殺人の罪で刑務所に入ることになった、元芸妓の琴音とそこで待ち構える女囚たちのバトルを描く金曜ナイトドラマ「女囚セブン」を紹介します。この作品では、京都弁で啖呵を切る主演の剛力彩芽のキレのいい演技が好評です。また、脇役として「修羅雪姫」などの作品で知られる梶芽衣子が登場することも話題を呼んでいます。
「女囚セブン」のあらすじ
【花園女子刑務所】のテレビ画面の中では「女性受刑者はみな真摯に更生しようとしている。国民のみなさん、彼女たちを応援してください!」と法務大臣の内藤裕次郎が国会で語りかけます。
そして法務大臣がテレビの中で熱弁を振るうさなか、【花園女子刑務所】でサイレンが鳴り響きます。
サイレンのわけは、数いる受刑者の中でも巨体で“野獣”の異名を持つ山川まおが、刑務所からの脱獄を企てたのが原因でした。
この脱獄騒動で刑務所の中は騒然として、刑務官たちは山川を捕まえるために追いかけて行きますが、刑務官たちの前に巨漢の山川を軽々と背負った若い女が現れます。
ポーカーフェイスで愛想のかけらもないその女こそ、かつては京都の芸妓として活躍していた神渡琴音なのでした。
琴音は芸妓時代に仲間でもありライバルでもあった、雪乃殺しの容疑で【花園女子刑務所】に収監されることになったのでした。
そんな、琴音が刑務所の中で過ごす共同室の先輩として待ち構えていたのが、刑務所ナンバー1の情報屋の坂本奈津はじめとする一癖も二癖もある女囚たちなのでした。
こうして始まった琴音の刑務所生活ですが、無愛想な彼女への先輩受刑者たちからの攻撃が開始されるのでした・・・。
女優として新境地を見せる剛力彩芽!
「女囚セブン」で主役の琴音を演じるのは剛力彩芽です。
剛力彩芽というとショートカットが特徴の元気で明るい女の子というイメージがありました。
けれども、今回の演じる琴音は元々は京都の芸妓で、同じ芸妓仲間を殺した容疑で刑務所に入ることになるという役柄です。
しかも、琴音にかけられた仲間の芸妓殺しには複雑な事情がからんでいるのです。
事件の真相を解決するために、琴音は胸に強い思いを抱いていますが、そうした感情を隠すように普段は無機質な暗い表情をしています。
そんな琴音を、剛力彩芽はクールに演じています。
特に刑務所で彼女に攻撃を仕掛けて来る女囚たちに向ける、冷ややかな視線は凄みがあり、これまで彼女が演じてきた役柄とは全く違う印象を与えます。
また、琴音は自分と敵対する者たちへ、京都弁で勢いよく啖呵を切っていきます。
剛力彩芽の演技は、その京都弁のセリフの読み方にリズム感があって、しかもドスの効いた凄みもあるところが素晴らしいのです。
そして、巨漢の受刑囚を倒すところでは、腕っぷしの強いカッコよさも剛力彩芽は見せています。
そうした彼女の演技にはネット上でも高評価が寄せられて、女優として新境地を切り開いたと言えます。
琴音を待ち受ける一癖も二癖もある女受刑者たち①!
琴音が収監されることになった【花園女子刑務所】では一癖も二癖もある女囚たちが彼女を待ち受けています。
その中で橋本マナミが演じる矢島千鶴香は、元々は美容整形外科の看護師で、業務上過失致死の罪で服役しています。
そんな千鶴香ですが、一見すると美しい容姿をしていますが、実は全身にメスを入れた”整形美人”で、そうした負い目から美しい同性への嫉妬を隠せない性格なのです。
また、平岩紙が演じる津田桜子は見た目は柔和で優しそうな女性です。
けれども、そうした優しげな顔は表面的なもので、桜子はこれまでに遺産目当てに何人もの男性を殺害してきた悪女なのです。
トリンドル玲奈演じる市川沙羅は、“元ヤン”のあだ名を持つシングルマザーの受刑者です。
そんな沙羅は、ちょっとしたことでブチギレる自分の怒りをコントロールできない性格で、夫殺しの罪で服役しています。
琴音を待ち受ける一癖も二癖もある女受刑者たち②!
