オペラは、音楽だけで綴られる物語で、伝統のあるミュージカルの様なもの。あなたは観た事があるでしょうか?色んな娯楽や音楽のジャンルも増え、最近親しむ事が少なくなったかもしれません。なので今年公演されたオペラを通し、少し魅力を紹介したいと思います。
オペラの魅力
あなたは映画「プリティー・ウーマン」を観た事がありますか?
リチャード・ギアとジュリア・ロバーツが主演のシンデレラストーリーです。
この映画の中で、オペラをほとんど知らない女性がオペラ鑑賞をし、感動して涙を見せるシーンがあるんです。
そう、オペラは全く知らなくても、言葉が分からなくても感動するんです。
オーケストラの生の演奏と共に音楽に耳を傾け、歌の美しさ・素晴らしさに感動し物語を楽しむ。
オペラハウスは音響効果を考えて設計されています。とはいえマイクは一切使わず演じるオペラ歌手たちの歌声は素晴らしいものです。
2017年 メトロポリタン歌劇場公演
1月にアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でオペラ『ロミオとジュリエット』が公演されました。
ロミオ (演:ビットリオ・グリゴーロ)
ジュリエット (演:ディアナ・ダムラウ)
彼らは世界トップレベルのテノールとソプラノの歌手です。
この舞台では、歌も素晴らしいものでしたが、彼らの息の合った演技力にもとても良い評価がされました。
現在、この二人は40歳代ですが、その彼らがまだ幼さ残るティーンズを演じるのです。オペラは歌重視であまり演技力は求められていなかったのも一昔前の話。今は演技も出来るオペラ歌手は大人気です。
この物語の名シーン、バルコニー下からジュリエットに愛をささやく場面では、ロミオはバルコニーの方へ駆け上がって行くというアクティブな演技を見せます。
そして、争いのシーンも見事な剣捌きを見せてくれます。
全身で歌いながら演技もするというのは大変な事なのでしょう。
この舞台でのビットリオは終止凄い汗をかきながら演じてくれました。
観賞のポイント
音楽
『ロミオとジュリエット』の音楽は有名で、何曲かドラマやCMに使われたりしているので耳にしたことがあるのではないでしょうか。
作曲は19世紀に色々な歌劇の曲も作ったフランスのシャルル・グノーです。
ですから、このオペラはフランス語で演じられました。
オーケストラの演奏の元繰り広げられていくステージは素晴らしいの一言です。
コスチューム
先ず第一に目を引くのは何と言ってもゴージャスなコスチュームです。
担当しているのは、ブロードウェイの衣装も手掛けるカトリーヌ・ザバーです。
デザインはゴージャスでカッコよく、色の使い方、素材の遣い方も面白い。
ジュリエットのドレスが肩を出すデザインでとてもキュートで素敵なドレスでした。
男性の衣装ももちろん素晴らしいのですが、女性のドレスは「いったいどれだけの生地を使っているのだろう?」と思ってしまうほど豪華で、かつエレガントさが漂っています。
演出/舞台セット
舞台セットについても、トップクラスなのは言うまでもないぐらい、クオリティがとても高いです。
演出はバトレット・シェア。
個性的な演出をすることで有名な演出家です。
この舞台で興味を惹かれる演出の1つに、幕間にカーテンを降ろさないことがあります。
音楽だけで次の幕に切り替わって行く、少しの間をおいて次の幕に入って行くという演出です。
とにかく演出の面白さを楽しんで頂きたいです。
舞台セットでも、大きなシートがベッドになったり、内面を表現する道具になったり、様々な工夫がされています。
明暗を使った演出も面白く、観る方にも創造力を求める演出となっています。
舞台セット担当はデザイナーのマイケル・ヤーガン。
照明担当はジェニファー・ティプトンです。
双方とも舞台セットなどを手掛けるキャリアを持った方達です。
『ロミオとジュリエット』
この物語は、シェイクスピアの書いた恋愛悲劇としてあまりにも有名です。
舞台は14世紀のイタリア。
皇帝派のモンタギュー家と教皇派のキャピュレット家は敵同士にあり仲が悪い。
そんな中、まだ10代半ばの二人、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットがパーティで出会い一目で恋に落ちてしまいます。
二人は周りに知られぬ様に密かに結婚しますが、その直後理不尽にもロミオがジュリエットの従兄を刺し殺してしまい、ロミオは罰として街から追放されてしまいます。
そしてジュリエットは、親が決めた相手と結婚させられそうになり、ロミオと愛を誓ったジュリエットは神父に貰った一日だけ死んだ様になる毒を飲んで結婚から馬逃れます。
彼女の死を聞いたロミオは、彼女の眠る墓地の霊安所に会いに行き、耐え切れずに毒を飲んで自殺を図ります。
それと同時に一日の深い眠りから目覚めたジュリエットは一緒に死のうとロミオの持っていたナイフで刺して死んでしまいます。
最期に
オペラ鑑賞はチケットが高いと思うかもしれませんが、チケットの種類はピンキリで席によっては結構お手軽な値段で購入できるようです。
フランス語は分からないから…と思わず、是非オペラを一度観てみてください。
きっと、お話の最後には胸が苦しくなる切ない物語に入り込み、オペラの魅力を感じていただけるのではないでしょうか。
参考元
- ・参照リンク:http://www.metopera.org/
- ・Opera Romeo & JuliettePBS
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