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2019/03/13
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『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦』あらすじをネタバレありで解説!

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クレしん映画シリーズの傑作との呼び声も高い『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』。公開当時は従来の子ども向け映画に無かった斬新なストーリーと綿密な時代考証が話題になりました。 今回はそんな『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の内容をネタバレ込みで紹介します! 実写版映画の情報や作中の名言集も必見です。

目次

野原一家が戦国時代にタイムスリップ 

双葉幼稚園に通う「嵐を呼ぶ5歳時」野原しんのすけ。

彼が行くところは、いつも面白おかしい騒動が巻き起こります。

そんなしんのすけを含めた野原一家や、その周囲の日常を描いた人気アニメ作品『クレヨンしんちゃん』。

そんな『クレヨンしんちゃん』の劇場版10作目の作品にあたるのが『嵐を呼ぶアッパレ! 戦国大合戦』です。

しんのすけが戦国時代で出会うのは、芯が強い美しいお姫様や堅物な侍、さらには戦国時代の子どもたち。

しんのすけはそんな人々との出会いによって、笑い、考え、成長していきます。

しかし、その背後では命をかけた大合戦が巻き起ころうとしていたのです。

大合戦の結果は? 美しい姫の堅物な侍の恋の行方は? しんのすけたちは無事現代に帰れるのか? 

今回は映画のあらすじをネタバレ込みで解説するほか、実写版映画の情報や作中の名言も紹介していきます!

『クレヨンしんちゃん』映画「戦国大合戦」のあらすじ

「戦国大合戦」あらすじ① しんのすけが見た夢

ある日の夜、しんのすけは不思議な夢を見ました。

それは、綺麗な泉のほとりで、上質そうな和服を着た美しい女性がたたずんでいる夢です。

質感を伴ったようなリアルな感覚がする夢は、しんのすけの中にはっきり刻まれました。

翌朝、その夢のことを話すと、シロひまわりを含めた家族全員が「時代劇のような着物を着た美しい女性が、悲しそうな顔で泉のほとりにたたずんでいる夢」を見たというのです。

不思議な現象に首を傾げながらも、慌ただしい日常が始まっていきます。

幼稚園で友達と遊んで帰って来たしんのすけが見たものは、みさえに怒られるシロと、庭に深く掘られた穴でした。

みさえは、シロが勝手に穴を掘ってしまい、叱っても聞かないのだといいます。

普段は聞き分けの良いシロにしては珍しいことでした。

みさえしんのすけに「あんたシロの飼い主でしょ? 飼い主なら穴埋めといてね、ヨロシク」とシロと庭の穴を任せて家の中に戻ってしまいます。

しんのすけは文句を言いつつ穴を埋めることにしましたが、シロがそれを妨害してきました。

あまりにしつこく邪魔をしてくるので、しんのすけは童話の花坂爺さんの中にでてくる歌を思い出します。

「庭の畑でポチがなく。正直爺さんほったらば、大判小判がざっくざく」

きっと歌のような大判小判が出てくる、と期待したしんのすけは、シロと一緒にすごい勢いで穴を掘り始めます。

やがて高級そうな漆塗りの小箱を掘り当て、中を見ると、入っていたのは手紙でした。

ミミズがのたくったような汚い字に、しんのすけは素直に「うへぇ汚い字~」と感想を漏らします。

しかし、手紙の端にしんのすけが作ったオリジナルキャラクター「ぶりぶりざえもん」を見つけ、「これは自分が書いた手紙だ」と理解します。

掌を還して、手紙の字を「上手い字だ…」と褒めますが、同時に「こんな手紙を書いて、しかもこんなところに埋めた覚えはない!」と混乱してしまいます。

手紙は「天正2年の春日のお城にいる」こと、「とーちゃんかーちゃんに自分を迎えに来てほしい」こと、「春日の城までは車で着たほうがいい」こと、そして「超美人のお姫様がいる」ことが書かれていました。

超美人のお姫様と聞いて思い浮かぶのは夢で見た、泉のほとりにいた女性です。

しんのすけは、状況の不思議さにかまわずお姫様にもう一度会いたい」という思いで目を閉じました。

次に目を開けた時、しんのすけは夢で見た泉の前にいました。

さっきまであった自分の家はどこにも見当たりません。

不思議に思ってあたりを歩き回ったしんのすけは、なんと戦の真っ最中の戦場に迷い込んでしまったのです!

