『3月のライオン』は2016年秋にアニメ化された羽海野チカさん作の漫画作品です。その繊細な心理描写や有名声優たちの熱演によって、今なお根強い人気を誇るアニメ作品となっています。当記事ではそんな『3月のライオン』に登場する魅力的な登場人物や、彼らを彩る素晴らしい声優の方々について解説します。
丁寧で繊細な心理描写と人気声優の熱演によって、今も根強い人気を誇るアニメ『3月のライオン』。
羽海野チカさんが「ヤングアニマル」で連載している原作漫画は、2014年第18回手塚治虫文化賞マンガ大賞など、数々の賞を受賞しています。
青年誌に連載されているとは思えない可愛らしい雰囲気ですが、数々の名言や人物描写の深さから、笑って泣けるマンガとして男女・年齢問わず多くの人に愛されています。
そして、雪見だいふくなどとのコラボや、映画化、全国の百貨店での展覧会などメディアの枠を超えて躍進を続けている作品で、今後ますます人気が高まることが予想されています。
しかし、「気になってはいるけど、実はまだ見てないんだよな…」という方もおられるのではないでしょうか。
そこで、当記事ではアニメ『3月のライオン』の大きな魅力である登場人物や演じる声優について徹底解説!
まだ『3月のライオン』を視聴していない方でも、登場人物の関係性や見どころ、担当声優についてすぐに知ることができますよ。
アニメ『3月のライオン』とは?
『3月のライオン』は『ハチミツとクローバー』で有名な漫画家、羽海野チカさんの漫画作品で、2007年から『ヤングアニマル(白泉社)』にて連載され、単行本は全14巻が出版されています。(2019年2月現在)
アニメは第1シーズンが2016年10月8日より前半総集編含む全23話、第2シーズンが2017年10月14日より全22話の合計45話が放映。
監督は新房昭之さん、アニメーション制作はシャフトが担当しています。
また、神木隆之介さんや有村架純さんなどの出演による実写映画化もされており、2017年3月18日から前編、4月22日から後編が上映されました。
本作は、「プロ棋士」という特殊な職業の、暗い空気をまとった少年が主人公です。
プロ棋士が主人公と聞くと、「将棋なんてわからないから、楽しめない」と思う人もいるかもしれませんが、心配無用です!
将棋のルールがわかればより楽しめる面もありますが、わからなくてもじゅうぶんに楽しめます。
なぜなら、『3月のライオン』は将棋の世界で生きている主人公の桐山零が、彼を取り巻く三姉妹や個性豊かな棋士、高校の仲間たちとふれあうなかで成長していく物語であり、将棋だけのお話しではないからです。
むしろ、主人公の出番のほぼない回や、将棋の話がない回も多くあります。
『3月のライオン』登場人物1 主人公・桐山零
『3月のライオン』の主人公である高校生の桐山零は、東京の六月町で1人暮らしをする将棋のプロ棋士です。
幼いころ飲酒運転トラックの事故によって両親と妹を亡くし、父の友人である棋士の幸田柾近(こうだまさちか)の内弟子となります。
その後、将棋の才能を開花させ、史上5人目の中学生プロ棋士となりました。
しかし、その将棋の才能や柾近からの愛情が原因で、義姉弟である幸田香子(こうだきょうこ)や幸田歩(あゆむ)からは疎まれてしまいます。
彼らの反発心が幸田家の崩壊を招いたことで、零は幸田家から出ていくことを決意、六月町へ引っ越し1人暮らしを始めました。
幸田家での出来事や、学校でのいじめなどから深い孤独と悲しみを抱えており、『3月のライオン』のストーリーはそんな悩める彼を中心に進んでいきます。
声優は川西健吾さん
担当声優は「マウスプロモーション」の川西健吾さんです。
作者に「輝く闇のような声」と評された声で、零の孤独や10代ならではの不安定さ、棋士としての強さなどを表現しています。
『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』の三日月・オーガス役や『NARUTO疾風伝』のシュウ/ザジ役などの有名アニメ作品に出演する人気声優です。
