人気漫画のアニメ化作品として好評を博したTVアニメ『恋は雨上がりのように』。単なる恋愛物語にとどまらない「恋雨」の魅力を、ストーリーのネタバレを含めて完全解説していきます!
女子高生と45歳のおじさんという、年の差のあるふたりの恋愛模様が鮮やかに、そしてときに詩的に描かれる作品「恋は雨上がりのように」。
原作漫画が人気を呼んだ結果、TVアニメ化だけにとどまらず実写映画も制作されるほど多くの人の心に響く作品として評判を得ています。
年齢差のある恋というメインテーマだけにとどまらず、登場人物達の人間関係や夢と挫折、再起といった物語がリアルに、かつ叙情的に描き出されている本作。
今回はそんな「恋雨」アニメ化作品のあらすじと魅力について、ストーリーのネタバレ込みで完全解説していきます!
アニメ『恋は雨上がりのように』あらすじ①【最終回の結末まで】
出典:amazon感情表現が苦手で、そのクールな表情から「怒っている」と誤解されがちな高校2年生の女子高生「橘 あきら(たちばな あきら)」。
そんな彼女のアルバイト先であるファミレス「cafeレストラン ガーデン」の店長「近藤正己(こんどう まさみ)」は物腰も低く冴えない45歳のおじさんですが、あきらはそんな近藤に対して密かな恋心を抱いていました。
ある日、ガーデンの事務所に遊びに来ていた小学生の男の子が近藤の息子であるということを知ったあきらは、近藤が既婚者であったという事実に激しく動揺します。
しかしその後、既に離婚済みであるということを改めて知ることになり、あきらは近藤への想いを持ち直すのでした。
仕事中に負った怪我を心配して見舞いにきた近藤に、思わず秘めた想いが口から溢れてしまうあきら。
しかし「店長のことが好きです」というまっすぐな告白の言葉も、近藤には異性としてのものとして捉えてもらえず、あきらはもやもやを募らせることに。
やがて気持ちが抑えられなくなったあきらは、降りしきる雨のなか傘も刺さずに近藤のもとへと赴き、ずぶ濡れのままで改めて自分の気持ちを伝えます。
あきらの本当の想いに気付いた近藤は、しかしその好意を受け取ることができません。
自分の年齢や人間性に対する自信の無さ、世間的な視線に対する引け目。そういったことを挙げて考えなおすようあきらを諭す近藤ですが、自分の気持ちに素直なあきらはそんな言葉をものともせず、逆にデートの約束を取り付けてしまうのでした。
アニメ『恋は雨上がりのように』あらすじ②【最終回の結末まで】
出典:amazon近藤とのデートを控えたある日、あきらはひょんなことからガーデンの大学生アルバイト「加瀬 亮介(かせ りょうすけ)」に店長への想いを知られてしまい、口外しない条件として加瀬とのデートを要求されます。
強引に距離を詰めようとする加瀬をはねのけ、その恋が上手くいくはずがないと言われてもめげないあきら。
一方であきらとのデートに赴いた近藤は、あきらの想いを受け止めきれない理由のなかに「自分が傷つくのが怖い」というおそれがあることに気付くのでした。
そんな中、近藤の純文学好きを知ったあきらは賞賛の言葉を投げかけますが、文学に対して複雑な感情を抱えていた近藤は「君に俺の何を知っているの?」と言い放ってしまいます。
傷つき悩んだ末、あきらは風邪で寝込む近藤の家を訪ね、「店長のことを知りたい」という自分の気持ちを伝えました。
まっすぐな感情をぶつけてくるあきらに、彼女と距離を置こうとしていた近藤は「迷惑なんかじゃない、むしろ感謝している」と本心を告げ、涙を流すあきらの気持ちを救いたい一心から彼女を抱きしめます。
「友達としてのハグ」だと主張する近藤でしたが、あきらは逆に“友達”という言葉を盾に、そんな近藤にも懸命に近づこうとしていきます。
