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出典:amazon

2017/03/10
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悪意のどん底で、彼が向かい合ったのは。【死にぞこないの青】

担任の先生にいじめられている小学生が、極限の状況で出会った「アオ」という不気味な少年。アオは彼を、どこに導いてゆくのか。

目次

ほかのだれにも見えないけれど


自分にしか見えない人物がいる。

こういったシチュエーションにおいて、その人物はいったい何者でしょうか。
幽霊かもしれません。
もしくは、もっと得体のしれない、いわば妖怪や魔物の類かもしれません。

その少年は、それらに当てはまらないにもかかわらず、主人公だけに見えていました。

歪んでゆく教室


主人公のマサオは、いたって普通の男子小学生です。
スポーツは苦手で、漫画やゲームが好き。
しかしオタク気質とまではいかず、ちょっと引っ込み思案、程度で、登下校時におしゃべりする友達もいます。

新年度、これからもいつも通りの生活が続いていくと思っていたマサオでしたが、ひょんなことから担任の先生に嫌われてしまいます。

マサオの担任である羽田先生は、大学を出て間もない新任教師。
ですが大学でサッカーをやっていたということで、体育会系の児童から非常に慕われます。
文化系の児童たちも、おじさん・おばさん先生が多い中で、若くて快活な羽田先生によく懐きました。

しかしこの先生が、一見さわやかでいて陰湿極まりない。

「嫌われた」ことを皮切りに、羽田先生はマサオに対してだけ、悪魔になるのです。
それも、実に嫌なやり方で。

「マサオ君があくびをしたから授業を10分延ばします」
「マサオ君が今日の宿題をしてこなかったので、今日も宿題を出します」

先生は、マサオ以外の生徒があくびをしても授業を延ばしません。
マサオ以外の生徒が宿題をやっていなかった(あるいは、忘れていた)時のお咎めも、なしです。

羽田先生の悪意の矛先は、明確に、マサオに向かっていました。
そして、彼を虐げていくのは先生だけではありません。
いつの間にかクラスメイトはマサオと話をしなくなり、優しい子だな、と思っていたクラスメイトには足を引っ掛けられ、転ばされます。
犯人は「足が引っかかっちゃって、ごめん」と謝りますが、もちろん、その時の犯人には謝る気など到底なかったのでしょう。
しかしマサオは「偶然なんだな」と思うことにします。

これが悪意によるものだとしたら、余計に傷ついてしまう。
それを憂えての、本能的な選択だったのかもしれません。

そして現れる”アオ”


そうして、教室でマサオが浮いた存在になったころ、タイトルにもなっている「死にぞこないの青」が、ようやく現れます。

最初はマサオを遠くから見つめているだけなのですが、だんだんとマサオに近づいてきます。
間近で見る、彼のショッキングな風体ときたら。 

まず、顔。
頭髪と片耳はそぎ落とされたように無く、右目はふさがり、口はひもで縫い付けられているということですから、尋常ではありません。

上半身には拘束衣。下半身は下着だけ。
足はがりがりにやせ細っています。
これだけでも怖いですが、さらにダメ押しでもう一声。

マサオが彼を「アオ」と呼ぶのは、全身が真っ青であるためなのです。
全身の、すなわち肌が。
青白いわけではなくて、ペンキを塗りたくったような、本当の、青。

アオは誰だ


何度かアオを目撃し、マサオは考えます。
アオはいったい何者なのか。

異様な格好をしていても見た目は子供ですから、ひょっとしたら同じ学校の児童かもしれないと思い、マサオは周囲の子供たちに訊いてみます。

結果は惨敗で、誰もアオの存在を知りません。
生徒でもないうえ、そんなに変わった子供が校内にいたら、先生方が気付き、何か起こりそうなものですが、そんなこともありません。

だんだん近づいてくるアオは、ついに授業中、マサオの机のすぐ隣にまで現れます。
明らかに異質なものが、突然現れたにもかかわらず、クラスメイトも先生も、誰も何も言いません。

異常な状況に至ったマサオは、アオは自分の幻覚であるという結論を出します。

フラストレーションとカタルシス


もちろん、それで終わるだけの物語ではありません。

羽田先生の先導するいじめはますますエスカレートしてゆき、マサオは着実に疲弊してゆきます。
いったんは感覚が麻痺し、クラス中で嘲笑され続けるだけの生活でしたが、あるとき彼は気づきます。
 
こんなことがあっていいはずがない。

先生の決めた階級も、そのヒエラルキーで一番下にいる自分も、あってはならないことだと。
クラス中の悪意と不満のはけ口とされていたマサオがそれに気づいたとき、このところ姿を見ていなかったアオが現れます。

マサオはアオに問いかけました。

「きみは、僕なの?」

そこから、マサオとアオの”反撃”が始まります。

たかが小学生と侮るなかれ。
怒涛の攻勢に、きっとあなたも夢中でぺージをめくってしまうはずですよ。

参考元

  • ・死にぞこないの青幻冬舎

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