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「熊本日日新聞」に1999年4月から1年間連載された、同名タイトルの小説が原作となっている。基本設定や登場人物の名前などは原作をもとにしているものの、映画は小説ほどSF要素は少なく、人と人の結びつきを描いたヒューマンストーリーになっている。
黄泉がえってきた人々とその周囲の人々の物語が、オムニバスのように綴られている。さまざまな家族や恋人のあり方、そして残されてしまった人々の思いや生き様までを繊細に描いた作品である。監督は『どろろ』『害虫』で知られる塩田明彦、主演を草彅剛と竹内結子が務めた。
厚生労働省の職員・川田平太(草彅剛)は、死んだはずの人が蘇るという怪奇現象の調査のため、生まれ故郷である熊本県阿蘇地方に派遣される。幼なじみである葵(竹内結子)の助けを借りて蘇った人々と出会い、調査を進めていく平太。
黄泉がえりの現象に人々は驚いていたが、再会を喜び、失われた日々を取り戻すかのように暮らしていた。そんななか調査を進める平太は、黄泉がえりに関する重要な事実を知ることになる。
厚生労働省の職員。熊本を離れて、東京で暮らしている。黄泉がえりの調査のため、熊本県に派遣される。葵とは幼なじみであり、彼女の婚約者だった俊介とも長い付き合いだった。真面目な性格で仕事中は常に冷静沈着だが、葵の前だけ子どものような憎まれ口をお互いに叩き合う。調査を進めるなか、黄泉がえりのある事実に気づく。
平太の幼なじみであり、俊介の婚約者。地元の役場に勤めている。婚約者の俊介を海の事故で亡くし、内心はその死を受け入れられずにいるものの、明るく振る舞っている。子どものころから、なんでも平太に相談するぐらい彼のことを信頼している。黄泉がえりのことを知り、俊介の黄泉がえりを望むが叶わず苦悩する。
英也のアルバイト先の女店主。夫と死に別れた後、女手ひとつで幼い娘とラーメン屋を守っていた。自分のことを慕ってくれて、娘の面倒もよく見てくれる英也に気持ちが揺らぎはじめたときに、死んだはずの夫・周平が黄泉がえりで戻ってくる。
ラーメン屋のアルバイト。店主である玲子に想いをよせており、玲子の娘にも慕われている。両親を早くに失い、兄の優一とともに親戚をたらい回しにされた上に、施設に入れられた経験を持つ苦労者。唯一の身内である優一とも、幼いころに死に別れている。
玲子の死んだ夫。喧嘩の仲裁に入ったものの、巻き込まれて死んでしまう。黄泉がえりで戻ってきたが、生まれたばかりだった娘は自分でなく英也に懐いており、複雑な気持ちを抱える。
英也の兄。14歳で風邪をこじらせて死んでしまう。幼いころから優秀で、黄泉がえり後は塾の講師などもしている。黄泉がえった後に15歳の誕生日を迎え、英也と玲子・周平一家に祝ってもらう。生前同様、英也をたしなめることが多い。
クラスメイトのいじめを苦に、自殺をした中学生。自分の葬式の最中に黄泉がえった。
克典のクラスメイト。小学生のころから克典に想いを寄せていた。克典をいじめから救えなかったことを後悔していた。
園子の夫であり、幸子の父親。園子が亡くなった後、男手ひとつで幸子を育てた。葵のカウンセリングを担当している。
若くして亡くなった、斉藤医師の妻。聾者で体が弱かったが出産を決意する。しかし幸子を出産後に亡くなる。黄泉がえり後に、幸子と初めて対面する。
斉藤医師と園子の娘。父親から亡き母親のことを聞いて育った。現在、聾学校の教諭として働いているのも、母親の影響が大きい。園子が黄泉がえったことによって、母親と対面を果たした。
50年ほど前に、友達と森で遊んでいたときに行方不明になる。行方不明当時の姿で、年老いた母親の前に現れた。最初に確認された、黄泉がえりした人物。絵を描くのが好き。
勝雄の母親。行方不明の勝雄のことを、ずっと案じていた。夫も亡くし、勝雄が黄泉がえりするまで1人で暮らしていた。
熊本県の県庁職員。平太の調査を手助けする。黄泉がえりした人々との面談時は、記録のため動画を撮影している。黄泉がえりした子どもたちに優しい。
サキの甥で、勝雄の従兄弟にあたる大学教授。平太たちの調査に同行している。
平太の親友であり、葵の婚約者。葵とは高校時代から付き合っていた。葵にプロポーズした後、海の事故にあって亡くなった。葬儀後、遺骨は海に撒かれた。
歌手。2年間活動をおこなっていなかったため、死亡説が出ていた。2年ぶりに活動を再開し、熊本で野外コンサートを開催する。
RUIの恋人。キーボード奏者として、RUIとともに音楽活動をおこなっている。
今から17年前に公開された『黄泉がえり』は、まるでタイムカプセルのような映画です。というのも、出演しているキャストが実に豪華で、かつ懐かしい面々が勢ぞろいなのです。
デビューして間もない長澤まさみや市川隼人の、フレッシュな姿を見ることができます。
主演は草彅剛と竹内結子のふたりですが、作品自体がオムニバスのようなスタイルですので、キャストそれぞれに見せ場があります。どのキャラクターにも、思い入れが強くなる作品となっています。
『黄泉がえり』は劇中に、さまざまな伏線が仕込まれています。登場人物の何気ない一言が、ある事実に結びついていたりと、物語が終盤になるにつれて事実が判明する展開は、ミステリー映画のようです。
一度見ただけでは、見落としてしまうような小さな伏線もありますので、数回鑑賞するのもおすすめです!
まず映画の初盤から、伏線が2つ登場します。1つは比較的分かりやすいのですが、もう1つは意外な形で判明します。ぜひチェックしてみてください。
『黄泉がえり』は、「死んだとわかっていても会いたくて会いたくてたまらない」というような思いを抱えた人々と、亡くなってしまった人々の物語です。
不思議な現象で戻ってきた人々との再会を喜ぶ人もいれば、戸惑う人もいます。「戻ってきてくれてよかった」では終わらないところに、生きている人間と死んだ人間との温度差や時間差が感じられ、物語により深みを持たせています。
家族や友人、恋人など誰か1人でも大切な人がいる人ならば、遺された人、そして遺していってしまった人の気持ちが痛いほど理解できて、涙してしまう作品です。
今観るとさらに切ないものがありますね。主題歌も良かった。
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1968年に公開され、過去に類をみない莫大な制作費がかけられたスペクタクル巨編。3時間以上の上映時間と、圧倒的なスケールの物語が話題となり、大ヒットを記録している。大量の水を使用した危険なシーンの撮影もおこなわれ、実際に何人かのスタッフとキャストが負傷した。また、今作は当時の日本を代表する名優たちが集結した作品でもある。製作にもかかわっている石原裕次郎や三船敏郎をはじめ、黒澤映画常連の志村喬、『白い巨塔』に出演した滝沢修など、そうそうたるメンバーが集結した。太田垣(滝沢修)率いる関西電力は、大規模な発電所建設の計画を立案する。場所は富山県に位置する黒部川の上流。多額の建設費と大勢の作業員たちを導入し、工事が始まった。掘削工事を担当するのは熊谷組の岩岡(石原裕次郎)で、彼は工事に不安を抱きながらも、危険で困難な掘削作業に身を投じていく。工事が進んでいた1957年。岩岡の不安は的中し、掘削工事による水漏れが発生。しばらく工事が進まない事態に陥ってしまう。
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2018月9月25日~2020月10月19日
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