また、『猿の惑星』のアレキサンダー役や『ハリーポッター』シリーズの吹き替えを担当するなど幅広い活躍をしています。
『3月のライオン』登場人物2 川本三姉妹
川本家の3姉妹、あかり・ひなた・モモも『3月のライオン』の中心人物です。
零と彼女たちとの日常、そして彼女たちと川本家を取り巻く困難と戦いも描かれていきます。
川本あかり
川本あかりは、桐山零がお世話になっている川本家の長女です。
三月町にある一軒家に姉妹3人で暮らしており、妹2人の母親代わりをしながら、祖父である川本相米二(CV千葉繁)の和菓子屋や叔母である美咲(CV根谷美智子)の店で週2日働いています。
料理などの家事全般が得意であり、作中でも美人と称されるほど美しい外見を持っています。
零と川本家の交流が始まったのは、酒を飲まされ動けなくなった零をあかりが介抱したことがきっかけでした。
そんなあかりの優しさや面倒見の良さが、3月のライオンの始まりでもあるのです。
声優は茅野愛衣さん
担当声優は「大沢事務所」に所属している声優の茅野愛衣さん。
『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』のヒロイン役をはじめ、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のアリス役や『この素晴らしい世界に祝福を!』のダクネス役、『四月は君の嘘』の相座凪役など、数々の有名作品の中心キャラを演じている人気女性声優です。
川本ひなた
川本ひなたは川本家3姉妹の次女であり、あかりの妹・モモの姉です。
初登場時は中学2年生であり、原作漫画9巻では高校1年生になります。
零からは「ぱぁっと元気になったり、しゅーんとしょんぼりしたり、モキーッって怒ったり、色んな意味で活発」と称されるほど表情豊かな女の子で、周りを気遣える心や友達思いの一面も持っています。
誰からも好かれるひなたでしたが、友達である佐倉ちほ(CV西明日香)へのいじめをかばったことが原因で、クラスのいじめの対象となります。
しかし、そんな中でも「自分の思いや行動は間違っていない」と断じる彼女の強さも、魅力のひとつです。
声優は花澤香菜さん
担当声優は「大沢事務所」の花澤香菜さん。
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の黒猫役や『シュタインズ・ゲート』の椎名まゆり役、『魔法科高校の劣等生』の七草真由美役などに出演する、実力派女性声優で、女優や歌手としても活躍しています。
川本モモ
川本モモは、川本あかり・ひなたと同じく川本家の3姉妹の末っ子。
まだ保育園に通う園児で、芋掘りや醤油工場見学に興味津々の、元気いっぱいな女の子です。
あかり、ひなた、相米二など川本家はもちろん、零のことや「ポドロ」というキャラに似ている二海堂のことも大好きです。
その天真爛漫さから、周りのみんなから愛されています。
声優は久野美咲さん
担当声優は「大沢事務所」の久野美咲さんで、幼い子ども役の声に定評がある声優です。
『世界征服~謀略のズヴィズダー~』の星宮ケイト役や『七つの大罪』のホーク役などのアニメ以外にも、洋画吹き替えで『チャーリーとチョコレート工場』のバイオレット役や『エイリアン』ではニュート役として出演しています。
『3月のライオン』登場人物3 桐山零と近しい棋士たち
桐山零と切磋琢磨しつつも、影響を与え合う棋士たちです。
将棋に関することはもちろん、零の人間としての成長にも大きく関わっていきます。
二海堂晴信
二海堂晴信(にかいどうはるのぶ)は「二海堂グループ」の御曹司であり、零と同じく将棋のプロ棋士の少年です。
キャラクターモデルは村山聖さんと言われています。
幼少から腎臓に難病を抱えており、厳しい食事制限や運動制限を強いられています。
