『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに登場する人型兵器「エヴァンゲリオン」。そのプロトタイプ、原初のEVAと言っていい機体が「エヴァンゲリオン零号機」でした。感情に乏しいヒロイン・綾波レイの愛機である零号機は、パイロットの想いと共に、作中の随所で重要な役割を担っていきます。これから劇場版最終章を控える中で、今一度その活躍を振り返ってみましょう。
「エヴァンゲリオン」ってそもそも何?
出典:amazonエヴァンゲリオンとは、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』および『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズに登場する架空の人型兵器です。その体は機械ではなく人工的に作られた体組織でできていて、作中でもロボットではなく「人造人間」として扱われています。
操縦は「エントリープラグ」と呼ばれるコックピット一体型の脱出カプセルを脊髄に打ち込み、プラグ内を満たす「L.C.L」と呼ばれる液体を通して、神経伝達によって行われています。操縦というよりは一体化という表現が近く、その精度を表す値として「シンクロ率」という数値を常に気にして戦うのが特徴となっています。
基本的には電力で稼働し、たいていの場合は「アンビリカルケーブル」という電力供給線を繋いだまま戦います。ケーブルが邪魔になったり、ケーブルの範囲外で戦わなければならない場合、内部電力で1~数分の活動が可能です。
しかし本来は生命体であることから、電力の供給なしに活動してしまうこともあります。多くの場合それは「暴走」と呼ばれる状態であり、そうならないようにパイロットはシンクロ率を高め、エヴァンゲリオンを自分の支配下に置かなければなりません。また全身を覆っている鋼の装甲も防具であると同時に、暴走を押さえつけるための拘束具としての役割を果たしています。
エヴァンゲリオン零号機とそのパイロット
出典:amazon「エヴァンゲリオン零号機」は、「零」の名の通り数あるエヴァンゲリオンの中でもプロトタイプ(試作機)に位置づけられる機体です。拘束具の山吹色はその表れでしょう。シルエットは人間そのものですがヘッドギアはモノアイで、ギリシャ神話のサイクロプスのような、どちらかと言えば化物じみた印象を受けます。
もともとは稼働実験のために作られたものであり、実際に戦いに投入する意図はありませんでした。それもパイロットである綾波レイの起動実験の際に暴走してしまい、緊急停止後に凍結状態にされていました。
しかし使徒との戦いが激化したことでEVAの複数投入の必要性に迫られ、凍結を解除。戦闘用に再整備。ウェポンラックなどを増設した「零号機・改」として運用されていくようになります。
パイロットはヒロイン「綾波レイ」
出典:amazon凍結解除後のパイロットは、実験時から引き続きファーストチルドレンである綾波レイが引き受けます。再起動の際には安定したシンクロ率を見せ、碇シンジとエヴァンゲリオン初号機のパートナーとして、多くの戦場を共にすることになりました。
――私が死んでも代わりはいるもの。
そんな彼女の名台詞はテレビ版第拾九話でのことですが、この想いを抱いた彼女の戦いは常に自己犠牲を厭わないものでした。時にはシンジの盾になり、時には自爆特攻すらも躊躇をしない。そんな戦いに晒された零号機も、常に傷が絶えない状態であるのが何よりも印象的です。
エヴァンゲリオン零号機の装備
出典:amazon「エヴァンゲリオン零号機」は起動実験用ということもあり、そもそも武器を装備する構想がありませんでした。そのためウェポンラックを流用したEVA汎用装備での戦いが基本となっています。
高振動で切り裂く「プログレッシブ・ナイフ」の他は「パレットライフル」や「スナイパーライフル」など後衛火器を扱うことが多いようです。また一品ものの共通装備として「EVA専用改造陽電子砲(ポジトロン・スナイパー・ライフル)」や「ロンギヌスの槍」そして「N2爆弾」を使用した実績もあります。
専用装備としては「耐熱光波防御盾」が挙げられます。これは宇宙輸送船の船艇技術を流用したもので、表面を覆う超電磁コーティングによって使徒のビームを十数秒ながら耐えられる設計となっています。第5使徒(新劇場版では第6の使徒)・ラミエル殲滅作戦である「ヤシマ作戦」で、射撃姿勢から動くことができない初号機を守るために使用されました。
エヴァンゲリオン零号機の活躍 私が死んでも代わりはいるもの
エヴァンゲリオン零号機はプロトタイプという位置づけながら、作中では2番目の登場となるEVAです。暴走の実績からNERV職員の中でも禁忌のような存在であり、現存していたのも「廃棄のために封印を解かなければならないのが嫌だったから」と推測されます。その結果として活躍の日の目を見ることになったと考えたら、凍結封印はベストな判断だったと言えるでしょう。
零号機の扱いに関しては、テレビ版と新劇場版とで大きな違いはありません。細かいエピソードの差などはありますが、おおむね歩む未来も変わりません。それはパラレルワールドとされるエヴァンゲリオン世界の中で、搭乗者の綾波レイという存在の意義が変わらないからとも取れるでしょう。
テレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』での活躍
出典:amazonテレビ版『新世紀エヴァンゲリオン』において、零号機は「ヤシマ作戦」成功のために封印を解かれることとなっています。
同作戦で初号機の盾となって大破した後は、予備パーツを流用して修理・改修。その際にテスト機カラーだった拘束具の山吹色を青色に変更されています。おそらくは綾波レイのイメージカラーに合わせた調整でしょう。
改修後はしばらくシンジと初号機のパートナーとして実践を共にしますが、第14使徒ゼルエルへ「N2爆弾」による特攻を行うなど大小さまざまな破損を受け続けます。
最終的にはこれまでにない強さを持った第16使徒アルミサエルを撃破するために自爆の道を選び、完全に破壊されました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズでの活躍
出典:amazon『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』においても、「ヤシマ作戦」までの扱いはテレビ版と大きく変わりません。ただし作戦後の改修でのカラー変更が行われず、最後まで山吹色のテスト機カラーのまま使用されることになりました。
その後も襲来する使徒の違いこそあっても、初号機のパートナーとなる点は変わらず。しかし『新劇場版:破』で第10の使徒となったゼルエルとの戦いが運命を大きく変えてしまいます。
ゼルエルと対峙することになったレイと零号機は、テレビ版同様に「N2爆弾」による特攻を遂行。ゼルエルの機転により効果がないところまで同じながら、この自爆により零号機は活動停止状態に追い込まれてしまいます。ゼルエルは動けなくなった零号機を綾波ごと捕食。身体に取り込むことで「EVA化」し、友軍信号を発することでジオフロントのセキュリティを突破しようとしました。
結果として覚醒した初号機の力によってゼルエルは食い止められますが、今度は零号機ごと初号機の中へと取り込まれてしまいます。テレビ版のような華々しい最期ではないものの、その存在は消滅することとなりました。
エヴァンゲリオン零号機の『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||』での活躍は?
出典:amazonエヴァンゲリオン零号機は『新劇場版:破』で最期を迎えたということもあり、最新作『シン・ヱヴァンゲリヲン劇場版:||』での登場の機会はないのではないかと考えられています。『新劇場版:Q』において外見がそっくりの「エヴァンゲリオンMark.09」が登場しましたが、これは見た目やカラーリングが似ているだけで全くの別物でした。
しかしながらテレビ版と違って完全に破壊されているわけではなく、初号機に使徒ごと吸収されているという状況です。今後、おそらくは初号機の活躍が鍵になっていく中で、綾波レイと共に零号機が何らかの役割を果たす可能性も十分にあるでしょう。
今回こそ、物語の最後までシンジと初号機の力になってくれるかもしれませんね。
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