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出典:amazon

2020/05/16
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ネタバレあり!映画「秒速5センチメートル」はどうして切ないのか?

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新海誠監督の切ない恋愛アニメ映画「秒速5センチメートル」をネタバレ込みで紹介。 あらすじから主題歌の「One more time, One more chance」まで映画の見どころを掘り下げていきます。

目次

最近、胸にぽっかりと穴を開けたことはありますか?
もし、その感覚を味わいたいという人にぴったりの映画があります。

人気映画『君の名は』を手掛けた、新海誠監督の代表作『秒速5センチメートル』。
監督の名を世間に知らしめた作品です。

数多くの人たちの心をえぐりさった、悪名高い作品でもあります。
切ない恋物語と相まって、その映像美は見る人を魅了します。
作品の中には、新宿駅といった実際にある日常の風景が描かれています。
もしかしたら、普段目にしている光景があるかもしれません。

そういった身近に感じる風景と、現実はやっぱり甘くないという感覚を
味わうことができる一本になっております。

これから見る方、もう見たことがある方に向けて、
いかに切ない映画であるかをネタバレ込みで徹底解説します。

あらすじ『秒速5センチメートル』3話でつむぐ失恋の物語

第1話/桜花抄「ねぇ、なんだかまるで雪みたいじゃない」

桜の舞う風景をそんな風にたとえる少女。第1話のヒロイン、篠原明里です。 そんな彼女の隣で一緒に桜を眺める主人公の遠野貴樹は、 明里の例えにピンときていない様子。

桜花抄では、このふたりの出会いと別れが描かれています。 小学4年生のときに明里が、東京の学校に転校してきました。 親の転勤で転校する機会の多かったふたりは、似た者同士だったのですぐに仲良くなります。 暇さえあれば、一緒に同じ時間を過ごす間柄。

そんなふたりの関係に、変化をもたらす出来事が起こります。 明里が小学校を卒業したら、栃木へ転校してしまいます。 中学にあがってからは、文通を通じて明里との交流を続けていました。 しかし、そんな日々も長くは続きません。 今度は貴樹の転校が決まります。場所は種子島。鹿児島にある島のひとつです。

もう会うことができないと悟った貴樹は、 最後に明里のもとへ会いに行くことを決心します。 明里への思いをしたためた手紙を携えて。 約束当日、貴樹は明里の待つ岩舟駅へと向かいます。 豪徳寺駅から岩舟駅まで何度も乗り継ぎをして、 2時間半以上の長い道のりをひとり、旅します。

しかし、ふたりの約束を阻むように雪が強く降り始めます。 約束の時間は19時。容赦なく貴樹の乗る電車を大幅に遅らせます。 ようやく岩舟駅に到着しますが、すでに約束の時間を超えて23時過ぎ。

貴樹は電車の中で、明里が帰ってくれているようにと願っていました。 しかし、駅の改札を出るとそこには、明里の姿がありました。 大きな桜の木の下まで行き、ふたりは自然と唇を交わします。 それを境に貴樹は、これからの未来を悟ります。 ふたりで過ごしていくことは、この先許されないことを。

結局ふたりは、自分たちの気持ちをつづった手紙を渡すことなく、 第1話の幕が閉じます。

第2話/コスモナウト「もし自分に犬みたいな尻尾があったら、きっとぶんぶんと振ってしまっていたと思う」

舞台は種子島に移ります。
コスモノウトの主人公は澄田花苗。
東京から種子島に転校してきた貴樹に恋するサーフィン少女です。

高校卒業まであと半年。花苗は悩みます。
波に乗れないこと。将来の進路のこと。そして、貴樹に寄せる恋心。
残された時間の中で、どうにか解決していかないといけません。

そんな多くの悩みを抱える彼女が楽しみにしている時間が、
貴樹と一緒に過ごす帰り道です。
いつも立ち寄るコンビニで、いつもの飲み物を買って、
なんてことのない会話をして帰宅する。
何気ないひとときが、花苗にとって大切な時間でした。

しかし、そんな日々もずっとは続かない。
迫りくる別れのときまでに、はっきりさせないといけません。
この状況を打開するために打ち立てた、
彼女の目標が「波に乗れたら告白をする」。

波にもまれ必死にもがくも、うまくいきません。
学校では先生に進路をせかされますが、その答えも見つかりません。

そんな、ついていない一日の終わりに転機が訪れます。
これからの不安について、貴樹に話します。
その会話の中で、貴樹自身も迷いがあり余裕がないことを花苗は知ります。
悩んでいるのは貴樹も同じなのだと、勇気が湧いてくる花苗。
吹っ切れた彼女は、半年ぶりに波に乗ることができました。

