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2019/10/29
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『ジョーカー(映画)』をネタバレありで徹底解説! 歴代ジョーカーの登場作品などもご紹介

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ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し話題となった映画『ジョーカー』。今回の記事では、R指定の映画としては興行収入の面で新記録を樹立するなど存在感の強さを放ち続けている本作に関してご紹介しています。ネタバレありのあらすじやジョーカーことアーサー・フレックを始めとする登場人物の紹介から、歴代ジョーカーの登場作品などについてご説明しますので、『ジョーカー』を見る際の副読としてぜひご覧になってください!

目次

『ジョーカー』とはバットマンの宿敵! 関連作品を紹介!

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日本での公開前よりヴェネチア国際映画祭にノミネートされ、最優秀賞である金獅子賞を受賞するなど、話題になっていた映画『ジョーカー』。

この項目ではそんな『ジョーカー』に関してご説明する前に、そもそもジョーカーというキャラクターに関する基本的な情報や関連作品についてご紹介していきたいと思いますので、『ジョーカー』を見る前にぜひ復習してみてください!

ジョーカーは最も有名なアメコミヴィラン(悪役)の1人!

ご存知のお方も多いとは思いますが、そもそもジョーカーとは最も有名なアメコミヒーローの1人であるバットマンの宿敵です

その始まりはバットマンが創造された1940年代にまで遡り、最もポピュラーなアメコミのヴィランとして現代に到るまで親しまれ続けています

キャラクター像に関しては登場する作品によって違いこそありますが、裂けた口元にピエロのメイク緑の髪色紫のスーツで登場することが多く、自身の名称と同じトランプのジョーカーを象徴的なアイテムとして使用することがお約束的な要素です。

バットマンの最大のライバルとしてデザインされたジョーカーは彼とは光と影の存在として対比されることも多く、不殺の誓いを立て犯罪者であろうと絶対に相手を殺めない(これも作品によりますが)バットマンと、どれだけ痛め詰められても犯罪を辞めないジョーカーとは戦い続ける運命にあります。

ジョーカーは基本的にスーパーパワーを持たない常人ではあるものの、頭のキレる異常者としてその手腕を遺憾なく発揮し、長い歴史の中では自身の何倍のパワーを持つヒーローを精神的に追い詰めるなどして追い詰めるといった活躍もしました。

その点から、ジョーカーの相手を出来るのは同じく常軌を逸した精神性を持つバットマンが相応しいと言えるのではないでしょうか。

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マイケル・キートン演じるブルース・ウェインとの因縁が強く描かれた『バットマン(1989)』をはじめ、そのクオリティの高さから社会現象とまでなった『ダークナイト』など、さまざまなジョーカー像が楽しめる作品が揃っています。

『ジョーカー』を見る前の復習としてご覧になってみてはいかがでしょうか。

『バットマン(1989)』初代ジョーカーはジャック・ニコルソン!

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バットマンの初めての完全新作の劇場オリジナル作品として製作された本作では、やはりバットマンの宿敵であるジョーカーがメインヴィラン(悪役)として抜擢されました。

監督の名前を取ってバートン版とも呼ばれる今作でジョーカーを演じる役者は3回ものアカデミー賞の受賞歴がある名優ジャック・ニコルソンで、ひょうきんでありながらも突拍子もない行動を突然とる危険人物としてのジョーカーを見事に演じ切っています

ジャック版ジョーカーのオリジンは元マフィアで事故から薬品槽に落下してしまい白い肌になったという最もポピュラーなエピソードのうちのひとつが選ばれ、そこにブルース・ウェインの両親を過去に射殺した人物という役割も振られたことによりバットマンとの因縁が強調されました。

『ダークナイト』ジョーカーを演じるのはヒース・レジャー!

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次にご紹介するのは社会現象にもなったクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』で、演じるのはオーストラリア出身の俳優ヒース・レジャーです。

ジョーカーの存在だけなら前作『バットマン・ビギンズ』のラストで示唆されていたのですが、この時はサプライズ的なファンサービスの要素が強く、本格登場は今作からとなります。

ヒース・レジャー演じるジョーカーはDNAや指紋情報がデータベースに存在する、その口から語られる自らの来歴も状況によって変わるという、一層不気味な存在感を放っていました。

ノーラン版ジョーカーは次回作『ダークナイト・ライジング』にも登場するプランがあったのですが、残念ながらヒース・レジャー氏が本作の撮影後に急逝してしまったためにそれは叶いませんでした。

『スーサイド・スクワッド』本作ではジャレット・レトがスマートなジョーカーを好演!