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ② 侍の命を救ったしんのすけ

庭の穴から小箱に入った手紙を見つけ、夢の中のお姫様に会いたいと願いながら目を閉じたしんのすけ

気づいたら全く知らない土地にいて、今まさに交戦中の合戦場のそばまで来てしまっていました。

時代劇の撮影かと思い、草地にひそむ銃兵たちに近寄ったしんのすけ

その銃兵が狙い撃とうとしていた武士こそ、ストーリーに深くかかわって来る井尻又兵衛だったのです。

青字に白い雲が描かれたのぼり旗を差し、青空侍とも呼ばれている又兵衛はこの時もたまたま空を見ていました。

狙い撃つには絶好のチャンスだったのです。

しかし、襲撃はしんのすけの乱入によって失敗します。

そのつもりはなくとも、結果的に又兵衛の命を救ったしんのすけは、又兵衛が仕えている春日城に招待されることになりました。

移動中、しんのすけ又兵衛から「春日部市という土地などしらないこと」「今は天正2年(1574年)」であることを聞かされます。

たどり着いた春日城で出会ったのは、夢で恋い焦がれた美しい女性、廉姫でした。

しんのすけは舞い上がり「夢で会ったよね?」と聞きますが、廉姫は(ちょうどお尻を出していたしんのすけに向けて)「そのような可愛いおしりは見たことがないな」と言います。

