日常ベースメイクから始まって、傷跡、仮面、様々な「変身方法」を紹介する一冊。映画の舞台裏をのぞくような気分になれるかも。
・セルフメイクで華麗に変身!?
出典:特殊メイクという言葉から、どんなものを連想しますか?
やはりホラー映画の怪物や、アクション映画の派手な傷跡などを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。怪物についてはCGにとって変わられつつありますが、反対に「傷跡メイク」はハロウィーンの仮装などでする方もおり、クオリティはともかく「プロにしかできないもの」ではなくなりつつあります。
怪物のメイクについても、一般に需要がないわけではありません。メイクという言葉を使うので「塗る、描く」印象が強いですが、特殊メイクにはそのメイクに合わせた小物も必需品。大がかりな衣装を作るコスプレイヤーさんは、その造形に日々四苦八苦していることでしょう。
本書では日常でも女性がしているであろうありふれたベースメイクから始まって、全身固める大がかりな特殊メイクまで丁寧に解説しています。
何かの折に変わった格好をする予定のある方は、本書を読んで頑張ってみては?
・まずは基本のメイク
出典:基礎メイクは普段使いのメイクも活用できます。ファンデーションの色の選び方やアイラインの入れ方などがわかりやすく解説されています。
その基礎メイクの上にチークやリップを合わせて「少女風」「小悪魔風」など、様々な雰囲気を演出するメイク方法が説明されています。こちらはつけまつげの使い方がちょっと大げさなので、平時のメイクに活用したい場合はそのあたりを抑えめにするといいでしょう。
これでもかと非日常的なメイクもあります。
映画「アダムス・ファミリー」に登場する女の子「ウェンズディ」をイメージしたメイクは唇まで真っ黒。アイラインを過剰に強調しており、ゴシック系やビジュアル系ファッションにはよく似合うでしょう。
そのものずばり、ゴシック調アイメイクの方法も解説。単なる黒塗りにはとどまらず、つけまつげやラメ入りのアイシャドウを効果的に活用しています。
・本物みたいな傷跡
出典:最初にも言及した傷メイクですが、こちらは用途に合わせて多彩な傷の作り方が解説されています。
ここからは少々専門的な材料も使いますが、通信販売やメイクアップ専門店でそろえることができますよ。
シンプルな切り傷でも、血のりの置き方に一工夫してドーランで仕上げれば、びっくりするほど痛々しい傷が作れます。他にもカミソリで切り裂いたような細い傷や、ひきつれた古傷、ぱっくり開いて血を流す傷口などバリエーションはとても豊富。
変わり種では、肌にボルトが打ち込んであったり、針金が刺さっていたりするように見せる方法もあります。
・仮装と言えばこれ!
出典:特殊メイクというにはちょっと違うかもしれませんが、本書には仮面の作り方も掲載されています。仮装と言えば仮面でしょう。家にあるものでも作れてしまう作品から、顔の型を取って作る大がかりなものまで。
一番材料で楽をできるのは、紙だけで作る仮面。
厚紙で頭の形を作り、そこに紙を貼り付けて作ります。紙のしわを顔のしわに生かせるので、老人のマスク向きでしょう。
おもちゃ売り場などで買えるお面に、羽毛を張り付けて作っていく鳥の仮面もあります。羽毛の上から絵の具で淹れるハイライトと、被ったときなじむよう、自分の目の周りにも色を塗っておくのがポイント。
ユニークなものだと、市販の頭蓋骨模型をつかったものも。こちらはプラモデルの部品などをうまく組み合わせ、個性的なデザインに作られています。
・小物で演出を
出典:本書で扱う特殊メイクは、傷や怪物的なマスクといった「闇」を感じさせるものが多くあります。その闇をより深く印象的に演出するには、それにあった衣装や小物が欠かせません。
身近な材料で作れるダークなアクセサリーの作り方も紹介されていますので、あわせて作ってみてはいかがでしょう。歯の生えた靴や悪魔をイメージした付け爪など、個性的な作品がそろっています。
アクセサリー類は市販のパーツをベースにして作っているものが多くあります。チャーム部分の色やデザインに手を加えれば、おしゃれ小物に応用もできますよ。
・これなら映画にも出られる?
出典:後半は顔や手の型どりをしてパーツを作る、本格的な特殊メイクが紹介されています。これと同レベルのものを作るには途方もない時間と労力と予算が必要になってしまいますが、読み飛ばすのはもったいない。全部はダメでも、部分的になら使えるところがあるかもしれませんから。
工業用ゼラチンを用意するのは無理でも、努力すればメイクだけでそれなりのゾンビになることもできます。
猫耳の作り方は、コスプレイヤーさんには有用な技術でしょう。
リアルな「怪物の手」の手袋をつければ、仮面だけよりもぐっと異形感が増します。
技術や予算は個人差があれど、本気の仮装をするならば、知識は多いに越したことはありません。
非日常に出てゆく機会のある方も、無い方も。
眺めるだけでわくわくさせてくれる一冊です。
参考元
- ・コンセプチュアル特殊メイク入門グラフィック社
当社は、本記事に起因して利用者に生じたあらゆる行動・損害について一切の責任を負うものではありません。 本記事を用いて行う行動に関する判断・決定は、利用者本人の責任において行っていただきますようお願いいたします。
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