今や数ある歴史漫画の中でもトップクラスの人気を誇る。
人気の秘訣は多々あるが、その代表格となるのが主人公「信」の存在でしょう。
信は下僕の立場から、誰もが憧れる「天下の大将軍」になる為、苛烈な戦国時代で奮戦する青年です。
彼の生き様を見て、感銘を受けた読者も多いはず。
そんな主人公「信」のモデルとなった「李信」(りしん)を、皆さんはご存じでしょうか?
秦の始皇帝「政」のことはご存じの方も多いと思いますが、この「李信」については、キングダムが人気になった今もあまり存在が知られていないのではないでしょうか?
そこで今回は、キングダムの「信」のモデルとなった「李信」について解説していきたいと思います。
また実際の史実を紐解き、今後の「キングダム」の展開も予想していきたいと思います。
「キングダム」の信が李信である根拠
ところで現在、作中では「信」としか名乗っておらず、周りからも「信」の一人称で呼ばれています。
果たして主人公の信は、史実に登場する「李信」なのでしょうか?
いきなり結論になりますが、キングダムの主人公「信」は史実に登場する「李信」で間違いなさそうです。
根拠としては、「キングダム」1巻の1ページ目に、信に良く似た一人の将軍が描かれています。そして周りの兵士達から「李将軍」「李信将軍」と声援を送られています。恐らく信の未来を描いたものだと思います。
また実はこの将軍が持っている矛は、信が「王騎」から授かった矛と同一の矛です。
(「キングダム」単行本1巻 「無名の少年」)
上記二つの理由から、キングダムの主人公「信」は史記に登場する「李信」と考えて、間違いないでしょう。
李信は謎の多い人物
では「李信」はどのような人物だったのでしょうか?
李信の活躍が記された歴史文献のひとつに司馬遷の史記「王翦列伝」があります。
この史記には李信の活躍(後述)が記されてはいますが、題名のとおり王翦の活躍がメインであり、李信については簡単にしか触れていません。
中華の歴史の中に「秦」の滅亡がありますが、どうやらこの時に秦国に関する、正確な歴史文献がほとんど消失されてしまったようです。
その為、「白起」や「王翦」と言った春秋戦国時代の中心人物の名前は詳しく残されていますが、他の武将や文官達の詳しい文献は少ないようです。
李信についても例外ではなく、詳しい文献が少なく、その出生や生い立ちについても謎が多いとされています。
逆に言ってしまえば、その分脚色して自由に生い立ちや人生を描ける人物でもあります。もしかしたら原泰久先生はそこに目を付けて、出生や生い立ちが謎の李信を敢えて「キングダム」の主人公に選んだのかもしれませんね。
李信の家系図
出生や生い立ちは謎に包まれていますが、「李信」の家系図や、子孫を記した文献は少なからず存在します。
【新唐書】李淵
まずは「新唐書」に記された情報から見ていきましょう。
春秋戦国時代から800年ほど下った「唐」の時代。
唐王朝を建国した「李淵」(りえん)という人物がいるのですが、この新唐書に記された家系図には、この「李淵」が「李信」の子孫だと記されているのです。
(「新唐書・李淵」より)
このように記された文献は「新唐書」のみで、さらに李信達の生きた春秋戦国時代から800年もの開きがある為、真偽のほどは定かではありません。
ですがこれが本当であるとするならば、李信は子孫に建国者の一人を持つということですね。
【漢書】李広・李陵
「漢書」にもわずかですが、「李信」の痕跡が記されています。
紀元前119年あたりに「李広」(りこう?)という人物がいます。彼は武勇に長けた将軍で「飛将軍」と呼ばれていました。(飛信隊に似ていますね)
ですが特に大きな戦果を挙げることなく憤死してしまったそうです。
(漢書「列伝・24李広蘇建伝」より)
そしてこの李広の孫に「李陵」(りりょう)という人物がいます。
「李陵」はかなりの戦果を後塵に残しており、そのひとつに「匈奴」との闘いがあります。李陵は自ら軍を率いて、匈奴の兵を1万人も討ち取ったそうです。
前置きが長くなりましたが、この大戦果を挙げた「李陵」、飛将軍と呼ばれ、武勇に長けた「李広」の家系図には、なんと二人は「李信」の子孫であると記されているのです。
李広・李陵の時代も春秋戦国時代、李信の生きた時代より数百年もあとの話です。
実際に「李信」から「李広・李陵」までの家系図が細かく記されている訳では無いので、真偽のほどは定かではありませんが、これが真実であるならば、李信の子孫たちは偉人揃いだということが窺えますね。
李信はどんな将軍?
では「李信」はどのような将軍だったのでしょうか?
原作「キングダム」では、天下の大将軍を目指していますが、果たして彼は「大将軍」になれたのでしょうか?