どうやら、しんのすけのことは知らないようでした。

一方、現代の春日部市の野原家ではいなくなったしんのすけを、ひろしみさえが探していました。

警察に連絡し、近所を探し回りますが見つかりません。

唯一残された手がかりは、漆塗りの小箱としんのすけの筆跡で書かれたあの手紙だけです。

ひろしは、唯一の目撃者だったシロに「しんのすけはどこに行ったんだ?」とすがるような気持ちで尋ねます。

するとシロは庭に深く掘られた穴を、また延々と堀り始めるのでした。

翌日、ひろしは図書館に行き「天正二年」というキーワードを頼りに史料を調べます。

本には「天正2年の戦で野原信之介とその一家が奮戦」と書いてありました。

ひろしにはそれが偶然とは思えません。

しんのすけは戦国時代にタイムスリップしてしまった。

その確信を抱き、みさえを説得して家の中にあるさまざまなものを片っ端から集めます。

手紙にあったように、用意した物すべてを車に詰め込み、無理な運転で庭の一部を破壊しつつ、しんのすけが消えた穴の上に車を停車させました。

【ネタバレ!】「戦国合戦」あらすじ③ 男の約束、金丁

しんのすけ廉姫の提案で、家族に迎えに来てほしいという内容の手紙を書いてました。

それをしんのすけが現れた泉の近くに埋め直せば、家族に届くのではないかと考えたのです。

出来上がったのは、野原家の庭の穴から出てきた内容と全く同じもの。

さらに、廉姫が用意してくれた文箱も全く一緒です。

手紙を書き終えると、廉姫から現代の恋愛はどのようなものなのか聞かれ、しんのすけは「現代では、お互いが好き合っていれば、身分も歳の差も関係ないんだよ」と言います。

どこか嬉しそうにそれを聞く廉姫でしたが、又兵衛が「別の世界の話であり、春日城の姫である廉様は城のためになる縁組をしなくてはなりません」とたしなめました。

廉姫は硬い表情で「大名の大蔵井高虎様から祝言の話が来ている」と明かします。

又兵衛は「大蔵井ほどの実力者との婚姻なら、春日の城も安泰です。」と返しました。

廉姫は硬い表情のまま、しんのすけ又兵衛を下がらせます。

そのあと、しんのすけ又兵衛は櫓の上にいました。

又兵衛はぼうっと青空を眺め、しんのすけの言葉もあまり聞いていない様子です。

そこでしんのすけ「本当は廉ちゃんのこと好きなんじゃないの?」とからかい交じりに聞くと、又兵衛は目に見えて焦ります

顔を真っ赤にし、汗をかきながら「そんなことはない!」と大きな声をあららげ、最終的には足をもつれさせて転んでしまうほど。

廉姫への恋心を見破られてしまった又兵衛は「誰にも言ってははならない」と、しんのすけに約束させます。

又兵衛しんのすけに小刀を渡し、武士の誓いである金丁(きんちょう)の儀を申し出ました。

鞘から刀を少しだけ出して、また鞘に戻すだけの簡単な動作。

しかし、非常に重い意味を持っているとしんのすけに説明します。

しんのすけも真剣な表情でこの儀式を行いました。

金丁を終えて櫓から下を見てみると、子どもたちが遊んでいます。

しんのすけが近寄ってみると、いつも通っている双葉幼稚園の友達たちの顔によく似ています。

実は彼らは、現代のしんのすけの友達たちの祖先

少々戸惑うことはあってもすぐに打ち解けると、子どもたちは秘密の場所にしんのすけを案内してくれると言います。

手紙を埋めることを後回しにして、子どもたちについていくことに決めたしんのすけ

しかし子どもたちが案内してくれた秘密の場所こそ、しんのすけがはじめてあらわれた泉のほとりだったのです。

そして泉には、馬をつれた廉姫がなぜか一人きりでいたのです。

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ④ 廉姫の恋心と戦の始まり

廉姫の後ろに数人の野伏(のぶせり)と呼ばれる当時のおいはぎがいることに気付き、しんのすけたちは姫を助けるために飛び出します。

しかし、帰りうちにあい全員が捕らえられて絶対絶命! その時、又兵衛が現れます。

又兵衛廉姫が襲われている様子に怒りを見せ、数人の大男を一瞬にして倒します。

しかし命をとることはなく、むしろ故郷に帰るためのお金を用意してあげたのです。

意気消沈した様子で帰っていく野伏たちを見送ったあと、廉姫又兵衛の手から血が出ていることに気付きました。

「草で切っただけだけだから気にしなくていい」と言う又兵衛に対し、廉姫は手ぬぐいを使って丁寧に手当を始めます。

幼馴染でもある2人の思い出にまで話が及ぶと、廉姫は想いが抑えきれなくなったように又兵衛に抱きつきました

又兵衛は緊張で顔を真っ赤にしながら「お戯れが過ぎます」と言って廉姫を引き離します。

気まずい雰囲気が漂う中、しんのすけたちは文箱を泉のそばに埋めます。

そして、ほんの少しその場の全員が目を離したすきに、エンジンがかかったままの車が、泉のすぐそばに現れたのです。

車の中には野原一家がいました。

ひろしみさえしんのすけを見つけると、すぐに中にへ引き入れ、何度も「(現代へ)戻れ戻れ戻れ!」と念じました。

しかし、車も景色も一向に変化を見せません。

戦国時代に来てしんのすけに会えたは良いものの、現代への戻り方が分からないひろしみさえは取り乱します。

そこで廉姫が「帰るところがないなら、一旦春日城に来れば良い」と提案しました。

ひろしみさえはありがたくそれを受け入れます。

春日城に向かう時、廉姫と子どもたちは車に乗り、又兵衛は馬でその後ろを追いかけることになりました。

車のスピードに馬がかなうはずはなく、出発してすぐに又兵衛廉姫の距離は離れていきます。

両者の寂しそうな顔が印象的に描かれました。

途中、又兵衛の人柄に惚れこんだ先ほどの野伏2人を仲間に加え、一行は出たときよりも大人数で春日城に戻ってきます。

城に着くと、春日城城主である春日康綱ひろしから「春日という国があったことや、大国に吸収されそうな事実が未来に伝わっていないこと。約400年後の未来には戦のない平和な世界が築かれていること」を聞きます。