山口紗弥加が演じるのは、元々は政治家の秘書で、政治資金規正法違反及び詐欺罪で服役中の楠瀬司です。
登場する女囚たちの中でも一番ミステリアスな雰囲気を持つ彼女は、宝塚の男役のような凛々しい出で立ちから“ヅカ”のあだ名を持ちます。
安達祐実が演じる坂本奈津は、無銭飲食を繰り返して刑務所を出たり入ったりを繰り返す女囚です。
他の女囚たちが琴音にきつい態度をとるのに対して、奈津は刑務所でのルールや、他の女囚たちの情報を教えるなど優しく接してきます。
けれども、彼女の優しさの中にある暗い感情を琴音は一緒にいるうちに感じるようになります。
木野花が演じる平塚うめは、老老介護の心労の末、夫を殺してしまい服役しています。
他の女囚たちが、琴音に対して攻撃的だったり、探りを入れるような態度をとるのに、うめは我関せずと距離をとります。
また、彼女は日々の刑務所の中の労務を黙々とこなす模範囚だったりもします。
琴音を含める7人の女囚たちはいずれも一癖も二癖もあるだけでなくて、なにやら秘密を抱えています。
刑務所という閉鎖された社会の中での女囚たちのバトルがこのドラマの一番の見どころです。
衝撃だったゴキブリの入った丼の登場!
監獄を舞台にした作品の定番とも言えるのが、先輩受刑者が新入りをいじめるシーンです。
「女囚セブン」でもそうした先行作品同様、主人公の琴音に対して攻撃が仕掛けられます。
お世辞にも綺麗とは言えない汚い肥料が入った落とし穴に琴音が落とされる場面がそうしたいじめの典型的な場面だったりします。
その中でも、衝撃だったのがゴキブリがご飯の上に乗せられた丼が琴音の前に出されるシーンです。
普通なら気持ち悪くて吐きそうになるゴキブリ丼ですが、琴音は芸妓時代に辛い修行に耐えて、殺人事件の真相を解き明かすという覚悟も持っています。
そうしたこともあり、平然と表情も変えずにゴキブリ丼を平らげ、先輩からのいじめにも負けないという無言のアピールをするのです。
このように、女子社会の刑務所ならではの陰湿ないじめもこのドラマに欠かせない要素だったりします。
レジェンド梶芽衣子の粋なセリフ!
このドラマで、琴音の京都での芸妓時代の育ての親の置屋「一条」の女将・一条涼役で梶芽衣子が登場します。
普段は誰にも感情を見せることもない琴音ですが、刑務所の面会にやってくる一条涼にだけは心を開いています。
また、彼女は琴音が無実であることを信じて、塀の外からでありますが、琴音が目的を達成するための手助けをしようとします。
そんな一条涼役の梶芽衣子は、「女囚さそり」シリーズや「修羅雪姫」シリーズなどの女囚映画でヒロインをつとめたレジェンドとも言える女優です。
そして、「女囚セブン」の中では、一条涼が琴音と面会した場面で、琴音が歩む道、”それは修羅の道よ”という場面は「修羅雪姫」を思い出せます。
往年の女囚映画のファンも梶芽衣子を通して楽しめるのが、ドラマ「女囚セブン」なのです。
まとめ
「女囚セブン」は主演の剛力彩芽のこれまでの殻を破るような痛快な演技が見ものです。
また、刑務所という閉鎖された空間の中での、女囚たちの争いを描いた群像劇でもあり、琴音が自分にかけられ殺人事件の真相を解決するためのサスペンスとしての楽しもあります。
そして、脇役に名を連ねる梶芽衣子や安達祐実や山口紗弥加などの実力派キャストの演技の共演も見どころです。
このような要素が絡み合ったこのドラマは上質なエンターテイメントに仕上がっています。
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