李信は秦の大将軍
いきなりネタバレになってしまいますが、「李信」は史記に名を遺すほどの天下の大将軍であったと記されています。
(史記「王翦列伝」より)
秦の始皇帝・政が中華を統一するのに貢献した、将軍たちの一人であったと記されています。
現在の「キングダム」での信は、5000人将という、将軍のひとつ下の位です。
大将軍になるのはまだまだ先のようですが、信のファンとしては、この事実が知れただけでも、嬉しい限りですね。
李信の功績
「李信」の功績は多々ありますが、史記「王翦列伝」「刺客列伝」など、比較的信憑性の高いものから抜粋し、紹介していきたいと思います。
史記【王翦列伝、刺客列伝】より
紀元前229年~「王翦」が数十万の軍を率いて「趙」討伐に出征した際、「李信」も同じく王翦軍と共に趙を攻めたと記されています。
現在「キングダム」でもこれと全く同じ内容で、王翦が信や王賁、蒙恬らを従え、趙討伐の為、進軍していますね。
(「キングダム」単行本46巻「498話 大軍勢の緊張~」)
また同じ王翦列伝より「李信」は「王賁」と共に「燕」を滅ぼしたと記されています。
「キングダム」では、信の盟友でありライバルでもある「王賁」。
彼と共闘し、「オルド」等の大将軍が割拠する「燕」を攻める場面を、いつか見ることが出来るかもしれません。
描かれるとしたらまだまだ先になりそうですが、考えるだけで胸が熱くなりますね!
少し脱線しましたが、このように「李信」は中華統一に貢献し、史記に名を遺しています。
燕の太子丹を討伐
上記でも触れた「燕」の滅亡について、李信の戦果が詳しく遺されています。
紀元前226年、燕の「太子丹」が主導し、秦王「政」を暗殺しようと企てます。
この暗殺は未遂に終わりましたが、これに激怒した政は王翦、王賁、李信に燕討伐を命じます。
燕国に進軍した秦軍は燕の都を攻略し、燕軍を撃破します。燕王喜と太子丹は遼東へ敗走することになります。
その際李信は、自ら1000の兵を率いて燕軍を追撃し、太子丹を討ち取ったと記されています。
敗走する軍とは言え、わずか1000の兵で追撃し、暗殺を企てた張本人を撃破することが出来たのは、李信の大きな戦果のひとつとして後世に語り継がれています。
(史記「王翦列伝」より)
史実から紐解く今後の「キングダム」の展開を予想
出典:amazonでは「キングダム」での信は、どのような将軍になるのでしょうか。ここまでの作中で描かれている描写をもとに、将来の信の将軍の姿を考察してみましょう。
また上記で紹介した実際の史実を紐解いた、今後の「キングダム」の展開も予想していきたいと思います。
「キングダム」の信はどのような将軍になるのか?
やはり一番気になるのは、信がどのような将軍になるのかということですね。
現在「キングダム」での信は5000人将ですが、すでに本能型の資質があるとされています。将来は本能型の将軍として、敵陣を駆けるのでしょうか。
では「キングダム」での本能型の将軍というのは、一体どのような将軍なのでしょうか?
「キングダム」での将軍の種類
「キングダム」では現在、後方で指揮を執り、知略を駆使して戦う頭脳派の将軍(秦の王翦、趙の李牧など)と、自ら兵を率いて最前線で戦う、武勇に長けた将軍(秦の蒙武、楚の汗明など)がいます。
また「王騎」のように、武勇、知略の両方に優れたオールラウンダーの将軍も存在します。
「キングダム」での信は、知略を駆使して戦っている描写はありませんし、軍略を習ったわけでもないので、よほどのことが無い限りこのまま武勇に長けた将軍になると思われます。
本能型の将軍
出典:amazonそしてこの武勇に長けた将軍の中にも、異例な「本能型」と呼ばれる将軍(秦のヒョウ公、趙の尭雲など)が存在します。
本能型の将軍は、知略ではなく本能で敵の動きや、伏兵の場所、作戦を見抜いて戦います。
(「キングダム」単行本25巻 「詰んだ盤面」)
本能型の将軍には普通の軍略は通じず、軍略家たちを悩ませるとても厄介な将軍です。
信は秦国が誇る本能型の大将軍であるヒョウ公の軍に入り、共に戦ったことがあります。その際信は、ヒョウ公から「本能型の武将の才が目覚めてきておるぞ」と言われていました。
(「キングダム」単行本26巻 「本能型の才」)
本能型の資質があり、ヒョウ公から学んだこともあり、実際に信は本能型の尭雲との闘いにおいて、本能型同士の戦いを繰り広げています。大将軍ヒョウ公のような本能型の兆しが見られますね。
信は本能型の将軍になり快進撃を繰り広げる(考察)
出典:amazonここからは、信が本能型の将軍になったとして、どのような活躍を繰り広げるのか?また実際の「キングダム」ではどのような展開になるのか?を実際の史実を紐解き、考察していきたいと思います。
燕攻略にて策を使う太子丹を信が本能で撃破
先ほど紹介した史記の中に、燕を攻略した際、李信が1000の兵を率いて太子丹を討ち取ったとあります。
※考察※