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『マン・オブ・スティール』から続くDCEU(DCエクステンデッドユニバース)として製作された悪役たちのチームアップを描いた『スーサイドスクワッド』にもジョーカーが登場しました。

今回ジョーカー役を射止めたのはアメリカの俳優ジャレッド・レト氏で、従来よりもスマートでスタイリッシュなジョーカー像になっています。

今作ではジョーカーの恋人役であるハーレクインも映像化され、彼女はその存在感の強さから一躍人気となり、主役作品である『ハーレクインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』の製作に繋がりました。

こちらの作品にジャレッド版ジョーカーが登場するかは不明ですが、『スーサイド・スクワッド』の作中ではしきりに「プリンちゃん」発言をしていたハーレイの主役作品ですから、少なくとも言及はされると考えられます。

ドラマ『GOTHAM(ゴッサム)』

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次にご紹介するのはまだバットマンが誕生する以前のゴッサム・シティを描いたドラマ『GOTHAM(ゴッサム)』です。

今作ではジョーカーの起源がより細かく描かれ、狂気に覚醒する前の彼はその本性をひた隠しにしていたサーカス団の青年ジェーローム・バレスカとして生きていました。

劇中発生した事件において後にバットマンの盟友となるゴッサム市警のゴードン刑事により内に潜む悪を暴かれたジェロームは、幾度となくゴッサムを混乱に陥れるのです。

今作で描かれるジョーカーの狂気が市民に波及していく過程は本人たちの年齢や人物像こそ大きく異なりますが、今回ご紹介する映画『ジョーカー』の展開に最も近い流れと言え、そういう意味では一見の価値があるドラマと言えます。

また、『GOTHAM』と『ジョーカー』に登場するブルース・ウェインはそれぞれの年齢が近いということもポイントのひとつです。

『ジョーカー』のネタバレありのあらすじ紹介

ここからは実際に『ジョーカー』本編のあらすじをネタバレありでご紹介していこうと思います

本作は80年代のアメリカの架空の都市ゴッサムシティを舞台に、現代にも通じる格差社会の闇を痛烈に風刺したそのストーリーが話題を呼びました。

監督自身が「影響が出るであろうことは認める」と発言するほどで、現代社会を生きる人なら何かしら思うところがあるのではないでしょうか。

『ジョーカー』あらすじ①:ゴッサムシティで暮らす恵まれないピエロのアーサー

時は1980年代のゴッサムシティ。

経済状況の悪化が続くゴッサムでは、貧困層と富裕層との確執が徐々に広まりつつありました

そんなゴッサムで要介護の母親と同居しつつ、コメディアンとなることを夢見る道化師のアーサー・フレックは、自身も発作的に笑い出すと言う持病を抱え、福祉センターでのカウンセリングを受けながら暮らす過酷な状況に苦しんでいるのでした

また、それに追い打ちをかけるように彼自身にも不幸が重なり、ピエロの仕事中に暴漢の少年達に襲われたり仕事場の同僚から渡された銃で得た万能感のあまり道化師の現場の小児病棟にそれを持ち込んだことがバレて会社を首になったりもしました。

解雇を言い渡されたアーサーは、その帰りの電車内で女性に絡むウェイン産業の会社員たちとトラブルに発展し、その結果彼らを射殺してしまいます。

その現場からは逃げ出したアーサーですが、ピエロ姿だけはしっかりと目撃されおり、彼は意図せず「富裕層に鉄槌を下す貧困層の英雄」として社会に認知されるのでした。

『ジョーカー』あらすじ②:二転三転するアーサーを取り巻く真実! 彼は徐々に狂気に染まっていく…!

