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第二次大戦後のシベリアで、極寒での過酷な労働に苦しみながらも家族との再会を切実に願い続けたひとりの男・山本幡男。彼の生きざまを綴った実話をもとにした原作小説『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』を映像化し、2022年12月に公開された作品である。
主人公・山本幡男を演じたのは、日本アカデミー賞・最優秀主演男優賞をはじめ、多くの受賞歴を持つ二宮和也。今作においても多くの人々に感動を与えたその演技は、とても高く評価されている。松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕など、演技派俳優たちとの共演にも注目が集まった。
第二次大戦の最中、満州・ハルビンで開かれた身内の結婚式に、山本幡男(二宮和也)は妻・モジミ(北川景子)と4人の子どもたちと一緒に参列した。しかし、楽しいひとときを過ごしたその夜、日本との中立条約を無視したソ連が急な爆撃をしかけてきたのだ。
慌てて宿舎を飛び出し、混乱に陥った人々であふれかえる街中を、家族を連れて逃げていた山本は、崩れてきた石塀に体を挟まれてしまう。身動きが取れなくなってしまった山本は、ためらうモジミに、子どもたちを連れて先に日本に帰って欲しいと頼んだ。
「すぐにまた会える」優しく微笑みながら、モジミと約束を交わした山本だが、過酷な運命が彼を待ち受けていたのだった…。
【キャスト】
二宮和也 北川景子
松坂桃李 中島健人 寺尾聰 桐谷健太 安田顕 ほか
原作:辺見じゅん 『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』(文春文庫刊)
監督:瀬々敬久
脚本:林民夫
企画プロデュース:平野隆
第二次大戦後、無実にもかかわらずスパイ容疑をかけられ、シベリアの収容所(ラーゲリ)に収容されてしまう。妻・モジミとの再会の約束を忘れずに、生きて日本に戻るため、収容所の過酷な生活に耐え続ける。くじけそうになった仲間たちを常に励まし続けた。
幡男の妻であり、教師をしていた。満州で幡男と泣く泣く別れ、日本に戻ってからは女手ひとつで子どもたちを育てながら、夫の帰国を待ちわびている。
幡男とラーゲリで共同生活をした仲間。戦場で恐怖のあまり戦うことができず、友人を助けることができなかったことが心に傷として深く残っている。自分のことを「卑怯者」だと思い込み、悩まされ続ける。
生まれつき足が不自由であり、徴兵はされなかった。漁の手伝いをしていたときに捕らえられ、ラーゲリに送られてきた。作業中に見つけた子犬・クロを大切にしている。幡男から読み書きを教えてもらう。
幡男の長男。10歳のとき満州で幡男と離れ離れになり、母とともに日本に帰国した。父の姿を思い出しながら、母を支え続けた。
幡男とラーゲリで出会う。元軍人であり、階級が軍曹だったことから、自分より下の階級の人間に対して、かなり高圧的な態度をとる。幡男のことを目の敵にしている。
ラーゲリでともに過ごした、幡男と同じ故郷の先輩。ロシア文学が好きで、ロシア語も話すことができ、幡男に大きな影響を与える人物。ラーゲリで起きたある事件をきっかけに心を閉ざしてしまう。
幡男の母。満州で幡男と別れ、日本に戻ってきたモジミや孫たちとともに幡男の帰りを待つ。
ラーゲリで幡男とともに過ごしていた松田研三の母。もう二度と息子に会えないと絶望している。
今作の原作となったのは、歌人であり、ノンフィクション作家としても知られる、辺見じゅんの著書『収容所(ラーゲリ)から来た遺書』です。
辺見じゅんは終戦60周年を記念して制作された映画『男たちの大和』の原作者としても知られ、新田次郎文学賞をはじめ、多くの賞を受賞しています。原作は第二次大戦の敗戦から12年もの年月を経て、やっと遺族の手元に届いた男の遺書をもとに書かれました。
今作のモデルとなったその男性は、シベリア抑留中に極寒と飢餓の中での重労働により、日本に帰ることなく亡くなってしまった山本幡男です。実話であるという事実が、今作の感動をより一層深いものにしています。
戦後、極寒のシベリアに送られ、想像を絶する寒さと飢えの中、過酷な労働を課せられ続けたというシベリア抑留については、これまでの作品でも取り上げられてきました。
今作では、過酷な重労働に耐える兵士たちの心情が丁寧に描かれており、主演の二宮和也をはじめ、多くの共演者たちの体当たりの演技によって、その辛さが痛いほど伝わってきます。
そんな中、くじけて折れそうになった仲間たちの心を、そばに寄り添いながら少しずつ温めていく山本幡男を二宮和也がとても丁寧に演じました。愛する妻や子どもたちとの再会を願い、その切実な想いを胸に、必死に生きようとする力強さが、二宮和也の目や表情からひしひしと感じられます。
今作の主人公・山本幡男と、その同郷の先輩・原幸彦はともにロシア語が話せるため、たびたび現地の将校や兵士たちとロシア語でやりとりをしています。そのため、幡男を演じた二宮和也と原を演じた安田顕は、今作の撮影に入る前からロシア語を習い、準備をしていました。
ロシア語の音声を何度も聴きこみ、発音を覚えた彼らは、撮影中もソ連軍兵士役のロシア人キャストにチェックしてもらうなど、努力を惜しまなかったそうです。
そして、彼らの話すロシア語がただ暗記しただけのセリフではなく、感情のこめられた言葉であったことに、ロシア人キャストが感動したというエピソードもあります。ぜひ注目したいポイントです。
最後の方が希望過ぎる。
良い
二宮和也は天才だ。
「最後に勝つのは道義であり誠でありまごころである」
今を生きる自分も、忘れずに生きていきたい。
1988年に公開された『異人たちとの夏』は、山本周五郎賞の記念すべき第1回目の受賞作品となった山田太一の同名小説を映画化した作品。監督は日本を代表する大林宣彦が務め、脚本は『ウルトラセブン』や『傷だらけの天使』などを手掛けた市川森一が担当している。妻子と別れた40代の人気シナリオライター・原田英雄(風間杜夫)は、“夜になると誰もいなくなる”という奇妙なマンションでひとり暮らしをしていた。ある日、同じマンションに住む若い女性・藤野桂(名取裕子)が訪ねてくる。しかし、英雄は彼女のことを追い返す。その翌日――。ぶらりと故郷の浅草へ足を運んでいた英雄は、そこで不思議な出会いに遭遇する。なんと亡くなったはずの両親と再会したのだ。両親は英雄が40歳を過ぎていることを知りながらも、まるで子どものころに戻ったかのようにかわいがってくれた。すっかり上機嫌になった英雄は、エレベーターで再会した桂に優しく接する。そして桂と恋人関係となり、昼間は亡くなったはずの両親に会いに行く奇跡のような生活がはじまる。しかし、亡くなった両親との生活がそのまま続くはずもなく…。
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2018月9月25日~2020月10月19日
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