そんなある日、大学時代の旧友であり共に文芸サークルで切磋琢磨しあった仲である「九条 ちひろ(くじょう ちひろ)」と10年ぶりの再会に赴く近藤。
売れっ子の小説家となったちひろから、いまだに文芸への想いを失っていないことを指摘された近藤は、自分の中にある文学に対する情熱を少しずつ再認識していきます。
それでも近藤にとって小説は、一心不乱に追いすぎたことが離婚の一因にもなったこともあって、再び正面から向き合うには困難な部分がありました。
しかしあきらの何気ない言葉に救われた近藤は、ずっと持ち続けてきた夢への挑戦を再開していきます。
一方で陸上部のエースだったあきらにも、怪我によって陸上から離れてしまったという挫折がありました。
幼馴染であり陸上仲間の「喜屋武 はるか(きゃん はるか)」からは度々部活への復帰を促されていますが、その期待に応えられず彼女との仲もすれ違い気味になってしまっていることも悩みのひとつです。
そんなあきらの葛藤を感じとった近藤は、自分にとっての文学があきらにとっての陸上なのだと考え、経験からの言葉をあきらに投げかけます。
近藤の言葉に背中を押され、自分もまた夢を取り戻す努力に励むことを決めたことを決めたあきら。そのことをはるかにも伝え、曇りがちだったふたりの友情にもようやく晴れ間が見えました。
あきらと近藤、お互いに夢を追うことを決意したふたりには、それぞれの道を歩むために一時の別離が必要になります。
しかし約束が果たされたその時には必ず伝えあうと話し、未来への希望を抱きながら晴れた空を見上げるのでした。
あらすじだけでは語りきれない!「恋雨」を彩る様々な物語
あらすじではあきらと近藤の恋模様、そしてふたりが夢を取り戻していくメインストーリーを紹介しましたが、「恋雨」で描かれているのはそれだけにとどまりません。
個性豊かな登場人物達による様々な人間模様と物語が随所に散りばめられており、それが「恋雨」という作品をより魅力的なものにしています。
ここではそんな「l恋雨」のサイドストーリーを紹介していきます!
■あきらとはるか、ふたりの友情を巡る物語
「喜屋武 はるか(きゃん はるか)」はあきらの幼馴染であり、中学時代から共に陸上へ励んでいた親友と呼べる存在です。
しかしあきらが怪我を負い部活を離れたことから以前より疎遠になってしまっており、また一緒に陸上をやりたいというはるかと、その決意が持てないでいるあきらとの間にはすれ違いが生じることも。
あきらの方もはるかを夏祭りに誘うなど、親友との仲を大切にしたいと思っている様子が伺えますが、やはりあきらが陸上に戻らない中では根本的な解決には至らず、思いを募らせたはるかから強い感情をぶつけられるシーンもあります。
若者同士の友情と、それぞれの想いがすれ違うもどかしさ。学生経験のある多くの人が共感できる、なつかしさと苦味を感じさせるふたりの関係性も「恋雨」になくてはならない要素になっています。
■ファミレスでの人間模様
あきらへ好意からファミレス「ガーデン」でアルバイトを始める「吉澤 タカシ(よしざわ タカシ)」と、美容師志望でタカシの調髪を引き受けたことをきっかけにタカシを意識しはじめる「西田 ユイ(にしだ ユイ)」。
そんなふたりの恋愛模様をはじめ、一時期あきらに迫った「加瀬 亮介(かせ りょうすけ)」の辛辣に思える言葉にも彼なりの思いやりがあったりなど、ガーデンの面々も個性豊かに描かれています。
学生から大人、アルバイトから店長まで、幅広い世代・様々な立場の人間が働くファミレスという場所。だからこその人間模様が描かれる「ガーデン」での物語にも注目することで、「恋雨」をより一層楽しむことができるでしょう。
「恋雨」の魅力的な登場人物達を紹介!