英雄扱いされたことで一時的に満たされたアーサーは隣人のソフィーを自身が初めて参加するコメディアンとしてのショーに誘い、発作の笑いが止まらなくなるもののパフォーマンスをやり切り、彼女との楽しいひと時を過ごします。

そんな折、以前から母親のペニーが出そうとしていた手紙を見たアーサーは、自分の父親がゴッサムシティの名士であるトーマス・ウェインだと知りました

社会福祉事業の打ち切りにより、市のカウンセリングサービスも受けられなくなっていたアーサーは苦しい状況から抜け出すためにウェイン邸を訪ねるのですが門前払いにされ、ペニーも殺害されたウェイン産業社員のことで息子が疑われていると知ったことで脳卒中を起こし入院してしまいます。

その一方、以前のアーサーのショーが彼の憧れているマレー・フランクリンの番組で「ジョーカー」と紹介され、彼は一躍有名人になるのでした。

しかし、そんなアーサーをあざ笑うかのように、アーサーがトーマスの息子だと言うのはペニーの妄想であり彼はただの孤児、仲良くなったはずのソフィは彼の妄想の産物で実在の彼女はアーサーのことをなんとも思っていなかった等、更なる不幸が彼を襲います。

『ジョーカー』あらすじ③:遂にジョーカーの誕生。狂っていたのは彼か社会か

母親に対し失望したアーサーは病室で彼女を殺害し、その後"ジョーカー"
として番組に出て欲しいとマレーの番組スタッフから申し出を受け、これを引き受けます


夢にまで見た憧れの番組に出演する日、ジョーカーとしてピエロのメイクを施すところに訪れた元同僚のランドルも殺害したアーサーは自分を追ってきた警官2人も振り切り、マレーの番組に出演しました。

そして、そのトーク番組内で彼はウェイン産業の会社員を殺害したのは自分であることを告げ、その後に司会者であるマレーも殺害するのでした。

ジョーカーはそこで逮捕されたものの、彼の行動が中継されたことにより街ではデモ活動を行っていた者たちが暴動を起こし、その中で家族で映画を見に来ていたトーマス・ウェイン夫妻も射殺されてしまいます。

警察に捕まり護送されるジョーカーは彼を信奉するする暴徒によって救出され、混乱と狂気が渦巻くゴッサムの中でダンスを踊るのでした。

その後、場面は切り替わり、精神科病棟でカウンセリングを受けるアーサーの姿が描かれます。

これにより、映画で描かれてきた一連のストーリーすべてがアーサーの語ったジョークそのものなのではないかとの疑念が浮かびますが、これにより『ジョーカー』の本編そのものがアーサーの妄想であった可能性が示唆されて物語は幕を閉じるのでした。

『ジョーカー』(演:ホアキン・フェニックス)に関して徹底考察!

この項目では本作の主人公であるアーサー・フレックに関してご紹介して行きます。

アーサーとしての彼と、終盤で狂気に飲まれてジョーカーとして目覚めた彼について掘り進めていこうと思いますので、本作をすでに見られたという方も、ぜひ一緒に考察を深めてみてください!

アーサー・フレックは売れない道化師! はたして彼は社会の被害者なのか?

物語開始時点で彼はコメディアンを目指しながら道化師の仕事をする冴えない中年として描かれています。

先ほどもご紹介した冒頭部分の少年たちに仕事中に襲われるシーンでは、仕事道具の看板を破壊された責任を押し付けられる等、不幸が重なっていました。

ちなみに、このシーンではピエロ姿のアーサーが少年たちに暴力を振るわれた後に胸につけていた花の装飾から水が飛び出るのですが、これはジョーカー特有の酸の霧を噴射する花のオマージュで間違いないはずです。

本来なら人々に恐怖を与えるはずの小道具もこの映画では虚しく水を噴くだけとなっているのは、なんとも侘しさが漂うのではないでしょうか。

また、彼は劇中発作的に笑い出すという持病を持ち、TPOを選ばずに発症してしまうのですが、この一連のシーンには事情をわかっていてもいたたまれない気持ちになる人も多かった事と思われます。

さらに、あらすじの項目でもお伝えしましたが、この他にも彼を不幸に追いやる演出は映画の前半を中心に重点的に描かれました。

とは言え、彼は本当にただ社会から見捨てられただけの被害者なのでしょうか?