このときを逃したら、もうチャンスはない。
その日のうちに告白を決意します。貴樹と一緒に家路に着くふたり。
そんな中、空にはロケットがまっすぐ打ちあがります。
貴樹と一緒に同じ光景を眺めます。
しかし、そこで花苗は気づいてしまいます。
貴樹は自分のことを見てはいないのだと。

失恋しても貴樹を好きという思いを抱えながら、
花苗が眠りにつくシーンで第2話は幕を閉じます。

第3話/秒速5センチメートル 「いま振り返れば、きっとあの人も振り返る」

貴樹と明里が大人になった世界。桜が舞い散る東京。

ふたりはそれぞれの道を歩んでいました。
貴樹は仕事に忙殺されたすえに、会社を辞めてしまいます。
そして、心のすれ違いから3年間付き合ってきた彼女の水野理沙に、
別れを告げられてしまいます。

一方で結婚を控え、東京へ引っ越す準備をする明里の姿があります。

ふたりは昔の夢をたどって、幼い頃の自分たちを振り返ります。
まだ少年少女だった昔の自分の姿を。最後にふたりが出会ったあの雪の日の夢を。
もう一度ふたりで桜を見られると信じて疑わなかったあの頃を。

踏み切りで貴樹が、ひとりの女性とすれ違います。
その人は明里に違いない。
遮断機が下り電車がふたりを遮ります。

主題歌とともに、これまでふたりが過ごしてきた日々が映し出されます。

最後、電車が踏み切りを通り過ぎる瞬間。
貴樹が振り返った視線の先には誰もいません。
どこか寂しさを感じさせる柔らかな表情を浮かべ、
前へ一歩踏み出す貴樹の姿で物語は幕を閉じます。

心に響く切ないセリフたち

アニメ映画『秒速5センチメートル』は繊細な映像美だけでなく、
まるで小説を読んでいるかのようなセリフがちりばめられています。
それぞれのキャラクターごとに代表的なセリフと、
その声を演じるキャストさんたちを紹介します。

・「ぼくたちの前には未だ巨大すぎる人生が、茫然とした時間が、どうしようもなく横たわっていた」遠野貴樹

桜の木の下で、初めて明里とキスをしたときの心境。
中学生なのにこの達観ぶりには、恐れ入ります。
しかし、いまの自分にはどうすることもできないという
気持ちや状況が、ありありと伝わってきます。
これを乗り越えて、ふたりが生きていくのは現実的に不可能。
まさに自分たちの運命を受け入れる、歯がゆく切ないワンシーンです。

貴樹役は、数々の映画やドラマに出演している水橋研二さんです。
監督は、はじめからキャスティングの段階で水橋さんを推していたとか。
また少年時代から大人時代まで対応できる声の持ち主であったために、
貴樹役に選ばれたようです。

・「来年も桜、一緒に見れるといいね」篠原明里

物語冒頭で、貴樹に語りかけたセリフです。
いつまでも一緒にいられると信じていたあの時。
この作品を鑑賞してからだと、まるで祈りのようにも感じます。
もう一緒に桜を見ることができない未来に、これから進んでいきます。
その未来がわかっていると、なんとも切ないのがこのセリフです。

近藤好美さんは、少女時代の明里役を演じました。
監督は当初、MDオーディションの際に近藤さんの声は違うと思っていたとのこと。
けれど後になり、つくっていない声に惹かれるものを感じて、明里役に選ばれたそうです。
その透き通ったはかなげな声を聞くと、どんどん作品にのめり込んでしまいます。

大人になった明里役の声を演じたのは、尾上綾華さんです。
近藤さんと声の質が似ている点。
そして、安定して落ち着いた声が、
大人になった明里のイメージに近かったため選ばれたようです。

・「お願いだから、もうわたしに優しくしないで」澄田花苗

貴樹に告白しようとした帰り道。
いざ決心するもそれを言わせない貴樹に気づいてしまい、
思わず涙を流す場面でのセリフです。
貴樹が自分のことを好きではないとわかっても、優しくされたらあきらめきれない。
どうしても好きになってしまう。
叶わぬ恋の苦しみをしなくてはならないのなら、
わたしに優しくしないでという気持ちが伝わってきます。
片思いならではの心情ではないでしょうか。

花苗役は、花村怜美さんが演じています。
花村さんもMDオーディションの印象は、よくなかったそうです。
しかし、花村さんのはつらつさや距離を測る話し方に惹かれるものを感じたとか。
それが、花苗のイメージにつながり選ばれたようです。