【橘 あきら(たちばな あきら)】
声優:渡部紗弓
「恋雨」の主人公兼ヒロインで、17歳の高校2年生。感情表現が苦手で、そのことを知らない相手には「怒っている」「睨まれている」と勘違いされるほど表情の硬い女の子ですが、実は優しくて面倒見の良い性格の持ち主です。
中学生の頃から陸上部を続けており、高校では1年生で大会記録を残すなどエースとして活躍していましたが、右足のアキレス腱に大怪我を負ったことから部活を離れてしまいました。
落ち込んでいたそのころに立ち寄ったファミレス「ガーデン」で近藤の言葉に救われたことから彼のことを意識するようになり、歩けるようになった後にアルバイトとして入店。以後は近藤の傍で密かに想いを募らせる毎日を送っていたようです。
飾らない性格であるが故に、不器用ともいえるあきら。
そんな彼女の秘めた恋は想いが上手く伝わらないもどかしさに溢れていますが、近藤に気持ちを打ち明けてからはその素直さから積極的に近藤へと近づいていき、年齢差に引け目を感じてる近藤もそのまっすぐさにほだされていく様子が描かれています。
若さと素直さから、時に突拍子もないほどの行動力を見せる彼女。そんなあきらの、無愛想な表情の内側にある強い感情や悩みが鮮やかに描き出されたシーンの数々は、「恋雨」の見どころといえるでしょう。
【近藤 正己(こんどう まさみ)】
声優:平田広明
あきらの恋の相手であり、本作のもうひとりの主人公。ファミレス「ガーデン」の店長を務めていますが、物腰が低いことから部下達からも頼りなく思われがちな45歳の中年男性です。
結婚歴があるものの離縁しており、小学4年生になる息子は母方に引き取られているものの、良好な関係を続けていることが伺えます。
また、かつては小説家を志しており、その頃の文学への情熱は現在も失っておらず、後ろめたさを覚えながらも今なお密かに執筆を続けているようです。
あきらの密かな好意については気付いていなかったどころか逆に嫌われているとすら思っており、彼女に想いを打ち明けられた際には戸惑いを隠せない様子でした。
年齢差や周囲の目に対する引け目からあきらに対して必死に距離を置こうとしますが、そういったことを気にせずに近づいてくるあきらの純粋さ、まっすぐさは裏切れず、及び腰ながらも次第に彼女にほだされていきます。
中年男性ゆえの悩みやしがらみに囚われた哀愁を感じさせる姿が目立ちますが、時に口にする重みのある言葉や、純文学に対する情熱と造詣の深さが伺える一面、あきらに対する誠実さなど、大人の男性としての魅力を確かに持ったキャラクターです。
彼の存在や視点が、「恋雨」の物語に更なる深みを与えていますね。
【喜屋武 はるか(きゃん はるか)】
声優:宮島えみ
あきらの幼馴染で、共に陸上に励んできた親友。怪我をきっかけに陸上から離れてしまったあきらとの距離を感じており、その心情を気にかけながらも戻ってきて欲しいと願っています。 彼女とあきらの微妙な距離感もまたその顛末が気になる物語のひとつであり、「恋雨」を楽しむ上ではぜひ注目したいキャラクターのひとりです。
【加瀬 亮介(かせ りょうすけ)】
声優: 前野智昭
ガーデンでキッチンを担当している大学生アルバイト。あきらの恋心を知った上で自分とのデートの要求をするなど遊び慣れた振る舞いを見せますが、彼なりにあきらの心情やその恋の難しさを気にかけているようです。 一見ヒール役にも見えますが、じっくり見てみるとその裏にある考えが読み取れるような、非常に人間らしいキャラクターになっています。
【吉澤 タカシ(よしざわ タカシ)】
声優:池田純矢
あきらのクラスメイトで、想い人であるあきらを追ってガーデンへアルバイトにやってきます。 肝心のあきらからはまったく相手にされていませんが、明るく裏表のないその性格からガーデンの面々からは可愛がられており、本人もあまり悩まずに楽しく働いているようです。
【西田 ユイ(にしだ ユイ)】
声優:福原遥
あきらの同じ女子高生ウェイトレスで、あきらとは仕事外でも付き合いのある友人関係にあります。 美容師志望で、タカシの髪を切ってあげたことをきっかけに彼への好意を持ちはじめる彼女。天真爛漫で等身大の女子高生といえる彼女の恋の様子はとても微笑ましく、物語にさわやかさを添えてくれるキャラクターです。
【久保 佳代子(くぼ かよこ)】
声優:かないみか
ガーデンのウェイトレスで、中年のおばさん。気が強くしっかりしており、物腰の低い近藤を頼りなく思うあまり彼に対する愚痴が口癖のようになっています。 しかし他のスタッフ達には比較的優しく接しているようで、近藤に代わってガーデンを引き締める役割を担っている女性です。
【丘嶋 勇斗(おかじま ゆうと)】
声優:竹内順子
小学4年生になる近藤の息子。離婚後は母方に引き取られているものの近藤のことは今も慕っており、ガーデンにも度々訪れています。 あきらとはリコーダーの吹き方を教わったことをきっかけに、近藤宅を尋ねる際に同行したり、速く走る方法を尋ねたりと、なついている様子が描かれていますね。
【九条 ちひろ(くじょう ちひろ)】
声優:宮本充
近藤とは大学時代の友人で、同じ文芸サークルで執筆に励んだ仲。現在は売れっ子の小説家ですが自分の作品に対して不満に思う部分もあるようで、旧知である近藤にその心中を打ち明ける様子も描かれていました。
10年ぶりの再会を果たしてからは近藤のことを気にかけており、くすぶっている彼を焚きつけてくれる人物です。
アニメ化だけにとどまらない!実写映画版についても紹介!
