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江戸川乱歩の名作が近未来SFファンタジーとなって甦る!
『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』は、2019年12月29日にNHK BSプレミアムで放送されたテレビドラマ。江戸川乱歩生誕125周年ということで、1934年に発表された長編探偵小説『黒蜥蜴』を近未来の物語として大胆にアレンジしてドラマ化された。
キャストは、黒蜥蜴役にりょう、明智小五郎役に永山絢斗を起用。監督・脚本は『私立探偵 濱マイク シリーズ』でおなじみの林海象が務める。
原作にもあるように、本作では黒蜥蜴と明智小五郎の対決、そして禁断の恋心が柱となって描かれるが、作品の趣はまったく異質。近未来ストーリーらしく、クローン技術が犯罪の陰に隠れており、そこから生まれた悲劇が悲劇を呼ぶ展開となっている。
舞台はハイテク犯罪がはびこる近未来。いつものように宿敵・怪人二十面相(松尾貴史)を追っていた明智小五郎は、大富豪・岩瀬庄兵衛から娘の岩瀬早苗の護衛を依頼される。早苗の誘拐を予告してきたのは、巷を騒がせている怪盗・黒蜥蜴。彼女は、岩瀬庄兵衛が主催するパーティーで宝石を盗み、続いて早苗を誘拐しようとするが、明智によって阻止される。
明智は、ホテルのオーナーである緑川婦人が黒蜥蜴の正体だと見破り、そこからふたりの対決が始まる。しかし、黒蜥蜴の真の狙いは別のところにあった…。
世間を騒がせる怪盗。普段は高級ホテルのオーナーをしている。本物の宝石と偽物を巧みにすり替えたり、不思議なトリックを使って警察を惑わせたりする。岩瀬早苗の誘拐を試み、その交換条件として「エジプトの星」と呼ばれる秘宝を要求。その攻防を巡り、明智小五郎と戦いを繰り広げていく。
「世界一の名探偵」を自称する男。世間的にも広く知られており、ある意味警察よりも市民の信頼は厚い。怪人二十面相という宿敵がいるが、本作では怪盗・黒蜥蜴と対決。カメラやレシーバーとなっている眼鏡をかけていて、ホログラフィによる変装を得意とする。
明智小五郎の助手。華奢で中性的な風貌だが、実は格闘技に長けている。明智のことを心底慕っており、常に右腕として活躍。事務所・現場を問わず明智の指示どおりに動くが、ときには正義感に燃えて単独行動を取ることもある。
大富豪・岩瀬庄兵衛の娘。ピアノが得意で、いでたちは富豪令嬢そのもの。黒蜥蜴から誘拐予告を受ける事件のキーパーソン。明智の旧知の仲で武術に長けた葉子という少女と瓜ふたつであり、多くの謎が潜んでいる。
早苗の父。大富豪で宝石コレクターとしても有名。娘の早苗を溺愛しており、パーティーでも支持者たちに大いに自慢している。その反面、経営者としては冷徹な面があり、敵も多い。早苗の誘拐予告を受け、明智に護衛を依頼する。
黒蜥蜴の忠実な部下。黒蜥蜴のことを「マダム」と呼び崇拝しており、その性格は非常に残忍で殺人も平気でおこなう。
クローン技術に長けた科学者。黒蜥蜴や早苗の出生についても何か知っている様子。
警視庁の刑事。腕利きで有名だが、黒蜥蜴にはいつも逃げられている。明智とは親しい間柄。
警視庁の刑事。中村の部下で、まだ若いが中村を常に的確にフォローしている。
人間型のAIで、明智の事務所で分析担当をしている。「スチューピッド」が口癖。
明智の宿敵。世界的に有名な怪盗で、あらゆる技術・手段を使って逃げのび続けている。
特集ドラマ『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』の監督・脚本は、映像探偵社の林海象です。1934年発表の『黒蜥蜴』を近未来風にリメイクした本作は、スタイリッシュなシーン展開や音楽に合わせ、どこか懐かしい昭和の香りが同居した不思議な空間となっています。
また、テンポのいいアクションや小気味よく分かりやすいセリフ展開などは、原作のよさをそのまま生かしたような仕上がりです。その一方で、コアなファンも唸らせる独特な演出が随所に見られ、いい意味でぶっ飛んだ快作となっています。
今回の2019年度版『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』は、サイバー犯罪や人間型AI、クローン技術など、近未来の設定が色濃い作品となっていますが、江戸川乱歩独自の世界観もしっかりと盛り込まれています。
小人症の女優を黒蜥蜴の部下に起用したり、片足の舞踏家が突如パフォーマンスを繰り広げたりと、原作にある「異形」のテイストもストレートに演出。そして、この演出は「生まれた人間に欠陥などない」という本作のメインテーマにもつながり、ビジュアルによる見事な逆説的アプローチとなっています。
『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』は、豪華な俳優陣の熱演も見どころのひとつです。主人公・黒蜥蜴役のりょうは妖艶な魅力を堂々と演じてみせ、また、明智小五郎役の永山絢斗も今までにない明智という人物を作りあげました。
助手の小林少年は、なんと佐久間由衣の男装。これもバッチリはまっていて、人間型AIを演じた大鶴美仁音との対話も見どころです。さらに、早苗と葉子の二役を演じた福本莉子の演じ分けも見事です。各俳優の魅力が随所で光っており、日常パート、格闘パートのそれぞれで心惹かれる掛け合いが見られます。
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豊川悦司と常盤貴子が主演を務めた大ヒット純愛ドラマ。1995年放送。北川悦吏子が脚本を務め、数々のテレビ賞を受賞。耳の不自由な画家と女優を目指すヒロインが、困難を乗り越えて愛を育む姿が視聴者の心を虜にした。DREAMS COME TRUEの歌う主題歌「LOVE LOVE LOVE」も爆発的ヒットを記録した。共演は矢田亜希子、岡田浩暉、麻生祐未、吉行和子ほか。都心にある珍しいリンゴの木をみつけた女優志望の水野紘子(常盤貴子)は、ジャンプして実をとろうとして失敗し尻もちをつく。実をとってくれたのは長身の画家・榊晃次(豊川悦司)だった。紘子がリンゴを手にしながら夜の野外劇場でセリフの練習をしていると、偶然とおりかかった晃次が見ていた。気づいた紘子は声をかけるが、彼は黙って去って行く。公園の売店でバイトする紘子は、油絵を描いていた晃次とまたも出会う。空の色を誉めた彼女は晃次から青の絵具をもらい、それをお守り代わりにして臨んだオーディションに合格する。喜びを晃次に伝えようと公演で彼に声をかけた紘子は、無視された上、別の女性と親し気にしているのを見てしまう。後日、晃次の耳が聞こえないことを知った紘子。車道に落としたメモを拾おうとして車にひかれそうになった彼女は晃次に助けられ、彼の家でケガの手当をしてもらうことに。ふたりは互いに自己紹介し合い…。