新海誠作品の「君の名は。」は2016年8月26日に公開されて以来、国内歴代興収6位の興収194億円(11月末時点)を突破する大ヒットを記録しています。また、映画だけでなくRADWIMPSが担当するサントラや「小説 君の名は。」もヒットを記録して社会現象を巻き起こしています。そんな「君の名は。」ですが、作品のメインターゲットの10代・20代の若者だけでなく30代以上の中高年の心もとらえています。
「君の名は。」のあらすじ
1000年ぶりという彗星の接近が1カ月後に迫ったある日のこと。自然豊かな田舎に住んでいる女子高生の宮水三葉は、刺激のない田舎暮らしに退屈して都会への憧れを抱いていました。
そして、三葉は「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!!!」とお願いをします。
するとある日、三葉は自分が見知らぬ男子高校生になった夢を見ます。夢の中で、念願だった都会の生活を思う存分満喫します。
一方で、東京に住んでいる立花瀧(たき)も、自分が行ったこともない山奥の田舎町で自分が女子高生になっている夢を見るようになります。
そんな夢が何回も続くようになり、瀧と三葉は心と身体が入れ替わって、お互いに違う人生を夢の中で歩んでいることに気づきます。
2人は残されたメモを通してやりとりをし、入れ替わっている間のルールを決め、元の身体に戻った後に困らないように日記を残すことでお互いの関係を深めていきます。
しかし、ある日突然夢の中での入れ替わりがストップしてしまうのでした。
新海誠監督がこだわり抜いた映像美!
新海誠監督作品では、これまでも背景の景色や空気感を徹底的にリアルに描く表現が高く評価されてきました。
特に「君の名は。」では、宮崎駿監督の「もののけ姫」・「千と千尋の神隠し」でも作画を担当した安藤雅司がキャラクターデザイン・作画監督を担当していることもあり完成度が高いです。
映画を見ると、ある意味リアルを超えるような繊細で色彩豊かに表現された背景美術の素晴らしさに感動します。
また、彗星の接近の場面の映像も色彩美しく描かれるだけでなく、ダイナミックに表現されており見応えがあります。
こうした映像面での充実がこの映画の魅力です。
映画の世界を彩る音楽の魅力!
「君の名は。」の音楽を担当するのはRADWIMPSですが、新海誠監督はこのバンドのファンです。
映画の制作初期からRADWIMPSは作品に関わっていて、脚本の段階から曲を新海誠監督に渡していました。
そして、「前前前世」や「スパークル」を含む27曲の楽曲が完成しました。
映画の初期からRADWIMPSは作品にたずさわっていたので、どの曲も映画の場面によくマッチしていて音楽面でも素晴らしい作品となりました。
10代・20代が入りやすい世界観
「君の名は。」では、制服姿の少女やタイムスリップなど、若い世代に人気のコンテンツの要素が盛り込まれています。
そして、作品の中で瀧と三葉がコミュニケーションを取るための道具としてスマートフォンが巧みに使われています。
このようにSNS世代の恋愛の感覚をきちんと表現していることで、若い世代が映画の世界に共感しやすくなっています。
また、過去の新海誠監督作品には抽象的なストーリーやセリフによって、話の内容がつかみづらいところがありました。
けれども「君の名は。」ではそういった要素が少なく、シンプルでわかりやすいストーリーとなっていることも作品の世界に入りやすい要素と言えます。
親世代もハマる魅力
「君の名は。」は新海誠監督が、「10代・20代の人に見て欲しくて作った」と話すように若者向けに制作された映画でした。そして公開直後の1週間後は、観客の7割を10代20代の若者が埋めていました。
しかし、公開後14週では30代以上の観客が49.3%と約半数を占めるようになっています。
映画を見たこうした親世代の観客からは、過去に自分が経験した出会いや別れを思い出したという声が届けられています。
また、作品の中では”糸”がモチーフとして登場し、人と人とのつながりや結びつきを連想させます。そこが、親世代の観客の共感を呼んでいます。
これだけの社会現象を巻き起こした「君の名は。」は、幅広い年代の観客の心を掴む要素が詰まった作品だと言えるでしょう。
参考元
- ・参照リンク:映画『君の名は。』公式サイト
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