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東西冷戦のはざまで

国家人民軍（東独）の兵士マーティン･ラオホが、外国で活動する諜報部員としてスカウトされる。彼の伯母であり、偵察総局のエリート職員でもあるレノーラ･ラオホが、上司ヴァルター･シュベッペンシュテッテに甥を推薦したのだ。マーティンは誘いを断ったが、意思に反して西ドイツへと連れていかれてしまう。マーティンはボンからも逃亡しようとするものの、その試みは失敗に終わる。そして偵察総局のスパイにして法学の教授でもあるトビアス･ティッシュビアーから、様々なスパイのテクニックを仕込まれるのだった。マーティンは将軍の副官モーリッツ･シュタムになりすまし、ドイツ連邦軍（西独）に潜入する。

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  ：46分

新たな任務

モーリッツは２つめの任務を果たすべく、ボンで開催される安全保障会議に向かう。快適な西の高級ホテルに到着した直後、ニナという女性から危険なスパイ活動を託される。NATO首席分析官ヘンリック･マイヤーのセーフティー・ボックスから安全保障に関する極秘文書を盗み出すという任務だ。モーリッツは、任務を引き受ける代わりに母イングリットに腎臓移植手術を受けさせること、そして恋人のアネットに手紙を渡すことを要求する。ところがそのアネットは、モーリッツが突然原因不明のまま失踪したため、同僚のトーマスと関係を持っていた。モーリッツの伯母レノーラがそんなアネットを訪ね、ある依頼をする。

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  ：45分

ブリュッセルの一夜

モーリッツ･シュタムとエーデル将軍は、ブリュッセルで開催されるNATO会議へと向かう。途中のガソリンスタンドで、モーリッツはレノーラと短時間で陰謀の打ち合わせを行う。彼女はモーリッツに新たなミッションを与えた。NATO首席分析官ヘンリック・マイヤーを長期にわたって盗聴し、偵察総局に情報を流すという使命だ。そのためにはヘンリック･マイヤーの秘書リンダ･ザイラーを誘惑する必要がある。まさに「ロミオ諜報員（注：東ドイツがよく使った手で、男性スパイが女性を誘惑して秘密を聞き出すのをロミオ諜報員と呼んだ）」だ。その見返りとして、母イングリットはようやく移植者リストに載ることとなる。クラインマハノウ村（東独）にあるモーリッツの実家にアネットが引っ越してくることになった。「病気の義母」のそばについて日常生活を助けるためだ。そのアネットは、トーマスとイングリットが何か秘密を共有していることを知る。さらにアネットは、自分が妊娠していることにも気づく。

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  ：44分

情報戦の闇

モーリッツが「ロミオ諜報員」の任務を遂行した結果、NATO首席分析官の秘書リンダはモーリッツに夢中になる。そのリンダが突然、ダウン市にある連邦軍兵舎の前に現れる。驚いたことに、リンダはアイフェル地方（注：ダウン市がある地域）でロマンチックな週末を過ごそうとしたのだ。時を同じくしてNATOのオフィスから盗聴器が発見され、その衝撃はエーデル将軍にまで波及する。リンダにスパイの嫌疑がかかっていることがエーデル将軍にも伝えられた。ブリュッセルでモーリッツがリンダと一緒にいるところを見たエーデル将軍は、彼に対しても不信感を抱く。しかしモーリッツはNATOによる尋問をうまくウソでかわし、自分への嫌疑をそらすことに成功する。しかしリンダとの関係が破たんするのを防ぐことはできなかった。

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  ：48分

深まる疑念

イヴォンヌの元で慰めを見出そうとするモーリッツ。そんな彼を、ティッシュビアーがガバヴァン･コミューンで待ち伏せする。しかしモーリッツがこれ以上の協力を断ると、ティッシュヴィア―は“奥の手”を出して彼に迫った。母のドナーとして腎臓を提供するために、急いで東ベルリンへ行けと伝えたのだ。東ベルリンへ向かうモーリッツは、西ベルリンで秘密の荷物を渡すよう命令される。彼は国境を越え、不審な人物に荷物を引き渡す。数分後、クーダム（注：ベルリンの通りの名前）にあるメゾン･ドフランスで爆弾がさく裂。モーリッツは犯人を追って西ベルリンを駆け回るが、猶予はない。手遅れになる前に東ベルリンで入院中の母イングリットのもとへ急がなければならないのだ。

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  ：46分

燃え上がる冷戦の炎

ソ連が韓国の旅客機を撃墜してから、世界の緊張は高まっていく。モーリッツは東ベルリンで腎臓手術を受けた。回復しつつあるモーリッツは、西側に送られてから初めて、初恋の相手アネットと再会する。しかし二人はいつしかギクシャクするようになっていた。モーリッツは生まれてくる子供のことを考え、「今後は家族のために生きる。西でのミッションは終わりだ」と伝える。一方、シュベッペンシュテッテのIM（注：非公式協力者、民間人として当局に協力する人たちのことを指す）となったアネットは、モーリッツの決心を変えようと試みる。結局、モーリッツを説得したのはシュベッペンシュテッテだった。「西でのミッションがまだ終わっていない、西ドイツへ戻れ」と伝えたのだ。そのモーリッツは、エーデル将軍の息子アレックスの狂気じみた計画に巻き込まれてしまう。アレックスはティッシュビアーの平和運動と距離を置き、過激になっていた。米軍のジャクソン将軍を人質に取るという行動に出たのだ。アメリカの核戦略に関する“真実”をドイツ国民に語らせ、それをビデオテープに収めるのが目的だった。ところが活動家としての経験が浅いアレックスは判断も甘く、事態は彼の手に負えなくなっていく。

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エイブル・アーチャー

NATO軍事演習“エイブル･アーチャー”の準備が進行している。西側諸国にとっては計画的な軍事演習に過ぎない。ソ連の先制核攻撃に対応できるようになるための演習だ。しかし東側諸国には誤ったシグナルとして受け止められた。偵察総局は演習を本番だと判断し、東側への核攻撃が間近に迫っているとの思い込んでいるのだ。ボンでは西ドイツ史上最大のデモが起きている。一方、ダウン市でも現地のギムナジウムに通う生徒たちが連邦軍基地の前に集結し、パーシング?や軍拡に反対してデモを行っていた。トビアス･ティッシュビアーはデモ参加を口実に、モーリッツを訪ね、現地の状況を把握しようとする。モーリッツは、演習を本番と誤解しないようティッシュビアーに警告するが、彼は取り合わない。いまや残された道は１つ。モーリッツは決断に迫られた。２つの体制の間に挟まれた彼は、自分の理性と“内なるコンパス”に耳を傾けることを決める。

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  ：45分

決断の時

モーリッツは必死の思いで国境を越え、東へ向かう。そのころ、NATOの軍事演習“エイブル･アーチャー”は最終段階に入り、偵察総局では神経を尖らせていた。西側が攻撃を仕掛けてくる前に赤いボタンを押すべきか？一方、エーデル将軍と息子アレックスは、モーリッツの正体を知ることとなる。家族同然のモーリッツが東ドイツのスパイ。そんなことがありえるだろうか？アレックスは、世界が崩れるようなショックを受ける。一方モーリッツは家族に危険を知らせるため、クラインマハノウの自宅に戻る。実家でも問題は山積していたが、彼にはさらに大切なミッションがある。偵察総局へ行き、早まることのないよう警告しなくてはならない。核攻撃による大惨事を防ぐため、モーリッツは自分の自由をも犠牲にする覚悟で臨むのだった。

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