中島美嘉の2003年の大ヒットバラード『雪の華』から一本のラブストリーが作られました。一つの映画として公開された『雪の華』を結末までのネタバレも含みながら見どころをご紹介していきます。
2003年に中島美嘉が歌い、その後も多くのアーティストにカバーされ、今や冬の定番バラードとなった「雪の華」。
そんな名曲が発売から15周年を迎えた中でついに一つの映画になりました。主演に中条あやみと登坂広臣という大人の寓話に相応しい二人です。
監督は『orange-オレンジ-』の橋本光二郎監督、脚本にヒット作多数の岡田恵和、音楽に世界的なバイオリニストの葉加瀬太郎という豪華な陣容が揃いました。
大々的にフィンランドロケを行い、贅沢な絵作りを堪能できます。
映画『雪の華』のはじまり
出典:amazon楽曲「雪の華」が映画『雪の華』になるきっかけは2014年の年末、武道館で行われた“一万人の雪の華”というイベント。このイベントに参加した映画プロデューサーの渡井敏久は改めてこの楽曲の持つ魅力とパワーと細管にし、映画化に動きました。
『雪の華』あらすじ①100万円で1ヶ月間恋人になってください
幼い頃か病気がちの美雪(中条あやみ)は主治医の岩村(田辺誠一)から、これからの一年大事に生きるようにと言い渡されます。その帰り道、引ったくりに遭ってしまい、そこに駆け付けたのが悠輔(登坂広臣)でした。
数か月後、仕事を辞め最後の日に備える美雪の前に悠輔が通りかかります。意外な再会に心躍らせる美雪は彼の跡を追いかけます。たどり着いたのは悠輔が働くカフェでした。そこで、彼がガラス工芸職人だということを知ります。
そしてカフェの経営が上手くいってないことを聞いてしまった美雪は自分の貯金から100万円を譲る代わり、1ヶ月間恋人になってほしいと悠輔に言い出します。背に腹は代えられない悠輔はその奇妙な取りき日を受けることになります…。
『雪の華』あらすじ②期間限定の恋人と叶えたい願い
奇妙な恋人関係を始める美雪と悠輔。
悠輔は何をすればいいのかと身構えていましたが、意外にも美雪がリクエストすることは待ち合わせをしてデートをすること、作ってきたお弁当を二人で食べること、ランチを一緒にすることなどなど平凡なこと。
思わず「こんなことでいいの?」と聞いてしまう悠輔ですが、今までの自分の希望や夢に蓋をしてきた美雪にとってはこの普通の恋人関係が何よりにもうれしい体験でした。
美雪は悠輔の家に招待され、家族を紹介されます。悠輔の両親は既に亡く、二人の妹弟の親代わりも務めています。一人っ子の美雪はワイワイガヤガヤとした食卓が楽しくて仕方がありません。
帰り道、別れてからも言われたとおりに姿が見えなくなるまで美雪を見送る悠輔。気が付くと美雪に惹かれている自分がいることに戸惑ってしまいます。
『雪の華』あらすじ③二人はフィンランドへ
悠輔に自分の病のことを隠している美雪。悠輔との期間限定の恋人関係を楽しみつつも、自分の体が弱っていくことも感じています。
普通の生活を送ることがもうすぐできなくなると感じた美雪は思い切って、悠輔を旅行に誘います。旅先は美雪が一度でいいから見てみたいと願っていた“オーロラの国”北欧・フィンランドでした。
本当は冬のオーロラの季節に来たいところでしたが、季節はまだ夏、冬まで美雪の身体がもつ保証はなく、夏のフィンランド旅行となりました。
旅先で二人きりで過ごす美雪と悠輔の距離は自然と近づいていきます。いつの間にか、二人は唇を重ねてるのでした。
『雪の華』結末①期限が終わり…
フィンラドンから帰ってきた美雪は期間が過ぎたことから悠輔に別れを告げます。
自分の死期を悟った美雪は「全力で頑張った」と涙ながらに母親の礼子語ります。全てを聞いた礼子はただ優しく美雪を抱きしめます。
美雪と別れた悠輔は後ろ髪を引かれる想いを抱きますが、自分の方から恋人関係を続けると言い出すわけにもいかず、もやもやした心持の中で日々を過ごしています。
そんなある日、怪我をした弟が運び込まれた病院で偶然、美雪の主治医の岩村と出会います。美雪から期間限定の恋人のことを聞いていいた岩村は、悠輔のことを知っていました。