幼いころ、デパートの屋上で零と対局したことをきっかけに、零のことを「終生のライバル」兼「心友」と勝手に位置づけ、ともに将棋の高みを目指すことを決意します。
真っ直ぐかつ強引な性格で、零の家に押しかけては将棋の研究をしたり、将棋解説で熱いメッセージを送ったりして零を振り回すことに。
しかし、零は迷惑がりながらも二海堂の言葉に救われたり、彼への信頼を見せたりと、実は二海堂とは良い関係を築いています。
また、二海堂は兄弟子である島田八段の体調を気遣ったり、将棋初心者のひなたに将棋を丁寧に教えたりと、周りへの優しさも持ち合わせた少年です。
声優は岡本信彦さん
担当声優は「プロフィット」に所属している岡本信彦さん。
『とある魔術の禁書目録』シリーズのアクセラレーター役を始め、多くの人気アニメに出演しています。
また、2009年には第3回声優アワードにて新人男優賞、2011年には第5回声優アワードにて助演男優賞を受賞するなど、実力と人気を兼ね備えています。
島田開
島田開(しまだかい)は、順位戦の最高レベルであるA級に5年以上在籍している将棋界のトッププロで、段位は八段です。
二海堂の兄弟子であり、後に零も島田八段の研究会へと入ります。
慢性の胃痛持ちで、人混みの多い場所や試合前などは症状が悪化します。
零との出会いは「獅子王戦挑戦者決定トーナメント」の準決勝。
後藤のことで頭がいっぱいの零を将棋で圧倒しつつも、彼に興味を持ちます。
「自分には才能がない」としながらも歩みを止めない努力の人であり、後藤九段や柳原棋匠(CV大塚芳忠)、そして宗谷名人が認めるほどの実力者です。
零は島田八段との試合、そして島田八段と後藤九段の対局を見た後、その姿勢や強さに感銘を受け、自ら島田八段の研究会入りを志願します。
声優は三木眞一郎さん
担当声優は「エイティワン・プロデュース」所属の男性声優、三木眞一郎さんです。
ディズニーアニメ『アラジン』のアラジン役の吹き替えを行ったり、アニメ『ポケットモンスター』シリーズにコジロウ役で出演したりと、誰もが知っている作品に携わっているベテラン声優です。
『3月のライオン』登場人物4 A級棋士たち
桐山零の周りには、一癖も二癖もあるプロ棋士が数多くおり、物語や零に深く関わってきます。
3月のライオンのストーリーは零と彼らとの物語でもあるのです。
宗谷冬司
宗谷冬司(そうやとうじ)は、本作で名人位を獲得しているトップ棋士です。
桐山零と同じく、史上5人しか居ない中学生プロ棋士になった経歴を持ち、将棋界の7タイトルをすべて同時に獲得したこともある、最強棋士のひとりとして描かれています。(物語開始時も棋竜・棋匠を除く5つのタイトルを保持)
通算勝率が7割あるとも言われる圧倒的実力者であり、最年少21歳で名人位も獲得しました。
『3月のライオン』に登場するすべての棋士の目指すべき目標であり、倒すべき標的となっています。
性格は物静かで、スーツに赤ワインがかかっても気にしなかったり、質問の受け答えがズレていたりなど天然な一面も。
しかし、実は突発性難聴を患っており、本当に声などの音が聞こえていない場合も多いです。
声優は緑川光さん
担当声優は「青二プロダクション」所属の男性声優、緑川光さんです。
『新機動戦記ガンダムW』のヒイロ・ユイ役などのアニメ作品や『テイルズオブデスティニー』のリオン・マグナス役などのゲーム作品、『緑川光のエンジェルナイト学園天使☆ラプソディー』などのラジオ番組など、多岐に渡って活躍しています。
後藤正宗
後藤正宗(ごとうまさむね)は、かつて幸田柾近の弟弟子であり、現在はA級に在位している棋士で段位は九段となっています。
年齢は40代で妻帯者。幸田香子関連で、零は後藤を嫌悪しており、過去には彼に殴られた経験もあります。
気性が荒く、気に入らない人物に対しては容赦なく噛み付く性格。