アーサーは中盤で相手側にも問題があったとは言えしがないサラリーマン3人を射殺していますし、何より道化師の事務所で笑いの発作が起こった時は同僚の前から立ち去った途端に笑いが収まる描写がありました。

この笑いが止まるという描写は特に重要で、もしかしたら彼の持病自体が嘘かもしれないという可能性を暗示しています。

この事を踏まえると、このアーサーという不幸な中年男性、ひいてはジョーカーという映画そのものの見え方も変わって来るのではないでしょうか。

ジョーカーとして覚醒した彼は混乱の象徴! 社会に狂気を巻き散らす!

後半、一度は父親だと信じたアーサーからの拒絶、信じていた母親がついていた嘘の発覚などにより、完全にタガが外れてしまった彼は母親であるペニーを殺害する事で悪の権化として覚醒します。

そして憧れのマレー・フランクリンのトーク番組に呼ばれた彼はとうとうピエロのメイクを施すことになるのですが、ここは予告などでも使われている印象的なシーンで、涙を流しながらメイクを施すアーサーは観る人によって様々な印象を与えることでしょう。

そして、奇しくもこの時ゴッサムではアーサーが起こした殺人事件をきっかけとして起ったデモの熱が最高潮に高まったタイミングと重なり、彼を信奉する暴徒たちが街に溢れているのでした。

皮肉にも、ピエロに仮面を人々が被るようになったことで、人々を笑わせたいと言うアーサーの願いが叶ったことになるのです

しかし、ジョーカーとして覚醒したと言っても彼が従来のようにバットマンの宿敵としてのカリスマ性を発揮したかと言うとそんなことはなく、先ほどもご説明したように警察官2人からは逃げ回りますし、特にそれ以降も気の利いたジョークを飛ばせると言うこともなくその発言はひたすら周りを気まずくしているだけでした。

このことはまさに彼が悪のシンボルではなく、狂気を振りまく存在でしかなかったと言うことの証なのではないでしょうか。

とは言え、ホアキン・フェニックスが演じるジョーカーはその半端さ故に卑近な存在のように感じられ、誰もが彼のようにふとしたきっかけで歯止めが効かなくなってしまう可能性を描いています。

U-NEXTでホアキン・フェニックスの代表作を観よう!

先ほどもご紹介したU-NEXTなら、『ジョーカー』以外にもホアキンフェニックスの代表作を視聴することが出来ます

ホアキンが数々の賞を受賞するきっかけにもなった『グラディエーター』や、こちらもカンヌ国際映画祭男優賞を受賞した『ビューティフル・デイ』など、『ジョーカー』とはまた違ったホアキンが楽しめる作品ばかりです!

今作での悲壮なまでのホアキンの役作りに心打たれた方は、ぜひご覧になってみてください!

『ジョーカー』そのほかの登場人物についてご紹介

ここからはアーサー以外の『ジョーカー 』の登場人物についてご説明していきます

現実で公開されたほかの映画との関連人物や、「バットマン」シリーズではおなじみの人物たちも登場していますので、それらの作品を知っていると言う方はより楽しめるのではないでしょうか。

マレー・フランクリン(演:ロバート・デ・ニーロ)

劇中で登場するテレビ番組「マレー・フランクリン・ショー」の人気司会者で、アーサーの憧れの人物です。

『ジョーカー』を監督したマーティン・スコセッシ氏は、『タクシー・ドライバー』や『キング・オブ・コメディ』などの70年代~80年代の映画に影響を受けたと発言しており、両作で主演をしたロバート・デニーロ氏がこの役を担当することになったと言う経緯があります。

劇中序盤のアーサーの妄想の中では、アーサーのことを「息子よ」と親しげに呼ぶなど彼の憧れのコメディアンとして慕われていました。

しかし、終盤に発作を起こしながらもショーを疲労するアーサーを番組に呼んだ事が彼の人生の転機になり、番組収録中に生放送で全国に中継されている中でジョーカーに射殺されてしまうことになります。

『タクシー・ドライバー』は先ほどご紹介したU-NEXTでも配信されていますので、気になった方はぜひチェックしてください!