思わぬ形で巡り合った“美雪への糸”、美雪のことを聞き出そうとする悠輔に、岩村は本当のことを話します。
『雪の華』結末②期限後のクライマックスはフィンランドの雪原で
全てのことを知った悠輔は美雪のもとに向かいます。そのころ、美雪は最後の命を懸けてオーロラを見るために再びフィンランドに旅立っていました。そのことを知った悠輔もまた美雪の後を追ってフィンランドに向かいます。
フィンランドの雪原の中で美雪は一人、オーロラの出現を願います。そんな彼女を遠くから呼ぶ声が聞こえてきます。悠輔でした。
悠輔は美雪が隠し事をしていたのだから恋人期間を全部やり直すと彼女に告げ、そのまま美雪と強く抱きしめるのでした。帰国後、残り僅かの人生を悠輔と寄り添い、そしてその冬最初の雪を嬉しそうに見上げる美雪の姿がありました。
二度にわたるフィンランドロケ
『雪の華』中でフィンランドパートは約半分を占める、邦画としては大変贅沢な映画になっています。
実際の撮影でも最初の旅先としての爽やかな風の吹く初夏のフィンランドとクライマックスの真冬のフィンランドを撮るために二度にわたってフィンランドロケが行われました。
マイナス20度という厳寒の中で行われた雪原のシーンでの撮影は過酷なものとなりましたが、その甲斐もあり美しいシーンとなりました。
遅咲きのラブストリー職人・橋本光二郎監督
本作の監督は橋本光二郎。『おくりびと』で知られる滝田洋二郎監督や、相米慎二監督、成島出監督のもとで長年、助監督を務めてきた人です。
また、ギャラクシー賞を受賞したテレビドラマ『鈴木先生』などのドラマディレクターとしてキャリアを積んできました。
長編映画デビューは土屋太鳳・山崎賢人W主演の『orange-オレンジ-』。40歳を過ぎてからの監督デビューでしたが、この映画でいきなり興行収入32億円の大ヒットを記録しました。
その後、山崎賢人を再び主演に迎えた上白石萌歌・上白石萌音、鈴木亮平、三浦友和という豪華キャストを迎えた『羊と鋼の森』を発表。
本作『雪の華』では師匠と仰ぐ滝田洋二郎監督組のスタッフが多数参加しています。
話題作には欠かせない脚本家・岡田恵和
6分弱の楽曲「雪の華」を映画にまで膨らませたの脚本を手掛けたのは岡田恵和。
NHKの朝ドラ『ちゅらさん』や『ひよっこ』、月9ドラマ『アンティーク~西洋骨董洋菓子店~』から、映画『世界から猫が消えたなら』、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』など多くの話題作・ヒット作を手掛け続ける人気脚本家です。
映画では悲しい部分も抱えながらも、前向きに楽しんで生きていくヒロインの姿を温かい視線で描きます。岡田はこの脚本に「あきらめないで勇気を振り絞れば、きっと何かが起きる」という強いメッセージを込めています。
本格的な映画音楽は初めてとなる葉加瀬太郎
出典:amazon大人の恋の寓話『雪の華』を彩る音楽を手掛けたのは、世界的に活躍バイオリニストの葉加瀬太郎。
国内外で活躍し続ける葉加瀬太郎ですが、意外にも映画音楽全般を手掛けるのは本作が初めてとなります(音楽プロデューサーやメインテーマ提供は過去にあります)。
物語の美しさに惹かれた葉加瀬は70年代のヨーロッパの映画音楽をイメージしながら、クライマックスに向かって昇華されていく劇伴を創り上げました。
まとめ『雪の華』を見終わっての感想
一曲のラブソングから誕生した映画『雪の華』は、まさに大人の寓話というようべきで美しい物語になっています。
主演の二人をみて美男美女すぎるというイメージを抱かれるかもしれませんが、ロマンティックな寓話の主人公にはこのくらいがはまります。
フィンランドの大雪原という大きな舞台もこの二人が並ぶと負けずに、一段と美しく見えます。
もちろん主題歌の「雪の華」が二人を優しく包み込み、きれいに物語をまとめ上げています。
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