出典:amazon原作マンガの好評から、テレビアニメだけでなく実写映画も制作された「恋雨」。
ここでは実写映画版『恋は雨上がりのように』について、作品情報や見どころを紹介していきます。
監督は永井聡さん。
そして気になる主演は「橘 あきら」役が小松菜奈さん、「近藤 正己」役が大泉洋さんとなっています。どちらもイメージにぴったりのハマり役ですね。
勿論他のキャストもこれ以上ないほどに原作のキャラクター像をばっちりと表現してくれる役者さんが選ばれており、ここからも「恋雨」が大切に実写映画化されていることが伺えます。
そんな実写映画版「恋雨」の見どころですが、まずはやはりそのリアルさが挙げられるでしょう。
実写になったことで人物が醸しだす雰囲気や、作中に多く描かれている“雨”のシーンの空気感といった要素が強い現実感を伴って描かれており、原作やアニメではデフォルメされているような部分も違和感のないよう上手く現実的に落とし込まれています。
また、根本のテーマは変わらないものの出来事の順序や細かい演出については手が加えられており、そういった違いにも注目しながら見比べてみることで、より一層作品を楽しむことができるでしょう。
実写映画になっても違和感のない出来栄えになっていることは、「恋雨」という作品が元々リアリティを持っている何よりの証明といえます。
そういったことにも気付かせてくれる実写映画版『恋は雨上がりのように』、まだ未見の方はぜひご覧になってみてください。
主題歌も魅力的!「恋雨」のOP・EDテーマ曲を紹介!
力を入れて制作されていることが伺える「恋雨」では、OPやEDも大変魅力的なものになっています。
ここではそんな「恋雨」の楽曲について紹介していきます!
■オープニングテーマ「ノスタルジックレインフォール」
歌:CHICO with HoneyWorks
オープニングを手がける「HoneyWorks」は恋愛をテーマにした楽曲を数多く制作している、本作品にうってつけといえるクリエイターユニット。
この曲ではあきらのもどかしい気持ちが感じられる歌詞がアップテンポに歌い上げられており、まさに「恋雨」のオープニングとしてぴったりの楽曲です。
また、オープニングアニメでは無愛想さに隠れがちなあきらの女の子らしい部分がポップに描かれ、明るい曲調と非常にマッチした、何度も見たくなるものになっています。
■エンディングテーマ「Ref:rain」
歌:Aimer
しっとりとした曲調の中で、あきらと近藤、どちらにも重なる切ない歌詞が力強く歌い上げられています。
恋だけの物語にとどまらない「恋雨」の深い世界観を表してくれる一曲であり、視聴後の余韻を強く残す、印象的な楽曲ですね。
まとめ――「恋雨」の魅力と、アニメの見どころ
「恋は雨上かりのように」では17歳の女子校生と45歳の中年男性の年の差恋愛を通して、若者・大人それぞれが持つ悩みや葛藤が描かれており、そのことが幅広い世代の共感を呼ぶ要因となっています。
原作マンガだけでなくアニメや実写映画といった様々な形で作品が作られていることからも、本作品の物語が多くの人に受け入れられるものであることが伺えますね。
そんな魅力を持つ「恋雨」に、さらにアニメでは細かい仕草による心情の表現や、明るく楽しめるシーンでのコミカルなデフォルメ、声のプロである声優さんによるキャラクターの感情がたっぷりと篭められた演技など、アニメーション作品ならではの演出が付加されています。
だからこそ、原作を知っている人でも知らない人でも楽しむことができる作品になっているアニメ『恋は雨上かりのように』。
まだ見ていない方はぜひ一度、既に見た方も今回紹介した見どころを踏まえてもう一度、楽しんで欲しい作品です。
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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