『それいけ!アンパンマン』のキャラクターの中でも、異色とも言うべきアンパンマンの仲間といえば、メロンパンナの姉であるロールパンナをあげる方が多いのではないでしょうか。ロールパンナはばいきんまんの悪事によって、善と悪、ふたつの心を持ってしまったキャラクターです。しかし、クールでかっこいい姿は今でも人気が高いです。ロールパンナの魅力を深掘りしていき、ロールパンナが今後どんな活躍をするのかを紹介します。
ロールパンナは1994年に『それいけ!アンパンマン』に初登場しました。
当時の『それいけ!アンパンマン』はメインキャラクターがアニバーサリー回に登場することが多く、妹のメロンパンナは200話に初登場し、その後ロールパンナは300回を記念して初登場。放送当時スペシャル番組が放送され、ロールパンナが初お披露目されました。
しかし、第300話『ロールパンナのひみつ』が放送される直前、ばいきんまんが突然クイズを出題。「ロールパンナは敵か?味方か?」という問題が出題され、ふたつの心の存在を印象付けたのです。
ロールパンナが初登場した回は?誕生の経緯
出典:amazonここでロールパンナが初登場した第300話『ロールパンナのひみつ』のあらすじを簡単に紹介します。
メロンパンナが偶然まごころ草というお花を見つけて、ジャムおじさんに新しい仲間を作ってもらう事となりました。その際、メロンパンナがお姉ちゃんが欲しいと頼みこんでメロンパンナのメロンジュースも入れて、ロールパンナと名付けたのです。我々の世界では、お姉ちゃんを作るというのは難しいですが、アンパンマンの世界では実現できるので、可能だったのです。
しかしその様子を覗いていたばいきんまんが、まごころ草の効果を消してしまうばいきん草のエキスをこっそりと生地の中に入れてしまいました。そして生地を焼くと釜が壊れるほどの爆発を起こし、ロールパンナが誕生。善と悪、ふたつの心を持って誕生してしまったのです。
ロールパンナはばいきんまんにそそのかされてしまい、ばいきんまんの仲間になってしまいますが、メロンパンナが懸命に止めに行き、ばいきんまんの仲間にはならずにすみ、ロールパンナは『みんなが迷惑がかかるから。』という理由で、くらやみ谷で一人で暮らすこととなります。
ロールパンナの得意技は?
ロールパンナの得意技はロールリボン。新体操のリボンを巧みに操り相手を縛ることが出来たり、劇場版『虹のピラミッド』では、アンパンマンの新しい顔を作ることも出来る万能のリボンです。
また必殺技のローリングハリケーンは、リボンから高速回転させて竜巻を発生させることが出来、アンパンマン達と協力して敵を倒すときの決め技として使用されています。
普段ロールパンナは、何をしている?
普段、ロールパンナは「ふたつの心があるから迷惑がかかる」との理由でくらやみ谷で一人暮らしをしています。
しかし妹のメロンパンナもパン工場に住んでいる描写が少なく、どこかで一人暮らしをしているようです。話の中では描かれてはいませんが、メロンパンナは時たまロールパンナと会う時間を作り、くらやみ谷やばいきんまんのいない秘密の場所で定期的に会っているようです。
お花が大好きで、時々メロンパンナと弟分のクリームパンダと一緒に花摘みをしたりしている様子があります。
悪い心が強くなると、ブラックロールパンナに変身してしまう
ロールパンナは、悪い心が強くなるとブラックロールパンナに変身してしまい、アンパンマンを倒そうとします。
これはばいきんまんに「アンパンマンはお前の敵だ!」と刷り込ませてしまい、悪い心だけで支配させようとしてしまうのです。他にもばいきんまんの仲間である、ドクターヒヤリが定期的にばいきん草のエキスを入れ込み、悪い心だけにしようとしています。
しかし、生地の中にメロンパンナのメロンジュースを入れたためか、メロンパンナの声を聞いたり、メロンジュースをかけられると良い心が強くなり、メロンパンナの助ける声が聞こえてくると、音速のように飛んでくるのが彼女の特徴です。
特にメロンジュースは、悪の心に支配されたブラックロールパンナになっている時の特効薬でもあり、すぐに元のロールパンナに戻ることが出来るのです。
ちなみにブラックロールパンナは、もともとは映画『ゆうれい船をやっつけろ!』で登場したロールパンナの姿であり、以降悪の心が強くなったロールパンナを指すようになりました。
ロールパンナはアンパンマンが嫌い?
