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2019/02/28
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斬新!沈黙の艦隊が提起する新しい安全保障と保険

かわぐちかいじにより描かれた、原子力潜水艦をモチーフにしたSF作品である沈黙の艦隊。斬新な国家の安全保障など、社会システムのあり方が提起されています。沈黙の艦隊のあらすじから、安全保障に関する考察まで、ネットやメディアで話題になった種々の事柄について紹介します。

目次

沈黙の艦隊とは

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沈黙の艦隊は、かわぐちかいじにより描かれた原子力潜水艦をモチーフにしたSF作品です。これまで2400万部以上の発行部数を誇っています。

核戦争や冷戦などの国際政治に関する問題をリアルに描写し、漫画界だけでなく多方面から注目を集めました。

とりわけ沈黙の艦隊で提起された国家の安全保障については、多くの議論を呼ぶことになりました。

沈黙の艦隊のあらすじから、安全保障に関する考察まで、ネットやメディアで話題になった種々の事柄について紹介します。

沈黙の艦隊のあらすじ

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アメリカと日本で極秘に共同開発した原子力潜水艦「シーバット」が、テスト航行中に行方不明になります。

そして、艦長である海江田四郎から「独立国家やまと」の樹立が宣言されます。たかだか一隻の原子力潜水艦が国家を名乗ることに、各国から大きな反論や、早急な事態収拾が求められました。

アメリカは海江田を核テロリストとみなし、あらゆる手段をもって撃沈を試みますが、海江田たちの天才的な操艦技術により、あらゆる作戦が不発に終わります。そんな「やまと」の圧倒的な軍事力を目の当たりにし、核の抑止力を持たない国家から核の傘として「やまと」を利用するために、国家として認める動きが強まります。

やまとが提唱する国際連合直轄の常設軍の設置に示されるような「政軍分離」に賛同する声が聞こえるようになります。最終的に、国連総会に出席すべく、その存在を最後まで否定し続けたアメリカ本土に上陸します。

しかし、海江田は国連総会での演説中にテロリストの凶弾に合い脳死の状態に陥ります。ただ、銃弾に遇った直後も演説を続けたことや、脳死に至った後もその強い心拍から各国の首脳に訴えかけます。

やまとは二ューヨーク沖で沈没しますが、乗組員は各国の原潜に収用され皆無事で、やまとの意思は各国の原潜乗組員の心に響いたのでした。

独立せよという海江田の強いメッセージは、やまと一隻ではなく沈黙の艦隊を形成しうるだけの時代の流れを巻き起こしつつあるのでした。

政軍分離の構想

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政治から軍事力を切り離す、つまり国連直轄の超国家的な常設軍を構築するという発想が海江田を通して提起されます。

作中では、この政軍分離について各国の立場が描かれています。まず、日本については自衛隊の指揮権を国連に委任しようとした描写があります。

また、アメリカは同様の構想を持ちつつも、やまとではなくアメリカ主導での実現を望みます。

やまと保険

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本作品で描かれたもうひとつの斬新な構想と言われているのが「やまと保険」です。

やまとを存続させたい日本は、莫大な保険をやまとにかけます。受取人は各国政府で、やまとが存続する限り配当を受けとります。有事の際には、国際連合が保険の受取人になります。作中ではイギリスの大手保険会社であるライズにより運営されることとなりました。

これにより、平和により利益が産まれるような産業構造をもたらすことを狙ったのでした。条約や軍事バランスという均衡により保たれる平和ではなく、平和により利益が産まれる仕組み作りという問題提起は、作中だけでなくメディアにおいても大きな話題になりました。

このアイデアの新規性は、その軍事力で安全が担保される国に保険金を払う義務を追わせ、配当をその他の国が受けとる点にあります。

言い換えれば、他国の軍事力強化が自国の利益になるため、経済的に軍縮した方が利益になる社会システムの構築が可能になります。このような斬新な発想が提起された沈黙の艦隊は、色褪せることのない作品であると言えます。

参考元

  • ・沈黙の艦隊講談社

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