2005年から深夜アニメ放送枠としてスタートした「ノイタミナ」。こちらではいくつかの作品をピックアップし、この12年を振り返ってみたいと思います。
フジ系列による深夜アニメ枠「ノイタミナ」
「ノイタミナ」とは?
「ノイタミナ」とは、2005年4月よりフジテレビ系列にて毎週木曜日24:55から放送されている(※変動あり)、深夜アニメ枠の名称です。
この聞き慣れない言葉「ノイタミナ」=「noitaminA」とは、「Animation」=「アニメーション」のアルファベット表記を逆にしたもの。
そこにはアニメの常識を覆したい想いとともに、現実と非現実(TVとweb)を繋ぐことで日常に少しだけ変化を与える存在でありたい。
――つまり「ノイタミナ」とは、新しいアニメの在りかたを私たちへと提示してくれたのです。
その試みは挑戦的で、絵柄や物語の緻密さからアニメ化が難しい『ハチミツとクローバー』や『Paradise Kiss』など多くの少女漫画を、さらには水木しげるさんの『墓場鬼太郎』やBLコメディ『西洋骨董洋菓子店』などさえ同枠で放映されたことでも伺えるかと思います。
テレビアニメの新しい方向性を示すべく、2005年4月、フジテレビが”連ドラのようなアニメ”をコンセプトに設立した毎週木曜24:55からの深夜アニメ枠「ノイタミナ」。「ノイタミナ」とはアニメーションのスペル(Animation)を逆読みしたもので、「アニメの常識を覆したい」という想いから名付けられました。
「ノイタミナ」からの派生
その後TVを飛び出した「ノイタミナ」は、「ノイタミナムービー」として2015年から『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』や、伊藤計劃アニメ化「Project Itoh」三部作などを劇場用アニメとして公開。
ちなみに前後編で公開された『甲鉄城のカバネリ』は、TV版を再編集し“総集編”として上映された作品です。
また毎週木曜日22時頃に更新されるwebラジオ「ノイタミナラジオ」も、これら番組宣伝の一翼を担います。
こうして多くの人気作品を生み出してきた「ノイタミナ」は、アニメグッズを販売する「ノイタミナショップ」、劇中にて登場人物らが着ている衣装やアクセサリーなどを製作する「ノイタミナアパレル」などを展開。
さらにはフジテレビがあるお台場などで当該アニメとのコラボやイメージカフェを催したり、幾つものイベントへと参加し、その集客力を見せ付けました。
2005年~2007年
多くの少女マンガをアニメ化
この期間は少女漫画を主体にアニメ放映されました。
※<>内の数字は「ノイタミナ」放映作品順。
<1>『ハチミツとクローバー』
<2>『Paradise Kiss(パラダイス・キス)』…矢沢あいさんによるデザイナーの卵たちを描いた恋愛作品。
<3>『怪~ayakashi~』
<4>『獣王星(じゅうおうせい)』…樹なつみさんによるSF少女漫画。
<5>『ハチミツとクローバーⅡ』
<6>『働きマン』…安野モヨコさんによる仕事をテーマとした青年漫画。
<7>『のだめカンタービレ』
<8>『モノノ怪』
<9>『もやしもん』
『ハチミツとクローバー』シリーズ
記念すべき<第1作>となった『ハチミツとクローバー』は、2005年4月~9月まで全24話が放映。
その後2期となる<第5作>『ハチミツとクローバーⅡ』が2006年6月~9月までの間に全12話放映されました。
原作は『三月のライオン』など人気作を手掛ける羽海野チカさん。
物語は美術大学を舞台に、ヒロイン“はぐ”と彼女を取り巻く友人らが、恋や夢に思い悩む姿を描いた青春群像劇です。
2006年7月には嵐の櫻井翔さんや蒼井優さんらによる実写映画化。
そして2008年1月からは同フジテレビ系列にて、映画版キャストを一新したメンバーでのTVドラマ化もされました。
『怪~ayakashi~』&『モノノ怪』
日本の怪談を独自解釈し製作された、新しい形の和風ホラー作品。
<第3作>『怪~ayakashi~』は2006年1月~3月まで全11話が放映。
「四谷怪談」「天守物語」「化猫」の3話からなるオムニバス形式での物語です。
<第8作>『モノノ怪』は2007年7月~9月まで全12話が放映。
本作は『怪~ayakashi~』「化猫」の続編で、「座敷童子」など5つの怪異エピソードをオムニバス形式で描かれます。