・「私たちはきっと1000回もメールをやりとりして、たぶん心は1センチくらいしか近づけませんでした」水野理沙

このセリフは水野が貴樹に送った、お別れメールにある一文です。
作中では、別れのやり取りしか描かれていません。
それでも、この文章の破壊力には度肝をぬかれます。
別れの言葉も新海節が、しっかり効いています。
このセリフだけで、彼らがいかにすれ違いの日々を
過ごしていたのかを物語っています。

水野理沙役の声優さんの名前は水野理沙。
同姓同名の声優さんが演じています。今作では花苗の姉役も担当しています。
そして、他の新海誠監督作品にも登場する常連さんです。


<参考>
・2007年 監督 新海誠 コミックス・ウェーブ・フィルム DVD『秒速5センチメートル』 映像特典 監督インタビュー

いつでも探してしまう。どこかに君の姿を 山崎まさよしの主題歌

第3話のラストで流れる本作の主題歌が、
山崎まさよしさんの『One more time, One more chance』です。
いくつもの映画やドラマ、CMといった場面で起用されており、
いまなお人気の高い失恋ソングのひとつです。

この歌の歌詞はまさに『秒速5センチメートル』にぴったりの作品となっています。
失恋の悲しさを歌ったこの曲が、作品のラストで切り替わる瞬間の絶妙なタイミング。
曲に合わせて流れる、映像をよりいっそう際立たせます。

監督は「誰もが知っていて、現代を生きる人々にとって普遍性のある楽曲」を
探していたところ、当時でも人気の高かった『One more time, One more chance』がイメージと合っていたことから主題歌として選んだそうです。

忘れられない結末―貴樹と明里のそれぞれの歩み

『秒速5センチメートル』といったら、
鑑賞した人を切なさのどん底に叩き落とす、踏切ラストが印象的です。
貴樹に最後の救いはあるのかといった場面で、
現実につきはなされる瞬間は胸が苦しくなります。
なぜ、あれほどまでに貴樹と明里は対照的な人生を歩んでしまったのでしょうか。

・ふたりのターニングポイント 再会した約束の日

別れに対する気持ちの整理に違いがありました。
明里の場合それがうまくできたのでしょう。
その手掛かりとして、明里の手紙がヒントになります。
小説版では、ふたりの手紙が載っています。

明里の手紙には、こうつづられています。
「私はこれからは、ひとりでもちゃんとやっていけるようにしなくてはいけません。
そんなことが本当にできるのか、私にはちょっと自信がないんですけれど。
でも、そうしなければならないんです。私も貴樹くんも」
貴樹と会う前から、貴樹との別れを決心していることがうかがえます。

桜の木の下でキスをしたあと、
自分はもうひとりでも大丈夫だと明里は確信します。
このとき明里の決心は、強固なものになりました。

そして、別れ際に明里は貴樹に言葉をかけます。
「貴樹くんは、この先も大丈夫だと思う。ぜったい! 」

この言葉はこの先わたしがいなくてもあなたは大丈夫という、
彼女なりの決別の言葉でした。

それからは、貴樹を好きだった気持ちを、明里は大切にしてきました。
だからこそ、貴樹とは違う人も愛することができ、
婚約前という描写で成長した彼女の姿が映し出されます。

・焦りを募らせ続けた青春時代

貴樹は明里との別れを、うまく整理することができませんでした。

あの雪の日にふたつの思いが、彼の心に刻まれました。

大切な人を守れるだけの力を渇望すること。
しかし、高校、大学、社会人と成長していくにつれ、
その目標がなんなのかわからなくなってしまいます。
ただ漠然とした不安を残し、目の前のことで手一杯な日常を過ごします。

そしてもうひとつが、人はずっと一緒にいることはできないということ。
明里は乗り越えることができたこの思いに、
貴樹は自分自身が縛られる結果になってしまいました。
ひとつの場所にとどまることが、できなくなってしまったのです。

大切な人を守れるだけの力を欲しがった貴樹。
けれど、そんな大切な人とずっと一緒にいることはできないという現実。
そんな歪んだ思いを抱える貴樹は、
彼に好意を寄せる人たちを結果的に傷つけていってしまいます。

そんな貴樹も水野との別れをきっかけに気づきます。
大切な人から遠ざかっていたのは自分だと。

ずいぶんと大きな回り道をしてきた貴樹。
貴樹はあの雪の日。こう手紙につづっていました。
「いつかずっと先にどこかで偶然に明里に会ったとしても、
恥ずかしくないような人間になっていたい」と。
そして、その誓いを果たします。
少年時代のあの雪の日から、新たな人生を一歩踏み出す姿が
ラストで描かれているのです。

<参考>
・2007年 著 新海誠 株式会社メディアファクトリー 『小説・秒速5センチメートル』168p 169p

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