最近のアニメやマンガでは、「異世界転生」というテーマが多く存在します。 その中でも草分け的であり、さらに一風変わった視点から描かれた作品「オーバーロード」について、<マンガ版><アニメ版><小説版>それぞれをご紹介します。
●あらすじ
バーチャルリアリティを使用したゲーム「ユクシドラル」。
かつては人気を誇っていたゲームも人々に飽きられ、ゲームサービスの終了を迎えようとしていた。
そのゲーム内で、人間以外のキャラクターによって構成された集団「アインズ・ウール・ゴウン」。
巨大なダンジョンを有し、ゲーム「ユクシドラル」でも最強を誇った集団だった。
ここも、かつていた構成員達の姿は無く、唯一残った エルダーリッチと呼ばれるアンデッドの「モモンガ」だけがログインしていた。
そうして寂しくゲームサービス終了を迎えた筈だった。
気が付くとゲーム世界は継続しており、さらには「モモンガ」はダンジョンと共に見知らぬ土地へと転移していた。
そこはゲームの設定と同じ魔法が使える異世界であり、「モモンガ」は本当にエルダーリッチに変身していた。
独り異世界へ送られた「モモンガ」は、他に自分と同じようにゲームから転移された人間が居ないかを探す為、配下のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)達と活動を開始した。
●不死身の王「オーバーロード」の物語
・異色な主人公
本作品の一番特徴的なのは、「悪」の視点から観たファンタジーであること。
主人公「モモンガ」は、魔法を極める為にゾンビなどと同じアンデットに自身を改造した「エルダーリッチ」。
本来はそういう設定のゲームキャラクターだったのだが、それが現実になってしまう事で彼は自身の「出生」について探求を始める。
しかし原作者「丸山くがね」は、主人公の事を「悪」ではなく、自分の欲望に忠実な我儘な性格なのだと説明しています。
確かに物語中で「気まぐれ」に善行をしたかと思えば、躊躇なく他人を殺害したりと今までのファンタジーには無い性格のキャラクターです。
・原作者「丸山くがね」
他サイトのインタビューで、彼の作品を造る際に「こやし」となった作品は海外の正統派ファンタジーやTRPGをあげています。
さらに面白いのは、「ガンバの大冒険」や「剣客商売」など、ファンタジーとは違う物語を参考としてあげています。
こうした広い見識によって作られた本作品は、元がアマチュア作品である事を感じさせません。
また本作品では、オリジナルの要素は多々ありますが、参考としているファンタジー作品共通の設定や世界背景が垣間見えます。
そのため、本作品を読むとTVゲームやソーシャルゲームで「経験がある」事柄が登場し、空想物語であるのに読者へ「あるある」と親近感を抱かせます。
・これからの展開
「丸山くがね」は、本作品を「積み木を積み上げていってそれを壊すような、ダークな喜びを描きたい」と言っています。
確かに先行している小説版では、主人公が決して善行と言えない行動をする様になっています。
「丸山くがね」自身も主人公が最初から「極悪」だと、読者が拒否反応をしめすのでは?と考え、物語冒頭では抑えめな表現にしているそうです。
そして、あくまでも物語は「魔王」の物語であり、魔王はいずれ倒される存在です。
そうした「滅びの美学」という展開が期待出来ます。
●関連図書
・小説版
元はネットの小説投稿サイトで趣味として2010年ごろから公開していた作品。
当初は「丸山くがね」と「Arcadia」の二人で執筆していたショートショートが基になっている。
それを大幅に加筆修正して、書籍化され出版しています。
現在は11巻(KADOKAWA エンターブレイン)まで刊行中。
・マンガ版
小説版を元にして、アニメ版と同時期に発表されました。
その為か、構図や細かいデザインが非常に近似しています。
単行本では、巻末に原作者「丸山くがね」の描きおろしショートショートが掲載されています。
現在は7巻(カドカワコミックス・エース)まで刊行されています。
・アニメ作品
マンガ版とほぼ同時期に、アニメ作品のテレビ放映は2015年の7月から9月で全13話が放映さました。
さらに本編と無関係なコメディな番外編「ぷれぷれぷれあです」が全8話公開されています。
2017年には「総集編」として再編集された前後編の2作品が映画作品として公開されました。
そして、第2期アニメが製作・放送予定となっています。
小説が先行し、マンガ版とアニメ版が追従している形の作品です。
普通は3つもコンテツが存在すると、どれか質が悪くなるものですが、本作品は3つとも非常に良くできた良作です。
「文字」「マンガ」「動画」と自分が好きな媒体を選んで、物語にアクセスできます。
参考元
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