どれだけ策を巡らしても春日という国が無くなり、そのあとに平穏な時代が訪れると知った康綱は、虚しさを覚え廉姫大蔵井の縁談を破談にすることに決めました。

ひろしはこの事態が大蔵井との戦に繋がり、図書館にあった本の通りに自分たちも戦に巻き込まれていくのではないかと不安な気持ちになります。

そして予感は的中し、康綱から縁談の断りの文書を受け取った大蔵井は、これを口実に春日を攻め落とすことを決めるのでした。

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ⑤ 大蔵井の卑劣な策略

大蔵井が攻め込んでくる知らせは春日城にも届き、城下町は避難の指示でもぬけの殻に。

家臣やその家族は城の中に逃げ込み、野原一家もその中にいました。

夜が明け、ほら貝の音とともに戦が始まります。

過激な戦況は城の中からでもよく見えます。

石や銃弾が飛び交い、春日城の柵が壊されて大蔵井の軍勢が攻め込んできたのを見ると、しんのすけは「おじさん(又兵衛)をお助けしなくちゃ」と城を飛び出します。

あわててひろしもそれを追いかけました。

矢や石や銃弾が飛び交う中、又兵衛に遭遇して応援の言葉を送った後、しんのすけは結局城に戻されます。

日が暮れたころ、その日の戦は一旦休止に。

大蔵井は軍議の席で「しばらく戦を続けた後で、和睦(争いをやめて友好をむすぶこと)を持ち掛けて春日国が乗ってきたところで裏切り、土地も女も奪いとる」という策略を立てているのです。

一方、又兵衛が率いる軍勢は翌日の早朝に敵陣に乗り込むことが決まりました。

それは、死を覚悟した出撃でした。

そして、混乱に乗じて、野原一家に車で泉まで逃げるように言います。

この時代と無関係の野原一家が、戦に巻き込まれる道理はないと考えたのです。

ひろしは史料から自分たちが戦に関わることを知っていたので「いいのかな…」と戸惑いますが、廉姫の後押しもあり、又兵衛の言う通りにすることに決めました。

いくらかのお金と薬、そして護身用の立派な刀を受け取り、野原一家は涙ながらに又兵衛と別れます。

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ⑥ 勝敗はどっち!?

翌日の早朝、晴天のもとで又兵衛が率いる軍勢は怒涛の勢いで敵陣に突撃します。

早朝に攻め込まれるとは思っていなかった大蔵井の軍勢は混乱し、戦線が乱れました。

その隙に、野原一家は春日城の門番に見送られ、城を出発するのでした。

そして、車が戦の様子が良く見える坂の上まで来たときに、しんのすけは呟きます。

「おじさん、大丈夫かな。お助けに行かなくていいかな」

しんのすけの言葉に、ひろしはぐっと胸を詰まらせます。

決断を迫る様に「ねえ、とうちゃん!」と強く呼びかけられた時、ひろしの心は決まりました。

一方、廉姫又兵衛に対する恋心を知っていた乳母の静止を振り切って、戦の様子が良く見える櫓まではだしで駆けていきます。

櫓の上で見た光景は、大蔵井の軍勢に分断されて、窮地に立たたされる春日の軍勢の様子でした。

息を詰まらせる廉姫でしたが、そこに、耳をつんざくようなクラクションの音を立てて、野原家の車が乱入してきます。

猛スピードで戦場を駆けまわる車の登場に、大蔵井の軍勢は取り乱し、形成が一気に逆転します。

車の中から手を振るしんのすけの様子に笑みをこぼしながら、又兵衛大蔵井の軍勢へ突撃! 