また主人公である謎の行商人こと“薬売り”は、現在も多くの女性ファンから支持をされている人気キャラクターです。
『のだめカンタービレ』シリーズ
大人気となったドタバタ恋愛音楽漫画『のだめカンタービレ』は3度に渡りアニメ化されています。
1期<第7作>『のだめカンタービレ』は2007年1月~6月まで全23話。
2期<第13作>『のだめカンタービレ 巴里編』は2008年10~12月まで全11話。
そして最後となる3期<第18作>『のだめカンタービレ フィナーレ』は、2010年1月~3月まで全11話が放映されました。
また放映局であるフジテレビでは、前年となる2006年10月~12月まで月9ドラマ枠(実写化)で放映されたことで、当時は「のだめ」ブームを巻き起こした人気作品です。
2008年~2010年
新たな分野への開拓
2010年4月(<19>と<20>)から2015年までの間、2作品=1時間構成での放送枠となりました。
<10>『墓場鬼太郎』
<11>『図書館戦争』…有川浩さんの小説で「ノイタミナ」初の小説原作。
<12>『西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~』…よしながふみさんによるケーキ店を舞台にした物語。
<13>『のだめカンタービレ 巴里編』
<14>『源氏物語千年記 Genji』…「源氏物語」を原案とした作品。
<15>『東のエデン』…羽海野チカさんによるキャラクター原案とともに、「ノイタミナ」初のオリジナルストーリーアニメ。
<16>『東京マグニチュード8.0』…大地震をテーマにしたオリジナル。
<17>『空中ブランコ』…奥田英朗さんの短編小説が原作。
<18>『のだめカンタービレ フィナーレ』
<19>『四畳半神話大系』…主人公の一人称で展開される森見登美彦さんのシリーズ小説。
<20>『さらい屋 五葉』…オノ・ナツメさんの時代劇漫画。
<21>『もやしもん(実写ドラマ版)』
<22>『屍鬼(しき)』…小野不由美さんによる小説の漫画版を忠実にアニメ化。
<23>『海月姫(くらげひめ)』…東村アキコさんのラブコメ少女漫画。
『墓場鬼太郎』
<第10作>『墓場鬼太郎』は2008年1月~3月まで全11話が放映。
本作は水木しげるさん著書『ゲゲゲの鬼太郎』の貸本版が原作となっています。
実はこの時期フジテレビ系列では、日曜朝9時に『ゲゲゲの鬼太郎 第5シリーズ』も(2008年から)放送されていました。
鬼太郎の声は『墓場』が野沢雅子さん、『ゲゲゲ』が高山みなみさんが担当。
ちなみに「週刊少年マガジン」での連載当初は『墓場の鬼太郎』でしたが、アニメ化に伴い『ゲゲゲの鬼太郎』とタイトルが変更されています。
※貸本時代は『墓場鬼太郎』。
『もやしもん』アニメシリーズ&実写ドラマ版
ミクロの世界「菌」をテーマにした『もやしもん』は、その菌を肉眼で見ることができる主人公・沢木と、彼が通う農大の仲間との物語です。
第1期<第9作>『もやしもん』が2007年10月~12月まで全11話。
第2期<第36作>『もやしもん リターンズ』が2012年7月~9月まで全11話として放映されました。
こちらの作品は第1期と2期では、キャラクターデザインや音楽など様々な部分で担当が変わっています。
また2010年7月~9月には<第21作>『もやしもん(ドラマ版)』が放映。
アニメコンテンツとしてスタートした「ノイタミナ」枠では現在唯一の実写ドラマ作品です。
劇中にて登場するオリゼなどの「菌」は、前述したアニメ版OP同様にCGで描かれます。
さらに原作者も美里のモデルと認めたお笑いの「笑い飯」西田さんが、ドラマではその美里役を演じ話題となりました。
参考元
- ・参照リンク:ノイタミナ - Wikipedia
- ・参照リンク:ハチミツとクローバー - Wikipedia
- ・参照リンク:怪 ~ayakashi~ - Wikipedia
- ・参照リンク:のだめカンタービレ - Wikipedia
- ・参照リンク:モノノ怪 - Wikipedia
- ・参照リンク:もやしもん - Wikipedia
- ・参照リンク:ゲゲゲの鬼太郎 (アニメ) - Wikipedia
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