零を見かけては挑発するものの、島田八段を貶める棋士を激しく咎めたり、三角龍雪(あだなはスミス・CV杉田智則)にアドバイスと送ったりなど、将棋に対しては真摯な一面があります。
そして、その事実が零の心を迷わせる場面も。
幸田香子に好意を寄せられ付きまとわれており、彼女を「ストーカー女」と称しうんざりしています。
しかし、入院している妻への化粧品選びのお礼を言ったり、腕時計をプレゼントしたりなど、憎からず思っている描写があることから、嫌ってはいないようです。
声優は東地宏樹さん
担当声優は「大沢事務所」所属の男性声優である東地宏樹(とうちひろき)さんです。
アニメ作品は『機動戦士ガンダムUC』のダグザ・マックール役や『機動戦士ガンダム00』のラッセ・アイオン役など、ガンダムシリーズに多数出演しています。
また、『レッドクリフ』では諸葛孔明役として、吹き替えも行っています。
『3月のライオン』登場人物5 幸田家の人々
『3月のライオン』では、家族を失い天涯孤独だった零を引き取った幸田家関連のエピソードも多数あります。
特に、義姉である幸田香子は物語におけるキーパーソンであり、零の心情や行動に大きな影響を及ぼしているのです。
幸田香子
幸田香子(こうだきょうこ)は幸田柾近の娘であり、零より4つ上の義姉です。
嵐のように激しく、鬼のように美しいと称される気性・容姿を持ち、出会う人物からも美人と称されています。
かつて奨励会に入っていましたが、零に勝てないことで父親に諭され、そのまま将棋を引退。
零の才能や父親の零への愛情に深く傷つき、家でも荒れるようになります。
香子と零はお互いに対し複雑な感情を持っており、姉弟でも他人でもない微妙な距離感を保っています。
物語中でも零の前には度々現れ、順位戦前に動揺させるような情報を与えたり、神経を逆なでする発言をしたりと零の心を乱します。
しかし、後藤に殴られた零を心配する素振りや、姉弟らしい親しさを見せることも。
声優は井上麻里奈さん
担当声優は「シグマ・セブン」所属の女性声優、井上麻里奈さん。
香子の激しい性格を、艶っぽさ、激しさ、寂しさ、攻撃性などを上手く表現し、この声によって香子ファンが増えたとも言われています。
『僕は友達が少ない・僕は友達が少ないNEXT』の三日月夜空役や『進撃の巨人』のアルミン・アルレルト役など、数多くの人気アニメ作品に出演しています。
幸田柾近
幸田柾近(こうだまさちか)は、桐山零の実父と友人であり、零とも元々面識のあったプロ棋士です。
両親と妹を失い、施設に預けられそうになっていた零を、内弟子として引き取りました。
性格は良くも悪くも将棋の棋士。
生活の中心は将棋であり、零や香子、歩もまたその影響で将棋と深く関わることに。
将棋の才能に溢れた零に期待しており、その態度が実の子である香子、歩を深く傷つけました。
しかし、決して我が子を嫌っているわけではなく、父親しての愛情は持ちあわせています。
声優は大川徹さんと山野井仁さん
担当声優は第1シリーズを大川徹さん、第2シリーズを山野井仁さんがそれぞれ担当しています。
大川透さんは『鋼の錬金術師第1作』のロイ・マスタング役などのアニメ作品や『マトリックス』シリーズのリンク役などの洋画吹き替えをされています。
山野井仁さんは『天国の階段』でテファ役などの洋画・海外ドラマの吹き替えを中心に活動しています。
『3月のライオン』登場人物&声優 まとめ
アニメ『3月のライオン』の登場人物と担当声優について解説しました。
『3月のライオン』は、原作者・羽海野チカさんらしい登場人物の繊細な心理描写、そして有名で実力ある声優によって魅力的なアニメに仕上がっています。
「さまざまな人間が、何かを取り戻していく優しい物語です」というコンセプト通り、見るものを優しく包む作品と言えるのではないでしょうか。
まだご覧になっていない方は、ぜひ一度視聴してみてください。
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