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ネタバレを含むレビューです。
怖っ!
『トジュンはね 目がほんとにきれいだわ 小鹿みたい』
青い服で踊る母きれい お鍼箱きれい
2024年9月26日(木) BS松竹東急
期待してたよりは👎🏻。韓国映画にありがちな、たまにあるおふざけシーンも嫌いだ。
ダンサブル
『母なる証明』
これは凄く衝撃的な映画でした!ネタバレ有りなので、まだ鑑賞していない方は読むのを控えて下さい。何も知らない状態で本作を観て欲しいです。
【オープニング】
・美しい自然の中に立っている母親。真顔で軽くダンスを見せる。このシーンが何を意味するのか分からないまま物語はスタート。
最後まで観た後に考えると、このシーンの恐ろしさに震えてしまう。
綺麗なシーンだからこそ、映画を観終わった後に理解できる恐怖がより一層、際立つ。
この見せ方、というより感じさせ方(コントロールしている)上手いですよね!エンディングとも繋がった構成になっている。
【エンディング】
"太腿に悪い事を忘れるツボがある"という伏線がここで効いてくる!
そのツボを押すのに使う道具"針のセット"を殺人現場で拾った息子から手渡される。そこで、5歳の頃の事を急に思い出したエピソードが効いてくる!針セットがあそこにあった意味を、後に息子が理解するのでは無いかと恐怖する訳です。
このいくつもの要素が重なった最大の恐怖!凄過ぎるでしょ!あれを手渡された時の母親のドッキリ感は想像するだけでゾッとします。
そんな"針のセット"をジッと見つめる母。そして例のツボを自分で刺す。
立ち上がり、踊り出し、人々に紛れ、カメラも揺れているし夕日に照らされシルエットしか分からない。社会に紛れる事で罪を隠す様子や記憶が曖昧になったいく様子が、これ以上に無い完璧な表現!このラストシーンの構図に鳥肌。
【2重構造の物語】
まさかこんな話だとは。母の愛が息子の無実を証明する話だと思っていた。前半はそのテイスト!
後半は、バレないかドキドキする犯人側の心理に観客を持っていく。
この2パートの構成は『パラサイト 半地下の家族』でも使用れていますよね♪
しかもここで描かれるサスペンスは、他の作品でも良くありがちな前半での"理想的な母親像"よりも、母親という本質を掴んだものになっている。
【"傷"が表すもの】
あらゆる種類の傷が出てくる。
●顔に傷がある被害者の女友達
・画像を加工した傷無し写真を欲しがる。女の子で顔に傷は可哀想ですよね。
ここで『消したい傷』という描写が登場する!
●息子の腫れた目
・刑務所内で喧嘩をした息子の右目が腫れている。母が怪我を心配するシーンは息子の顔を正面から撮っている。
そして母から受けた過去の出来事を思い出した息子はその事を母に告げるけど、それ以降は右からのショットで息子を映している。それによって、腫れた目が母を憎しみで睨み付けているかのように見える!このカメラアングル流石ですよね♪
●母に殺されかけた心の傷
・想像するだけで恐ろしい!人格に影響を及ぼすレベルのトラウマ。
貧しさ故に2人で死のうとしたエピソードだったんだけど、これも韓国の貧困を表しているんでしょう。これも『消したい傷』でしょう。息子にとってでは無く、母親に取って。それが怖いんですよね。
女友達の目に見える『消したい傷』と見えないけど心に残る『消したい傷』が物語上は特に関係ないんだけど、対照的に描かれている。
【まとめ】
息子は知恵遅れだからバカにされているけど、『バカ』という言葉に過剰反応するのは、恐らく母親の教えでしょう。実際にやられたらやり返しなさいと教育しており、1発は2発で返す!と息子を守る為の教えをしていた。けど、それが事件を起こすキッカケになったとは皮肉なものですね。
また、真実を知った母が無意識に男を殺してしまうのは、普段から物事を自分の都合の良いように操作している心理の現れでしょう。
息子が知恵遅れであり記憶力が無い事も、意識はしていないけど、母に取っては都合が良い事であったりするのかも。
1番印象的だったのは、無実の罪を着せられた(実は真犯人だったけど)息子を必死に守ろうとした母は、真犯人だった息子を守る為に、無実の罪を着せられた男を犠牲にすること。
重要なのは、面会に行った事です。あのシーンで真実を黙っておく事に対して、罪の意識がある事が示される。例え、どんなに酷い事をしようが、世界中を敵に回そうが、我が子を守る!それが母親なのでしょう。
間違った愛し方と、正しい愛し方など、ありのままの母親像が描かれていました。
本作の原題は『マザー』です。母親というものの本質を描いた本作は素晴らしいの一言!
例え本質を掴んだとしても、それを本作のように全てを盛り込んだ1つの物語として完成させる事は至難の技でしょう。
ミステリーも人間ドラマも秀逸。さすが。
#鍼灸シーン 有