車は勢いを保ったまま、大蔵井の本陣に突入します。

城主の大蔵井高虎を見つけると、しんのすけは車を飛び出し「お前のせいで戦が始まったんだ!」と詰め寄ります。

その様子を見たひろししんのすけを守ろうと、刀を手に取って車外に出ましたが、実際に持っていたのは現代から持ってきたトレーニング器具です。

形が似ていたために間違えてしまったのです。

ひろしはトレーニング器具を持ったまま、大蔵井家家臣の真柄と対峙し、絶体絶命のピンチを迎え、そこにちょうど又兵衛が乗り込んできます。

又兵衛真柄は互いに名乗りを上げ、激しい打ち合いが始まりました。

混戦状態にある戦況の隙をついて、1人で戦線を離脱しようとした大蔵井の前にしんのすけが立ちはだかります。

しんのすけには、この戦の元凶である大蔵井が逃げ出すことが絶対に許せなかったのです。

怒った大蔵井は、しんのすけを切りつけようと刀を振り下ろしました。

それを受け止めたのは、又兵衛から預かった刀を持ったみさえです。

そして、ひろしが決死の思いでトレーニング器具を大蔵井の顔面に叩きつけます。

ふらふらとよろめいたところで、しんのすけ大蔵井の股間に頭突きをすると、大蔵井は叫び声をあげて倒れこみます。

大蔵井は気を失い、春日国の勝利が決まったのです。

真柄との対決を終えた又兵衛は、大蔵井の兜を外して首を取ろうとしました。

しんのすけ「コイツ悪いやつだけど、おじさんが強いの分かったからもう攻めてこないよ」又兵衛に首を切るのをやめるようお願いします。

一瞬考えた後、又兵衛は小刀を落としました。

勝ち名乗りをあげた又兵衛が持っていたのは大蔵井の髷

しんのすけの言う通り、首を取ることはしませんでした。

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ⑦ 永遠の別れ、しんのすけの涙

春日の軍勢が城に凱旋するとき、しんのすけ又兵衛と同じ馬に乗っていました。

又兵衛は「今回の戦で一番活躍したのはしんのすけだから、殿がきっと褒美をくださるだろう。何がいい?」と尋ねます。

しんのすけは少し悩んで「おじさんの小さい刀がいい!」といいます。

金丁に使ったあの刀であり、大蔵井の首の代わりに髷を切った刀でした。

又兵衛は、自分の刀なんかよりもっといいものを、殿がくれるだろうと断ります。

しんのすけは、櫓の上から手を振る廉姫を見つけました。

又兵衛もそれに気づいて頭を下げます。

廉姫が無事に帰って来た又兵衛たちの姿に安心して息をついた瞬間、鋭い銃声が響きました。

その音を不思議に思ったしんのすけが振り返ると、馬から落ちて道に倒れている又兵衛を見つけました。

異変を感じ取り、馬から飛び降りて駆け寄ります。

「撃たれたらしい」虚ろな様子で又兵衛は呟きます。

よく見ると、甲冑の胸の部分には銃痕の穴が空いていました。

動揺するしんのすけに、又兵衛は伝えます。

「儂はきっと、しんのすけと出会ったあの日に撃たれて死ぬはずだったのだ。しかし、しんのすけが助けてくれたことで、春日の国を守るための時間ができた。しんのすけはその時間を儂にくれるために未来から来たのだろう。役目も果たしたのだから、きっと帰れる」

段々力を無くしていく又兵衛の声に、しんのすけの目に涙があふれていきます。

又兵衛は腰の小刀をしんのすけに差し出し、「お前にやろう」と言いました。

小刀を受け取った時、又兵衛の目にもう光はありませんでした。

「お前の言う通り、最後にこの小刀を使わなくて良かった。きっと、姫様もそれを…」

それが又兵衛の最期の言葉です。

又兵衛の死に家臣たちは泣き叫びながら、大蔵井の軍勢に銃や槍を向けて撃った犯人を探します。

その勢いに、逃げ出しながら放り出していく大蔵井の兵の銃は冷え冷えとしていて、又兵衛を撃った銃も人間も見つかることはありませんでした。

【ネタバレ!】「戦国大合戦」あらすじ⑧ 廉姫の覚悟。又兵衛との約束

野原一家は現代に帰るために泉の前に来ています。

しんのすけは、ひろしみさえたちから離れて廉姫の隣に座り、彼女の言葉を聞いていました。

廉姫は今後誰にも嫁ぐつもりもないこと、春日の土地で生きていくことを語ります。

「おじさんのこと好きだった?」としんのすけが尋ねると、「あんなに好きな男に会うことは、もう二度とないだろう」と涙交じりの声で明るく言います。

その様子に思わず「あのね、おじさんも本当は廉ちゃんのことを…」と言いかけたしんのすけの言葉を、「もうよい、もうよいのだ。しんのすけ」と廉姫が遮ります。

涙を浮かべながら真っ直ぐ微笑む廉姫を見て、しんのすけはぐっと口を結びます。

又兵衛とした約束を思い出し、小刀を鞘から少しだけ出してしまいます。

「金丁」と小さく呟いた声は、静かに重たく響くのでした。

野原一家は車に乗り込み、廉姫と最後の挨拶を交わします。

来たときと同じように、車は一瞬で消えてなくなり、あとには廉姫だけが残されました。

シーンは現代へと戻って来た野原一家に映ります。

車内からあたりを見渡すと、そこは見慣れた家の庭でした。

無事に日常に戻ってこられたことに、安心しながら一家は車を下ります。

しんのすけがふと空を見上げたとき、そこには青空にぽっかりと浮かぶ白い雲がありました。

「おじさんの旗だ!」

又兵衛が背中に挿していた旗にそっくりな空に向かって、しんのすけは高々と小刀を掲げます。

戦国時代では、同じように廉姫が空を見上げていました。

「おい、青空侍」

空に向かって語り掛けた廉姫は、涙を浮かべながらも美しく微笑みました。

【ネタバレ考察!】又兵衛を撃った犯人は一体誰?