ペニー・フレック(演:フランセス・コンロイ)

若干の認知症を患っている、要介護者のアーサーの母親です。

母子以外に身内はいないらしく、介護が必要な彼女と薄給なアーサーの2人だけで貧しくもお互いを思い合いながら必死に生活をしていました。

前述の通り劇中で彼女がしきりに書いていた手紙はかつて彼女が家政婦として働いていたウェイン家の現当主トーマス・ウェインに当てたものです。

その中でアーサーはトーマスの子だと言われていたのですが、これはペニーの思い込みであり、実際はアーサーは出自不明の孤児とのことでした。

しかし、アーサーとペニーが親しげに写っている写真も劇中公開されていたので、過去に何かしら親しい関係にあったことは事実なのかも知れません。

また、彼女は過去にアーサーに対する虐待も行っていたようで、アーサーの
発作性の病気もこの時の後遺症によるものだったと判明しています。

最終的には狂気に飲まれたアーサーに殺害されてしまいますが、親子間の愛情だけは最後まで本物であったと願わずにはいられません。

トーマス・ウェイン(演:ブレット・カレン)

後にバットマンとなるブルース・ウェインの父親として知られるウェイン産業当主です

バットマンが登場する作品ではほとんど死亡しているので、映像作品での登場は回想シーンであることが多かったのですが、『ジョーカー』においては珍しく存命中の姿が描かれました。

比較的台詞量や人物像に関する描写が多かった『バットマン・ビギンズ』や『GOTHAM』では紳士的な人格者として描かれていましたが、『ジョーカー』においては本人に問題があるとは言えペニーやアーサーに対する態度など、気が強く若干のデリカシーさに欠ける人物として描かれています。

しかし、息子であるブルースの育ちの良さそうな感じや、アーサーがウェイン邸を訪ねた際のアルフレッドのウェイン家に対する献身ぷりを見るに、根の部分では従来のアーサー像からはかけ離れていないはずです。

劇中終盤では、自身が貧困層と富裕層の対立を煽ってしまったこともあり激化したデモ活動に巻き込まれ、路地裏でピエロのマスクを被ったゴロツキに射殺されてまいました。

余談ですが、映像作品でトーマス・ウェインが路地裏で撃たれるのは通算5回目となります。

ソフィー・ドゥモンド(演:ザジー・ビーツ)

アーサーが住んでいるボロボロのマンションで彼の隣の部屋に暮らす子持ちの女性です

劇中マンションに備え付けのエレベーターがボロボロだったことがきっかけでアーサーと交流をするようになり、その後も彼のショーを見に行った帰りにデートをしたり、ペニーが入院した際にはお見舞いに行ったりするなど順調に交流を深めていました。

しかし、これらすべてはアーサーが作り出した妄想の産物であり、中盤に彼女の部屋にアーサーが何も言わずに侵入した際は怯えきっていました。

アーサーとデートしていた空想上のソフィーは、彼がウェイン産業のサラリーマンを射殺した事件を受けてアーサーとは知らずに「彼はヒーロー」と言っている場面は、振り返って見ると深層心理では自らの行いをアーサーが肯定していることが伺えます。

演じるザジー・ビーツは近年では『デッド・プール2』でのドミノ役での活躍もアメコミ映画ファンの方の記憶に新しいのではないでしょうか。

こちらはdTVなどで見ることができますので、シリーズ合わせてぜひチェックしてみてください!

ギャリティ刑事(演:ビル・キャンプ)

劇中アーサーを捜査することになる刑事です。

終盤ジョーカーとなったアーサーを追いかけるのですが、ちょうどデモが過激化していたことも重なり群衆に邪魔され、彼を取り逃がしてしまいました。

この時、手に持っていた銃が暴発しピエロ姿の暴徒の1人を射殺してしまい、その後周りにいた暴徒たちに暴行を受けることになります。

バーク刑事(演:シェー・ウィガム)

ギャリティとともにアーサーを捜査する刑事です。

基本的にギャリティとともに行動し、終盤暴徒の妨害に合いジョーカーを取り逃がすところまでは共通しています。

ランドル(演:グレン・フレシュラー)