こうしてみると、ロールパンナとアンパンマンの関係は敵対関係という感がありますが、ロールパンナ本人は本当はアンパンマンと仲良くしたいと考えています。
実際に全国にあるアンパンマンこどもミュージアムやイベントショーで、アンパンマンと仲良くしている様子が見られます。
つまりばいきんまんがちょっかいを出すことがなければ、ロールパンナはアンパンマンの事を仲間だと思っているのです。
ロールパンナ誕生はやなせたかし氏が失意のどん底で考えた?
なぜロールパンナは二重人格の性格にしたのでしょうか。
原作者のやなせたかしさんは今までのキャラクターは、ばいきんまんのような悪役が少なかったためか、ロールパンナを製作する際『ジキルとハイド』をモチーフにして、宝塚歌劇団の男役を目指しました。のちに登場するしらたまさんも宝塚歌劇団のイメージしたキャラクターがいますが、これは視聴者の方が考えたキャラクターで、やなせさんが設定し直して作られたキャラクターとなります。
また当時、やなせさんは妻の暢さんを病気で亡くし失意の底に立っており、二重人格のキャラクターを作ろうと思ったとも言われています。
生前やなせさんは人間も同じように善と悪、ふたつの心があるということをロールパンナを通して知ってもらいたかったと語っておられます。
テーマソング『ふたつの心』はロールパンナの心情を語っている
ロールパンナのテーマソングである『ふたつの心』。作詞はやなせさん、作曲はアニメソングを中心に作曲を手がけている本島一弥さんが担当されました。
Aメロは悪の心、Bメロは善の心を歌っております。また大きな特徴としてAメロの歌詞の中に『悪魔』という言葉が履いているのが入っています。やなせさんの作詞なさったキャラクターソングは、キャラクターの心情をストレートに表すのが特徴となっています。またメロディーラインもAメロはマイナー調で、Bメロはメジャーと明るくなって進行していきます。
ロールパンナが登場する話の大まかなパターン
ロールパンナが登場する話は、主に30分でのスペシャルエピソードで登場するケースがあります。
話のあらすじだてとしては、ゲストキャラクターとロールパンナが仲良くするのですが、ばいきんまんにそそのかされてブラックロールパンナにさせられてしまい、アンパンマンやゲストキャラクターを倒そうとするパターンが多いです。メロンパンナやゲストキャラクターがロールパンナを止めて良い心を取り戻し、ばいきんまんや悪の根源を倒し、また迷惑がかかるという理由でくらやみ谷に戻ってしまうというのが主なパターンです。
しかし近年では、悪い心が発動することはなく、ふたつの心のバランスをとりながら、ゲストキャラクターやアンパンマン達、そして妹のメロンパンナと仲良して話を進めるという展開もあります。
ロールパンナはグッズ2次創作としての人気が高い
出典:amazonロールパンナはグッズとしての人気が高く妹のメロンパンナと一緒にデザインされたアパレル商品や、やおもちゃにぬいぐるみなど、グッズとしての評価が高いのが特徴です。
また全国にあるアンパンマンこどもミュージアムでは、ほぼ毎日登場しており、子供達からも人気があります。
大人のファンは2次創作として、ファンイラストを描きかっこいい姿可愛い姿を描いて、SNSで拡散していることもあります。特にアンパンマンと共闘する姿を描いた『アンロール』という非公式カップリングタグがあり、アンパンマンとロールパンナ、いつか仲良しになって欲しいという声も出ています。
ロールパンナを務める声優さんは、ドキンちゃんの声も担当
ロールパンナの声を務めている冨永みーなさんは、現在ドキンちゃんの声優も担当しています。これは先代の鶴ひろみさんが病気で他界されたため、2代目として冨永さんが担当されるようになったためです。
鶴さんが他界される以前、冨永さんはロールパンナ以外にも、レアチーズちゃんやしろかぶくん等様々なキャラクターの声を当てられていました。現在は冨永さんが担当したキャラクターを違う声優の方に代え、ドキンちゃんの声をメインとし、ドキンちゃんとロールパンナの二役を担当しています。
鶴さんが演じていた頃、ドキンちゃんとロールパンナちゃんが共演するというパターンはありましたが、2019年現在ロールパンナが登場する話には、ドキンちゃんは出てこないという噂があります。しかしながら着ぐるみショーで共演するという事や、他の声優さんが別のキャラクターを演じる場面があるので、このケースは今後少なくなる可能性があります。
冨永さんは、ロールパンナとドキンちゃん以外にも、サザエさんのフグ田カツオ役、またテレビ東京系列で放送されている『開運!なんでも鑑定団』等バラエティ番組のナレーターを担当されています。
登場頻度が少ないからこそ人気がある?