映画のラストシーンで又兵衛は銃で撃たれて死んでしまいますが、作中でその犯人が見つかることはありません。

しかし、又兵衛は誰が自分を撃ったか分かっていたようでした。

撃たれた後、彼はしんのすけに向かって「きっと、自分はしんのすけに出会ったあの日に(草むらの中に潜んでいた銃兵に)撃たれて死ぬはずだったのだ。」と言っています。

つまり、しんのすけがタイムスリップしてこなければ、又兵衛は春日と大蔵井の戦の前に死んでいたはずでした。

しんのすけに命を救われたことによって、又兵衛には春日や廉姫を守る時間が与えられました

役割を果たしたことで、又兵衛の役目は終わったのです。

彼を撃った犯人は「映画冒頭に出てきた名もなき雑兵」であり、どうしてそうなったかと言えば「又兵衛は元々死ぬはずだったから」だと言えます。

最後のシーンで又兵衛が死んでしまうのは、避けられないことだったのでしょう。

『クレヨンしんちゃん』戦国大合戦のリアルな合戦の描写

戦国大合戦が映画界の中で高い評価を得ている理由は、ストーリーはもちろんその合戦描写にもあります。

投石のシーンや長槍で叩き合うシーンが描写されているなど、普通のアニメ映画にも、これまでの時代劇にもなかなか見られないリアルな描写に、歴史ファンも驚いたほどの仕上がり。

監督の原恵一さんは『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の合戦描写に対して、アニメだからこそできた描写だと語っています。

礫(つぶて)と呼ばれる小石を投げたり、5~6mもある槍を役者に持たせて演技をさせたら、間違いなくけが人が出てしまう。

そのため、映像の描写で見せるアニメ映画は、原監督にとって戦国時代を詳細に表せる絶好の舞台だったのです。

かなり細かい時代描写と子ども向けアニメ映画としては異例のラスト

それを叶えたのは『嵐を呼ぶモーレツ! 大人帝国の逆襲』を大ヒットさせ、その下地があったからこそだと原監督は明かしています。

「戦国大合戦」に登場するキャラクター紹介!

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野原しんのすけ(矢島晶子)

通称・嵐を呼ぶ5歳児。

わんぱくでやんちゃ、きれいなお姉さんが大好きな、友達思いの優しい男の子です。

野原ひろし(藤原啓治)

35歳。双葉商事に勤める会社員で係長。

うだつはあがらないが、ここぞというと気に父親らしさと漢気を見せるキャラクターです。

野原みさえ(なはらしみき)

29歳。野原家の専業主婦。

節約家でぐうたらなところもあるけれど、しんのすけとひまわりを時に優しく時に厳しくそだてるお母さんです。

しんのすけのいたずらに疲れることもしばしば。

野原ひまわり(こおろぎさとみ)

まだ0歳のしんのすけの妹で、イケメンと宝石が好きな赤ちゃん。

赤ちゃんながらに頭が良く、たまにしんのすけと喧嘩をしています。

シロ(真柴摩利)

野原家の飼い犬で、つぶらな瞳ともこもこの白い毛がチャームポイントのキャラクター。

しんのすけの友達でもあります。

春日廉(小林愛)

春日城のお姫様。ある晩に何故か、野原一家の夢に出てきました。

凛とした姿と性格が美しく、お城の家臣たちにも慕われています。

家臣であり幼馴染の井尻又兵衛に恋をしています。

身分の差を超えて、又兵衛と結ばれることを願っています。

井尻又兵衛由俊(屋良有作)

堅物で独身の武士。

実力者であり、その人柄とともに部下から信頼されています。

しかし、戦中にもぼうっと青空を見てしまうことや、背中に挿した旗が青空なことから「青空侍」と呼ばれています。

実は廉姫に思いを寄せていますが、身分の差を理由に結ばれてはいけないと思っています。

大蔵井高虎(山路和弘)

この映画における悪役です。

廉姫を嫁として嫁がせることを要求していましたが、それを断られたことを口実に春日城に攻め込んできます。

映画『クレヨンしんちゃん』に雨上がり決死隊宮迫・蛍原も出演?

