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ナチズムの渦中で育まれた歪んだ愛。運命的な再会にふたりは再び愛欲に溺れていく 強いられる服従と与えられる快楽に翻弄されながら、互いに求め合う男女の姿は切なくも美しい。ナチスの生き残りという設定が生きるストーリー展開とラストシーンは必見。 1957年、冬のウィーン。元ナチスの親衛隊・マックスは、身分を隠してホテルのフロント係として働いている。ある日、若手指揮者アザートンの妻・ルチアがホテルを訪れた。彼女はかつてマックスが収容所で弄んだ女性で、思わぬ再会に驚きを見せる。

時間を停止できるようになった美大生の恋を描いた、一風変わった恋愛映画。女性の裸体を非常に美しく描いており、ヌード描写も多々あるが、アーティスティックな作品となっている。美大生のベン(ショーン・ビガースタッフ)は、恋人のスージー(ミシェル・ライアン)と別れて以来、眠ることができなくなってしまう。いつも頭に思い浮かぶのはスージーのことばかりで、別れたことを激しく後悔していた。眠れない夜の時間を有効活用するため、ベンはスーパーで夜勤の仕事をはじめる。しかし、不眠が続いていたベンの体力は限界に達しており、ついに時間の感覚がなくなってしまう。それ以来、ベンには時間を止められる能力が身についた。ベンだけが動ける時間の中、彼は女性客の服を脱がしていき、美しい裸体を観察する。そのままデッサンをはじめ、無我夢中で鉛筆を動かした。その中でもひときわベンの目を引いたのは、同僚のシャロン(エミリア・フォックス)だった。

ジュゼッペ・トルナトーレ監督、モニカ・ベルッチ主演、少年の恋心を描いた青春ドラマ 戦死した夫を一身に思う未亡人を通し、彼女に憧れる少年が大人へと成長していくさまを繊細に描く。思春期の生々しさ、大人の醜い部分、世の無情さなどが印象的。 イタリアの小さな村。美しい女性・マレーナは、その美貌ゆえに男の関心と女の妬みを一身に受けていた。そんな中、村の少年・レナートは彼女の知られざる真実を知る。そして苦境や困難に毅然とした態度で立ち向かう姿に、勇気と希望を覚えるようになる。

ふたりの女性が耳の聞こえない青年との出会いを機に人生を変えていくインド映画 障害を抱えながらも豊かに感情を表現する主人公を通し、言葉はなくとも心を通わせられるさまを活写。「雨に唄えば」「アメリ」ほか名作映画へのオマージュにも注目。 生まれつき耳が聞こえず言葉も話せないが、明るく陽気な青年・バルフィ。ある日、彼は街で美女・シュルティに一目惚れするが、彼女はすでに婚約中の身だった。一方、バルフィと幼なじみのジルミルは、人付き合いが苦手で心を閉ざして生きていたが…。

思春期を迎えた13歳の少女の揺れ動く感情を描いた青春ドラマ 大人でもないし子供でもない、優等生でもないし不良でもない、微妙な少女の夏物語。シャルロット・ゲンズブールが何かもうまくいかない思春期真っ盛りの少女を好演。 夏休み前日、シャルロットはTV中継で同じ13歳の天才ピアニスト、クララ・ボーマンの演奏を目にし、彼女の美しさに魅了される。夏休みに入り、シャルロットと病気がちの少女・ルルは、父の使いで工場に向かう途中、クララとマネジャーに道を尋ねられる。

禁断の情事に身を沈める人妻と青年の許されぬ恋を描いたラブロマンス 旅先で出会った年下の青年にときめき、夫との不仲を忘れるかのように求めていく展開がエロティック。イタリアの風景と、ケイト・ボスワースの美しさが特に素晴らしい。 音楽家の夫・レオナルドと共にイタリアへとやってきたジェーン。彼女は冷え切った夫との関係に嫌気が差していた。美しい街中を歩いていると、年の離れた青年・キャレブと出会う。彼との楽しい時間を過ごすにつれ、ジェーンは好意を寄せるようになり…。

障害者の性の問題に正面から向き合ったヒューマンドラマの力作 実話を元に、首から下が動かない重度の障害者と、障害者の性の問題を扱うセックス・セラピストの交流を、ユーモアを交えて綴る。繊細かつ真摯な描写が胸を打つ力作。 幼い頃の病気が原因で首から下が動かず、寝たきりの生活を送るマークは、それでも大学を卒業すると詩人、ジャーナリストとして活躍していた。ある日、障害者のセックスに関する原稿依頼を受けた彼は、取材の中で知ったセックス・セラピストに連絡を取るが…。

アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン共演のヒューマン・ドラマ フィリップ・ロスの小説「ヒューマン・ステイン」を実写化。出自に関わる秘密を抱えた初老の男と心に傷を追った女の出会いを通じ、人種に対する問題を浮き上がらせていく。 講義中に発した言葉が黒人差別にあたるとして、大学教授の職を解かれたコールマン。失意と怒りを抱えるなか、彼はフォーニアという年下の女性と惹かれ合う。義父からの虐待や子供を失くした過去を持つ彼女に対し、コールマンは自身の秘密を打ち明けるが……。

ゴダール＆カリーナの第3作。パリで女優を夢見るも娼婦に零落するナナの12章 ルイーズ・ブルックス風の断髪カリーナが「裁かるゝジャンヌ」に涙し、ジュークボックスの曲で踊り、哲学を語り合う。モノクロにエモーションが翔ける清新なゴダール映画。 女優を夢見て夫と別れ、パリに出るも、希望なきレコード店員を続けるナナ。つい男に体を許して代償を得た彼女は、やがてヒモつきの娼婦となり、無感動の日々を送る。そんな中で出会った若い男を愛し始めるナナだったが、売春業者に売り渡されることに…。

戦争から故郷に帰還した兵士たちの再出発と、温かな家族愛を描いたヒューマンドラマ 戦争を経て、問題を抱えながらも希望を持って生きていこうとする人々の姿は心が温まり、勇気をもらえる。役柄同様義手のハロルド・ラッセルが見せる自然な演技に注目。 第2次世界大戦後、3人の復員兵が同じ軍用輸送機に乗り合わせた。故郷の町の飛行場に着き、彼らはそれぞれ出迎えを受ける。その中の一人、ホーマーは、両手を失い義手になった傷痍軍人だ。彼の家族と恋人はそれを見て声を失い、母は泣き出してしまう。