【太子丹は政暗殺を企てるような人物です。このことから武勇ではなく、策や知略を駆使して戦う、燕の黒幕的な将軍として登場しそうです。
信は王翦・王賁と共に燕軍との激闘を繰り広げ、ついには本能型の信軍対知略型の太子丹軍との対決になります。
策を駆使して信を苦しめる太子丹ですが、信の本能型の力が覚醒し、ついに太子丹を撃破!】
という展開を予想します。
史記・王翦列伝において、燕を攻めたのは王翦・王賁・李信の3人であるにもかかわらず、太子丹を討ち取ったのは「李信」とわざわざ記されていることから、燕討伐に関してはよほど李信の功績が大きかったことが窺えます。
信・王賁・蒙恬の共闘
同じく史記・王翦列伝より、紀元前221年、李信・王賁・蒙恬の三将が斉を攻め、これを滅ぼしたと記されています。
※考察※
【本能型の信・文武両道の王賁・知略に長けた蒙恬の三将が、それぞれ大将軍に昇格し、この三人がそれぞれ軍の大将として、三軍を率いて斉に進軍。
「キングダム」で登場した斉の王建王は、政に負けず劣らずの迫力を持った王でした。「キングダム」でのラスボス的な存在になりそうです。
斉軍に苦しめられるも、ライバル同士であった三人は協力し合い、見事斉軍を撃破し、中華統一!(最終回)】
となるかもしれませんね。
原泰久先生がどこまで実際の史記と正確に照らし合わせて、執筆されるかは分かりませんが、(信が燕の太子丹撃破、王賁・蒙恬との共闘)の話は描いてほしいものです。
信は対楚戦で大敗する
史記・王翦列伝に記されている李信の記録は華々しいものばかりではありません。
紀元前225年、秦王・政は超大国「楚」の攻略を目指します。
この際、李信が楚攻略の総大将に抜擢され楚に進軍するも、李信は楚軍に大敗したと記されています。
信が20万を率いて楚に進軍
政は楚討伐に先立ち、李信と王翦の二人を招集します。
そして楚を倒すには何人の兵が必要か?と二人に問います。
李信は「20万人いれば充分」と答え、王翦は「60万人は必要」と答えます。
政は李信の20万人を採用し、李信に楚討伐を託します。
実際の史実ではこのようになっていますが、この内容を「キングダム」に置き換えて考察すると、信のあの性格ですから「20万もいれば充分だ!政!俺にまかせろ!」と大言壮語し、政や周りの不安をよそに、無理やり出陣しそうですね。
信の前に項燕が立ちはだかる
李信は蒙恬と共に20万の兵を率いて楚に進軍し、次々と楚軍を撃破、快進撃を続けます。
しかし楚軍の「項燕」(項羽の祖先)という武将に奇襲され、2カ所の塁壁を破られ、7人の武将を失い、大敗します。
この項燕という武将は、「キングダム」では今現在登場していませんが、おそらく趙の李牧に匹敵する、新たな強敵になると予想されます。
王翦が60万を率いて楚に進軍
項燕に大敗し、秦に撤退する李信。
政はやむなく王翦に60万人の兵を託し、楚攻略に向かわせます。
この内容は史記・王翦列伝に大々的に記されている、李信の大敗記録です。
おそらく「キングダム」でも、この話は描かれるでしょう。
史記では、王翦と蒙武が60万の兵を率いて楚に進軍したと記されており、李信の話は出てきません。ですが「キングダム」では、このまま信が黙って引き下がるとは考えにくいです。
※考察※
【項燕に大敗し秦に帰還した信は、「政!もう一度チャンスをくれ!今度こそ項燕をぶっ倒す!」、と政に頼み込み、王翦軍60万と共に出陣することになりそうです。】
信が項燕にリベンジ
史記・王翦列伝には、王翦は蒙武と共に60万の兵を率いて楚に進軍し、楚を滅亡させた、とあります。
「キングダム」では、もちろん信の活躍も描かれるでしょう。
※考察※
【王翦の軍略で次々と楚軍を撃破し、楚の深部まで到達します。そして再度、項燕が大軍を率いて秦軍の前に立ちはだかります。そこで信が、「待たせたな項燕」、と項燕に挑み、信と項燕との一騎打ちになります。趙のホウ謙に負けず劣らずの武力を持った項燕の前に、苦戦を強いられる信ですが、最後は王騎の矛で項燕を撃破!】
となってほしいですね。
ありえないと思いますか?ですが信は「キングダム」の主人公です。
楚攻略を王翦と蒙武にまかせて自分は秦で待機、とは考えにくいです。
史記とは少し異なる部分もありますが、是非とも楚攻略に信を同行させて、項燕にリベンジしてほしいです。
「キングダム」の信の今後に期待!
出典:amazon史記に登場する李信は、「キングダム」の信同様、出生や生い立ちについては謎の多い人物でしたが、戦(いくさ)においては様々な功績を遺しています。
史記に記された秦の大将軍・李信の功績を考えると、これからの「キングダム」での信は、快進撃を繰り広げることになるでしょう。そしてゆくゆくは秦の大将軍になり、政と共に中華を統一する姿を拝めるハズです。想像するだけで楽しみですね!
今後の「キングダム」での、信の活躍に期待しましょう!
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