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2019/04/08
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学校という異空間【恐怖箱 学校怪談】

学校が恐怖のるつぼと化してしまうホラー作品は少なくありません。 学校には、怖いものが集まる磁場でもあるのでしょうか。 おはなしも……本物も。

目次

・やっぱり怪談が好き

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学校は、怪談の宝庫です。
そもそも子どもは怖い話が好きですよね。児童書コーナーに「こわいはなし」の本が少なからずあるのはお約束です。

ワクワクしながらその手の本を開いたけれど、読み終わった夜には一人でトイレに行けなかった……という方もいるのではないでしょうか。

その中でも、子どもたちに身近な空間であるためか、学校の怪談を中心にした本は多くあります。中には、実際に子どもたちが見た・聞いた怪談の投稿でできている本もありました。

昔、友達と怖い話に興じたり、こっくりさんを試したり、肝試しに行ってみたり……という経験を持つ方も少なくないでしょう。

しかし、実際にあって、なおかつ本当に怖かった話となると、そんなにないのではありませんか?
本書では、胸に突き刺さるような「実話怪談」をお楽しみいただけます。

・得体のしれない何か

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学校の七不思議では、現象だけではなく、きちんと名前がついているものも少なくありません。例えばトイレの花子さん。例えばテケテケ。

名前がついていなくても、人体模型や骨格標本が動くのはお約束。しかし実話怪談では、よくわからないからこそ怖いものもあります。

一番初めに収録されている「ぐるぐる」はその好例です。特に用事もないけれど、教室に居残っていた男子3人。下校時間のチャイムが鳴り、慌てて帰り支度をして教室を飛び出したところまではよかったのですが、そのうちの一人が隣のクラスに妙なものを発見します。

それは机の上にいて、シルエット自体は正座した大人のものでした。そもそもこんな時間にぽつねんと1人で、机に座っているという時点で気持ちが悪いです。

しかもそれは塗りつぶしたように真っ黒で、ぐるぐると上半身を回しているのです。かなり激しい動きでしたが、物音はせず、机も揺れません。

これはお化けだ。そう直感した男の子たちは一目散に走り出しました。胸が破けそうになるほど走って、走って、誰からともなく立ち止まって息を整えながら、あの「お化け」について話し合います。その日は何事もなく帰宅できたのですが、その後はテンプレート通りの怪事が起こります。
 
週明けの全校朝礼で伝えられたのは、児童の死。亡くなったのは、あの「ぐるぐる」が座っていた席の子でした。3人は不安になります。あのお化けを見た自分たちは、大丈夫なのだろうか?

テンプレート通りだから、怖くないと思ってもらっては困ります。多用されるからこそのテンプレート。王道の怖さを、しっかりと味わえる一篇です。

・学校ならばどこだって

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学校怪談というと、漠然と小中学校をイメージしがちです。しかしそれ以外の「学校」にも、怪異は潜んでいました。

ある地方大学の9階女子トイレには幽霊が出るという噂がありました。10年前、実際に女子生徒がそのトイレで自殺するという事件が起きていたので、それを受けてのものでしょう。

その話題になったとき、そういえば一度もあのトイレは使ったことがないという話が出て、1人の女子生徒が興味本位でそこに入ってみることにしました。
その翌日から、早速異変が起こりだします。

例のトイレに入った女の子が、その9階のトイレ以外を使わなくなってしまったのです。そこからは遠い教室ももちろん多いわけで、わざわざそのトイレを使ったがために授業に遅刻することが多発しました。

お手洗いに行ってくるといって、最寄りのトイレではなく9階まであわてて向かっていく彼女を不審に思って問いただしても「あそこじゃないと都合が悪いから」とあいまいな答えとあいまいな笑みが返ってくるばかりです。

彼女はどうして、9階のトイレにこだわるようになってしまったのでしょうか。2段構えの本編の、後半でその真相が語られます。

・あんな人も、やってくる

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学校怪談での怪異は、その学校にゆかりのあるものがほとんどです。かつて在学中に亡くなった生徒や、肖像画、銅像などの学校の設備。学校ができるまで墓地だった、というのも定番ですね。

しかし学校で起きるからといって、そのすべてが学校に関係のある怪異だというわけでもなさそうです。

体験者である女生徒は、ある日教室の後ろに女性がいるのに気づきます。授業参観の日でもないのに、大人の女性がうつむいて立っているのです。

しかも、彼女の風体はとても普通ではありません。パジャマに裸足で、髪を振り乱し、いわゆる「危ない人」なのではないかと思われました。

しかし、その女性は体験者以外には見えていないようなのです。生徒たちはもちろん、教室を見渡す位置にいる先生も、女性には一切の反応を示さず普段通りに授業は進んでいきます。

見間違いではないかと思う体験者でしたが、念のためもう一度確認してみようと後ろを振り返ると、今度こそ悲鳴を上げそうになりました。

あの女性が、今度はすぐ後ろにいたのです。
女性は近くの席に座っている男子生徒に何事かをささやきかけています。男子は見えても聞こえてもいないようで、何の反応もしません。

しかし話し終わったらしい女性が男子の肩をぽん、と叩くと、彼は突然立ち上がり教室から走り出していってしまったのです。

そんなことをするようなたちの子ではなかったので、クラスは騒然。さらに彼はそれ以降、学校に来なくなってしまいました。 

被害者は1人にとどまらず、またパジャマの女性が話しかけて肩を叩くと、生徒が教室から逃げ出してしまいます。やはり、誰も女性には気づきません。

決死の覚悟で先生に相談しに行く相談者でしたが、パジャマの女性の正体は、意外なところにあったのです。

・いつまでも、先生

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学校怪談の恐怖というのは、ときに卒業してからも追いかけてくるようです。

同窓会で、久しぶりに集まったクラスメイトと担任教師。当時から素行が悪く、クラスでも浮いていた体験者二人はなまぬるい目でみんなの盛り上がりを眺めていました。

酔いも回ってきて、感極まった先生が「願わくば、もう一度教壇に立って君たちを教えたい」と言えば、元生徒たちも感涙にむせび、当時の学級委員長が「機会があれば、僕もまた先生に教えてもらいたい」と先生の手を握れば、我も我もと元生徒たちが押し寄せて感動の1シーンとなりました。

しかし体験者二人はわれ関せず。その態度に、ほかのクラスメイト達も彼らを無視します。彼らが楽しそうに2次会に繰り出すのを尻目に、体験者たちはそさくさとキャバクラへ向かいました。

これで終わっていれば怖くもなんともないお話です。事態が進展するのは半年後。

担任の先生はがんで亡くなり、彼の幽霊が出るといううわさ話が出回り始めました。当時よく着ていたダークグレーの背広に身を包み、3年生の教室で教壇に立っているとか。

熱心な先生だと感心するのはここまで。
授業をするには生徒が必要です。その生徒、さあ、どうやって集めましょう?

・子どもの国は不思議の国

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自分が通っていた学校にはこんな話があったとか、友達がこんなものを見ただとか、肝試しで出たあれは本当に同級生の仮装だったのかとか……子どものころに触れた不思議な話、奇妙な体験を思い出した方もいるのでは?

子どもの世界には、大人の世界よりもたくさんの不思議があったように思います。怖い不思議も、楽しい不思議も。だからこそ子供たちは、不思議な話を大人よりもいっそう欲しがるのかもしれないですね。

あなたの世界も、昔は不思議がたくさんありましたか?

参考元

  • ・恐怖箱 学校怪談竹書房

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