ロールパンナが初めてテレビでお披露目された時、彼女は数多くのエピソードに登場していました。これは、妹のメロンパンナや弟分のクリームパンダとほぼ同じ回数です。
しかし、ふたつの心を持つという性格のためか、近年はアンパンマンのエピソードに出ることが少ないのです。しかしその登場頻度が少なさという理由がミステリアスな雰囲気を出しているという理由からロールパンナが好きというファンの意見も出ています。
彼女はミステリアスでふたつの心を持ちながらも、一生懸命になって生きているところが人気が高いのでしょう。
一緒にいなくても心は一緒にいられる、ロールパンナの名言
ふたつの心を持つからこそ、ロールパンナには多くの名言が出てきます。
『夢猫の国のニャニィ』にてニャニィを猫の世界へ帰すときにメロンパンナに対しての言葉。
「一緒にいなくても心は一緒にいられる。私もメロンパンナと離れていても、心にいるからさみしくない。」
ロールパンナはひとりぼっちでいても、メロンパンナの事をずっと思っているため、さみしくなんかはないようです。さらに続く言葉として「この世に生まれてくるものは、みんな何かの役目を持っている。」とメロンパンナに言います。
ふたつの心を持ちながらも、自分たちに何かの役に立つことができることがあるのかもしれない。それが、ふたつの心に持つロールパンナだからこその名言なのです。
続いて『ロールとローラうきぐも嬢のひみつ』からのロールパンナの名言を紹介します。
「いつか、きっといつか、一緒に暮らせる・・・」
メロンパンナと一緒に暮らせる日が必ずやってくると信じているロールパンナ。誰よりも妹の事を大事にしているからの名言です。
妹のメロンパンナや弟のクリームパンダを大事に思っているからこそ、こうした発言が出来るロールパンナ。きっと彼女はさみしくなんかなく、どこかしらでメロンパンナやクリームパンダを始めとした仲間を大切にしているのでしょう。
アンパンマンは私の敵だ!本当にそうなの?
これはブラックロールパンナになった時に発した言葉です。
メロンパンナのことを常に思っているロールパンナ。では、アンパンマンの場合はどうなのでしょうか。ばいきんまんにアンパンマンは敵とみなされてしまい、ブラックロールパンナに変身してしまうきっかけを作ってしまう。ロールパンナ自身は「アンパンマンは仲間だけど悪いハートが邪魔をしてアンパンマンを倒したくなってしまう。」と考えているのでしょう。
『虹のピラミッド』でもこんなセリフがありました。虹の星ですなおとこの野望でメロンパンナ達を含むパン戦士全員がピラミッドにされてしまい、カレーパンマン達にアンパンマンを助けて欲しいと願いうつも、ブラックロールパンナに変身してしまい「断る!アンパンマンは、私の敵だ!」と言ってしまいます。
ただ本人はこんなことは言いたくはなかったのでしょう。メロンパンナ達がピンチになっているのに、どうしてアンパンマン達を助けることが出来ないのだろうかと。結局、メロンパンナの説得によってアンパンマンを助けることは出来ました。
ふたつの心のせいか、自分がアンパンマンかばいきんまんのどっちの味方につけたらいいのかわからないロールパンナ。しかし、どこかで善と悪を理解してくれるキャラクターは存在します。今後、新しいキャラクターがロールパンナの事を何よりも理解してくれる人が出てきたら、彼女も安堵するかもしれません。
リボンを繰り出すかっこいい掛け声!
これは名言ではないのですが、ロールリボンを使うロールパンナの掛け声がとてもかっこいいという声も上がっています。
ロールパンナの得意技であるロールリボンを使って『ロ~ララララァァ!』という巻き舌を使っての掛け声です。アンパンマン達はパンチやキックを使って、ばいきんまんや強大な敵と戦いますが、ロールパンナはパン戦士の中で唯一武器であるロールリボンを持っています。
武器を使うことによって技の名前も言いやすくなり、またリボンという新体操をモチーフにした道具がとても万能であるということもあり、彼女が素晴らしい技を披露してくれるというのにも印象付けられます。
クールだけど優しいロールパンナを応援しよう!
出典:amazon子供だけでなく大人のアンパンマンファンからも人気が高い、ふたつの心を持ち葛藤をし続けているロールパンナ。
今後、ロールパンナがふたつの心に打ち勝つことが出来るのかはわからないですし、ロールパンナなりに解決方法を模索しているところなので、ロールパンナが活躍するお話を見て応援し、そっと見守ってあげることにしましょう。
また良い心のロールパンナが好きなのか、悪い心のブラックロールパンナが好きなのかは皆さんで判断していただきたいです。アンパンマンの世界には様々なキャラクターが存在して、善のキャラクター、悪のキャラクターそれぞれに魅力があります。私たちも持っている善悪両方の心と重ね合わせて、ロールパンナをこれからも応援しましょう。そうすればきっとロールパンナの良い心が大きくなるはずです。
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