アーサーのピエロ時代の同僚の大柄な男です。

性格もかなり豪快で、アーサーが学生たちに襲撃されたことを受け彼に銃を手渡します。

しかし、アーサーがこの銃を仕事場に持ち込んだことが問題になった際は素知らぬ振りを決め込み、これがアーサーが狂気に飲まれる要因のひとつとなりました。

中盤、アーサーがウェイン産業のサラリーマン三人を射殺した事件を受け、自身が渡した銃が使用されたことを危惧した彼はアーサーへの見舞いを装いゲイリーと彼の元を訪ねるのですが、最終的には自身が渡した銃で射殺されます。

ゲイリー(演:リー・ギル)

アーサーのピエロ時代の同僚の1人で、小人症を患う低身長な男性です。

同僚からは度々その身長をからかわれていますが、本人は心優しい性格で同じく生き辛さを抱えるアーサーにも分け隔てなく接していました。

ランドルとアーサーの元を訪れたのも保身に走ったランドルとは違い心からアーサーのことを心配してのもので、そのことをアーサーも理解していたためランドル殺害後もゲイリーのことは見逃しています

しかし、この一連の流れでゲイリーが凶行に走ったアーサーの元から逃げ出そうとする際にその低身長ゆえ彼は部屋のドアの鍵を開けられなかった一瞬はヒヤッとした人も多いのではないでしょうか。

ブルース・ウェイン(演:ダンテ・ペレイラ=オルソン)

後にコウモリの衣装を身に纏いゴッサムに蔓延る悪と戦うクライムハンターとなる運命を背負った名家の子息です。

『ジョーカー』に登場するブルースはまだ幼く、ウェイン邸の門を挟んでアーサーと対峙した際も、明らかに不審者である彼に対しても何の迷いもなく接していました。

最終的には他のシリーズに登場するブルース・ウェイン同様、両親を路地裏で失う悲劇に見舞われます

先ほどもご紹介しましたが、本作に登場するような幼いブルースの成長を楽しみたいといった方におすすめの作品はドラマ『GOTHAM』となっています。

また、少し変わった楽しみ方ですが『バットマン(1989)』でブルースを演じるマイケル・キートンは元コメディアンからヒーロー役に抜擢された人物ですので、コメディアンを目指すものの混乱の象徴となった本作のホアキンジョーカーとは対比の存在と言うことが出来るのではないでしょうか。

アルフレッド・ペニーワース(演:ダグラス・ホッジ)

バットマンを公私に渡って支える存在として様々な作品に登場し親しまれるキャラクターの1人です。

本作に登場するアルフレッドは劇中で直接名前を呼ばれる描写はなく、出番もアーサーがウェイン邸を訪れた時に少し彼と揉める程度ですが、その屈強な見た目から存在感を放っています。

そんな本作のアルフレッドは『ジョーカー』の世界においても両親を奪われたブルースの助けとなって彼を見守っていくことでしょう。

歴代の映像作品の中で本作とイメージが近いのはやはりドラマ『GOTHAM』に登場するショーン・パートウィー演じるアルフレッドですので、『ジョーカー』世界のアルフレッドが気になった方はそちらもぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

『ジョーカー』に続編はあるのか? バットマン誕生の伏線について考察

公開前の前評判に違わず、映画史に名を刻む勢いのムーブメントを巻き起こしている『ジョーカー』ですが、これだけ話題となったとしても続編が作られる可能性は低いのではないでしょうか。

その理由は本作の持ち味や見所と行った物がアーサーが堕ちていく過程に依るところが多く、故にアーサーがジョーカーとして完成してしまった以上は同じテイストの作品を製作することが難しいためです。

とは言え、本作ラストではバットマン誕生の発端となる事件が発生しましたので、この世界でバットマンが登場するのはほぼ間違いありません。

また、『ジョーカー』に登場するブルースが成長する頃にはとっくにホアキンジョーカーは年老いてしまっていると言う問題もあります。

しかし、それはバットマンの宿敵となるジョーカーはあの時の群衆の中にいた誰か(それこそブルースの両親を撃った暴漢など)になる可能性もありますので、今後混乱の渦中で終わった『ジョーカー』世界がどのような結末を迎えるのかファンなら想像せずにはいられないのではないでしょうか。

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