クレヨンしんちゃん映画恒例の、芸能人からのゲスト声優枠に、雨上がり決死隊のお2人が参加しています。

その役どころは、廉姫を襲って又兵衛に返り討ちに合った野伏(のぶせり)のうちの2人、儀助と彦蔵です。

野伏のリーダーだった儀助を宮迫博之さんが、おおがらで金棒を振るう儀助を蛍原轍さんがつとめています。

のちに又兵衛の家臣になり、映画終盤まで出番があるキャラクターたちでした。

廉姫を襲い、しんのすけたちを追い詰めた悪辣さ、そしてラストの演技は、芸人さんとは思えないほどの迫力

誰かから聞いて初めて雨上がり決死隊のお2人が演じていることに気付いたという人もいるほどです。

「戦国大合戦」それぞれの想いが詰まった名言を紹介!

「しんのすけのいない世界に未練なんてあるか? みさえが嫌だったら、俺一人でも行く。」(野原ひろし)

しんのすけが戦国時代にいると確信したときの、ひろしのセリフです。

子を想う親の気持ちがひしひしと伝わってくる、この映画の代表とも呼べる名セリフです。

「わかったわよ、私も行くわよ。しんのすけに会えるなら、戦国時代でも何処へでも行ってやろうじゃないの!」(野原みさえ)

上記のひろしの言葉にみさえが返したセリフです。

それまでタイムスリップに対して及び腰だったみさえが、自分を奮い立たせたシーンです。

「誰が誰を好きになっても自由なんだから」(野原しんのすけ)

廉姫に思いを寄せていることを恥じ入る又兵衛へ向けたセリフ。

戦国時代の価値観に対し、しんのすけは現代の感覚で軽く返します。

又兵衛も、現代の恋愛くらい自由だったらどれほど良かっただろう、と考えたでしょう。

「死ぬことだけが、武士の道ではありませぬぞ。」(吉乃)

又兵衛が、大蔵井の軍勢に決死の奇襲をかけることを明かしたシーンで、廉姫の乳母である吉乃が言ったセリフです。

壮年で独身であるにも関わらず、危険な作戦をためらわずに行おうとしている又兵衛に対し、同じように思ったファンも多いはず。

「戦国大合戦」実写映画『BALLAD 名もなき恋のうた』

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2009年に『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』をもとにした実写版映画『BALLAD 名もなき恋のうた』が公開されました。

キャストには廉姫役で新垣結衣さん、又兵衛役で草彅剛さんなどの豪華俳優陣を起用し、興行収入は原作の13億円を超す18億円を記録するヒットとなりました。

監督は「『クレヨンしんちゃん』の時にあった雰囲気を大事にしつつ、又兵衛と廉姫の恋愛に焦点を当ててストーリーを展開することで、また違った良さを追求した」と語っています。

映画ファンからも「廉姫と又兵衛の想いに感動した」「タイムスリップしてきた一家との心の交流が見事だった」「戦国時代が描かれているその映像美に魅了された」など、高い評価を獲得していました。

主題歌は廉姫の気持ちを表現

『BALLAD 名もなき恋のうた』の主題歌は、映画のタイトルと同じ『BALLAD 名もなき恋のうた』です。

映画『レッドクリフ』の主題歌を手掛けたこともある中国出身の歌手、alanさんによって歌われ、その澄んだ歌声は切なくも美しい映画の雰囲気をよく表していました。

監督はこの歌に対し「廉姫の気持ちを歌ってもらいたかった」と語っており、監督の思い通り、廉姫の切実ながらも優しい祈りの気持ちが込められた曲に仕上がっています。

映画の魅力もさることながら「悲しいだけではなく、前を向くための悲恋」を歌い上げた主題歌にも注目です。

『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』まとめ

『クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶアッパレ戦国大合戦』について、あらすじや名言、実写版映画情報に関する情報をまとめてきました。

クレしん映画は、現在27作の映画が作られていて、2019年版の最新映画も公開間近。

世代を超えて愛され、普段クレヨンしんちゃんを見ない人でも楽しめる名作映画。

1度見れば、その魅力にハマってしまうこと間違いなしです! 

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